レビュー
AI任せで動画と同時に楽ちんな静止画撮影を実現。処理性能も最速クラス

好調AQUOSシリーズの新しい旗艦モデル「AQUOS R2」をレビュー!

2018年6月8日に、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3社から「AQUOS R2」(シャープ製)が発売された。快進撃が伝えられるAQUOSシリーズの新しいフラッグシップモデルで、流行のデュアルカメラや、ノッチ(切り欠き)付きの縦長IGZO液晶を備えたシャープの意欲作だ。そのNTTドコモ版「SH-03K」のレビューをお届けしよう。

画面サイズ(解像度):約6.0インチ(1440×3040、フリーフォームIGZO液晶)
サイズ(幅×高さ×厚さ):約74×156×9.0mm
重量:約181g
防水/防塵:○(IPX5/8)/○(IP6X)
CPU:Snapdragon 845(2.6GHz×4+1.7GHz×4)
RAM容量:4GB
ストレージ容量:64GB
増設用メモリーカードスロット:microSDXC(最大400GBまで対応)
OS:Android 8.0
Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac
NFC:搭載
FeliCa:搭載
ワンセグ/フルセグチューナー:搭載/搭載
メインカメラ:約2260万画(静止画用)素×1、約1630万画素(動画用)×1
フロントカメラ:約1630万画素
バッテリー容量:3130mAh
電池持ち時間:約105時間(SH-03Kの値)
USBポート:USB Type-C

ボディサイズは「AQUOS R」からほぼ据え置き。縦長ディスプレイの採用で画面のみの大型化を実現

シャープの「AQUOS R2」の大きな特徴のひとつがディスプレイだ。1440×3040のWQHD+表示に対応した約6.0インチの縦長フリーフォームIGZO液晶を採用し、前モデル「AQUOS R」に比べて、サイズ・解像度とも1割以上アップしている。これに対して、ボディサイズは、約74(幅)×156(高さ)×9.0(厚さ)mm、重量約181gとなっており、AQUOS Rと比較すると重量は約12g増えたもののサイズはほとんど変わっていない。

鏡面処理の施されたメタルフレームに、背面の3Dガラスを組み合わせた本機のボディは、前モデルAQUOS Rのイメージや高級感を受け継ぎつつ、縦長のフリーフォームディスプレイという新しい要素を取り入れた。なお、ディスプレイのノッチ(切り欠き)部分にはフロントカメラが収まっている。このノッチ部分の表示は、アプリごとに設定できるのだが、一部のアプリではまだうまく切り替えができない場合もあった。なお、現在開発中の次世代OS「Android P」ではノッチをOSレベルでサポートする予定なので、使い勝手は今後向上するだろう。

化粧箱も豪華になり、イイモノ感を演出するのに効いている

化粧箱も豪華になり、イイモノ感を演出するのに効いている

SIMカードとmicroSDメモリーカードを装着した状態で、計測した重量はカタログスペック値通りの181g

SIMカードとmicroSDメモリーカードを装着した状態で、計測した重量はカタログスペック値通りの181g

3Dガラスが採用された背面。ガラス特有のなめらかな感触が高級感を演出している

3Dガラスが採用された背面。ガラス特有のなめらかな感触が高級感を演出している

なお、本機に搭載されるIGZO液晶は、リフレッシュレート100HzのハイスピードIGZO液晶だ。AQUOS Rのリフレッシュレートが120Hzなので、一見スペックダウンしているように見えるが、液晶の応答速度を25%高めているので、結果として動作のなめらかさは向上している。もちろん、動画再生時のキレもいい。また、「Dolby Vision」に対応しており「Amazon」や「Netflix」などが配信している対応動画コンテンツを、コントラスト比の高い鮮明な映像で再現可能だ。

従来モデルより1割以上アップしたWQHD+表示に対応、緻密な表示は継承されている

従来モデルより1割以上アップしたWQHD+表示に対応、緻密な表示は継承されている

「Dolby Vision」に対応したコンテンツなら高コントラスト比で鮮明な映像を再現できる。前モデルに引き続きHDRにも対応している

ディスプレイ上部のノッチ。半円状に切り抜かれた部分にフロントカメラが収まる

ディスプレイ上部のノッチ。半円状に切り抜かれた部分にフロントカメラが収まる

上面に備わるヘッドホン端子。最近は非搭載の製品も少なくないが、アダプター不要で手持ちのヘッドホン・イヤホンを使えるのは便利

指紋センサーはボディ面面下に配置される。なお、ホームボタンは兼ねていない

指紋センサーはボディ面面下に配置される。なお、設定を切り替えればホームボタンと兼用が可能

処理性能を見てみよう。本機のSoCは、競合するサムスン「Galaxy S9」シリーズやソニー「Xperia XZ2」シリーズと同じ「Snapdragon 845(2.6GHz×4+1.7GHz×4)」で、4GBのRAM(LPDDR4X)と64GBのストレージ、400GBまで動作確認の取れたmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせる。OSはAndroid 8.0で、発売後2年間にわたって2回のバージョンアップが保証されている。

