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価格差約1万円。両機の共通点と細かな違いを解説

違いを知らずに買うと後悔する!? SIMフリー版「Xperia 1」と「Xperia 5」徹底比較

ソニーモバイルから発売されるSIMフリー版「Xperia 1」と「Xperia 5」は、通信キャリア版をベースにしつつ、デュアルSIM化やメモリーの増強を行った製品だ。そんな両機の共通点や細かな違いを、ハードウェア、ソフトウェア、カメラなどのポイントから徹底比較してみた。

DSDV対応や基本性能の強化を図ったSIMフリー版「Xperia 1」と「Xperia 5」

ソニーモバイルは、この秋、「Xperia 1」「Xperia 5」「Xperia 8 lite」「Xperia 10 II」のSIMフリー版を次々に発売している。10月下旬には現行型の最新機種である「Xperia 1 II」のSIMフリー版も発売される予定で、スマートフォンの製品ラインアップのほとんどでSIMフリー版を選べるようになる。

今回比較するSIMフリー版「Xperia 1」と「Xperia 5」は、2019年に通信キャリア各社から発売されたものをベースに多少の変更を加えたもの。SIMフリーモデルではいずれも、nanoSIMカードスロットを2機備えたDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)仕様になっていることに加えて、ストレージの容量が64GBから128GBに増量されるなど、基本性能の向上も図られている。そのいっぽうで、ニーズの減ってきているフルセグ・ワンセグのテレビチューナーは非搭載となったほか、ヘッドホン端子も両機種ともに省略されている。なお、価格は「Xperia 1」が86,900円(税込み)、「Xperia 5」が75,900円(税込み)で、その価格差は11,000円となる。

両機ともSIMフリースマートフォンとしてのポテンシャルは高い。国内4キャリアのコアバンド・プラチナバンドを含むLTEの24バンドに対応しており、国内および海外のさまざまなSIMカードと適合する。また、NTTドコモ、au、ソフトバンク(ワイモバイル)、楽天モバイルのVoLTEに対応しており、2022年以降に予定されている各社の3Gサービス終了の後も問題なく利用できる。

いずれも2基のnanoSIMカードスロットを備え、DSDVに対応している点が、キャリアモデルとの大きな違いだ

いずれも2基のnanoSIMカードスロットを備え、DSDVに対応している点が、キャリアモデルとの大きな違いだ

いずれも縦長の有機ELディスプレイだが、「Xperia 1」は4K、「Xperia 5」フルHD+対応

まず両機のボディサイズから見てみよう。「Xperia 1」は、約72(幅)×167(高さ)×8.2(厚さ)mmで、重量約178gのボディに、3,840×1,644(4K)表示に対応した縦横比21:9の約6.5インチ有機ELディスプレイを搭載する。いっぽうの「Xpeira 5」は、約68(幅)×158(高さ)×8.2(厚さ)mm、重量約164gのボディに、2,520×1,080(フルHD+)表示に対応した約6.1インチの有機ELディスプレイを搭載する。いずれも、視界を遮るノッチ(切り欠き)やパンチホールがない平面ディスプレイで、プロ用モニターの画質チューニングに近づけた「クリエイターモード」にも対応している。

両機のサイズはひと回り違う。約6.1インチのディスプレイを装備する「Xperia 5」(左)ならポケットに入れてもさほど違和感はないが、約6.5インチのディスプレイを装備する大きく重い「Xperia 1」(右)は、ボディがひと回り大きく重いので持ち運びにそれなりに気を遣う

両機のサイズはひと回り違う。約6.1インチのディスプレイを装備する「Xperia 5」(左)ならポケットに入れてもさほど違和感はないが、約6.5インチのディスプレイを装備する大きく重い「Xperia 1」(右)は、ボディがひと回り大きく重いので持ち運びにそれなりに気を遣う

「Xperia 1」に搭載される4K有機ELディスプレイは魅力的だ。ただし、4K表示に対応するのはプリインストールされる動画・静止画閲覧アプリとYouTube、Netflixといった映像配信サービス、それと一部のベンチマークアプリやシステム情報ユーティリティなどに限られる。ホーム画面や設定画面のほか、ゲームを含む多くのアプリは消費電力を抑える目的もあってフルHD+表示にとどめられている。

「Xperia 1」の4Kディスプレイは、専用アプリを使うことで、静止画や動画をより高精細に表示できる。ただし、消費電力の削減目的もあり、一般のアプリやゲームなどはフルHD+表示にとどめられている

「Xperia 1」の4Kディスプレイは、専用アプリを使うことで、静止画や動画をより高精細に表示できる。ただし、消費電力の削減目的もあり、一般のアプリやゲームなどはフルHD+表示にとどめられている

