レビュー

3万円台前半で買える6.2インチの大画面スマホ、OPPO「AX7」レビュー

OPPOのスマートフォン「AX7」は、約6.2インチの大画面を備えつつ、価格.comの最安価格で(2018年12月28日時点で)31,976円という手ごろな価格が魅力。SIMフリースマホではライバルも多い価格帯の製品だが、どんな特徴があるのかレビューした。

画面サイズ(解像度):約6.2型(720×1520)
サイズ(幅×高さ×厚さ):約75.4×155.9×8.1mm
重量:約168g
防水/防塵:−/−
CPU:Snapdragon 450(1.8GHz×8)
RAM容量:4GB
ストレージ容量:64GB
増設用メモリーカードスロット:microSDXC(256GBまで対応)
OS:Android 8.1(Color OS 5.2)
SIMカードスロット:nanoSIM×2(DSDV対応。VoLTEはワイモバイルとauで動作確認済み。メモリーカードスロットと別に用意)
LTE対応バンド:B1/2/3/4/5/7/8/18/19/20/26/28/38/39/40/41
Wi-Fi:IEEE802.11b/g/n(2.4GHz帯)
NFC:非搭載
FeliCa:非搭載
フルセグチューナー/ワンセグチューナー:非搭載/非搭載
指紋認証センサー:搭載
メインカメラ:約1300万画素+約200万画素
フロントカメラ:約1600万画素
バッテリー容量:4230mAh
フルセグチューナー/ワンセグチューナー:非搭載/非搭載
USB:micro USB

3万円前半で買えるエントリーモデルとしては珍しい約6.2インチの大画面

OPPOの製品ラインアップではエントリー向けとなる「AX7」は、720×1520表示に対応する約6.2インチのノッチ付き液晶ディスプレイを備える大型スマホだ。ボディサイズは約75.4(幅)×155.9(高さ)×8.1(厚さ)mmで、重量は約168g。本機のような実勢価格3万円前後で、画面サイズが6インチを超えるスマートフォンは、同じOPPOから8月に登場した「R15 Neo」(約6.2インチ)や、ASUS「ZenFone Max Pro (M1)」(約6.0インチ)などがあるが、これらと並ぶ、屈指の大画面スマホとなる。

本機のボディは、OPPOのスマホに共通する広く薄いフォルムと、複雑な反射を見せる背面デザインが特徴だ。リアのカメラおよび指紋認証センサーを縁取る金色のモールがアクセントになっていて高級感も感じる。カラーバリエーションは、ブルーとゴールドの2色を用意。ボディは防水・防塵・耐衝撃仕様ではないが、樹脂製のカバーが同梱されている。

複雑な反射を見せる背面のデザイン。カメラや指紋認証センサーを縁取る金色のモールの効果もあってゴージャスな雰囲気だ

ディスプレイは6インチを超えるサイズとしては珍しく、画面解像度がHD+に抑えられている。フルHDやWQHD表示のものと比べると解像度が低いことは明らかで、細かな文字を表示した場合に少しぼやけて見えることがあった。また、ややマゼンタ寄りの発色も気になった。ただ、輝度や視野角、タッチ感度などは良好である。

ノッチを備えたディスプレイの画面占有率は88.4%、表面を覆う大画面が魅力だ

ノッチを備えたディスプレイの画面占有率は88.4%、表面を覆う大画面が魅力だ

約6.2インチの大画面の割に解像度が低めなので、細かな文字を表示させた際、漢字に振られたルビなどが少しぼやけて感じることがあった

外部接続インターフェイスには、最近標準となりつつあるUSB Type-Cポートではなく、microUSBポートが使われる。なお、このUSBポートはUSB OTG(USB On-The-Go)に対応しているので、USBメモリーやカードリーダーなどを接続してデータを参照できる。FeliCaポートやNFCポート、Qiポートは搭載されていないが、近ごろ省略されることの多いヘッドホン端子は搭載されている。また、生体認証機能としては、「R15 Neo」では搭載が見送られた指紋認証センサーを背面に備えている。

低価格のエントリー機であるため機能は概してシンプルではあるが、指紋認証センサーやヘッドホン端子といった、利用頻度の高い機能が搭載されているため、「おサイフケータイ」を使う人でなければ不足を感じることはなさそうだ。

ボディ下面にはヘッドホン端子と充電およびデータ転送用のmicroUSBポートが配置されている

ボディ下面にはヘッドホン端子と充電およびデータ転送用のmicroUSBポートが配置されている

DSDV対応の独立2基のSIMスロットを搭載し、柔軟なSIMカード選びが可能

AX7の通信機能はなかなか強力だ。microSDメモリーカードスロットとは独立したnanoSIMカードスロットを2基備えており、ワイモバイルとauのVoLTEに対応したDSDV対応機となっている。LTEの対応バンドも、NTTドコモのB19、au(UQモバイル)のB18、ワイモバイル(ソフトバンク)のB8といった各社のプラチナバンドに対応しておりSIMカードの組み合わせの自由度はおおむね高い。

