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格安スマホとして“新”登場の「iPhone 7」はどこで買うのがベスト?

昨年2018年12月、大手携帯キャリアのサブブランド「ワイモバイル」と「UQ mobile」、それにMVNO(仮想移動体通信事業者)の「BIGLOBEモバイル」が、自社の通信サービスとセットで販売する「格安スマホ」として、新たにアップルの「iPhone 7」の取り扱いを開始しました。

UQ mobileのiPhone 7を紹介するWebページ

UQ mobileのiPhone 7を紹介するWebページ

iPhone 7と言えば、3年前の2016年9月に登場したiPhoneシリーズの旧モデルです。2018年に登場した「iPhone XS」や「同 XR」が最新機種となる2019年1月現在、どうしてサブブランドやMVNOでは旧モデルのiPhone 7を取り扱うのでしょうか。

その理由は、最新モデルの価格にあります。アップルが直接販売するSIMフリー版の価格を見てみると、iPhone XS(64GBモデル)は112,800円(税別、以下同)、iPhone XR(64GBモデル)でも84,800円と、昨今のスマホとしては高額です。

ところが、人気が高いiPhoneシリーズでは「iPhoneは使いたいけれど、高額な最新モデルではなくてもいい」と考える人も少なくありません。こうしたニーズを狙い、サブブランドやMVNOでは型落ちのiPhone 7を取り扱っているのです。

たとえば、iPhone 7(32GB)SIMフリー版の価格は、50,800円。ストレージ容量は半分になってしまいますが、iPhone XRの64GBモデルより34,000円も安いのが魅力です。

ただ、サブブランドやMVNOが販売するiPhone 7では、本体価格や契約できる料金プランの内容がそれぞれ異なります。そこで、大手携帯キャリアからサブブランドやMVNOに乗り換えを検討している人に向けて、各社のiPhone 7またはSIMフリー版iPhone 7を購入した場合にかかるコストや、キャリア自身の特徴をチェックしてみたいと思います。

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3社の本体価格と実質負担額を比較

最初に、ワイモバイル、UQ mobile、BIGLOBEモバイルの3社が販売するiPhone 7の新規契約時(乗り換えを含む)における本体価格と実質負担額を見てみましょう。比較として、SIMフリー版iPhone 7の本体価格と、本体価格を24で割った分割払い相当額を併記しました。

なお、上記の3社では「iPhone 7 Plus」は取り扱っていないため、ここではiPhone 7の価格のみを比較しています。

サブブランドとMVNOのiPhone 7本体価格(新規契約の場合)

サブブランドとMVNOのiPhone 7本体価格(新規契約の場合)

iPhone 7 32GBモデルの本体価格は、ワイモバイル版が67,700円、UQ mobile版が62,900円、BIGLOBEモバイル版が56,400円、SIMフリー版が50,800円です。

ワイモバイル版とSIMフリー版では16,900円も価格差がありますが、キャリアからiPhone 7を購入すると、分割払いの期間中に月額料金に対する割引を受けられます。

32GBモデルにおける割引適用後の実質負担額は、ワイモバイル版とUQ mobile版が31,700円(ワイモバイルで「スマホプランS」を、UQ mobileで「おしゃべりプランS」または「ぴったりプランS」を契約した場合は43,700円)、BIGLOBEモバイル版は31,200円。128GBモデルはワイモバイル版とUQ mobile版が43,700円(同55,700円)、BIGLOBEモバイル版が43,200円です。

サブブランドのワイモバイルとUQ mobileでデータ利用量が一番少ないプランを契約した場合をのぞき、3社の実質負担額はほぼ同じ価格で揃っていて、SIMフリー版よりもおよそ18,000円〜19,000円安くなることがわかります。

なお、すでにワイモバイルを利用しているユーザーがiPhone 7に機種変更する場合、月額料金からの割引額が毎月500円(合計12,000円)減額されるため、実質負担額は32GBモデルが43,700円(スマホプランSでは55,700円)、128GBモデルが55,700円(同67,700円)となります。

料金プランの内容は?

続いて、各社のiPhone 7で契約できる料金プランを見てみましょう。ここではワイモバイル、UQ mobile、BIGLOBEモバイルの3社に加えて、SIMフリー版iPhone 7を格安SIMで利用するケースを想定し、格安SIMのシェアトップである「楽天モバイル」から「組み合わせプラン」を比較対象として併記しました。

サブブランドとMVNOの料金プラン

サブブランドとMVNOの料金プラン

●ワイモバイルの料金プラン

ワイモバイルの「スマホプラン」は、データ利用量が2GB、6GB、14GBの3種類。月額料金はスマホプランSの1年目が1,980円、2年目以降は2,980円です。通話料金は毎回最初の10分間が無料。10分を過ぎると30秒あたり20円の従量制になります。

