レビュー
FeliCa、防水・防塵対応、90Hz駆動液晶、8GBメモリー搭載で3万円台

この冬最高レベルの高コスパスマホ「AQUOS sense4 plus」

シャープ「AQUOS sense4」シリーズの派生モデルである「AQUOS sense4 plus」が楽天モバイルから発売された。90Hz駆動に対応した大画面ディスプレイや、8GBの大容量メモリー、ステレオスピーカーなどを備えつつ、価格は39,819円(税別)に抑えられた、コストパフォーマンスにすぐれた製品だ。

【変更履歴】初出時に価格を税込と記載していましたが、正しくは税別でした。お詫びして訂正します。該当箇所は修正済みです。[2020年12月12日 8:30]

90Hz駆動ディスプレイと8GBのメモリー搭載で3万円台!

「AQUOS sense4 plus」は、「AQUOS sense4」の派生モデルで、通常版よりもひと回り大きな約6.7インチの大画面液晶を搭載するのが特徴。11月末より楽天モバイルから発売されているが、型番が「SH-M16」となっており、楽天モバイル専売のAQUOSシリーズに見られる記号「RM」が付いていない。また、楽天モバイルは端末のSIMロックを実施しておらず、端末のみでも販売している。楽天モバイルにおける価格は39,819円(税別)、楽天モバイル スマホ専門店では43,800円(税込)。なお、「AQUOS sense4」の実売価格は36,000円前後なので、両機の価格差は数千円にとどまっている。

「AQUOS sense4 plus」のボディサイズは、約78(幅)×166(高さ)×8.8(厚さ)mm、重量約197gとなる。ベースモデルの「AQUOS sense4」と比べると幅が約7mm、高さが18mmそれぞれ大きく、約20g重いが、厚さについては本機のほうが0.1mm薄い。ディスプレイは2,400×1,080のフルHD+表示に対応する約6.7インチの液晶だが、90Hzの1.5倍速駆動と120Hzの倍速タッチサンプリングレートに対応したもの。この手の高速駆動ディスプレイはハイエンドモデルで増えてきているが、3万円台の製品ではかなり珍しい。

左が本機、右がAQUOS sense4。ひとまわり以上大きなサイズだ

左が本機、右がAQUOS sense4。ひとまわり以上大きなサイズだ

指紋認証センサーは背面に配置される

指紋認証センサーは背面に配置される

なお、本機のディスプレイは、AQUOS senseシリーズで採用されてきたIGZO液晶ではなく社外品のディスプレイとなる。画質の全般的な傾向はIGZO液晶を備える「AQUOS sense4」と似ているが、視野角がやや狭く、輝度を落としした場合の発色が、「AQUOS sense4」に比べるとやや鮮やかさに欠ける感じがあった。なお、このディスプレイの特徴である90Hz駆動もついては、元々のIGZO液晶自体、応答速度が速く残像感が少ないため、「AQUOS sense4」と並べて比較すれば違いがわかるものの、明らかに違うというほどの差ではない。いっぽう、120Hzというタッチサンプリングレートの向上は、アクション性の高いゲームの操作や、画面スクロールの追従性で、その優位性を感じやすかった。

上が「AQUOS sense4」、下が本機。カラーバーを表示させたが、赤いバーの発色を見ると、「AQUOS sense4」のほうが鮮やかに見える

上が「AQUOS sense4」、下が本機。カラーバーを表示させたが、赤いバーの発色を見ると、「AQUOS sense4」のほうが鮮やかに見える

サウンド機能では、左右にステレオスピーカーを備えており、本体だけでステレオ再生が行える。この点は、モノラルスピーカーだけの「AQUOS sense4」よりすぐれている。なお、前モデル「AQUOS sense3 plus」に搭載されていた、サウンドエンハンサー「Dolby Atmos」は搭載されていない。

なお、ボディは、IPX5/8等級の防水仕様と、IP6X等級の防塵仕様には対応しており、浴室でも使用できる。ただし、「AQUOS sense4」では対応している、アルコールを含んだ除菌シートへの対応は明記されていない。また、米国国防総省の調達基準に適合したタフネス仕様もクリアしていないなどの違いがあり、この点では「AQUOS sense4」にやや劣る。

