PCゲームを快適に遊びたいなら、ゲーミングPCを用意するのはもちろんのこと、「ゲーミングモニター」(ゲーミングディスプレイ)の重要性にも目を向けてみてはいかがでしょうか。ゲーミングモニターは一般的なPCモニターとは何が違うのか、どんなゲームをプレイする人に必要なのかを解説し、価格.comで人気のおすすめ製品を紹介します。
ゲーミングモニターとは、ずばりゲーム専用に開発されたモニターのことです。ゲームを快適に遊ぶためのスペックや機能を備えており、一般的なPCモニターと比べてゲームを段違いに快適に遊べます。最高の環境でゲームを遊びたい、そんな思いを抱いている人は、是が非でもゲーミングモニターにもこだわりたいところです。
PCモニターは「Webブラウジング」「Officeソフトでの資料作成」「映像の再生」といった、一般的なPC作業を行うために作られています。「写真/動画編集」といったクリエイティブな作業も、高度なものでなければ通常のPCモニターで問題なく作業できます。
いっぽうゲーミングモニターは、操作の入力を瞬時に画面に反映したり、映像を滑らかに表示したり、画面のチラツキや残像を抑えたりするなど、ゲームを遊ぶうえで欠かせない機能を備えています。
ただし、ひとくくりにゲーミングモニターと言っても、スペックによってプレイに適したゲームも変わってきます。たとえば、FPSやTPS、格闘ゲームなどのオンライン対戦ゲームを遊ぶ場合には、映像の滑らかさや遅延の少なさを重視し、オープンワールドゲームやアクションゲームなどの場合は映像の美しさを重視するなど、遊ぶゲームに応じてチェックすべきスペックも変わってきます。
そのため、ゲーミングモニターはどれを買っても同じというわけではなく、きちんと選んで購入する必要があるわけです。
PS5やNintendo Switchなどを遊ぶ人は、テレビに接続して遊んでいる人が多いのではないでしょうか。要求スペックの高くないNintendo Switchならテレビでも十分楽しめますが、PS5の場合は、手持ちのテレビや通常のPCモニターだと性能を十分に発揮できていない可能性があります。
PS5は4K表示、リフレッシュレート最大120Hz出力に対応しています。テレビ番組や映画を見ることを前提としたテレビで、このスペックを満たすモデルはまだ多くはなく、価格も高くなってしまいます。その点、ゲーミングモニターであれば選択肢が広くなり、価格も抑えられるため、PS5の性能をフルで楽しみたい人はゲーミングモニターの導入を検討してみていいと思います。
ゲーミングモニターの選び方は、大きく分けて「画面サイズ」「リフレッシュレート」「解像度」「パネルの種類」「入力端子の種類」があります。遊ぶゲームによって重視すべきポイントが変わってくるので、各項目をしっかり押さえておきましょう。
ゲーミングモニターを選ぶうえで、まず考えるべきは画面サイズです。画面サイズは小さいもので21インチ、大きいものだと40インチを超えるものもあります。画面サイズが大きくなるほど価格も高くなるため、高コスパな24〜27インチのゲーミングモニターが人気です。
FPSやTPSなどのゲームでは、画面に映る情報を瞬時に判断する必要があります。そのため、視線を大きく動かさずに画面全体が確認できる24インチが人気です。もう1サイズ大きい27インチを選ぶ人もいます。
いっぽう、グラフィック重視のアクションゲームやオープンワールドゲームを遊ぶ場合は、没入感を高める27インチ以上の画面サイズのゲーミングモニターが人気。どこまで大きなサイズを選ぶかは予算、設置場所なども関わってくるので、そういった点も合わせて確認しましょう。
<画面サイズの特徴>
・24インチ:
FPS、TPS、格闘ゲームなどグラフィックよりも動きを重視するゲームをプレイする人におすすめ
・27インチ:
24インチで物足りない場合や、オープンワールド、MMOなど大きな画面で没入感を高めたい人におすすめ
・30インチ以上:
オープンワールド、MMO、RPG、アドベンチャーゲームなどグラフィック重視のゲームを大画面でプレイしたい人におすすめ
リフレッシュレートとは、モニターが1秒間に画像を表示できる回数を示しています。パラパラ漫画を想像するとわかりやすいですが、一連の動きを10枚のページで表現するのと、100枚のページで表現するのでは動きの滑らかさに大きな違いが生まれます。
リフレッシュレートの場合、30Hzなら1秒間に30枚、60Hzなら60枚、144Hzなら144枚という具合で、リフレッシュレートが高くなればなるほど残像感の少ない滑らかな画面表示が可能になります。