また、「データ増量オプション」(月額500円)を契約すると、本来なら500MBあたり500円かかるデータ利用量の追加チャージを、各プランにおけるデータ利用量の半分まで、オプション料金のみで追加できるようになります。たとえば、毎月6GBのスマホプランMなら、3GB分(500MBの追加チャージ6回分、合計3,000円)を毎月500円で追加して、合計9GBまで使えることになります。

なお、初めてスマホプランを契約した人向けに、データ増量オプションのオプション料金が2年間無料になるキャンペーンが展開されています。

●UQ mobileの料金プラン

UQ mobileの主力プランは通話料金のタイプ別に2種類あります。「おしゃべりプラン」の通話料金は毎回最初の5分間が無料。「ぴったりプラン」は毎月一定額の無料通話分が付いてきます。無料通話の対象時間を過ぎると、どちらも30秒当たり20円の従量制となります。

データ利用量はいずれも2GB、6GB、14GBの3種類。月額料金はおしゃべりプランS/ぴったりプランSともに1年目が1,980円、2年目以降は2,980円となっており、データ利用量の区切りや月額料金はワイモバイルと揃っています。

また、「増量オプション」(月額500円)を契約すると、ワイモバイルと同じようにデータ利用量の半分までをオプション料金のみで追加できます。

さらに、増量オプションではぴったりプランの無料通話分もそれぞれ倍に増やせます。たとえば、ぴったりプランMの無料通話分は毎月60分までですが、増量オプションを契約すると毎月120分まで無料で通話することが可能です。

初めておしゃべりプラン/ぴったりプランを契約した人向けにオプション料金が2年間無料になるキャンペーンが展開されているのも、ワイモバイルと同様です。

●BIGLOBEモバイルの料金プラン

BIGLOBEモバイルのiPhone 7では、通話料割引オプションがセットになった「スマホまる得プラン」を契約できます。通話料金は毎回最初の10分間を無料にするか、あるいは毎月合計90分の無料通話分を付けるかのどちらかを選ぶことが可能です。無料通話の対象時間を過ぎると、30秒あたり9円の従量制となります。

データ利用量は3GBから30GBまでの5種類。サブブランドの2社にはない大容量プランが用意されているのが特徴です。月額料金はS+プランの1年目が2,430円、2年目以降が3,480円となっています。

●楽天モバイルの料金プラン

3社の比較対象とした楽天モバイルの組み合わせプランでは、データ利用量が3.1GBから30GBの5種類と、通信速度が最大200kbpsと低速ながらも使い放題のプラン、合計6種類から選択可能。月額料金は3.1GBプランが1,600円、30GBプランは6,150円で、契約年数に関わらず一定額です。

通話料金は30秒あたり20円の従量制ですが、別途オプションの「楽天でんわ10分かけ放題 by 楽天モバイル」(月額850円)を追加することで、毎回最初の10分間が無料になります。10分間を超えた分の通話料金は30秒あたり10円です。

毎月のコストはいくらになる?

それでは、月額料金とiPhone 7の実質負担額を合わせたコストをチェックしてみましょう。ワイモバイルとUQ mobileではiPhone 7購入時の頭金として500円の支払いが必要(UQ mobileは1回目の支払いに上乗せ)ですが、毎月のコストには含めず、2年間の合計コストにのみ加えています。

また、SIMフリー版iPhone 7のコストは、本体価格を24で割った分割払い相当額を楽天モバイルの月額料金に合算することで算出しました。

なお、キャリアによっては1か月目の月額料金が無料になったり日割りされたりと条件が異なるため、ここでは単純化のために「新規契約または他社からの乗り換えで購入したiPhone 7の分割払いが続く24か月間の合計コスト」を、2年間の合計コストとして計算しています。

サブブランド、MVNO、SIMフリー版のiPhone 7コスト比較

サブブランド、MVNO、SIMフリー版のiPhone 7コスト比較

●ワイモバイルとUQ mobileのコストは同じ

ワイモバイルとUQ mobileはiPhone 7の実質負担額と月額料金が同額なので、同じデータ利用量で比較した場合、毎月のコストも2年間の合計コストも同額です。

たとえば、32GBモデルをプランSで契約した場合の毎月のコストは3,780円(1年目の価格。2年目は4,780円)、2年間の合計では103,220円になります。

●毎月20GBの大容量プランもサブブランドのほうがお得

BIGLOBEモバイルで購入した32GBモデルの毎月のコストは、データ利用量の区切りがやや異なるものの、S+プランからLプランまでの月額料金はサブブランドのプランSからプランLとほぼ同じです。S+プランのデータ利用量は毎月3GBなので、サブブランドのプランSより1GB多く使えてお得。ただしLプランはサブブランドのプランLよりもデータ利用量が毎月2GB少なく、1年目の月額料金は500円安くなっています。

