レビュー
iPhone専用グッズ「USAMS 360°カメラ」

手軽に360°写真を撮影できるスマホ用レンズが楽しい!


最近のスマートフォン(スマホ)には、広角レンズを搭載した機種が増えてきました。筆者がプライベートで愛用しているASUSの「ZenFone 5(ZE620KL)」も、通常画角のカメラと広角レンズカメラのデュアル仕様。広角レンズカメラでは120°の広範囲を手軽に撮影できるので、美しい景色に出会ったりしたときや、イベントの雰囲気を残したかったりするとき、積極的にカメラを切り替えて撮影しています。

とはいえ、広角レンズカメラにも限界があります。当たり前のことですが、カメラを向けている方向しか撮影できないのです。最近ではリコーの「THETA」シリーズのように、自分の周囲360°の様子をすべて撮影できる全天球カメラも定着してきましたが、筆者は残念ながらTHETAを持っていません。写真を撮っていると、「この景色をスマホでもまるごと撮影できたらいいのに」と思うことがしばしばありました。

360°写真を撮るための後付けレンズを買ってみた!

そこで着目したのが、スマホで360°写真を撮影するためのグッズです。スマホなら撮った写真をSNSですぐにシェアできますし、専用のカメラを持ち歩く必要もありません。画質や仕上がりはTHETAのような専用機には劣るかもしれませんが、手軽さと引き換えなら納得できるかもしれない……そんなことを思いつつ実際に購入してみたのが、こちらのiPhoneシリーズ専用グッズ「USAMS 360°カメラ」です。

「USAMS 360°カメラ」の内容物は、2つの魚眼レンズと、レンズをiPhoneに装着するためのクリップと呼ばれるパーツの3点のみ

「USAMS 360°カメラ」は、視野角200度の魚眼レンズを前後に2つ備えた製品です。iPhoneに装着するためのクリップには、iPhoneのアウトカメラとインカメラの位置に合わせて穴が開けられています。ここに魚眼レンズの位置を合わせ、専用アプリで撮影した前後2枚の写真を合成処理することで、iPhoneでも360°写真の撮影を可能にする……という、力技が光るグッズです。

クリップの前後に魚眼レンズを取り付ければ組み立て完了です

クリップの前後に魚眼レンズを取り付ければ組み立て完了です

なお、iPhoneではモデルによってカメラの位置が異なります。「USAMS 360°カメラ」ではクリップの形状が異なる各モデルの専用品がラインアップされているので、購入時には自分のiPhoneに適したものを選ぶようにしましょう。

筆者のiPhone 6sに装着したところ。上からかぶせるだけなので簡単です。なお、写真のように置くと下になった魚眼レンズが傷付くおそれがあるので、決して真似はしないで下さい

360°写真の撮影には「PanoClip」というアプリを使います。同梱(どうこん)の取扱説明書に印刷されているQRコードを読み取るか、App Storeで検索してインストールします。

また、PanoClipで「USAMS 360°カメラ」を使うには、もう1つのQRコードを読み取って、ロックを解除しなければなりません。アプリを削除してしまったり、何らかの理由でiPhoneを初期化したりすると、再度ロックを解除する必要があるので、取扱説明書は大切に保管しておきましょう。

同梱の取扱説明書は英語と中国語の表記のみ。アプリのダウンロードリンクとなる上のQRコードとは別に、カギのマークが印字された下のQRコードがないとロックを解除できないので、捨てないようにしましょう

