特別企画
「渋谷パソコン・スマホ修理工場」に行ってきた!

「パソコン修理業者」の人はどんなパソコンを選ぶのか? 本音で語ってもらった!


こんにちは。ライターの斎藤充博です。今日僕が来ているのは渋谷にあるパソコン修理業者の「渋谷パソコン・スマホ修理工場」です。

業者の方は毎日パソコンを修理しています。そんな人に「おすすめのパソコン」を聞いたら本当によいパソコンがわかるんじゃないでしょうか。


現場で修理をされているカスタマーエンジニアの島さんにお話をおうかがいしました。島さんは恥ずかしがり屋さんなので顔を似顔絵にさせてもらっております。


パソコン選びで重要なのは「保守部材の入手のしやすさ」

島「普段みなさんがノートパソコンを買うときって『安くて、薄くて、軽い』物を選びませんか?」

斎藤「それ、普通ですよね。僕もノートパソコンを買い換えるときにはその目線で選びますよ」

島「私は修理屋なので、ちょっと普通の方とは考え方が違うんです。私が一番のおすすめするメーカーは『レノボ』ですね。ノートパソコンだったら『ThinkPad』の法人モデル。XシリーズやLシリーズですね」

(例)ThinkPad X280、ThinkPad L580

(例)ThinkPad X280、ThinkPad L580


島「私がこれらのシリーズをおすすめする一番大きな理由は、修理しやすく、保守部材が入手しやすいからです」

斎藤「ああ〜。なるほど。修理業者さんは壊れたときのことを考えてパソコンを選ぶんですね」

島「どうしてもそうなりますね(笑)。外資メーカーは国内に部材がなくても、海外から手に入れられます。世界中で販売しているグローバルメーカーの強みです。この点はレノボだけでなくDellやhpも同じですね」

斎藤「『国内に修理部材がない』という状況があるなんて、想像していませんでした……」

島「同じ理由で、海外でパソコンが壊れたときに現地の修理業者で修理することも可能です。海外出張をするビジネスマンや、留学をする学生さんにはこの点は大きいのではないでしょうか。ただ、キーボードだけは日本語配列なのでどうしようもないですが……」


国内メーカーのパソコン部門は外資の傘下になっていることが多い


斎藤「レノボもDellも外資ですよね。パソコンって国内メーカーのほうが壊れにくいんじゃないでしょうか?」

島「今は富士通もNECもパソコン部門はレノボの傘下なんですよ」

斎藤「あれ? そんなことになっていたんですか? 知らなかった」

島「国内にも工場があります。メーカーに修理に出すとちゃんと国内で修理してくれるんです。だから対応が早い。元NECの方が修理するなんてケースもあるそうです」

斎藤「じゃあ、もう国産並みなのか……」

島「そうです。外資系メーカーは安価に出張保証をつけることもできますからね。」


パソコンのスペック表には出てこないもの

島「みなさんはパソコンを買うときに、スペック表と値段を見比べますよね? ほとんど性能は同じなのに、値段が違う物ってありませんか?」

斎藤「ありますあります! あれはなんでですか?」

島「目に見えないところ、たとえばノートパソコンのヒンジ部。高コスパのモデルだと、ここは壊れやすいんです」

実際に修理依頼があったノートパソコン

実際に修理依頼があったノートパソコン

島「ヒンジがネジ止めされています。そのネジ受けがプラスチック製なのですが、完全に割れてしまっていますね」

斎藤「こういうところなのか……!」

島「そうなんですよ。法人向けのちょっといいモデルはここが丈夫にできているんです」

斎藤「『ネジ受けの耐久性』なんてスペック表には絶対に出てきませんね

島「ノートパソコンのヒンジの故障は本当に多いです。画像もいくつかあるのでぜひ見てみてください」

ノートパソコンのヒンジの故障

ノートパソコンのヒンジの故障例

ノートパソコンのヒンジの故障例

ノートパソコンのヒンジの故障例

島「それから、薄くて軽いノートパソコンありますよね。修理屋的にはあれもちょっとおすすめできないですね」

斎藤「あれ欲しいんですが……。持ち歩いて出先で使うのに、ちょうどよさそうで」

島「部品の取り外しがかなり難しいんで、データの取り出しができないときがあります。修理するときに中身を全部取り替えることになってしまうことが多いんですよ。もちろん便利なのはわかるのですが……」

斎藤「修理業者さん目線だとそうなるのか……」

島「また、キーボードのすぐ下にバッテリーがあるモデルですと、バッテリーが膨張するとタッチパッドが持ち上がってしまって、壊れてしまうんですよ。薄型モデルは、薄いというだけで構造的に無理をしているんです。部材の丈夫さや、排熱といった面で」

iPodのバッテリー膨張

iPodのバッテリー膨張

島「これはパソコンではないですが、iPodでバッテリーが膨張した例です。お客様の使い方次第で、バッテリーが膨張するケースは、よくあるんですよ」

斎藤「これは痛々しいですね……」


なんでもいいからバックアップを


島「ここまでパソコンの故障の話をしてきました。ただ、お客様にとって故障のときに重要なのはハードではないんですよ」

斎藤「ハードよりも、データが重要ということですか?」

HDDが故障したミニPCからデータの吸い出しをしている様子

HDDが故障したミニPCからデータの吸い出しをしている様子

島「そのとおりです。うちでも消えてしまったデータの復旧サービスをしていますが、最低10万円、期間は1週間以上かかりますね」

斎藤「高くつきますね。修理業者の方の前で言うのもなんですが……」

島「データはお金に代えられないんです。だからコストをかけても復旧せざるを得ないことが多い。そこで私はお客様に日常的にデータのバックアップをすることをおすすめしています。斎藤さんはバックアップをしていますか?」