「AQUOS sense4」に搭載される「Payトリガー」やGoogleアシスタントの呼び出しボタンも搭載されている。FeliCaポートももちろん搭載している

「AQUOS sense4」に搭載される「Payトリガー」やGoogleアシスタントの呼び出しボタンも搭載されている。FeliCaポートももちろん搭載している

ボディ下面には、スピーカーホール(写真左)、USB Type-Cポート(写真中央)、マイクホール(写真右)が装備される

ボディ下面には、スピーカーホール(写真左)、USB Type-Cポート(写真中央)、マイクホール(写真右)が装備される

ボディ上面にはヘッドホン端子が装備される

ボディ上面にはヘッドホン端子が装備される

「AQUOS sense4」と処理性能は同じだがメモリー容量が多く、動作はスムーズ

本機に搭載されるSoCは、「Snapdragon 720G」で、これに8GBのメモリー、128GBのストレージ、1TBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせる。このSoCは「AQUOS sense4」と同じものだが、本機はメモリーとストレージの容量が倍増している点が大きく異なる。なお、OSはAndroid 10で、AQUOSシリーズに共通する、発売後2年間2回のバージョンアップ保証が付いている。実際の処理性能をベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク」を使用して計測したところ、総合スコアは280,175(内訳、CPU:99,597、GPU:72,763、MEM:51,532、UX:56,283)となった。価格.comマガジンで計測した「AQUOS sense4」のスコア、267,328(内訳CPU:101,706、GPU:72,740、MEM:47,370、UX:45,512)と比べると、13,000ポイントほど本機のほうがスコアが高い。サブスコアを見ると、SoCの性能に影響される「CPU」と「GPU」は誤差の範囲だが、メモリー容量が多いことが影響して「MEM」のスコアと体感速度に影響する「UX」のスコアは本機のほうが良好だった。

アプリの起動やアプリの挙動では「AQUOS sense4」と本機とでは目立った違いはないものの、大容量のアプリを切り替えながら使うような状況では、メモリーの多い本機のほうがスムーズ。たとえば、ブラウザーで攻略サイトを見つつゲームをプレイするような使い方に適している。

AnTuTuベンチマークの計測結果。左が本機、右が「AQUOS sense4」のもの。処理性能を示す「CPU」や、グラフィック性能を示す「GPU」のスコアは誤差の範囲だが、メモリー容量の違いがMEMとUXのスコアに現われている

AnTuTuベンチマークの計測結果。左が本機、右が「AQUOS sense4」のもの。処理性能を示す「CPU」や、グラフィック性能を示す「GPU」のスコアは誤差の範囲だが、メモリー容量の違いがMEMとUXのスコアに現われている

処理性能が向上したことを受けて、AQUOSの上位モデルに搭載されていたゲーム最適化機能「ゲーミング設定」が搭載されるようになった

処理性能が向上したことを受けて、AQUOSの上位モデルに搭載されていたゲーム最適化機能「ゲーミング設定」が搭載されるようになった

広角、標準、マクロ+深度センサーのクアッドカメラを搭載。フロントカメラもデュアルカメラ仕様

本機のメインカメラは、約500万画素の広角カメラ、約4,800万画素の標準カメラ、約190万画素のマクロカメラ、約190万画素の深度センサーという組み合わせのクアッドカメラだ。これは、「AQUOS sense4」の、広角、標準、望遠のトリプルカメラとは構成が大きく異なる。いっぽう、カメラアプリは共通で、AIを使ったシーン認識機能「AIオート」や「ナイトモード」、動画撮影時に自動で静止画の撮影を行う「AIライブシャッター」などの機能が搭載される。また、フロントカメラにも深度センサーが搭載されたデュアルカメラ仕様で、セルフィー撮影でも背景をぼかした撮影が行える。

メインカメラは、広角、標準、マクロ+深度センサーという組み合わせのクアッドカメラ仕様

メインカメラは、広角、標準、マクロ+深度センサーという組み合わせのクアッドカメラ仕様

フロントカメラは、約800万画素の標準カメラと被写界深度センサーを組み合わせたデュアルカメラ仕様。セルフィー撮影でも背景をぼかした遠近感のある撮影が行える

フロントカメラは、約800万画素の標準カメラと被写界深度センサーを組み合わせたデュアルカメラ仕様。セルフィー撮影でも背景をぼかした遠近感のある撮影が行える

以下に本機のメインカメラを使って撮影した静止画の作例を掲載する。なお、いずれも初期設定のオートモードのまま撮影を行っている。

標準カメラで撮影

紅葉する街路樹を逆光気味に撮影。画素数が高いため、葉の解像感は良好だ

紅葉する街路樹を逆光気味に撮影。画素数が高いため、葉の解像感は良好だ

広角カメラで撮影

上と同じシーンを広角カメラに切り替えて撮影。逆光のためかコントラストが低下している。また、周辺部分の画質のざらつきも目立つ

上と同じシーンを広角カメラに切り替えて撮影。逆光のためかコントラストが低下している。また、周辺部分の画質のざらつきも目立つ

標準カメラで撮影(夜景)

ビル街の夜景を撮影。明暗差が大きい構図だが、階調や発色は悪くない。ノイズもさほど目立っておらず、手持ち撮影ながら手ぶれも抑えられている

ビル街の夜景を撮影。明暗差が大きい構図だが、階調や発色は悪くない。ノイズもさほど目立っておらず、手持ち撮影ながら手ぶれも抑えられている

広角カメラで撮影(夜景)

上と同じシーンを広角カメラに切り替えて撮影。性能的に限界に近いようで、カラーノイズが全般に目立つ。また、画像処理がうまくいっておらず、ビルの窓枠部分ががたついている

