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ISO40万、光学5倍ズームの実力は? 「P30 Pro」のカメラに迫る

ファーウェイが2019年3月26日に発表したスマートフォン「P30 Pro」。同社のフラッグシップスマートフォン「Mate 20 Pro」と同等のスペックを備え、カメラが大幅に性能アップされたモデルだ。そこで、本記事では「P30 Pro」のカメラ性能にフォーカスしてレビューを行う。

ファーウェイ「P30 Pro」のカメラ性能を徹底解剖!

ファーウェイ「P30 Pro」のカメラ性能を徹底解剖!

4眼レンズにISO409600、光学5倍ズームなどカメラの性能が向上

「P30 Pro」は、「Mate 20 Pro」と基本スペックはほとんど同じで、しずく型ノッチやボディサイズなど細かなアップデートはあるものの、大きな特徴はカメラの進化にある。本機のカメラには、今までのライカ3眼にToFを加えた同社初の4眼カメラを採用。深度を計測するToFが加わったことで、ポートレートモードの精度が向上したという。

ライカ3眼+ToF(深度センサー)という4眼カメラを搭載

ライカ3眼+ToF(深度センサー)という4眼カメラを搭載

ToFは、照射した光が跳ね返ってくる時間を計測して深度(レンズからの距離)を測定する仕組み。専用の深度センサーを備えることで、より精度の高いボケを表現できるようになったということだ。

2基のカメラから得た深度情報を処理してボケを表現するようなスマートフォンのポートレート写真の場合、ありがちなのが被写体と背景の境界線がしっかりと認識されず、思いもよらない部分がボケてしまったりすること。こういった部分を、「P30 Pro」のカメラは修正してきたという。

ToF以外の3つのレンズは、メインカメラに4000万画素の広角レンズ(F1.6/35mm換算で27mm。以下同)を据え、それとは別に2000万画素の超広角レンズ(F2.2/16mm)と800万画素の望遠レンズ(F3.4/125mm)を備える。また、フロントカメラも3200万画素、F2.0というハイスペックになっている。

超広角/広角/望遠というレンズ構成は、「Mate 20 Pro」と変わらない。AIがシーンを認識して撮影の設定を行う「AIオート」や、手持ちでも夜景をきれいに撮影できる「夜景モード」など、前モデルで好評だった機能を継承するいっぽうで、「P30 Pro」は暗所撮影とズーム撮影について大幅な性能アップが図られた。

まずは、暗所撮影についてだが、従来のRGGBセンサーから緑色を取り除き黄色を加えたRYYBセンサーというものに変更。これにより、取り込める光量が40%アップし、より明るい写真を撮影できるようになったという。また、ISOは最大409600と、そこらのデジタル一眼カメラもびっくりするような数値になっている。

もうひとつカメラで特徴なのがズーム機能。「P30 Pro」では、光学5倍、光学とデジタルを組み合わせたハイブリッドズーム10倍、そしてデジタルズームは50倍にも及ぶ。これは、スマートフォンの中では群を抜いたスペックだ。

もちろん、暗所でも明るく撮れると言っても、どれくらい鮮明で、ノイズが少ないのか、そしてズーム撮影では画素を劣化させずに写真を撮れるかなども気になるところだ。こういったポイントを中心に、数日間パリの街を歩き「P30 Pro」でパシャパシャ写真を撮りまくってきた。

望遠、広角、超広角、暗所、マクロ撮影が可能なカメラ

カメラのUIは、画面下部のスライダーを左右にスライドすることで、望遠、広角、超広角を切り替えられる。また、画面上をタップして指を上下にスライドさせれば露出も調節可能だ。

画面下のスライダーで倍率を調節可能。スライダーは、タップすることで1倍、5倍、10倍、超広角と切り替えることもできる。左右に指をスライドさせる操作よりも簡単に切り替えられるが、個人的には1倍と5倍の間に3倍を取り入れてほしかったところだ

カメラ画面の左側にあるメニューの上から3つめのアイコンでAIオートのオン/オフを切り替え可能。食べ物の撮影では、AIをオンにするほうがきれいに撮れるが、空の写真は青色が目で見るよりも強調されるなど、AIオートはシーンによって色味がまったく違うものになる。また、人物にカメラを向けるとポートレートモードに切り替わるなど、自分が意図したシーンとしばしば違うモードを選択してしまうこともあるため、シーンによって切り替えながら使うのがベターだろう。

