レビュー

「Galaxy S22 Ultra」レビュー。Sペン、ディスプレイ、カメラと揃った使い勝手が優秀

「Galaxy S22」シリーズは、サムスン電子が2022年4月に発売したフラグシップスマートフォンだ。なかでも注目は、NTTドコモやauで取り扱われる最上位モデルの「Galaxy S22 Ultra」。同機は、シリーズとして初めて「Sペン」を搭載しており、これまでSペン内蔵が特徴であった「Galaxy Note」シリーズの実質的な後継機種とも言える存在だ。今夏モデルとしての注目度も高い。本稿では、同機の実力について、改めて確認していこう。

Galaxy S22 Ultra(写真はNTTドコモ版のSC-52C)

Galaxy S22 Ultra(写真はNTTドコモ版のSC-52C)

NoteシリーズとSシリーズが融合したようなデザイン

「Galaxy S22 Ultra」のディスプレイサイズは6.8インチと、ハイエンドのスマートフォンのなかでも、表示領域は広い部類だ。フロントカメラもディスプレイ上部中央に配置されたパンチホール型で、画面表示をじゃましない。

ディスプレイは6.8インチ。サイズは約77.9(幅)×163.3(高さ)× 8.9(厚さ)mm 、重量は229g

ディスプレイは6.8インチ。サイズは約77.9(幅)×163.3(高さ)× 8.9(厚さ)mm 、重量は229g

背面には(一見するとレンズが5つ備わっているように思えるが)、4眼カメラを備える。外観としてカメラの存在感は確かにあるが、カメラの数の多さの割にすっきりしたデザインだ。ただし、カメラはそれぞれ少し飛び出ているので、日常使いをするうえでは保護ケースを装着したほうがやはり安心だと思う。

今回試用したNTTドコモ版のSC-52Cでは、背面中央にdocomoのロゴ、その右にFeliCaマーク、下部にGalaxyのブランドロゴが刻印されていた

今回試用したNTTドコモ版のSC-52Cでは、背面中央にdocomoのロゴ、その右にFeliCaマーク、下部にGalaxyのブランドロゴが刻印されていた

筐体の形状は、上下側面から見ると、楕円形になっているのがわかる。ディスプレイの左右端を確認すると、表示領域も含めてわずかにラウンドしている。背面も同様だ。メタリックな光沢感のある側面のフレーム部についても、左右側面は丸みを帯びている。

左側面(左上)、上側面(右上)、下側面(左下)、右側面(右下)

左側面(左上)、上側面(右上)、下側面(左下)、右側面(右下)

ボタン類は、右側面にまとまっており、一体型の音量上下キーと、電源キーが並ぶ。ポートは下部底面にUSB Type-Cがあるのみで、ヘッドホン端子は非搭載だ。同じく底面の左側にSペンが収納されている。スピーカーの穴と、SIMスロットなども底面にある。

ちなみに、今回試用したカラーは「バーガンディ」。フランスのブルゴーニュを英語読みにしたもので、同地方のワインやその色を指す語だ。実際の筐体の色味としては、ワインそのものよりも、赤いブドウがブルーム(白い粉のようなロウ状の成分)を纏ったような風合いに近く、なかなか上品だ。このほかには、「ファントム ブラック」というカラーも用意されている。

コンテンツ視聴やゲームを楽しみやすいディスプレイとスピーカー

6.8インチのディスプレイには、「Dynamic AMOLED」と呼ばれる有機ELパネルを採用。解像度はQuad HD+(3088x1440)で、約1600万色を表示できる。

有機ELディスプレイは、バックライトが必要ない構造上、深い黒みを再現しやすいのが特徴だ。本機のディスレイも、その例に漏れず、コンテンツや写真を表示した際の“黒”の表現が美しい。さらに、Galaxy S22 Ultraのディスプレイは、ピーク輝度も1750nitと群を抜いて高く、定額動画配信サービスでHDRコンテンツを楽しむにも最適だ。

ディスプレイのコントラスト比は高く、快調豊かな画面表示が可能だ

ディスプレイのコントラスト比は高く、快調豊かな画面表示が可能だ

大画面はマルチタスクにも適する。あらかじめ「エッジパネル」に「アプリペア」を作成しておけば、マルチウィンドウを素早く起動できる

大画面はマルチタスクにも適する。あらかじめ「エッジパネル」に「アプリペア」を作成しておけば、マルチウィンドウを素早く起動できる

リフレッシュレート(画面表示を切り替える頻度)は最大120Hzに対応しており、表示は滑らか。実際に、Webサイトをゆっくりスクロールさせながらでも、記事中の文字を視認しやすかった。また、リフレッシュレートは1〜120Hzで調整され、高いリフレッシュレートが不要な場面では、リフレッシュレートを下げることで電力消費のバランスを最適化する。設定で60Hz固定にすることも可能だ。