プロ用モニターの画質チューニングに近づけた「クリエイターモード」は、「Xperia 1」「Xperia 5」のいずれも対応している。なお、NetFlixアプリでは自動で同モードに切り替わる

プロ用モニターの画質チューニングに近づけた「クリエイターモード」は、「Xperia 1」「Xperia 5」のいずれも対応している。なお、NetFlixアプリでは自動で同モードに切り替わる

次に、基本スペックの違いを見てみよう。両機とも基本スペックは共通で、2019年型のハイエンド向けSoC「Snapdragon 855」に6GBのメモリー、128GBのストレージ、512GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを備える。OSはAndroid 10だ。

ただ、各機種の処理性能を定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク(Ver.8.X)」を使って計測したところ、総合スコアは、「Xperia 1」が364,243に対して、「Xperia 5」は375,814と、およそ1万ポイントの差が出た。サブスコアを見るとグラフィック性能の「GPU」で差が出ているが、「Xperia 1」では、AnTuTuベンチマークは4K表示で動作しており、画面解像度の違いがスコアの差になったようだ。ただし、体感速度を見ると、両機に有意な差は感じられず、最新のゲームを最高画質で動作させても終始スムーズで、大型アプリの起動にかかる時間も同じ。両機の処理性能はほぼ同等と言っていいだろう。

AnTuTuベンチマークの計測結果。左が「Xperia 1」右が「Xperia 5」のもの。「Xperia 1」は4K表示で動作していたため、グラフィック性能を示す「GPU」のスコアで若干の差が生じたようだ

AnTuTuベンチマークの計測結果。左が「Xperia 1」右が「Xperia 5」のもの。「Xperia 1」は4K表示で動作していたため、グラフィック性能を示す「GPU」のスコアで若干の差が生じたようだ

ソニー独自のアプリが残る「Xperia 1」に対して、Google製アプリをベースにした「Xperia 5」

次に、ソフトウェアの面から両機を見てみよう。いずれもAndroid 10をプリインストールしている点は同じだが、利用頻度の高い日本語入力アプリでは、「Xperia 1」はソニーモバイル製の「POBox Plus」だが、「Xperia 5」はGoogle製の「Gboard」と、それぞれ異なっている。なお、「Xperia 1」には「Gboard」を追加できるが、「Xperia 5」に「POBox Plus」は追加できない。また、「Xperia 5」は音声通話、連絡帳、SMSといった基本的なアプリもGoogle製のAndroid標準のものに変更されている。

機能面で見ると、「POBox Plus」はプラグイン「マッシュルーム」に対応しているが「Gboard」は非対応となる。だが、それ以上にフリック入力のタイミングなど操作性の細かな違いが大きい。従来のXperiaシリーズの操作系になじんできた人には「Xperia 1」のほうが使いやすいだろう。なお、「Xperia 1」は「POBox Plus」を搭載する最後の製品となる。

「POBox Plus」シリーズはソニーエリクソンの時代から使われている日本語入力アプリ。サジェスト変換など、今では一般的な機能をいち早く取り入れてきた先進的なシステムだ

「POBox Plus」シリーズはソニーエリクソンの時代から使われている日本語入力アプリ。サジェスト変換など、今では一般的な機能をいち早く取り入れてきた先進的なシステムだ

「Gboard」は、多言語対応にすぐれており、Androidスマートフォンの多くが採用している標準的な言語入力アプリだ

「Gboard」は、多言語対応にすぐれており、Androidスマートフォンの多くが採用している標準的な言語入力アプリだ

カメラ機能は画質・画角いずれも共通

「Xperia 1」も「Xperia 5」もカメラのスペックに大きな違いはない。いずれもメインカメラは焦点距離52mmの望遠カメラ、26mmの標準カメラ、16mmの超広角カメラという組み合わせのトリプルカメラで(いずれも35mm換算の焦点距離)、イメージセンサーはいずれも1,220万画素となる。フロントカメラは約800万画素だ。ただし、機能は全く同じというわけではなく、「Xperia 1」に搭載されている960fpsのスーパースロー動画撮影機能が、「Xperia 5」では120fpsにとどめられているといった細かな違いがある。

以下に、「Xperia 1」と「Xperia 5」で撮影した静止画の作例を掲載する。初期設定のままカメラ任せのオートモードで撮影を行っている。

超広角カメラで撮影(左「Xperia 1」、右「Xperia 5」)

銀座4丁目の交差点。いずれも16mmという超広角で周辺を幅広く撮影できる。いずれもよく似た絵の傾向だ。超広角で目立つ周辺部分の画質低下も抑えられている

銀座4丁目の交差点。いずれも16mmという超広角で周辺を幅広く撮影できる。いずれもよく似た絵の傾向だ。超広角で目立つ周辺部分の画質低下も抑えられている

標準カメラで撮影(左「Xperia 1」、右「Xperia 5」)