ただし、いくらリフレッシュレートが高いモニターを選んでも、使用するゲーミングPCのスペックが足りないと宝の持ち腐れになるため、お使いのゲーミングPCが高リフレッシュレートで出力できるかどうかもチェックしてください。
<ゲーム機・ゲームジャンル別に、適したリフレッシュレートをチェック>
・PCでゲームをプレイする場合:
少なくとも144Hz以上はほしいところです。予算との兼ね合いとなりますが、165Hz、240Hzとリフレッシュレートが高いほど、勝率も上がるでしょう。FPSやTPS、格闘ゲームといった動きの激しいゲームを遊ぶのであれば、高ければ高いほど有利です。
・Nintendo Switch/PS4でプレイする場合:
ゲーム機器の映像出力が60Hz以下となるため、60Hzあれば問題ありません。ただし、リフレッシュレートが高くなるほど、ゲーミングモニター自体のスペックも高くなります。60Hz対応モニターより、144Hz以上に対応するモニターのほうが快適に感じることが多いでしょう。
・PS5でプレイする場合:
PS5は最大120Hz出力となるため、120Hz以上に対応するモニターを選びたいところ。加えて、PS5は最大4K出力に対応しているため、4K/120Hz以上に対応するゲーミングモニターがベストな選択肢となります。
<画面サイズから適したリフレッシュレートをチェック>
・24インチ:
144Hzと165Hzの違いはプロゲーマーでもない限り体感できないため、144Hzで十分でしょう。予算にこだわらずより勝利にこだわりたい人は、240Hzもアリです。
・27インチ:
オープンワールドやMMOもプレイできるサイズです。プレイするゲームにもよりますが、144Hzあればどのゲームでも過不足なくプレイできます。
モニターの解像度はフルHD(1920×1080)が標準です。どんなゲームをプレイするに当たっても、フルHDに対応していれば問題はありません。しかし、近年PCゲームや、PS5で増えてきている4K(3840×2160)対応タイトルをプレイしたい場合は、4K対応モニターが必要になります。
ただし、4K対応モニターは非常に高価であったり、ゲーミングPCのスペックが足りないと快適に遊べなかったりと、カジュアルゲーマーにはハードルの高い製品。4Kの代わりに、WQHD(2560×1440)対応モニターなら出費を抑えられますし、4Kほどではないにせよ、フルHDより高い解像度でゲームを楽しめます。
液晶パネルのゲーミングモニターには「TNパネル」「IPSパネル」「VAパネル」の3種類があります。ゲーミングには応答速度(画面が入力結果を表示する速度)の速いTNパネルが主流でした。しかし、近年ではIPSパネルやVAパネルでも高速な画面表示が可能になっており、かつ、画面描写の美しいIPSパネルやVAパネルが増えてきています。
TNパネル:
応答速度の速さが特徴だが、画質にクセがあることや、視野角が狭いといったデメリットがああります。
IPSパネル:
視野角が広く、色の再現性の高さが特徴。従来のTNパネルの弱点を補った「Fast IPS」「Nano IPS」といった高性能IPSパネルが登場しています。
VAパネル:
コントラストの高いくっきりした映像描写が特徴。TNパネルに比べて応答速度が遅いが、TNパネルと同等の速度を実現する「RAPID VA」パネルなどが登場しています。
ゲーミングモニターと、PCや家庭用ゲーム機を接続するポート(入力端子)には「HDMI」「DisplayPort」「USB Type-C(Thunderbolt 4.0)」などがあります。ゲーミングに向いているのは、高リフレッシュレートに対応するHDMIポートとDisplayPortとなるでしょう。
HDMIポート
DisplayPort
HDMIポートやDisplayPortは規格によって出力が異なります。4K/120Hz出力でゲームをプレイしたい場合、ゲーミングモニターに加えて、ゲーミングPCのHDMIポート、使用するケーブルがすべて「HDMI 2.1」に対応している必要があります。
また、DisplayPortは最大8K/120Hzに対応していますが、HDMIポートは最大5K/120Hzまでとなっています。しかし、8K対応タイトルはまだほとんど存在しないことと、HDMI対応デバイスのほうが一般的で価格も手ごろであることから、HDMIのほうが使い勝手が高いと言えます。
入力端子の数や場所も要チェック
ただし、モニターによってはDisplayPortのみ最高出力が可能なモデルもあるので、購入時には必ずチェックしましょう。