内蔵スピーカーは、通話時の耳元と、下側面の左側に配置

内蔵スピーカーは、通話時の耳元と、下側面の左側に配置

内蔵スピーカーに関しては、最大音量が非常に大きい。10畳を超えるリビングに音楽を響かせたい場合でも、2/3程度の音量で十分だ。音質については、高音から低音まで、比較的フラットで、解像感も悪くない。

横持ちの際には、スピーカー(赤丸部分)を塞がないように注意したい。ちなみに、タッチサンプリングレート(1秒間でタッチを認識している頻度)は240Hzに対応

横持ちの際には、スピーカー(赤丸部分)を塞がないように注意したい。ちなみに、タッチサンプリングレート(1秒間でタッチを認識している頻度)は240Hzに対応

ただし、手持ちでゲームをプレイしている場合などには、側面のスピーカー穴を塞いでしまいがち。持ち方の癖によっては、音が籠るように聞こえてしまうこともあるので、持ち方そのものを工夫するか、ワイヤレスイヤホンなどを活用するといった対応も考えておきたい。

使い勝手をさらに向上させたフラグシップらしいカメラ機能

先述のとおり、本機は背面にクアッドカメラを搭載する。メインカメラ(1億800万画素、F1.8)、超広角カメラ(1200万画素、F2.2)、3倍望遠カメラ(70mm、1000万画素、F2.4)、10倍望遠カメラ(230mm、1000万画素、F4.9)というフラグシップらしい構成だ。いっぽう、インカメラは単眼で、4000万画素・F2.2という仕様。ただし、こちらもカメラアプリ上のUI操作で、やや広角な画角に切り替えることはできる。

メインカメラでの作例。日が反射している葉も白飛びせず、影で暗い部分もディティールを失わずに撮れている

メインカメラでの作例。日が反射している葉も白飛びせず、影で暗い部分もディティールを失わずに撮れている

背面の標準カメラは1億800万画素だが、常に高解像度での撮影が行われるわけではない。具体的には、カメラアプリ内のUIからアスペクト比を選ぶアイコンをタップし、「3:4 108MP」を選ぶことで、高解像度撮影が可能となる。ちなみに、通常の静止画撮影だと画像1枚のデータ容量は3〜6MBだが、108MPにすると20MB弱に跳ね上がる。ストレージのことを考えると、ここぞという使いどころを見極めるのが重要だろう。

アスペクト比の変更画面から108MPを選ぶと高解像度撮影が可能(画像左)。その場合、撮影した画像の容量は大きくなる(画像右)

アスペクト比の変更画面から108MPを選ぶと高解像度撮影が可能(画像左)。その場合、撮影した画像の容量は大きくなる(画像右)

静止画撮影の仕上がりについて、色味の補正はやや強めだ。とはいえ、不自然さがあるわけではなく、レタッチの手間を極力省いてくれるような印象。この点は、Galaxyシリーズのフラグシップを使っていた人からすれば、従来どおりの感覚と言えよう。

望遠カメラは光学ズーム最大3倍対応と光学ズーム最大10倍対応の2つを備えていて、デジタルズームを併用すれば最大100倍まで被写体に寄れる。これは従来機から踏襲した特徴ではあるが、依然魅力的なポイント。実際、離れた場所から野鳥を撮影したり、木の高い枝に生えたキノコを撮影したり、といった使い方ができ、同機を携行してのフォトウォークは楽しかった。

メインカメラでの作例(等倍)

メインカメラでの作例(等倍)

望遠カメラ(光学3倍ズーム)での作例

望遠カメラ(光学3倍ズーム)での作例

望遠カメラ(光学10倍ズーム)での作例

望遠カメラ(光学10倍ズーム)での作例

100倍望遠カメラでの作例。デジタルズームなので画質は劣化するものの、葉のギザギザが視認できるレベルだ

100倍望遠カメラでの作例。デジタルズームなので画質は劣化するものの、葉のギザギザが視認できるレベルだ

望遠カメラは離れたところから動物を撮影する際などに最適だ

望遠カメラは離れたところから動物を撮影する際などに最適だ

もちろん、100倍ズームを使えば、多少のノイズは出てくる。しかし、日常の撮影における大抵の場面では、10倍望遠に切り替えられるだけでも十分有用だ。

撮影機能はフラッグシップモデルにふさわしく豊富で、マニュアル撮影や、「ナイトモード」「スローモーション」「パノラマ」「ハイパーラプス」などはひと通り揃える。さらに、Galaxyシリーズではすでにおなじみの「シングルテイク」や「ディレクターズビュー」といった便利機能にも対応する。

特に、ナイトモードでの静止画撮影は強力だ。たとえば、肉眼ではほとんど見えないような暗がりであっても、シャッターボタンを押して数秒カメラを動かさないだけで、周囲に明かりがあるかのように撮影できる。

