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契約解除料が請求される期間や金額は格安SIMによってさまざま

やっぱり前のキャリアへ戻りたい! 転出しやすい格安SIMはどれ?


「MVNO(仮想移動体通信事業者)」や大手キャリアの「サブブランド」が提供する「格安SIM」は、通信料金を安く抑えられるサービスとして定着しました。すでに格安SIMへ乗り換えた人は大手キャリアと比べてコストの低さを実感しているでしょうし、いよいよ実施まで1か月ほどに迫った消費税増税に備えて、これから乗り換えようと検討している人もいるでしょう。

しかし、格安SIMにはいくつかの課題もあります。価格.comマガジンで毎月実施している通信速度調査にも現れているように、通信が混雑する時間帯(平日の12時台や夕方から夜にかけて)には通信速度が遅くなりがちですし、キャリアによっては店舗がひとつもなく、サポートは電話窓口やインターネット経由のみ、というところも多くあります。

「コストの安さに魅力を感じて乗り換えたものの、やっぱり元のキャリアに戻りたい」と思っても、契約から日が浅いうちに格安SIMを解約したり、MNP(携帯電話・PHS番号ポータビリティー)制度を利用して元のキャリアや別の格安SIMに転出したりしようとすると、大手キャリアと同じように契約解除料が請求されます。

ただ、契約解除料が請求される期間やその金額は、格安SIMによって異なります。なかには早期の解約でも契約解除料を請求せず、「短期間でも少ない負担で解約できる」ことをアピールする格安SIMもあります。本来であれば選んだキャリアを使い続けられるのが一番ですが、どうしても解約や乗り換えをしたくなったときのことを考えると、契約解除料を気にせずに済むことはメリットと言えるでしょう。

そこで今回は、価格.comマガジンで速度調査を実施しているキャリアを中心に契約解除料やMNP制度の転出手数料をまとめつつ、他社への転出や解約がしやすい格安SIMを探ってみたいと思います。

最低利用期間はタイプ別に2種類

格安SIMで契約解除料が請求されるのは、最低利用期間内に他社への乗り換えや解約をする場合です。契約解除料が請求されない格安SIMでは、最低利用期間も設けられていません。

最低利用期間はキャリアや料金プランによって定義が異なりますが、大きく2つのタイプに分けられます。

・契約更新によって繰り返し継続されるもの
・契約から一定期間で終了するもの

なお、最低利用期間は主に携帯電話番号で電話の発着信ができる「音声通話SIM」に設定されています。「データ通信SIM」に関しては、今回チェックしたキャリアでは原則として最低利用期間を設定しているところはありません。

また、MNP制度を利用して番号を引き継げるのも音声通話SIMのみとなります。そのため、本記事で触れる料金プランや各種手数料は、いずれも音声通話SIMが対象となっています。

それでは、最低利用期間の有無やタイプ別に特徴をチェックしてみましょう。

●契約更新によって繰り返し継続されるものは?

契約の更新によって最低利用期間が繰り返し継続するのは、大手キャリアの「サブブランド」と呼ばれるワイモバイルやUQ mobileの格安SIM。該当する料金プランは、ワイモバイルが「スマホプラン」、UQ mobileが「おしゃべりプラン」および「ぴったりプラン」です。

大手キャリアのいわゆる「2年縛り」と同じ内容になっており、どちらも2年ごとに更新月が設けられていて、更新月以外のタイミングで乗り換えや解約をすると9,500円(税別、以下同)が請求されます。

また、MNP制度の転出手数料も契約からの時期によって異なります。新規契約から6か月以上が過ぎていれば3,000円ですが、6か月以内に乗り換える場合は2倍の6,000円が請求されます。つまり、契約して6か月以内に乗り換えようとすれば、合計15,500円かかることになります。

契約更新によって最低利用期間が繰り返し継続する格安SIM

契約更新によって最低利用期間が繰り返し継続する格安SIM

●契約から一定期間で終了するものは?