また、国内はもちろん世界的に広く使われているB1やB3、北米向けのB4、アジア太平洋地域の共通バンドである700MHz帯のプラチナバンドB28、中国本土で使われるB38〜41までのTDD-LTEにも対応しているので、海外のSIMカードとの相性もよい。

microSDカードスロットとは独立したnanoSIMカードスロットを2基搭載する

microSDカードスロットとは独立したnanoSIMカードスロットを2基搭載する

基本スペックだが、クアルコムのミドルレンジ向けSoC「Snapdragon 450」に、4GBのRAMと64GBのストレージ、256GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせる。OSはAndroid 8.1をベースにしたColor OS5.2だ。Snapdragon 450は、シャープ「AQUOS sense2」やモトローラ「moto g6」など、3万円前後のスマートフォンでは一般的なものだが、ライバル機の多くが3GBなのに対して4GBのRAMを備える点は本機のアドバンテージとなる。

実際の処理速度を、定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク」を使って計測したところ、総合スコアは72,608(内訳、CPU:33,406、GPU:12,142、UX:20,747、MEM:6,313)となった。本機と同じSoCを搭載するシャープ「AQUOS sense2」の72,094(内訳、CPU:33,427、GPU:12,104、UX:21,079、MEM:5484)とほとんど同じスコアとなっている。

体感速度は、WebページやSNS、パズルゲームなど処理性能がさほど要求されないものであれば十分快適。RAM容量に余裕があるのでアプリの切り替えもスムーズだ。グラフィック描画では、重い処理が要求されるバンダイナムコの「アイドルマスターミリオンライブシアターデイズ」など3Dグラフィックを堪能するには少々厳しい。なお、要求スペックが高いEpic Gamesの「フォートナイト」(β版)については、グラフィックの動作条件をクリアしていないためプレイできない。

左が本機、右が「AQUOS sense2(ドコモ版SH-01L)」のベンチマークスコア。SoCが同じなので、総合スコアやサブスコアの傾向はいずれもよく似ている

OPPO独自のColor OS5.2は、iOSのようなわかりやすいユーザーインターフェイスが特徴だ。Android 8.1ベースなのでアプリの互換性は保たれているが、USB機器のOTG接続やUSBデバッグモードの動作に時間制限やパスワード認証が求められる。また、システムに常駐して動くバッテリー管理アプリなども、OS事態が備えている節電機能とバッティングしてうまく動作しないものがあり、細かいカスタマイズでは制限がある。全般的に安全・安定志向のライトユーザー向けOSなので、OSをバリバリにカスタマイズして使いたいような人には向かない。

バッテリーは4,230mAhというかなりの大容量だ。節電機能としてOPPO独自のAIを使ったバッテリー管理機能も搭載されている。気になる実際の電池持ちだが、検証を行った7日間で行った充電は2回のみで、バッテリーの持続性はかなり良好な印象。AIによる動作管理もさることながら、バッテリーの消費はゆるやかだ。筆者のように1日にSNSやWeb閲覧などを3時間程度、断続的に使うようなパターンなら、2日+α程度は余裕でバッテリーが持つだろう。

2Aの出力に対応するACアダプターとケーブルが同梱される

2Aの出力に対応するACアダプターとケーブルが同梱される

カメラ機能は平凡。暗所撮影では手ぶれが多くなりがち

本機のメインカメラは、映像記録用の約1,300万画素カメラと、被写界深度計測用の約200万画素カメラを組み合わせたデュアルカメラ仕様。フロントカメラは約1,600万画素という高画素だ。なお、自撮り用の美顔機能にはAIシーン認識が使われるが、メインカメラを使った通常の撮影にはAIシーン認識が適用されない。この点は、同時期に発売された「R17 Neo」とは異なるので注意したい。

以下に本機のメインカメラで撮影した作例をいくつか掲載する。いずれも、初期設定のまま、カメラのオートモード任せで撮影を行っている。

イルミネーションを撮影。10数枚撮影した中でいちばん鮮明に写っていたものをセレクトした。手ぶれは比較的起こりやすいので、夜景など暗所撮影ではしっかり支えて撮影したほうがよい

トンネル内部で撮影。今回撮影した中ではもっとも高感度でISO感度は5323だった。ノイズは少ないが、鮮明さは普通といったところ

電球色のLED照明で照らされた比較的明るい店内で撮影したが、少し色かぶりがみられ、肉眼とは異なる印象の仕上がりになった。別の場所でも電球色の照明下では同様の色かぶりが起こりやすく、ホワイトバランスにややクセがあるようだ

曇天で滝を撮影。自然光の下ではきれいな撮影が行える

曇天で滝を撮影。自然光の下ではきれいな撮影が行える

本機のカメラは、高感度撮影がやや苦手なところがあり、夜景や暗所での撮影では手ぶれが発生しやすい。また、AIシーン認識がないことが影響しているのか、電球色の照明下ではややホワイトバランスが気になることがあった。なお、日中屋外での撮影ではそうした欠点は目立たず、きれいな写真が撮影できた。

大きな画面と高い通信機能が魅力

本機と競合する3万円前後のSIMフリースマートフォンでは、ファーウェイ「P20 lite」および「Mate 20 lite」、シャープ「AQUOS sense2」など処理性能やグラフィック性能は拮抗している強力なライバルがひしめいており、そんな中での本機の優位性は、やはり“画面が大きいこと”だ。携帯性よりも画面サイズが重要であるなら本機を選ぶ意味がある。また通信機能の自由度が高く、DSDVに対応しているので、さまざまなSIMカードを柔軟に組み合わせて使いたい人にも向いている。カメラ機能はやや平凡だが、そこにはさほどこだわらないなら、十分ありな選択だ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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