外出時、ノートパソコンやタブレット(Wi-Fiモデル)などでインターネットを利用するとき、公衆無線LANはサービス提供エリア内でしか使えないし、モバイルWi-Fiルーターは月額通信費がかさむ。そこで活用したいのが、テザリングだ。
スマホのテザリングを使うと、場所を選ばず手軽にノートパソコンなどでインターネットが利用できる
目次
【基本】
テザリング利用時の注意点
auとソフトバンクは申し込みが必要
テザリングの接続方法は3種類
【準備】
テザリングの準備
●iPhoneの場合
●Androidスマホの場合
【実践】
テザリングでインターネット接続
【まとめ】
まずは使ってみよう
テザリングとは、iPhoneやAndroidスマホをWi-Fiルーターのように利用する機能のこと。つまり、スマホの通信回線を使ってノートパソコンやタブレット、ゲーム機器、デジカメなどをインターネットに接続する。
そのため、スマホの契約通信データ量を消費するので注意が必要だ。長時間の利用や大容量データの送受信によって契約通信データ量を使い切ってしまうと、月末までの速度制限を受けることになる。
実際にテザリングを使ってみて利用機会が増えそうであり、なおかつ小容量の通信プランを契約しているのなら、大容量プランへの変更を検討するといいだろう。
NTTドコモのスマホなら、テザリング利用の申し込みは不要で利用料も無料。ただし、インターネット接続に必要な「spモード」の契約が必要となる。
auとソフトバンクは事前の申し込みが必要で、契約している通信プランによって無料のケースと、月額500円(税別)が必要になるケースがある。auとソフトバンクのユーザーは、ユーザー専用のオンラインサービスである「My au」「My Softbank」などで契約内容を確認してみよう。申し込みをしていない場合は、My au、My Softbankから申し込みができる。
auのテザリング料金
https://www.au.com/mobile/service/tethering/
ソフトバンクのテザリング料金
https://www.softbank.jp/mobile/price_plan/options/tethering/
また、MVNOが提供する格安SIMでもテザリングを利用できるケースは多い。大抵は申し込み不要で利用料は無料だ。ただし、通信プランやスマホの機種によっては利用できないケースもあるので、テザリング機能を提供しているかも含め、詳細は契約先のホームページ等で確認していただきたい。
テザリングでスマホと機器を接続する方法には、Wi-FiまたはBluetoothによる無線接続と、USBによる有線接続の3つがある。それぞれのメリット・デメリットを理解して使い分けよう。
無線接続のため手軽に利用でき、ノートパソコン、タブレット、ゲーム機など対応機器が多い。また、複数台を同時に接続できるので最も使い勝手がいい。ただし、スマホのバッテリー消費が速くなる。
メリット…通信速度が速い、対応機器が多い、複数の機器(5〜10台)を同時に接続できる
※スマホの機種によって同時接続可能台数は異なる
デメリット…バッテリーの消費量が多い
Wi-Fi接続に比べると通信速度は遅くなるが、その分バッテリー消費は少ない。通信速度が遅いため、実用度は低い。
メリット…バッテリーの消費量が少ない
デメリット…通信速度が遅い
USBケーブルが必要だが通信速度は速く、テザリングしながらスマホを充電できる。ノートパソコンで一定時間作業をしたいときにおすすめだ。
メリット…通信速度が速い、スマホを充電しながら使える
デメリット…USBケーブルを持ち歩く必要がある
テザリングはスマホの初期設定ではオフになっており、必要なときにオンへ切り替えて利用する。また、Wi-FiとBluetooth接続の利用時には、スマホの名前(無線LANのSSIDにあたる)、Wi-Fi接続ではさらにパスワードが必要だ。オン/オフの切り替え方法と、スマホの名前、パスワードを確認しておこう。
なお、以下では「iPhone XS」(iOS 12.2)と「Pixel 3」(Android 9)を使って解説する。
iPhoneでWi-Fi、Bluetoothによるテザリングを利用するには、Wi-FiとBluetoothをオンにしておく必要がある。「設定」アプリを起動し、「Wi-Fi」と「Bluetooth」をオンにしてこう。
次に、「設定」の「インターネット共有」をタップ。iPhoneではテザリングを「インターネット共有」と呼ぶ。「インターネット共有」画面で「インターネット共有」のオン/オフが可能だ。
「インターネット共有」の右端にあるスライドボタンをタップしてテザリングのオン/オフを切り替える