肉眼では暗くて色がほとんど見えないような明るさでも、ナイトモードで撮影すればご覧のとおりに

肉眼では暗くて色がほとんど見えないような明るさでも、ナイトモードで撮影すればご覧のとおりに

良好な使い勝手のSペン

先述したとおり、「Galaxy S22 Ultra」は、下側面の左側にSペンを内蔵する。該当部分をカチッと押し込むことで、内蔵されたペンの軸が僅かに伸び、ペンを引き出せるという仕組みだ。引き出したSペンを使えば、画面のタッチ操作はもちろん、手書きの書き込みなども行える。手書き文字のテキスト変換などにも対応する。

Sペンは正面の左下に収納

Sペンは正面の左下に収納

Sペンを引き出したタイミングで、関連機能のショートカットが画面に表示される。同画面からノートや、スマート選択(選択部をスクリーンショットする機能)などの機能を起動できる

Sペンを引き出したタイミングで、関連機能のショートカットが画面に表示される。同画面からノートや、スマート選択(選択部をスクリーンショットする機能)などの機能を起動できる

仕様としては、従来の「Note」シリーズと比べて、遅延が改善されたことがポイント。素早くペンを走らせても、筆跡がぴったりとペン先の動きに付いてくるのが心地よい。アプリによっては、パームリジェクション(触れた掌などが反応しない機能)にも対応しているので、ディスプレイ上に手を乗せて固定しながら文字を書いたり、デッサンしたりしても誤動作はない。

「Sketchbook」アプリをインストールして試用。速いストロークでも、線がピッタリとペン先についてきた

「Sketchbook」アプリをインストールして試用。速いストロークでも、線がピッタリとペン先についてきた

Sペンと相性のよい新機能としては、「ギャラリー」アプリ内にある「オブジェクト消去機能」に注目だ。これは、画像内に写り込んでしまった余計なものを、タップで自動選択して消去できるというもの。自動選択は手軽である反面、指先のタップでは細かい対象を絞り切るのが難しい。

Sペンで境界線を指定すれば、オブジェクト消去機能を使って細かい修正が行いやすい(画像左)。修正後の写真(画像右)

Sペンで境界線を指定すれば、オブジェクト消去機能を使って細かい修正が行いやすい(画像左)。修正後の写真(画像右)

しかし、Sペンを活用することで、ペン先を当てて手動で指定した部分だけを消去できる。「Adobe Photoshop」でいうところの「スポット修正ブラシツール」のような感覚だ。たとえば、小物をきれいに撮影できたが、落ちた髪の毛が写りこんでしまった――といった場面で、髪の毛に対してピンポイントな修正ができる。

パフォーマンスは現状でAndroidスマートフォン最高峰

Galaxy S22 Ultraは、チップセットにクアルコムの最新SoC「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載。 12GBのメモリー、256GBのストレージ容量を備えるフラグシップらしい構成だ。通信仕様は、5GがSub-6/ミリ波の両対応。バッテリー容量は5000mAhある。IP68の防水・防塵性能も備えており、仕様面で文句の付けどころは一切ない。

ベンチマークアプリの「GeekBench 5」でテストを行ったところ、CPUのシングルコアスコアが1220、マルチコアスコアが3425、COMPUTE(OpenCL)のスコアが5884。Androidスマートフォンとしても最高レベルの結果だ。

GeekBench 5の結果

GeekBench 5の結果

実際にグラフィック処理が重めのゲームアプリを高い解像度でプレイしても、気になる部分はなく、サクサクとこなせた。検証として、30分程度プレイしたうえで、筐体の熱も特に気にならなかった。

なお、生体認証については、フロントカメラを活用した顔認証と、画面内指紋センサーによる指紋認証を利用可能だ。今回の検証中に、フィルムを貼っていない状態で指紋認証を試してみたところ、認証は速くて素早いロック解除が行えた。具体的には、ロック画面に指を当てて、0.5秒ほどでホーム画面が起動するイメージだ。

画面内指紋センサーの位置

画面内指紋センサーの位置

まとめ

ハイエンドモデルの価格が年々上がっているなか、為替の影響も相まって、今夏モデルは特に高価な機種が増えている。Galaxy S22 Ultraもそんな1台のひとつで、一括払いの機種代金を見れば、NTTドコモで178,234円、auで178,820円(どちらも税込。2022年6月9日時点の価格.com最安価格)と、かなり高額だ。

ただし、2年後の返却を前提にした各社の購入補助プログラムを活用すれば、実質10万円強の負担で購入できる。レビューでも述べたように、ディスプレイ、カメラ、ペンと3拍子が揃った性能・使い勝手のよさは間違いない。最先端のスマートフォンを利用してみたい場合には、検討する価値は大きいと思う。

井上晃

井上晃

スマートフォンや、タブレット、スマートウォッチなどを軸に、最新ガジェットやサービスなどについて取材。Webメディアや雑誌を中心に、速報や製品レビュー、コラムなどを寄稿している。Twitter:@kira_e_noway

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