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アップルの新モデル「iPhone 15」シリーズ、どこから購入するのがお得?

今年もアップルのiPhoneの新モデルが2023年9月22日に発売されました。日本国内ではアップルからの直接販売に加えて、大手キャリアのNTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルが取り扱っています。

アップルの「iPhone 15」

アップルの「iPhone 15」

iPhoneはどのキャリアで購入してもハードウェアの仕様が同じです。たとえば、「楽天モバイルで購入したiPhone 15をドコモの回線で使う」といったこともできます。2021年に発売された「iPhone 13」シリーズ以降はキャリア版のiPhoneもSIMフリーで販売されるようになりましたから、今年の「iPhone 15」シリーズもSIMロックを解除することなく、必要なサービス内容やエリアなどに応じて好みの回線と組み合わせることができます。

そこで今回は、各キャリアが販売する「iPhone 15」「iPhone 15 Plus」「iPhone 15 Pro」「iPhone 15 Pro Max」の本体価格について、代金の一部支払いが免除される各キャリアのサービスを利用する場合や、ほかのキャリアから乗り換える場合を含めて比較してみたいと思います。

※記事の内容は2023年9月25日時点での情報をもとにしています。記事中の価格は特に断りがない限り税込です。

各キャリアの「iPhone 15」シリーズ本体価格はいくら?

「iPhone 15」シリーズの本体価格をチェックする前に、各キャリアが提供する「iPhone本体の返却を前提に、支払い代金の一部を免除するサービス」(以下「買い替えサービス」と表記)の内容を確認しておきましょう。以下の表に、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの買い替えサービスの内容をまとめました。

各キャリアの買い替えサービス

各キャリアの買い替えサービス

各キャリアの買い替えサービスは分割払いの利用が前提となっており、回数はNTTドコモとauが最終回のみ高額に設定された24回払い(※2年で返却しない場合は最終回支払い分を24回払いに再分割)、ソフトバンクと楽天モバイルが48回払いです。原則として、NTTドコモとauは最大で最終回の支払い分、ソフトバンクと楽天モバイルは最大で25回目以降の支払い分が免除されます。2年以上が経ってから買い替えサービスを利用する場合、免除されるのはサービス利用時以降の支払い分となります。

NTTドコモ、au、ソフトバンクでは2年経つ前に返却することもできますが、auとソフトバンクの買い替えサービスで免除されるのはあくまでも最終回支払い分(au)あるいは25回目以降(ソフトバンク)だけであり、auなら23回目まで、ソフトバンクなら24回目までの分割払い代金は支払う必要があります。言い換えると、auとソフトバンクでは2年経つ前に返却しても支払総額は変わらないということになります。

いっぽう、NTTドコモの買い替えサービス「いつでもカエドキプログラム」では、2年経つ前に(23か月目までに)返却する場合の特典が2種類用意されています。まず、「いつでもカエドキプログラム」だけを利用する場合、22か月目までにiPhoneを返却すると、早期利用特典として返却翌月〜23回目までの分割支払額に対する割引を受けることができます(「iPhone 15」シリーズの場合は毎月300円割引)。

また、2023年9月15日から提供が始まった、買い替えサービス「いつでもカエドキプログラム」と補償サービス「smartあんしん補償」の両方に加入することで利用できる「いつでもカエドキプログラム+(プラス)」では、プログラムを利用した月の翌月以降の支払いそのものが免除されるため、「いつでもカエドキプログラム」の早期利用特典が適用される場合と比べて支払総額が安くなります。

そのため、本記事ではユーザーが翌年のiPhoneシリーズ新モデル登場にあわせて12か月目に早期利用するケースも想定して、早期利用特典が用意されているNTTドコモについては「いつでもカエドキプログラム」を利用する場合の支払総額を「2年で返却」「1年で返却」、「いつでもカエドキプログラム+」を利用する場合の支払総額を「2年で返却(プラス)」「1年で返却(プラス)」として試算しています。

各キャリアの「iPhone 15」シリーズ支払総額はいくら?

それでは、「iPhone 15」シリーズの本体価格を見てみましょう。NTTドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルがオンラインで販売している「iPhone 15」「iPhone 15 Plus」「iPhone 15 Pro」「iPhone 15 Pro Max」を購入した場合の支払総額を以下にまとめました。参考としてアップルのオンラインストアにおける本体価格も併記しています。

なお、ここでの価格には新規契約・機種変更・他社からの乗り換え時に受けられる割引は考慮していません。ただし、NTTドコモ「いつでもカエドキプログラム+」の利用に必須となる補償サービス「smartあんしん補償」の利用料金や、楽天モバイルの買い替えサービス「楽天モバイル買い替え超トクプログラム」利用時の事務手数料など、買い替えサービスを利用するうえで必須となるコストは含まれています。

