レビュー

富士通「FMV LOOX」レビュー、軽くて書きやすいWindowsタブレット 独自機能も面白い!

富士通クライアントコンピューティング(FCCL)の「FMV LOOX」は、富士通パソコン誕生40周年を記念したアニバーサリーモデル。11年ぶりに「LOOX」ブランドを冠した注目のWindowsタブレットだ。FCCLのこだわりの詰まった「FMV LOOX」を詳しくレビューしていきたい。

「FMV LOOX」は13.3型液晶ディスプレイを搭載するWindowsタブレット。価格.com最安価格は店頭販売モデルが132,800円から、直販モデルが131,980円から(どちらも本体のみ)

「FMV LOOX」は13.3型液晶ディスプレイを搭載するWindowsタブレット。価格.com最安価格は店頭販売モデルが132,800円から、直販モデルが131,980円から(どちらも本体のみ)

13.3型で重量は約599g! 12.9型の「iPad Pro」より軽い

2000年に発売された「LOOX」の初代モデル「FMV BIBLO LOOX」は8.8型のディスプレイを搭載し、どこでも気軽に持ち運べる小型PCだった。CPUにはトランスメタの「Crusoe(クルーソー)」を採用し、DDIポケットのPHS網に直接接続でき、どこでもインターンネットを利用できる、当時としては画期的なモデルだった。その後、5.6型のディスプレイを搭載した、さらに小型の「FMV LOOX U」などを発売。“LOOX=超小型PC”というイメージを持っている人もいるだろう。

「LOOX」ブランドとして11年ぶりに登場する「FMV LOOX」は、超小型PCではなく、13.3型ワイドのディスプレイを搭載したWindowsタブレットだ。別売の「FMV LOOXキーボード」(直販ではセットで購入可能)を組み合わせてノートパソコンのように使うこともできる。日本マイクロソフトの「Surface Pro」シリーズのような2in1パソコンだ。

「LOOX」らしさ、FCCLらしさは、その軽さだ。13.3型ワイドのWindowsタブレットとしては世界最軽量の約599gの超軽量ボディを実現。厚さも7.2mmと超スリムだ。アップルの「12.9インチiPad Pro」(Wi-Fiモデルが682g、Wi-Fi Cellularモデルが685g)よりも軽い。手にすると本体は大きいものの、楽々と片手で持てる重さだ。

重量は約599gと非常に軽量だ。片手でも楽に持てる。これなら長時間の動画視聴も耐えられそうだ

重量は約599gと非常に軽量だ。片手でも楽に持てる。これなら長時間の動画視聴も耐えられそうだ

縦位置に持って、電子書籍で雑誌を読むのにはよさそうだ。ただ、本体が細長いので、下のほうを持つとバランスが悪い

縦位置に持って、電子書籍で雑誌を読むのにはよさそうだ。ただ、本体が細長いので、下のほうを持つとバランスが悪い

ディスプレイは13.3型の有機EL。1920×1080のフルHD解像度のパネルだ。コントラスト比は10万:1、応答速度は1ms。有機ELらしく発色がよく、鮮やかな表示で、動画コンテンツを楽しむのはもちろん、クリエイティブな用途にも使えるハイクオリティなディスプレイだ。なお、焼き付き対策なのか、壁紙などは黒系が多い印象だ。

本体は国内設計・製造のこだわりボディ。アルミ削り出しで高級感があり、堅ろう性にもすぐれている。全面加圧試験約200kgf、一点加圧試験約35kgf、落下試験約76cm、自動車振動クリア。同社のモバイルノートと同等の堅ろう性を備えているので、安心していろいろなところに持ち出せる。

13.3型の有機ELディスプレイを搭載。左右のベゼルが細く、上下はやや太めだ。鮮やかな表示で動画などを高画質で楽しめるだろう。前面には「ゴリラガラス」が使われており、傷に強く、指のすべりもいい

13.3型の有機ELディスプレイを搭載。左右のベゼルが細く、上下はやや太めだ。鮮やかな表示で動画などを高画質で楽しめるだろう。前面には「ゴリラガラス」が使われており、傷に強く、指のすべりもいい