「"Wi-Fiのパスワード"」でWi-Fi接続に必要なパスワードを確認できる。その下には、3つの接続方法の手順が記されている。「Wi-Fiで接続するには」の手順1で、「"iPhone"」となっている「""」内がiPhoneの名前だ。
「"Wi-Fiのパスワード"」でパスワードがわかる。また、ここでiPhoneの名前も確認できる
パスワードをタップすると、変更も可能だ。変更する場合は半角英数字8文字以上で設定し、最後に「完了」をタップする。
パスワードは、半角英数字8文字以上であれば自由に変更できる
iPhoneの名前は、「設定」アプリで「一般」→「情報」と開くと、「名前」欄でも確認できる。名前をタップすると、変更も可能だ。
「設定」アプリの「一般」→「情報」でiPhoneの名前がわかる
名前をタップすると、変更できる。Wi-Fi、Bluetooth接続のときに自分で判別しやすい名前に変えておくといい
・コントロールセンター利用は要注意
iPhoneのコントロールセンターを表示し、左上の通信関連のコントロールがまとめられたフォルダーを3D Touchすると、「インターネット共有」が現れる。ここからオン/オフができるように見えるので一見便利そうだが、正常に機能しないので注意が必要だ。
「設定」で「インターネット共有」がオフのとき、コントロールセンターの「インターネット共有」も「オフ」だ。これをタップすると「検出可能」に変わり、「設定」の「インターネット共有」もオンになる。これは、正しい。
コントロールセンター左上のフォルダーを3D Touch
「インターネット共有」が「オフ」のとき、タップでオンになる
次に、コントールセンターの「インターネット共有」をタップすると「検出不可能」に変わる。これで機能がオフになったように見えるが、「設定」を開いてみるとオンのままになっている。当然、ほかの機器から見ると、iPhoneは検出される(テザリングできる状態)。
そしてしばらくすると、コントールセンターでは「検出不可能」が勝手に「検出可能」に戻ってしまう。この状態から、コントールセンターの「インターネット共有」を「オフ」にするには「設定」で「インターネット共有」をオフにするしかない。
テザリングは、機能をオンにするだけでバッテリーを無駄に消費する。コントールセンターからの操作ではオフにならないので、「設定」で確実にオフにしよう。
「設定」画面を開き、「ネットワークとインターネット」→「アクセスポイントとテザリング」とタップ。開いた画面で、テザリング関連の情報確認、設定変更などを行う。スマホの名前とパスワードを確認するには、「Wi-Fiアクセスポイント」をタップする。
この画面で「Wi-Fiアクセスポイント」をタップ
Wi-Fiテザリングがオフのときには「OFF」と表示されている。右端のスライドボタンをタップすると背景が青色、表示が「ON」に変わり、Wi-Fiテザリングができるようになる。
スライドボタンのタップでWi-Fiテザリングのオン/オフを切り替える
「アクセスポイント名」がスマホの名前(SSID)だ。タップすると名前を変更できる。アクセスポイントのパスワードは黒点で表示されているので、タップして確認。パスワードも変更可能で、8文字以上の任意の半角英数字を設定できる。
アクセスポイント名は自由に変更できる。自分の名前などを全角文字で設定しても認識する。変更したら「OK」をタップ
「アクセスポイントのパスワード」をタップするとパスワードを確認できる。8文字以上の半角英数字で任意のパスワードに変更可能だ。変更したら「OK」をタップ
「詳細設定」をタップすると、「アクセスポイントを自動的にオフにする」機能のオン/オフを設定できる。標準はオンになっているので、変更する必要はない。また「AP帯域幅」では、「2.4GHz帯」のみを使うか、「5GHz帯を優先」するか選べる。「2.4GHz帯」で通信が安定しないときに、「5GHz帯を優先」に切り替えてみよう。
テザリングによる端末が未接続のときに自動的にオフにする機能は、機能を有効にしておくと無駄なバッテリー消費を防止できて便利だ
・クイック設定パネルからオン/オフ
Pixel 3のクイック設定パネルには、Wi-Fi テザリングの機能をオン/オフできる「アクセスポイント」のアイコンが用意されている。アイコンがグレーならWi-Fiテザリングがオフの状態だ。アイコンをタップすると青色に変わり、オンに切り替わる。再度タップすればオフだ。「設定」画面を開くことなくオン/オフをすばやく切り替えられるので活用しよう。
クイック設定パネルから、Wi-Fi テザリングのオン/オフができる