ただし、本機のSoCの動作クロックは、同じSoCを採用する「Xperia XZ2」や「Galaxy S9」の2.8GHz×4+1.8GHz×4(Galaxy S9は1.7GHz)よりも、上限値が抑えられている。定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク (Ver.7.08)」を使い、実際の処理速度を計測したところ、総合スコアは259,644(CPU:87,253、GPU:106,271、UX:57,321、MEM:8799)となった。このスコアは、先日発売された「Xperia XZ2」のスコア254,331(CPU:85036、GPU:106,108、UX:53,912、MEM:9,275)や、「Galaxy S9」の262,579(CPU:88,645、GPU:106,295、UX:59,156、MEM:8,483)と比較してもそん色ないどころか、Xperia XZ2を上回った。サブスコアを見ると、動作クロックの違いの分だけCPUのスコアは確かに少し低くなったものの、そのほかのスコアでまんべんなくフォローしたような形になっている。

なお、画面のスクロール速度や操作の追従性といった体感速度で見る限り、ハイスピードIGZO液晶を備えた本機のほうが快適にさえ感じられた。また、CPUやGPUに高い処理性能を要求するゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ シアターデイズ」をプレイしてみたところ、この3モデルの間に動作クロックの分の違いを感じ取ることはできなかった。

左から、AQUOS R2、Xperia XZ2、Galaxy S9のAnTuTuベンチマークのスコア。同じSoCでも動作クロックはそれぞれ少しずつ異なるが、総スコアはほとんど同レベルとなった

静止画と動画で独立したユニークなデュアルカメラ。AI制御の自動シャッターが想像以上に便利!

本機のもうひとつの大きな特徴はカメラ性能だ。本機のメインカメラは、約2,260万画素の静止画専用カメラと、1,630万画素の動画専用「ドラマティックワイドカメラ」というデュアル構成だ。動画と静止画という機能別にカメラを独立させることで、それぞれに最適の光学設計を施すことができるのが大きなメリット。また、動画を撮影中に、フル解像度の静止画撮影が行える。実際にその機能を使ってみたが、画質もさることながら、動画撮影中の静止画撮影をAIが自動で行ってくれる新機能が想像以上に便利で新鮮だった。動画と静止画撮影を同時に撮るのはなかなか骨が折れるが、本機なら動画撮影に専念しつつ、静止画も自動でキレイに撮れてしまう。

なお、静止画の夜景撮影では、シャッターを押してから撮影されるまでのタイムラグが比較的長く感じられた。本機の夜景撮影では、シャッターを押してからも数秒はそのままホールドし続けるほうがよさそうだ。