撮影した写真はある意味で予想通りの仕上がりに

さっそく「USAMS 360°カメラ」で写真を撮影してみましょう。アプリを起動して「写真」タブを選び、右下のカメラアイコンをタップするとカメラが起動します。

「写真」タブの右下にあるカメラアイコン(赤く囲んだ部分)をタップすると、カメラが起動します

「写真」タブの右下にあるカメラアイコン(赤く囲んだ部分)をタップすると、カメラが起動します

撮影時のインターフェイスはiPhone標準のカメラに似ています。ひとまず普通に自分撮りをするつもりでiPhoneを構えて、シャッターを切ってみました。

撮影時の画面。画面下部中央のシャッターをタップするか、音量ボタンを押すと撮影されます。HDR撮影やセルフタイマーなどの機能も備わっています

撮影後は左上の矢印をタップしてアルバムに戻り、写真の処理が終わるまでしばらく待ちます。1分ほどしてから写真を開いてみると、自分側と向かい側の景色が1つに合成された360°画像ができあがっていました。

実際に撮影した360°写真。ここでは自撮り棒を使っていますが、手で持って撮ることも可能です

実際に撮影した360°写真。ここでは自撮り棒を使っていますが、手で持って撮ることも可能です

「こんなに手軽に撮れるとは!」と感動したものの、何度か撮影しているうちに、自分が写っている周辺だけが明るいところが気になりました。

原因は、性質が異なるインカメラとアウトカメラそれぞれで撮った写真を、1つに合成しているためでしょう。画素数やレンズが違うカメラで撮影した写真をつなげているので、境界が目立ってしまうのです。逆光にならないように気を付けて何度か撮影してみましたが、やはり境界が目立ちます。

「用途の異なるカメラで撮った写真が、うまく合成できるのかな?」と気になっていましたが、やはり条件によっては難しいようです。

自分側半分が明るくなってしまった例。空が白飛びしているインカメラ側と、地上が暗くなってしまったアウトカメラ側の境界がくっきりしています

特に、筆者は旧モデルの「iPhone 6s」を使っているので、カメラの差が顕著に表れてしまったものと思われます。インカメラの性能も向上している「iPhone X」「同 8」といった比較的新しいモデルなら、ここまでは目立たないのかもしれません。

カメラの境界が気にならないアングルを探ってみる

何度も撮影しながら悩むことを繰り返しているうちに、ふと「境界があっても目立たなくすればいいのではないか」と思い付きました。カメラの境界を、自然のなかにある境界……地平線と重なるようにしてみたらどうだろう?

さっそく、iPhoneの画面側が下になるように構えて撮影してみたところ、インカメラとアウトカメラの境界が地平線と重なったことで、空や地面には違和感がない写真を撮ることができました。前後の半球ずつ仕上がりが変わってしまうより、ずっとよい雰囲気です。

インカメラが下に、アウトカメラが上になるようにして撮った写真。境界線が地平線と重なっているので、空や地上が分断されることはなくなりました

ただしこの方法だと、iPhoneを手で持って撮影すると腕が見切れてしまいます。iPhoneを自撮り棒に取り付けて、自分から少し離して撮影することで、腕が見切れることなく撮れました。

インカメラとアウトカメラの位置がiPhoneの中心から左右にずれているため、iPhoneを手で持ちながら水平に構えて撮ると、このように腕が見切れてしまいます

さらに、iPhoneの取り付け角度を180°反転させて、アウトカメラで地上を、インカメラで空を撮ってみました。iPhone 6sのインカメラでは地上のディテールがつぶれてしまいがちでしたが、アウトカメラを向けることで、細かな部分まで見分けられるようになりました。

インカメラが上に、アウトカメラが下になるようにして撮った写真。イベントで集まったタープの1つひとつがくっきり撮れています

地平線の上下で画質や仕上がりに差が生じてしまいますが、360°画像としての印象は、縦に構えて撮影した場合よりもずっとよくなりました。また、アウトカメラのほうが比較的きれいに撮れることを生かして、空を綺麗に撮りたければアウトカメラを上に、地上の様子を優先したければ下に向けて撮るといった活用もできそうです。