斎藤「僕はパソコンに外付けハードディスクをつけて、ときどきフリーソフトを使ってバックアップをしていますが……」

島「ああ〜。それはいいですね。すばらしいです。」

斎藤「ただ、この方法だとバックアップしている先もハードディスクですよね。ハードディスクは壊れやすいと聞いていますし、バックアップの方法としてちょっと弱いんじゃないかなって思っています」

島「確かにそうですね。ただ、一切バックアップを取っていない人が世の中多いんですよ。だからまずデータはとにかく何かにバックアップすることが大事です。データの保存先が2つあれば、なんとかなることが多いですから」

斎藤「なるほど……。とにかく『やる』ことが重要ってことか。現場の意見だな〜」


おすすめのバックアップ方法


斎藤「ただ、それでもおすすめのバックアップ方法ってありますよね? 詳しく聞きたいです」

島「私はお客様のスキルを見てバックアップ方法をご案内しています。最初に案内するのは外付けハードディスクにソフトでバックアップすること。先ほどの斎藤さんと同じですね」

斎藤「僕は最初のレベルのことはできていたんですね」

島「次にクラウドを使ったバックアップです。お客様のスマホを見てAndroidを使っているようでしたら『Googleドライブ』をおすすめします。もちろん『Dropbox』でもいいのですが」

斎藤「お客さんが知っているツールに合わせるわけか……」

島「その次はNASを使ったバックアップです。品質と機能の豊富さから、QNAPのものがおすすめです」


斎藤「具体的なやつが出てきた。NASっていうのは、ネットワーク経由でパソコンとハードディスクをつなげることですよね?」

島「そうです。普段よく使うデータを保存している場所ってあると思うんですよ。デスクトップだったり、マイドキュメントだったり。これを使うと、そのフォルダを丸ごと自動的にコピーしておいてくれます。バックアップで重要なのは無意識に行うことなんです。それがこの機種だと簡単にできるんです」

斎藤「確かに手作業でバックアップなんて忘れますからね」

島「このNASにはハードディスクを2つ入れて使います。すると同じ内容をそれぞれのハードディスクにコピーしてくれるんです。RAIDって言うんですけど、どちらかのハードディスクが壊れても、もう片方にはデータが残っています」

斎藤「なるほど、自動的に二重のバックアップになるんですね……」

島「さらにこの機種は、同じ内容をクラウドにコピーする機能もあります。ここまですればハードディスクが2ついっぺんに壊れてもクラウドにデータは残ります。するとどこかにはデータが残る状態になります」

斎藤「すごい、クラウドも合わせると三重になるんですね

島「ただ、このNASは、中に入れるハードディスクを自分で選ぶ必要があります。私もいろいろな物を試したのですがおすすめは『東芝の3年保証 + データリカバリーサービス付 安心セット』ですね」


斎藤「どうしてこれがいいんでしょうか?」

島「これは3年保証がついていて、壊れたときのデータ復旧が標準で付属しているんですよ。ほかのモデルよりも1〜2割くらいは高いんですが、保険料みたいなものです。弊社でもオリジナルパソコンを販売しているんですが、このハードディスクを標準搭載しています」

斎藤「なるほど……。いや、御社でもデータの救出サービスは行っていますよね? それこそ商売あがったりなのでは? ここまでお話しいただいたことがほとんどそうですが……」


島「いや、弊社ではこのように本当にお客様のためになる提案ができることが強みなので。直すことが目的ではなく、お客様の業務や生活が元通りになることが、我々のお仕事です。もちろん修理も大切です。しっかりとした技術も持っています。しかし良心的な価格で元通りになることが一番大切です」

というわけで、「そんなこと聞いちゃっていいの?」ってくらい良心的なパソコン修理工場の話でした。

パソコン修理工場は、単に壊れたパソコンの修理だけでなく、保守契約、新規導入サービス、などもしています。

パソコンって壊れるときは本当に急に壊れますよね。だからこそ、買うときに「壊れたときのことを考えておく」ってことが確かに必要……! これからは「ちょっといい値段のモデル」にも目を向けていきたいと思います。

取材協力
渋谷パソコン修理工場
https://pc-factory.net/shibuya/

斎藤充博

斎藤充博

1982年生まれの指圧師(国家資格)。「田端ふしぎ指圧」を運営しています。インターネットで記事を書くことをどうしてもやめられない。 ツイッター:@3216  ホームページ:田端ふしぎ指圧

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