「iPhone 15」「iPhone 15 Plus」の支払総額比較

「iPhone 15」「iPhone 15 Plus」の支払総額比較

「iPhone 15 Pro」「iPhone 15 Pro Max」の支払総額比較

「iPhone 15 Pro」「iPhone 15 Pro Max」の支払総額比較

4機種のうち本体価格が一番安い「iPhone 15」の128GBモデルに注目すると、各キャリアの支払総額は以下のようになります。

●NTTドコモ
 返却しない…149,490円
 2年で返却…75,570円(24回目の支払免除)
 2年で返却(プラス)…96,690円(24回目の支払免除、smartあんしん補償の月額料金880円×23か月分を加算)
 1年で返却…72,270円(24回目の支払免除、13〜23回目の支払額に毎回300円の割引を適用)
 1年で返却(プラス)…62,975円(13〜24回目の支払い免除、早期利用料12,100円とsmartあんしん補償の月額料金880円×13か月分を加算)

●au
 返却しない…145,640円
 2年で返却…71,760円(24回目の支払免除)

●ソフトバンク
 返却しない…145,440円
 2年で返却…74,640円(25〜48回目の支払免除)

●楽天モバイル
 返却しない…140,800円
 2年で返却…73,692円(25〜48回目の支払免除)

Apple Online Store(参考)
 124,800円

各キャリアの「返却しない」場合の支払総額を比べると、最も高いのはNTTドコモの149,490円、最も安いのは楽天モバイルの140,800円となります。次に安いソフトバンクは145,440円なので、楽天モバイルはほかと比べて5,000円弱〜9,000円弱ほど安いことがわかります。この傾向は「iPhone 15」シリーズのほかのモデルでも同様です。

いっぽう、「2年で返却」する場合の支払総額が最も安いのはauの71,760円です。「iPhone 15」のほかの容量や「iPhone 15 Plus」でも同じ傾向ですが、「iPhone 15 Pro」と「iPhone 15 Pro Max」では楽天モバイルのほうが安くなります。この違いは、auが定めたiPhoneの本体価格に対して最終回(24回目)支払い分の占める割合がモデルによって異なるために生じています。

「2年で返却」する場合の支払総額が最も高いのはNTTドコモで「いつでもカエドキプログラム+」を利用する場合の96,690円ですが、ここには同プログラムの利用条件である「smartあんしん補償」の月額料金880円×24か月分=21,120円が含まれています。本体価格そのものは「いつでもカエドキプログラム」を利用する場合と同じ75,570円となるため、4キャリアの本体価格は4,000円弱の範囲に収まっていると言えます。

また、買い替えサービスの早期利用特典が設けられているNTTドコモの場合、1年で返却するときの支払総額は「いつでもカエドキプログラム」を利用するケースが72,270円、「いつでもカエドキプログラム+」を利用するケースが62,975円となります。

2年で返却する場合の支払総額と比べて「いつでもカエドキプログラム」だけを利用する場合は3,300円しか安くならないのに対し、「いつでもカエドキプログラム+」では買い替えサービスを利用した月の翌月以降の分割払いも免除されるので8,600円ほど安くなることがわかります。

ただし、「いつでもカエドキプログラム+」を利用するには「smartあんしん補償」の契約が必須であり、22か月目までは早期利用料の支払い(「iPhone 15」シリーズの場合は12,100円)が必要となることから、返却するタイミングによっては「いつでもカエドキプログラム」だけを利用する場合よりも割高になる場合があります。「iPhone 15」(128GBモデル)の場合、返却するタイミングが15か月目以降の場合は「いつでもカエドキプログラム+」を利用するほうが支払総額は高くなります。

なお、auとソフトバンクの買い替えサービスでも購入から13か月目以降(タイミングにより変わる可能性あり)であれば端末を返却できるものの、前述のとおり早期に返却する場合の特典は用意されていないため、支払総額は「2年で返却」する場合と変わりません。

乗り換え時の特典も含めた「iPhone 15」シリーズの本体価格はいくら?

続いて、キャリア乗り換え時の割引特典を考慮した「iPhone 15」「iPhone 15 Plus」「iPhone 15 Pro」「iPhone 15 Pro Max」の支払総額をチェックしてみましょう。各キャリアは他社からの乗り換えユーザー向けに、本体価格の割引やポイント付与のキャンペーンを展開しています。今回考慮した特典は以下のとおりです。

●NTTドコモ
 5G WELCOME割…「iPhone 15」「iPhone 15 Plus」の購入でdポイントを20,000ポイント進呈(購入時に利用者が22歳以下の場合、もしくは料金プラン「eximo」を契約の場合)

●au
 au Online Shop お得割…「iPhone 15」シリーズは本体価格を22,000円割引

●ソフトバンク
 web割…「iPhone 15」シリーズは本体価格を21,984円割引
 ※web割は2023年10月11日をもって受付終了予定

●楽天モバイル
 楽天ポイントを「Rakuten最強プラン」の申し込みで3,000ポイント、「Rakuten最強プラン」申し込みと同時に「iPhone 15」シリーズ購入で6,000ポイント、合計9,000ポイント付与
 ※下取り対象機種が限定されているポイント付与キャンペーンは今回の試算では考慮していません。