国内設計・製造のこだわりボディ。外装はアルミ削り出しで、高級感のある質感と見た目。リアカメラは約1258万画素

国内設計・製造のこだわりボディ。外装はアルミ削り出しで、高級感のある質感と見た目。リアカメラは約1258万画素

側面は削り出し感が強めの質感。背面より高級感のある質感と見た目だ

側面は削り出し感が強めの質感。背面より高級感のある質感と見た目だ

背面に磁石で取り付けられるキックスタンドが標準で付属する

背面に磁石で取り付けられるキックスタンドが標準で付属する

完成度の高い別売のキーボードとペン

続いて、オプション類をチェックしていこう。まずは「FMV LOOXキーボード」だ。ディスプレイ面を保護できる、2in1タイプによくある薄型のキーボードだが、キーボードにこだわるFCCLらしくよくできている。同社のキーボードマイスター・藤川英之氏が監修しており、たわまず、安定してタイピングできる。キーピッチは約19mm、キーストロークが約1.5mm(ともに実測)で、いわゆるフルサイズのキーボードだ。

指の力に合わせたキー荷重で、左端や右端、スペースキーは軽めに設計されている。押下圧も絶妙で、気持ちよくタイピングできた。中央が窪んでおり、指の収まりもよく、打鍵音も静か。バックライト機能が搭載されないのが唯一の難点だが、2in1用のキーボードとしてはトップクラスの打ち心地だと感じた。直販価格は21,780円(税込)。

「FMV LOOXキーボード」。「FMV LOOX」の底面に接続して利用するので、接続作業などは不要。タッチパッドは左右クリックボタン付き

「FMV LOOXキーボード」。「FMV LOOX」の底面に接続して利用するので、接続作業などは不要。タッチパッドは左右クリックボタン付き

かな表示なしのスタイリッシュなデザイン。キーの中央が窪んでおり指の収まりがいい。スペースキーなどは逆に少し盛り上がっている

かな表示なしのスタイリッシュなデザイン。キーの中央が窪んでおり指の収まりがいい。スペースキーなどは逆に少し盛り上がっている

スタイラスペンの「FMV LOOXペン」にも注目だ。世界で初めてワコムの「Wacom Linear Pen」技術を採用したアクティブ静電結合方式(AES)ペンで、筆圧検知は4096階調をサポート。FMV LOOXと組み合わせて使うことで、ペン先を最大26度まで寝かせてもしっかりと書き込める。少しだけすべりがいいが、気持ちよく文字を書けるスタイラスペンだ。クリエイティブな用途はもちろん、手書きでいろいろ書き込みたい人は、「FMV LOOX」と一緒に購入したいところだ。直販価格は13,200円(税込)

ペンを傾けても、しっかり書ける「FMV LOOXペン」。なめらかな書き心地で、細い線も太い線も思い通りに書ける

ペンを傾けても、しっかり書ける「FMV LOOXペン」。なめらかな書き心地で、細い線も太い線も思い通りに書ける

「FMV LOOXペン」は「FMV LOOX」の左側面にマグネットで固定できる。充電はUSB Type-Cポートを利用する

「FMV LOOXペン」は「FMV LOOX」の左側面にマグネットで固定できる

ファンレスでもCore i7-1250Uのパワーをしっかり引き出せる

続いてスペックをチェックしていこう。店頭販売向けモデル(カタログモデル)のラインアップは以下の2モデルだ。ちなみに、バッテリー駆動時間はどちらも約12時間(JEITA2.0測定値)。

FMV LOOX 90/G:Core i7-1250U、16GBのメモリー、512GB SSD
FMV-LOOX 75/G:Core i5-1230U、8GBのメモリー、256GB SSD

今回試したモデルは上位モデルである「FMV LOOX 90/G」だ。搭載するCPUは第12世代の「Core i7-1250U」。10コア12スレッドで、Performance-coresが2、Efficient-coresが8という、効率重視のCPUだ。TDP(熱設計電力)は9W(最大ターボ時29W)。スリムボディの「FMV LOOX」に適したCPUと言える。 

定番ベンチマークプログラムをいくつか実施してみたが、ファンレスながらCore i7-1250Uのパワーをしっかり発揮できていることが確認できた。薄型ボディなので、ベンチマーク中は背面が熱くなるものの、手に持てないほどではなかった。

CPUの性能を測定するベンチマークプログラム「CINEBENCH R23」の結果。CPUの結果は4000に迫る、3860とハイスコアを記録した

CPUの性能を測定するベンチマークプログラム「CINEBENCH R23」の結果。CPUの結果は4000に迫る、3860とハイスコアを記録した

パソコンの総合性能を測定するベンチマークプログラム「PCMark10 Professional Edition」の結果。トータルスコアは3991で、CPUだけでなくメモリーやストレージの性能も高いことがうかがえる

パソコンの総合性能を測定するベンチマークプログラム「PCMark10 Professional Edition」の結果。トータルスコアは3991で、CPUだけでなくメモリーやストレージの性能も高いことがうかがえる