メインカメラはボディから1mmほど盛り上がっている。上が動画用のドラマティックワイドカメラ、下が静止画用のカメラだ

以下に作例をいくつか取り上げよう。なお設定は特に断りのない場合、カメラ任せの「AIオート」を使っている

昼間の日本庭園を撮影。薄曇りだったせいもあるが、鮮やかさよりも目にやさしい穏やかな発色傾向だ

昼間の日本庭園を撮影。薄曇りだったせいもあるが、鮮やかさよりも目にやさしい穏やかな発色傾向だ

上野の西郷隆盛像。木陰と空の明暗差が激しい構図となったが、空の大部分が白飛びしていた

上野の西郷隆盛像。木陰と空の明暗差が激しい構図となったが、空の大部分が白飛びしていた

JR東京駅丸の内側の夜景を撮影。手持ち撮影だが、手ぶれは現れていない

JR東京駅丸の内側の夜景を撮影。手持ち撮影だが、手ぶれは現れていない

手すりを支えにして撮影した。これくらいの光量の構図なら明るさも十分だし、暗部のノイズも前モデルのAQUOS Rよりかなり抑えられている

かなり薄暗い屋上庭園の芝生。こちらも手すりを三脚代わりにした。これだけ光量の限られた構図だと、さすがに芝生の質感を再現するのは厳しかったようだ

「背景ぼかし」モードで撮影。構図の中央にピントを合わせ、その周辺を円で囲むようにボケが広がった

「背景ぼかし」モードで撮影。構図の中央にピントを合わせ、その周辺を円で囲むようにボケが広がった

構図をガイドする「フレーミングアドバイザー」も引き続き搭載。14種類のガイドが収録されている

構図をガイドする「フレーミングアドバイザー」も引き続き搭載。14種類のガイドが収録されている

静止画と動画の同時撮影の様子。AIが撮影した静止画は画面上部にサムネイルで表示される。なお、右下のシャッターボタンで手動撮影ももちろん可能

意外と利用シーンが多いDolby Atmos

AQUOSシリーズは、オーディオビジュアルの印象がこれまで薄かったが、昨年のAQUOS Rから風向きが変わっている。このAQUOS R2では、「Dolby Atmos」(ドルビー・アトモス)に対応するほか、ハイレゾ音源再生でも、従来のWAVとFLACに加えて、 DSFおよびDSDIFF形式のDSD音源に対応した。AQUOS R2のDolby Atmosは、ヘッドホン端子出力のみの対応となるが、YouTubeやNetflixではDolby Atmosなどで配信されている対応コンテンツを再生すると、イヤホン・ヘッドホンでもサラウンド感のあるサウンドを体験できる。また、非対応のコンテンツであっても、通常のサウンドエンハンサーのようにサウンドエフェクトがかかるので活用シーンは多い。プリセットされた設定を選ぶだけでもかなり劇的に音質が向上するし、イコライザーを使えば好みの音質に追い込んでいくこともできる。また、HDRコンテンツの規格である「Dolby Vision」にも対応しており、対応コンテンツならより美しく表示できる。なお、Dolby Visionに対応するコンテンツは、シャープのスマホアプリ「COCORO VISION」を通じて配信される予定だ。

Dolby Atmosは、非対応コンテンツのサウンドにもエフェクトをかけることができる。設定画面は通知メニューから簡単に行える

バッテリーの消費ペースは、最近のハイエンド機としては速め

AQUOS R2は、容量3,130mAhのバッテリーを搭載しており、実際の利用パターンに近い条件で計測したスマートフォンの電池持ちの指標である「電池持ち時間」を見ると、NTTドコモ版「SH-03K」が約105時間、au版「SHV42」が約90時間となっている。この値は前モデル「AQUOS R」の約120時間(NTTドコモ版)、約95時間(au版)と比べてもやや下がっており、競合モデルとなるソニー「Xperia XZ2」の約125時間、やサムスン「Galaxy S9」の約115時間と比較しても短めだ(いずれもNTTドコモ版)。価格.comに寄せられるユーザーレビューを見ても、バッテリーの項目は3.59(2018年6月13日時点。カテゴリー平均は4.0)で評価は今ひとつ高くない。

検証機の実際のバッテリー消費だが、7日間の検証期間中、充電を行ったのは7回。平均すれば1日1回のペースだが、待ち受け主体の場合でもフル充電から約36時間、カメラ撮影やアプリのアップデートを行った場合では、約12時間でバッテリー充電が必要だった。また、SNSやWebページの閲覧をメインで断続的に約1時間利用した際に、20%前後のペースでバッテリーを消費するなど、本機は、バッテリーの消費ペースはかなり速いようだ。この点、「3日バッテリーが持つ」と言われていた過去のAQUOSシリーズのイメージとはかなり印象が異なっている。

直近5日間のバッテリー残量の推移。途中継ぎ足し充電を行ったが、5回の充電を行ったので、平均して24時間で1回の充電ペースとなっている

上記と同じ5日間における温度の推移グラフ。3D描画を使ったゲームを30分ほど続けてプレイした際に、最高となる44℃を記録。最近のスマホとしてはかなり高い部類と言ってよい

なお、本機には節電機能として「長エネスイッチ」が備わる。これを使うとCPUの動作やハイスピードIGZO液晶の動作が制限され、体感速度は明白に低下するものの、電池の消費ペースをいくらかゆるやかにできる

今期のハイエンド機の中でもキャラクターがはっきりした1台

AQUOS R2は、シリーズの旗艦モデルとして、ノッチ付きの縦長ディスプレイや、デュアルカメラを採用し、流行の技術をフォローしつつ、体感速度、処理性能、オーディオビジュアルなどの機能性を追求した製品だ。そのかわり、以前のAQUOSシリーズの特徴だったバッテリー持ちについては、ある程度割り切ったとも言える。

ライバルは言うまでもなく、SoCに本機と同じSnapdragon 845を搭載するソニー「Xperia XZ2」やサムスン「Galaxy S9」、発表が予告されている「HTC U12+」、そして、処理性能では一段劣るもののトリプルカメラを備えるファーウェイの注目モデル「P20 Pro」および「Mate 10 Pro」あたりになるだろう。それらと比較すると、ハイスピードIGZO液晶の影響もあって、画面表示やタッチ操作の体感速度では本機に優位性がある。そのいっぽうで、カメラの応答速度や高感度撮影ではまだライバルに見劣りする面があるのも確か。従来機に比べて、格段に進化しているのは確かだが、欠点がないでもない。このキャラクターの強さを受け入れられるのであれば、AQUOS R2はなかなか面白いチョイスになりそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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