上と同じシーンを広角カメラに切り替えて撮影。性能的に限界に近いようで、カラーノイズが全般に目立つ。また、画像処理がうまくいっておらず、ビルの窓枠部分ががたついている

標準カメラで撮影(夜景)

日没直後の空を標準カメラで撮影。街の部分は黒くつぶれてしまっている。このような暗めのシーンになると、高感度撮影の限界が現れやすい

日没直後の空を標準カメラで撮影。街の部分は黒くつぶれてしまっている。このような暗めのシーンになると、高感度撮影の限界が現れやすい

マクロカメラで撮影

マクロカメラでパンジーを接写、強めの風が吹いていたものの被写体ぶれは見られなかった。約190万画素と低画素で被写界深度も浅いが、明るい屋外などならマクロ撮影を十分に楽しめそうだ

マクロカメラでパンジーを接写、強めの風が吹いていたものの被写体ぶれは見られなかった。約190万画素と低画素で被写界深度も浅いが、明るい屋外などならマクロ撮影を十分に楽しめそうだ

本機のメインカメラはクアッドカメラ仕様でスペックはかなり高い。特に標準カメラは画素数も高くAQUOSシリーズのカメラによく見られる低照度におけるオートフォーカスの遅さも標準カメラでは改善されている。ただ、高感度撮影では「AQUOS sense4」の標準カメラ(約1,200万画素)のほうが優秀に思えた。なお、新機能ではないものの、撮影した動画を自動で15秒程度のショートムービーに編集してくれる「AIライブストーリー」や、被写体を自動でズームする「フォーカス再生」に対応しており、動画をさまざまに楽しめる機能は魅力的だ。

AIが自動で動画を編集してくれる「AIライブストーリー」は、スタンダード、ファン、リラックスという3種類のトーンを選べる

AIが自動で動画を編集してくれる「AIライブストーリー」は、スタンダード、ファン、リラックスという3種類のトーンを選べる

eSIMには非対応だが、2基のSIMカードスロットを搭載し、DSDVにも対応する

通信機能では、2基のnanoSIMカードスロットを備え、2個のSIMカードで同時にVoLTEの待ち受けが行えるDSDVに対応している。なお、同じ楽天モバイル専売の「AQUOS sense4 lite」とは異なり、eSIMには対応していない。楽天モバイルのネットワークとの親和性が高いのは当然だが、4Gの対応バンドはB1/2/3/4/5/7/8/11/12/17/18/19/26/28/41で、国内の通信キャリアが展開する主要な4Gの周波数帯を網羅している。また、NTTドコモ、au、(ワイモバイル)ソフトバンクのVoLTEにも対応しており、国内で流通する主要なSIMカードとの適合性は高い。

「AQUOS sense4」ほどのバッテリー持ちは期待できない

本機は4,120mAhのバッテリーを内蔵している。電池持ちに関する指標を見ると、連続通話時間は約3,000分(VoLTE)、連続待ち受け時間は約720時間(LTE)となっており、「AQUOS sense4」の約3,800分、約1,020時間よりも2〜3割ほど短い。これは、そもそものバッテリー容量が少ないこととともに、ディスプレイがIGZO液晶でないことも影響している。実際に使ってみたところ、1日3時間程度(1時間の3Dゲームを含む)の利用ペースで丸2日以上は持続したが、同じような使い方でも「AQUOS sense4」では3日以上持続したことからも、バッテリー性能は「AQUOS sense4」に劣る。ただ、6インチ台後半の大画面スマートフォンとして見ると本機の電池持ちが悪いわけではなく、十分な性能と言っていいだろう。

映像視聴やゲームプレイにより適した仕様の「AQUOS sense4」

本機の前身となる「AQUOS sense3 plus」は、「AQUOS sense3」よりも高価で、グレードの高いSoCを備えた上位モデルだった。しかし、「AQUOS sense4」自体のスペックが大きく上がったことによって、「AQUOS senses4 plus」には、そこまでの大きなアドバンテージはなくなった。

「AQUOS sense4 plus」の強みは、90Hz駆動と120Hzの倍速タッチサンプリングレートに対応している大画面ディスプレイや、ステレオスピーカーの搭載、8GBの大容量メモリーなどで、映像視聴やゲームプレイなどをよく行う人に適している。「AQUOS sense4」と比較するとバッテリーは長持ちしないが、それでも2日以上の利用は可能なので、悪くはない。なお、本機のクアッドカメラと「AQUOS sense4」のトリプルカメラはそれぞれ一長一短があり、性能差の現われやすい高感度撮影では「AQUOS sense4」のほうがすぐれているなど、優劣の差は付けづらい部分がある。ただ、全体的に見れば、多機能かつ高性能な製品であり、「3万円台でこの内容」というコストパフォーマンスの高さは、今冬登場するスマートフォンの中でも最高レベルにあると言っても過言ではなさそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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