外部インターフェイスはThunderbolt 4とUSB 3.2(Gen2)Type-Cの2ポートのみ。ネットワークはWi-Fi 6対応の無線LANとBluetooth 5.1と最新モデルらしい仕様だ。カメラは前面がWindows Hello対応の約207万画素、背面がオートフォーカス対応の約1258万画素。背面カメラは暗いところだとノイズが出るが、明るい場所だときれいな写真を撮影できる。

外部インターフェイスはThunderbolt 4とUSB 3.2(Gen2)Type-Cの2ポートを左側面に備える

外部インターフェイスはThunderbolt 4とUSB 3.2(Gen2)Type-Cの2ポートを左側面に備える

背面カメラで撮影した写真

背面カメラで撮影した写真

サウンド面では、両サイドに4スピーカーを搭載。横向き時にステレオ再生が可能だ。薄型ボディながら、かなり大きな音が鳴る。マイクは2マイクで、AIノイズキャンセリング機能付き。ヘッドセットなしでも、良好な音でビデオ会議に参加できる。なお、3.5mmのヘッドホン出力/マイク入力端子がないので、ヘッドセットはワイヤレス接続のものを選ぶか、USB Type-Cへの変換アダプターを用意したい。

使い方を広げる独自の「クリエイティブコネクト」

最後に独自機能の「クリエイティブコネクト」をチェックしていこう。同機能は、ほかのPCとUSB Type-Cケーブルで接続して連携する機能だ。利用するために、接続するPCに「クリエイティブコネクト」(無料)をインストールする必要がある。同機能には、「デュアルPCモード」と「セカンドディスプレイモード」の2つのモードがある。

「デュアルPCモード」は、PCのマウスやキーボードで「FMV LOOX」を操作するモード。マウスとキーボードがひとつで済み、お気に入りのマウスとキーボードで「FMV LOOX」を操作できるのがメリットだ。ファイルの転送もでき、外出先では「FMV LOOX」で作業し、家に戻ったらメインのPCで作業するという使い方が便利そうだ。

「セカンドディスプレイモード」は、文字通り、「FMV LOOX」をセカンドディスプレイとして使えるモード。逆にPCを「FMV LOOX」のセカンドディスプレイとして使うこともできる。接続先のPCの作業ウィンドウを「FMV LOOX」に移動させれば、「FMV LOOX」をペンタブ(ペンタブレット)として使うことも可能だ。なお、「クリエイティブコネクト」でPCと接続した場合の筆圧検知は4096階調ではなく1024階調となる。

意欲的な機能だが、動作が不安定なこともあり、正常に動作するまで何度か接続を試みることがあった。接続するPCにUSB3.2(Gen1)Type-C以上の端子もしくはThunderbolt 3 Type-C 以上の端子が必要になるので、その点も注意してほしい。

ほかのPCと接続し、連携できる「クリエイティブコネクト」。添付のUSB Type-Cケーブルを使って、マウスとキーボードを共有したり、データをやり取りしたり、さまざまなことができる

ほかのPCと接続し、連携できる「クリエイティブコネクト」。添付のUSB Type-Cケーブルを使って、マウスとキーボードを共有したり、データをやり取りしたり、さまざまなことができる

マウスとキーボードを共有できる「デュアルPCモード」は、PCの配置をあらかじめ設定しておく必要がある

マウスとキーボードを共有できる「デュアルPCモード」は、PCの配置をあらかじめ設定しておく必要がある

まとめ

Windowsタブレットとして生まれ変わった“令和のLOOX”。最新技術で作られた超小型の「LOOX」も見てみたかったが、スマートフォンがある今、ある程度大きな画面のほうがPCとしては理にかなっているという判断なのだろう。

そんな「FMV LOOX」はアニバーサリーモデルらしく、Windowsタブレットとしての完成度は非常に高いと感じた。高画質な有機ELディスプレイと最新世代のCPUを超薄型・軽量ボディに搭載。価格は高いがオプションのキーボードとペンの使い勝手も抜群だ。FCCLの高い技術力が光るモデルと言える。なお、直販の富士通WEB MARTモデルならキーボード+ペン付属モデルで、154,480円(税込)から購入できるので、価格.comで直販モデルをチェックしてみてもらいたい。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

ガジェットとインターネットが好きでこの世界に入り、はやいもので20年。特技は言い間違いで、歯ブラシをお風呂、運動会を学芸会、スプーンを箸と言ってしまいます。お風呂とサウナが好きです!

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