上と同じ場所を、標準カメラに切り替えて撮影。こちらも全般的な傾向はよく似ており、建物の解像感も同じように高い

上と同じ場所を、標準カメラに切り替えて撮影。こちらも全般的な傾向はよく似ており、建物の解像感も同じように高い

望遠カメラで撮影(左「Xperia 1」、右「Xperia 5」)

同じ場所を、望遠カメラに切り替えて撮影。建物のレリーフや時計台の細部もよくわかる。両機とも、カメラを切り替えても全体的なトーンの変化は少ない

同じ場所を、望遠カメラに切り替えて撮影。建物のレリーフや時計台の細部もよくわかる。両機とも、カメラを切り替えても全体的なトーンの変化は少ない

超広角カメラで撮影(左「Xperia 1」、右「Xperia 5」)

深夜の浄水場を超広角カメラで撮影。極端な手ぶれは見られないものの、鮮明とは言えない

深夜の浄水場を超広角カメラで撮影。極端な手ぶれは見られないものの、鮮明とは言えない

標準カメラで撮影(左「Xperia 1」、右「Xperia 5」)

上と同じ場所を標準カメラに切り替えて撮影。空に浮かぶ雲の様子もしっかり写っており、高感度撮影の能力が高いことがわかる。ただし、海外メーカーのスマートフォンのように光量を増幅させた超現実的な絵作りではなく、現実的な夜景というイメージだ

上と同じ場所を標準カメラに切り替えて撮影。空に浮かぶ雲の様子もしっかり写っており、高感度撮影の能力が高いことがわかる。ただし、海外メーカーのスマートフォンのように光量を増幅させた超現実的な絵作りではなく、現実的な夜景というイメージだ

望遠カメラで撮影(左「Xperia 1」、右「Xperia 5」)

上と同じ場所を望遠カメラに切り替えて撮影。明るさが多少異なっているが、誤差の範囲内だろう。両機とも、肉眼の印象に近い現実的な明るさで写っている

上と同じ場所を望遠カメラに切り替えて撮影。明るさが多少異なっているが、誤差の範囲内だろう。両機とも、肉眼の印象に近い現実的な明るさで写っている

両機とも、画質の傾向はよく似ており、カメラ性能はほぼ同等と言える。また、夜景撮影では、海外メーカー製スマートフォンで見かけることの多い超現実的な明るさではなく、手ぶれは抑えつつもあくまで現実的な明るさに抑えている点も共通している。

「Xperia 5」はおサイフケータイ対応

両機は搭載される機能に若干の違いがある。「Xperia 1」は、おサイフケータイで使うFeliCaポートは非搭載。いっぽうの「Xperia 5」はFeliCaポートを搭載する。なお、「Xperia 5」は、交通系ICカードの「モバイルSuica」と「モバイルPASMO」の併用に対応している数少ないSIMフリースマートフォンの1台でもある。

この両機のもっとも大きな違いは、意外にこの点かもしれない。おサイフケータイを取るかで、どちらを購入したほうが自分のライフスタイルに合っているかで決めてしまっても悪くないだろう。なお、10月下旬に発売されるSIMフリー版「Xperia 1 II」はFeliCaポートに加えてQiポートも備えているの両方を備えている。ただし価格は136,400円(税込み。直販価格)と、この2機種に比べるとかなり上がってしまう。

2020年10月7日訂正:「Xperia 1」はQi対応と記載していましたが、正しくは非搭載です。以上訂正し、お詫びいたします。

映像特化の「Xperia 1」に対して、用途を選びにくい「Xperia 5」

以上、SIMフリーモデルの「Xperia 1」と「Xperia 5」の違いを見てみたが、見てわかるとおり、両機はまずボディサイズが異なる。そのいっぽうで、「Xperia 1」ならではの特徴である4Kディスプレイはプリインストールされる映像系アプリと一部の追加アプリのみが4K対応で、ゲームなどの用途ではほぼ差が出ない。主要スペックも同じで、カメラ機能も同じなので、映像にこだわる人以外、「Xperia 1」を選ぶ理由は少ないだろう。なお、日本語入力アプリの「POBox Plus」はこれまでXperiaシリーズの大きな特徴だったが、「Xperia 1」が搭載される最後のモデルとなる。「POBox Plus」にこだわりのある人はこのタイミングで購入を考えてもよいだろう。

機能面では、FeliCa(おサイフケータイ)の搭載・非搭載が大きい。おサイフケータイに対応する「Xperia 5」は、価格も安く、1台でさまざまな用途に対応する、より万人向けモデルと言えるだろう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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