ゲーミングモニターを販売する主要メーカーの特徴も押さえておきましょう。価格.comにおけるメーカー別のシェア率はデル(Dell)が最も高く19.85%で、2位のJAPANNEXTが15.69%、3位のMSIが9.95%となっています。
2024年5月時点、価格.com ゲーミングモニターカテゴリのメーカー別シェア
デル:
米国に本社を構える、世界有数のパソコンメーカー。パソコン本体はもちろん、幅広いラインアップのモニター製品も展開しています。
JAPANNEXT:
千葉県に本社を構える国内メーカー。”世界で戦えるメーカー” を目指して、コスパにすぐれるモニター製品を数多く取り揃えています。
MSI:
台湾が拠点のメーカーで、世界有数のマザーボード、ビデオカードを製造するメーカーとして知られています。一般的なPCモニターからゲーミングモニターまで多彩な製品をラインアップしています。
IO DATA(アイ・オー・データ):
石川県に本社を構える国内の精密機器メーカー。コスパのよさと、老舗ながらの信頼性の高さが特徴です。
HP:
世界有数のパソコンメーカー。ゲーミングブランド「OMEN」シリーズにてゲーミングモニターを展開しており、エントリーからハイエンドまで用途に合わせたモデルが揃っています。
ASUS:
パソコン以外にも幅広いコンピューター機器を展開する、台湾の大手メーカー。ゲーマー向けに細かいところまで手が届く製品ラインアップで、特に「ROG」はゲーマーあこがれのブランドです。
BenQ:
台湾を拠点とする電気製品メーカー。オフィス向けからデザイナー向けはもちろん、ゲーミング向けのモニターも数多く取り揃えています。
ゲーミングモニターの特徴や選び方などを解説しましたが、実際に選び始めると迷う人も多いでしょう。そこで、ここでは価格.comで支持されている23インチ以上のゲーミングモニターをリフレッシュレート別に紹介します。もちろん、価格.comと言えばの「コスパの高さ」も選定基準に含めてみました。どれを買っていいかわからない人は、ひとまずこちらから選べば失敗しないでしょう。
ゲーミングPCでゲームをプレイするなら、最低でもリフレッシュレートが144Hz以上のゲーミングモニターを選びたいところです。ここではリフレッシュレートが144〜180Hzのゲーミングモニターの中からおすすめモデルを紹介します。
サイズ:23.8インチ
リフレッシュレート:144 Hz
パネル種類:Fast IPS
解像度:フルHD(1920×1080)
応答速度: 1ms(GTG、オーバードライブ時)
HDR方式:HDR10
入力端子:HDMI 2.0×2、DisplayPort 1.4×2
23.8インチのフルHD(1920×1080) 解像度で、Fast IPS液晶を採用したJAPANNEXTのAmazon限定モデル。リフレッシュレートが144Hz、応答速度が最大1ms(GTG)に対応しているほか、HDR10にも対応しており、ゲームはもちろん、動画鑑賞なども楽しめます。にもかかわらず、2万円を切る低価格というコスパのよさが特徴の1台です。
サイズ:23.8インチ
リフレッシュレート:180Hz
パネル種類:RAPID IPS
解像度:フルHD(1920×1080)
応答速度:1ms(GTG)
HDR方式:―
入力端子:HDMI 2.0×2、DisplayPort 1.2×1
従来のIPSよりも高速な応答を実現するRAPID IPSを採用したMSIのゲーミングモニター。リフレッシュレート最大180Hz+応答速度1ms(GTG)による残像感の少ない映像が楽しめます。FPSやTPSなどのオンライン対戦ゲームを中心に遊び、手ごろな価格のゲーミングモニターを探している人におすすめです。
サイズ:23.6インチ
リフレッシュレート:165Hz
パネル種類:Fast VA
解像度:フルHD(1920×1080)
応答速度:1ms(GTG)
HDR方式:HDR対応(規格不明)
入力端子:HDMI 2.0×2、DisplayPort 1.4×2
VAパネルを採用したPixioの曲面ディスプレイ搭載のゲーミングモニター。応答速度は1ms(MPRT)。湾曲したモニターと、Fast VAパネルの特徴である高いコントラストがゲームプレイの没入感を高めてくれるでしょう。
サイズ:27インチ
リフレッシュレート:DisplayPort:60〜165 Hz、HDMI:55〜144 Hz
パネル種類:IPS
解像度:WQHD(2560×1440)
応答速度:1ms(GTG、オーバードライブ時)