写真は3通りの方法で保存できる

PanoClipでは、「USAMS 360°カメラ」で撮影した360°画像を3つの方法で「写真」アプリに保存できます。

1つ目は「360°写真」です。これは撮影した360°画像を長方形に広げて保存したもので、「メルカトル図法」で作成した世界地図のように上下の歪みは大きくなるものの、全体を一目で眺められるのが特徴です。

iPhoneの写真アプリでは1枚の画像として扱われますが、「Googleフォト」では360°画像として認識されるので、ストリートビューで周囲を見回すように表示範囲をドラッグして調整することが可能です。

「360°写真」では、本製品で撮影した360°写真のデータを1枚の写真として保存できます

「360°写真」では、本製品で撮影した360°写真のデータを1枚の写真として保存できます

実際に保存した写真。メルカトル図法の地図のように、上下にいくほど歪みが大きくなっています

実際に保存した写真。メルカトル図法の地図のように、上下にいくほど歪みが大きくなっています

上の画像をAndroidスマホに送り、「Googleフォト」で開いたところ。360°全域を記録した画像として認識されるので、ストリートビューのようにスマホの向きを変えて眺めることが可能です

2つ目は「回転ビュー」です。360°画像を見渡しているような動画を保存できる方法で、10通りのエフェクトから好きなものを選べます。動画の縦横比は「1:1」「4:3」「16:9」から選択可能で、16:9では縦長か横長かを選ぶこともできます。

「回転ビュー」では360°写真を眺め渡しているような動画を保存できます

「回転ビュー」では360°写真を眺め渡しているような動画を保存できます

実際に保存した動画。10秒間で周囲を眺め、最後に地上側が中心に凝縮されて終了します

3つ目の「スクリーンショット」は、2つ目の「回転ビュー」のワンシーンを静止画として取り出すような方法です。写真の縦横比も回転ビューと同じ「1:1」「4:3」「16:9」から選べます。

保存前のプレビュー画像をドラッグして、上になる方角を調整したり、地平線の位置を変えたりすることができます。SNSなどでほかの人とシェアするのであれば、1つ目の「360°写真」よりもこちらの方法を選ぶのがいいでしょう。

「スクリーンショット」では、360°写真のなかから好きなアングルを保存できます。左右の向きだけでなく、上下の角度を調整することも可能です

実際に保存した写真。1つの魚眼レンズで撮ったような写真になるので、左奥のクレーンが曲がって見えるように少しゆがみが生じます

iPhoneに取り付けるだけの手軽さが魅力!

いままでは、目の前に広がる景色を撮影しても、1枚の平面的な写真でしか保存できませんでした。最近のスマホにはパノラマ撮影機能も備わっていますが、スマホをゆっくり水平に動かしていくのがなかなか難しく、仕上がった画像も意外と普通に撮った写真のように見えてしまうので(それはそれでよくできていると思いますが)、筆者はあまり活用できていませんでした。

ところが、「USAMS 360°カメラ」はiPhoneに取り付けるだけで360°写真が手軽に撮れてしまうので、ついついあちこちで写真を撮りたくなってしまいます。プライベートではほとんど撮ったことがなかった自分撮りですが、景色といっしょに撮った写真をグリグリ動かして眺めることで、「あのとき自分はここにいたんだ!」という思い出にひたりやすいのではないかと感じました。

iPhoneのインカメラおよびアウトカメラという異なるカメラを使って画像を合成する都合上、360°写真を半分に分割する境界ができてしまいますが、iPhoneを水平に構えて撮るなど工夫すれば、違和感も抑えられます。

また、専用アプリのPanoClipでは、iPhone上で360°写真を表示するだけでなく、LINEやSNSでもシェアしやすいように3種類の方法で写真を保存できるのも嬉しいポイントです。

なお、本製品にはキャリングポーチのような持ち運ぶための付属品はありません。そのままバッグなどに入れるとレンズが傷ついてしまいますので、本製品のみ、あるいは装着したiPhone全体を収納できるグッズを別途用意するといいでしょう。

筆者は折りたたみ式Bluetoothキーボードのポーチを本製品の持ち運びに転用しています

筆者は折りたたみ式Bluetoothキーボードのポーチを本製品の持ち運びに転用しています

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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