上がAIオートオフ、下がAIオートオン。食べ物の撮影では、AIオートをオンにするほうが色温度が低くなり、おいしそうに撮れるのは一目瞭然

上がAIオートオフ、下がAIオートオン。下はAIが“青空”と認識し、空の青を深く表現

上がAIオートオフ、下がAIオートオン。下はAIが“青空”と認識し、空の青を深く表現

メインの広角カメラについては、非常に出来がいい。逆光や暗所など難しい状況でも、白飛びしない程度に明るく、ディテールをしっかりとらえた写真を撮影できる。気になったのは、夜間での撮影時にホワイトバランスが白寄りになることだ。

撮影したパリの夜景は、街灯が暖色系のオレンジ色なのだが、目で見ているよりも白っぽく映ることが多く、街の雰囲気をそのまま写真に落とし込むことは難しかった。ちなみに、これは動く船の上からAIオフで撮影した写真。画質や明るさ、手ブレのなさには驚くものがある

マニュアルの「プロモード」を使えばホワイトバランスは調節できるが、スマートフォンでマニュアル撮影を使いこなす人は多くないだろうし、スマートフォンのカメラのいいところである「サッと取り出してパッと撮れる機動力」を失ってしまう。ホワイトバランスについては今後のアップデートで改善を期待したいところだ。

手持ちでも手ブレなしで夜景を撮影できる「夜景モード」は便利だが、わざわざ夜景モードにしなくても、オートで十分明るくきれいな写真を撮影できる。これは、40%明るく撮れるようになった新しいイメージセンサーのたまものだろう。

撮影メニューから選択、もしくはAIオートをオンにした状態でカメラを向けると「夜景モード」になる。

撮影メニューから選択、もしくはAIオートをオンにした状態でカメラを向けると「夜景モード」になる。

「夜景モード」をオフにしても、若干暗くなるが十分きれい

「夜景モード」をオフにしても、若干暗くなるが十分きれい

気になるISO40万越えという高感度撮影の実力だが、ホテルのバスルームの電気を消して扉を閉め、真っ暗な状態で撮影してみた。慣れればだんだんと見えてくるものの、それまでは何がどこにあるのかほとんどわからないレベルの暗さと思っていただきたい。そんな環境で撮影したのが以下の写真だ。化粧台がしっかりと見えているうえに、ノイズも非常に少ない。

ISO409600で撮影したバスルーム。縦に入った白い光は、真後ろにあるドアの隙間から差し込む光が鏡に映ったもの。洗面化粧台をしっかりととらえており、ノイズも目立たない。もう一度言うが、これは肉眼では何も見えない真っ暗な中で撮った写真だ

超広角カメラは、風景や狭い場所での撮影で非常に役立った。風景写真ではパースのきいた写真を撮れるし、マーケットなど狭い通路がひしめく場所でも広範囲を1枚に収められる超広角カメラが活躍する。

上が広角カメラ(メインカメラ)、下が超広角カメラで撮影。超広角のほうがパースもきいて、迫力のある写真に仕上がっている。多少ゆがんでいるが、そこまで気にならない

上が広角カメラ、下が超広角カメラで撮影。このように狭いスペースで超広角カメラが活躍する

上が広角カメラ、下が超広角カメラで撮影。このように狭いスペースで超広角カメラが活躍する

気になったのは、広角カメラと超広角カメラで色味が変わること。広角カメラは若干黄色がかるが、超広角カメラは白寄りになる。

上が広角カメラ、下が超広角カメラ。ホワイトバランスが異なるのがわかるだろう

上が広角カメラ、下が超広角カメラ。ホワイトバランスが異なるのがわかるだろう

次はズーム機能に迫ってみよう。光学5倍、そしてハイブリッドズーム10倍でも画質の劣化や手ブレは気にならない。さすがにデジタルズーム50倍にもなると、画像の劣化が激しく、被写体をフレームに入れることさえ難しくなるため、あまり実用的ではないと思われる。