また、BIGLOBEモバイルの特徴である大容量プランは、サブブランドでデータ利用量を増やせるオプションを付けるとメリットが薄まります。サブブランドのプランLに増量オプションを追加すると、毎月21GBのデータ利用量を6,780円(1年目の価格。2年目は7,780円)で利用できますが、BIGLOBEモバイルで毎月20GB使える2Lプランは7,330円(8,780円)かかるからです。

●通話料割引が不要ならSIMフリー版&楽天モバイルが安い

いっぽう、上記3社の比較対象となるSIMフリー版と楽天モバイルの組み合わせでは、通話料割引オプションの有無によってコストが異なります。

通話料割引オプションを付けない場合、どのデータ利用量でもコストは一番安くなります。たとえば3.1GBプランと32GBモデルを組み合わせた場合、通話料割引オプションを付けなければ毎月のコストは3,717円、2年間の合計コストは89,200円となり、2年間で10万円を超えるワイモバイル、UQ mobile、BIGLOBEモバイルよりも13,000円から14,000円ほどお得です。

しかし、通話料割引オプションを付ける場合は、データ利用量によって結果が変わります。3.1GBプランと5GBプランは、サブブランドのプランSやプランM、BIGLOBEモバイルのS+プランやMプランよりも合計コストが割高。大容量の20GBプランも、サブブランドのプランLに増量オプションを付けるケースよりも合計で1万円近くコストが多くかかります。

まとめ 機種が同じなら、特徴を押さえたキャリア選びが重要!

ワイモバイル版、UQ mobile版、BIGLOBEモバイル版、楽天モバイルと組み合わせたSIMフリー版それぞれのiPhone 7におけるコストの比較結果をまとめると、通話料の割引が不要であれば、SIMフリー版を購入して楽天モバイルと組み合わせるのが一番お得です。

通話料割引が必要な場合は、データ利用量が毎月およそ20GBまでならサブブランド、それ以上必要ならBIGLOBEモバイル版か、あるいはSIMフリー版と楽天モバイルの組み合わせを選ぶのがお得、ということになります。

ただし、iPhone 7を取り扱うキャリアは、それぞれ独自の特徴を備えています。どのキャリアのiPhone 7を選ぶべきか、それともSIMフリー版と好きな格安SIMを組み合わせるべきなのかは、各社の特徴と自分のニーズがマッチするかどうかで変わってきます。

ワイモバイルの強みは、全国に広まっている店舗網です。ワイモバイル単独の店舗だけでなく、メインブランドであるソフトバンクと看板を並べた合同店も多く展開されているため、店頭でサポートを受けやすいのが特徴です。大手携帯キャリアのサポート体制に安心感を抱いている人は、ワイモバイルのiPhone 7を選ぶのがいいでしょう。

UQ mobileの強みは、短い通話が多い人なら毎回最初の5分間が無料のおしゃべりプラン、1回の通話が長めの人は毎月無料通話分が付くぴったりプランといったように、通話のスタイルごとに割引方法を選べるのが特徴です。ぴったりプランの無料通話分は、増量オプションを契約すると2倍に増えるのもメリット。iPhoneでも電話が欠かせないという人は、UQ mobileのiPhone 7はいかがでしょう。

BIGLOBEモバイルでも通話料割引のスタイルを選べますが、最大の強みは「エンタメフリー・オプション」(音声付きSIMは月額480円)の存在です。エンタメフリー・オプションとは、YouTube、AbemaTV、Apple Musicといった動画・音楽配信サービスの通信量が無料になる、ゼロレーティング機能を追加できるオプションです。

ゼロレーティング機能を追加すると、対象サービスでたくさん通信する人ほど、データ利用量の節約が可能です。そのため、データ利用量がより少なく、より安い料金プランを契約できるため、結果的に通信コストの節約につながるのです。暇さえあればYouTubeを見てしまうような人は、BIGLOBEモバイルのiPhone 7を選んでみましょう。

また、アップルから直接購入するSIMフリー版のiPhone 7は、好きなキャリアと組み合わせられるのがメリットです。今回は格安SIMシェア大手の楽天モバイルで使うケースで試算してみましたが、月額700円から利用できる「nuroモバイル」の「0SIM」のように、月額料金がより安い格安SIMと組み合わせることで、ワイモバイル、UQ mobile、BIGLOBEモバイルでiPhone 7を購入するよりも合計コストを抑えることが可能です。

なお、アップルから購入するiPhoneではオリコとの提携によるローン支払いを選べますが、分割払いの金利手数料無料キャンペーンを開催していることがあります。本記事を執筆している2019年1月26日現在は、24回払いまでの金利手数料が無料(税込30,000円以上の購入が対象)となっています。SIMフリー版iPhoneがほしいけれど、初期費用はなるべく抑えたいという人は、キャンペーン開催中が狙い目です。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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