HDR方式:公式記載なし
入力端子:HDMI 2.0×2、DisplayPort 1.4×1
HPのゲーミングブランドOMENの27インチゲーミングモニター。WQHD解像度に加えてリフレッシュレートが最大165Hzと、幅広いゲームジャンルを1台でこなすパフォーマンスを備えています。
サイズ:27インチ
リフレッシュレート:HDMI:24〜144 Hz、DisplayPort:59.9〜180 Hz
パネル種類:AHVA
解像度:WQHD(2560×1440)
応答速度: 0.2ms(GTG)
HDR方式:HDR10
入力端子:HDMI×2、DisplayPort×1
IPSパネルの改良版AHVAパネルを採用したI-O DATA の27インチゲーミングモニター。残像感を抑える「Clear AIM」などのゲーミング向け機能を搭載し、最大0.2msの応答速度とリフレッシュレート最大180Hzのスペックで、FPSやアクションゲームに適したモデルとなっています。
サイズ:34インチ
リフレッシュレート:180 Hz
パネル種類:公式記載なし
解像度:UWQHD(3440×1440)
応答速度: 1ms(MPRT/標準値)
HDR方式:公式記載なし
入力端子:HDMI 2.0×2、DisplayPort 1.4×2
1500Rの湾曲率を採用したシャオミの曲面ゲーミングモニター。34インチという大画面に加え、最大180Hzのリフレッシュレートと、1ms(MPRT)の反応速度により、スピード感を求められるアクションゲームやレースゲームに対応できるでしょう。パネルの種類は不明ですが、このサイズで4万円を切る価格を実現しているのはコスパが非常に高いです。
リフレッシュレート240Hz以上のゲーミングモニターは、プロゲーマーなどシビアな勝負の世界で使われています。また、高いリフレッシュレートで画面を出力するにはゲーミングPCも相応のスペックが求められる点に注意してください。どちらかといえば、FPSやTPSなどのオンライン対戦ゲームの腕前を磨きたい、ほかのプレイヤーよりも上手になりたい人向けです。
サイズ:24.5インチ
リフレッシュレート:260 Hz
パネル種類:VA
解像度:フルHD(1920×1080)
応答速度: 6ms(GTG)
HDR方式:HDR10
入力端子:HDMI 2.0×2、DisplayPort 1.2×2
リフレッシュレート260Hzに対応するJAPANNEXTのフルHDゲーミングモニターです。VAパネルながら応答速度は申し分なく、ゲームも映像鑑賞もこなせる1台となっています。コスパが非常に高いので、とにかくリフレッシュレートの高いモニターを手に入れたい、という人におすすめです。
サイズ:24.5インチ
リフレッシュレート: 240Hz(最大280 Hz)
パネル種類:Fast IPS
解像度:フルHD(1920×1080)
応答速度:0.5〜3ms(GTG)
HDR方式:HDR対応(規格不明)
入力端子:HDMI 2.1×1、DisplayPort 1.4×2
リフレッシュレート最大280Hzに対応するデルのゲーミングモニター。応答速度は最大0.5msと高速で、滑らかな画面表示と超低遅延のゲームプレイを可能にします。このスペックで3万円台の価格を実現しており、コスパも非常に高いものがあります。
サイズ:27インチ
リフレッシュレート: 48〜240 Hz
パネル種類:RAPID IPS
解像度:WQHD(2560×1440)
応答速度:1ms(GTG)、1ms(MPRT)
HDR方式:公式記載なし
入力端子:HDMI 2.0×2、USB Type-C×1、DisplayPort 1.4×1
MSIのWQHD解像度ゲーミングモニター。一般的なIPSパネルと比べ駆動速度を4倍に高めたRAPID IPSパネルを採用し、リフレッシュレート最大240Hz、応答速度1ms(GTG)を実現しています。プロゲーマー級のスペックでレースゲームやFPSを楽しめるモデルとなっています。
サイズ:31.5インチ
リフレッシュレート: 240 Hz
パネル種類:VA
解像度:フルHD(1920×1440)
応答速度:3ms(GTG、オーバードライブ時)
HDR方式:HDR10
入力端子:HDMI 2.0×2、DisplayPort 1.2×1
JAPANNEXTの31.5インチ大型VAゲーミングモニター。解像度こそフルHDですが、それ以外のスペックは価格以上のものがあります。コスパがとても優秀なので、とにかく大画面で高速リフレッシュレートを体験したい、という人に必見の1台となるでしょう。