上から1倍、5倍(光学)、10倍(ハイブリッド)、50倍(デジタル)。5倍までならスマートフォンでも、パソコンのモニターで見ても画質の劣化は気にならない。10倍だと、スマートフォンでは問題なし、モニターだと劣化がわかる程度

上から1倍、5倍、10倍、50倍。50倍ズームは画質の劣化が激しいが、時計の盤面の目盛りまでわかるほどだ

上から1倍、5倍、10倍、50倍。50倍ズームは画質の劣化が激しいが、時計の盤面の目盛りまでわかるほどだ

ライティングの環境にもよるが、夜景の撮影では5倍の光学ズームでもノイズや画質の劣化が強く出た。いっぽう、街中などのシチュエーションだと、光学ズームでもノイズや画質の劣化はほとんど気にならなかった。

上が1倍(夜景モード)、下が5倍(夜景モード)。さすがに光学5倍ズームでも厳しい画質

上が1倍(夜景モード)、下が5倍(夜景モード)。さすがに光学5倍ズームでも厳しい画質

上が1倍、下が5倍(夜景モード)。エッフェル塔のライトアップがまぶしいくらいの環境だと、光学5倍ズームでも劣化やノイズはほとんど出なかった

次は、ToFによりボケの精度がアップしたというポートレートモードとアパーチャモードの写真を見ていただこう。

ポートレートモードを使用した左の写真は、奥にいくに連れて強くなるボケが出ている。写真赤枠部を拡大したのが右の写真。細い髪の毛までは難しいものの、かなり高い精度で被写体と背景を認識できていることがわかるだろう

画質は若干落ちるが、暗い場所でもポートレートモードは有用だ

画質は若干落ちるが、暗い場所でもポートレートモードは有用だ

アパーチャモードもボケは良好

アパーチャモードもボケは良好

1点気になったのは、ポートレートモードでは撮影後にボケの強弱や、ボカす場所を調節できないが、アパーチャモードでは可能なこと。ライバル機になるアップル「iPhone XS」やGoogle「Pixel 3」では実装されている機能だけに、「P30 Pro」でもフォローしてほしかったところだ。

最後は、最短2.5cmまで近づいて撮れる「スーパーマクロ」で撮影した1枚をご覧いただきたい。

左の赤枠を接写したのが右の写真。いちごの繊維まではっきりと映っている

左の赤枠を接写したのが右の写真。いちごの繊維まではっきりと映っている

どのようなシチュエーションでもスマホ最高レベルの性能を発揮

「P30 Pro」は、望遠、広角、接写、暗所撮影など、どのような条件でもスマートフォンでは最高クラスの写真を撮影できる。特に暗所撮影やズームの性能は、ほかのスマートフォンの追随を許さないレベルまで到達していると思えた。

実際に、勤務先の社員や友人などに写真を見せたところ、全員(特にiPhoneユーザー)から「スゴい!」「めちゃくちゃ(画質)きれい!」「ノイズ全然ない!」というコメントをもらった。カメラ重視のユーザーも、その性能の高さに驚くだろう。

もちろん、大きなモニターに映したり印刷したりすると、写真の質は一眼レフやミラーレスなどデジタルカメラに軍配が上がるのは間違いない。しかし、スマートフォンが普及した今、写真はスマートフォンで見ることが多くなっている。こういった状況下において、「P30 Pro」はデジタルカメラとの間にあった壁を乗り越え、その背中に迫る勢いすら感じる。すでにコンデジのレベルは追い越していると言っても過言ではないだろう。

なお、「P30 Pro」は、しずく型ノッチやディスプレイ指紋認証といった最新機能を網羅しつつ、カメラ以外の基本性能もハイスペックだ。日本での発売はまだ発表されていないが、発売されるのはほぼ確定路線と見ていいだろう。カメラを重視するユーザーはもちろんのこと、高性能にこだわりたいユーザーも1度手に取っていただきたい。

水川悠士(編集部)

水川悠士(編集部)

最新ガジェットとゲームに目がない雑食系ライター。最近メタボ気味になってきたので健康管理グッズにも興味あり。休日はゲームをしたり映画を見たりしています。

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