多くのMVNOやUQ mobileの「データ高速+音声通話プラン」および「データ無制限+音声通話プラン」では、契約から一定期間で最低利用期間が終了します。

期間は12か月間(1年間)が主流ですが、b-mobile「990ジャストフィットSIM」の5か月間、OCN モバイル ONEの6か月間のように、比較的期間が短い格安SIMもあります。また、楽天モバイルの「スーパーホーダイ」では最低利用期間が「12か月間」「24か月間」「36か月間」の3通りから選べるようになっており、長さに応じて月額料金の割引額が変わる仕組みになっています。

契約解除料もキャリアによって異なりますが、8,000円または9,800円が一般的です。IIJmio(みおふぉん)やnuroモバイルのように、最低利用期間が短くなるにつれて契約解除料が安くなっていくケースもあります。

MNP制度の転出手数料はいずれも3,000円ですが、UQ mobileとBIGLOBEモバイルでは、契約から日が浅いうちに乗り換えると2倍の6,000円が請求されます。最低利用期間が過ぎればどのキャリアも3,000円で転出できますが、最低利用期間内では1万円を超える出費を覚悟しなければなりません。

契約から一定期間で最低利用期間が終了する格安SIM

契約から一定期間で最低利用期間が終了する格安SIM

●最低利用期間が設けられていないのは?

mineo、イオンモバイル、LinksMateでは、すべての料金プランにおいて最低利用期間が設けられていません。また、b-mobileの「START SIM」と「スマホ電話SIM」、nuroモバイルで「お試しプラン」を契約した場合にも、最低利用期間が適用されません。

ただし、mineoとイオンモバイルは、短期間で他社へ転出する場合の転出手数料を高額に設定しています。mineoでは13か月以内(利用開始月を含む)に転出すると11,500円が、イオンモバイルでは90日以内(契約日を含む)に転出すると15,000円が請求されます。

どちらも解約に限っては契約解除料が請求されないものの、転出手数料が割高になるmineoの「13か月間」やイオンモバイルの「90日間」は、転出希望者に対する「実質的な最低利用期間」と言えるでしょう。なお、イオンモバイルに他社からMNP制度を利用して転入していた場合のみ、90日以内に転出しても転出手数料は高額になりません。

また、LinksMateは契約から短期間でも転出手数料が変わりませんが、解約時には「SIMカード削除事務手数料」として3,000円が請求されます。つまり、解約時には3,000円、他社への乗り換え時には5,000円が必ず生じることになります。

最低利用期間が設けられていない格安SIM

最低利用期間が設けられていない格安SIM

【まとめ】短期間で乗り換えもしやすい格安SIMは希少!

以上のように、多くの格安SIMでは1回限りの最低利用期間が設けられており、期間内に解約すると1万円前後の契約解除料が請求されます。また、最低利用期間を設けていない格安SIMでも、MNP制度を利用する際の転出手数料が割高になる場合があるため、実質的に契約解除料が請求されるのと変わりません。

どの場合でも短期間の乗り換えで契約解除料が請求されず、MNP制度の転出手数料も高額にならないのは、今回チェックしたキャリアではLinksMateのみとなります。

LinksMateの料金プランは、小容量の1GBから大容量の30GBまで5種類からデータ利用量を選ぶことが可能。毎回最初の10分が無料になる通話料割引オプション「MatePhone」(月額850円)や、ゲームアプリ・SNSアプリなどの通信量が抑えられるゼロレーティング機能「カウントフリーオプション」(月額500円)といったオプションサービスも比較的充実しています。

また、他社からMNP制度を利用して転入していた場合……つまり「やっぱり前のキャリアに戻りたい」といったケースに限られますが、イオンモバイルも短期間での乗り換え希望者に対して契約解除料や高額な転出手数料を請求していません。3,000円の転出手数料(および乗り換え先の契約手数料)だけで元のキャリアに戻れるので、比較的気軽に乗り換えられる格安SIMと言えるでしょう。

b-mobileの「START SIM」やnuroモバイルの「お試しプラン」なども契約解除料や高額な転出手数料を請求されませんが、これらは新規ユーザーに対するお試し専用の商品と位置付けられており、データ利用量が少なめに設定されていたり、一部のオプションが利用できなかったりといった制約があります。

格安SIMには興味があるけれど、もしも馴染めなかったらすぐにでも元のキャリアへ戻りたい……そんな思いから乗り換えをためらっている人は、まずはこうした格安SIMからチャレンジしてみるのもいいでしょう。

とはいえ、MNP制度を利用して別のキャリアに転出すれば、転出手数料と新規契約手数料を合わせて数千円の出費が確実に生じます。「どうせすぐに戻れるから」と安易に考えすぎず、格安SIMへ乗り換える必要性も含めて、慎重に検討することを忘れずに。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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