「iPhone 15」「iPhone 15 Plus」の支払総額比較(乗り換え前提)

「iPhone 15」「iPhone 15 Plus」の支払総額比較(乗り換え前提)

「iPhone 15 Pro」「iPhone 15 Pro Max」の支払総額比較(乗り換え前提)

「iPhone 15 Pro」「iPhone 15 Pro Max」の支払総額比較(乗り換え前提)

割引やポイント付与を考慮した場合の「iPhone 15」(128GBモデル)の本体価格は、以下のようになります。

●NTTドコモ
 返却しない…129,490円
 2年で返却…55,570円(24回目の支払免除)
 2年で返却(プラス)…76,690円(24回目の支払免除、smartあんしん補償の月額料金880円×23か月分を加算)
 1年で返却…52,270円(24回目の支払免除、13〜23回目の支払額に毎回300円の割引を適用)
 1年で返却(プラス)…42,975円(13〜24回目の支払い免除、早期利用料12,100円とsmartあんしん補償の月額料金880円×13か月分を加算)

●au
 返却しない…123,640円
 2年で返却…49,760円(24回目の支払免除)

●ソフトバンク
 返却しない…123,456円
 2年で返却…52,656円(25〜48回目の支払免除)

●楽天モバイル
 返却しない…131,800円
 2年で返却…64,692円(25〜48回目の支払免除)

●Apple Online Store(参考)
 124,800円

各キャリアの「返却しない」場合の支払総額を比べると、最も安いのはソフトバンクの123,456円、最も高いのは楽天モバイルの131,800円です。計算上、アップルから直接購入する場合よりも安くなるのはauとソフトバンクから購入する場合で、楽天モバイルから購入する場合は7,000円高くなります。ただし、「iPhone 15」(128GBモデル)以外のモデルでは、どのキャリアで購入してもアップルから直接購入する場合よりも高くなります。

いっぽう、「2年で返却」する場合の支払総額が最も安いのはauの49,760円です。楽天モバイルで付与される楽天ポイントは合計9,000ポイントなので、auよりも1万円ほど割高な64,692円となります。この傾向は他のモデルでも同様です。

また、買い替えサービスの早期利用特典が設けられているNTTドコモの場合、1年で返却するときの支払総額は「いつでもカエドキプログラム」を利用するケースが52,270円、「いつでもカエドキプログラム+」を利用するケースが42,975円となります。

ただし、NTTドコモの「5G WELCOME割」でdポイントが20,000ポイント付与されるのは「iPhone 15」もしくは「iPhone 15 Plus」を購入する場合のみであり、「iPhone 15 Pro」や「iPhone 15 Pro Max」は対象外となっている点に注意が必要です。

乗り換えるならauがお得、NTTドコモは買い替えサービスの条件に注意

2年で返却することを前提に「iPhone 15」シリーズを一番安く購入できるのは、キャリアの乗り換えを考慮しなければauまたは楽天モバイル、乗り換えを考慮すればauということになります。他社からauに乗り換えつつ2年で返却を前提に「iPhone 15」シリーズを購入する場合の支払総額は、アップルから直接購入する場合と比べておおむね半額程度に抑えられそうです。

いっぽう、毎年登場するiPhoneの新モデルをその都度買い替えたい場合は、NTTドコモの「いつでもカエドキプログラム+」に注目です。補償サービスの加入が必須となるものの、もとの本体価格が10万円を上回るiPhoneを補償なしで使うリスクを避けつつコストを抑えられるところが魅力的です。

ただし、NTTドコモの買い替えサービスは「いつでもカエドキプログラム+」の提供が始まったことで複雑になり、条件や支払総額を把握しづらくなっています。「いつでもカエドキプログラム+」を利用するタイミングによっては早期利用料が発生したりしなかったりしますし、「smartあんしん補償」の月額料金も考慮しなければなりません。最大で最終回の支払い分が免除されるauや、25回目以降の支払いが免除されるソフトバンクおよび楽天モバイルといった、免除される範囲を把握しやすいほかのキャリアと比べたときのわかりづらさは否めません。

とはいえ、ほかのキャリアの買い替えサービスでも注意すべきポイントはあります。たとえば楽天モバイルの「楽天モバイル買い替え超トクプログラム」を利用する条件となる48回払いを選べるのは楽天カード会員だけですし、ソフトバンクの「web割」が適用されるのは乗り換えと同時に「データプランメリハリ無制限」に加入し、iPhoneの自宅などでの受け取りを選んだ場合のみとなります。

さらに、返却時にはiPhoneの状態にも注意しなければなりません。買い替えプログラムを利用してiPhoneを返却するとき、故障などによってiPhoneの状態がプログラムの基準を満たしていないと判断されると、最大22,000円の支払いが生じたり、プログラムの特典が受けられなかったりする場合があります。

万一のケースに備えて保証/補償サービスに加入しておくのがおすすめですが、そうした意味では「smartあんしん補償」の加入が必要なNTTドコモの「いつでもカエドキプログラム+」は理にかなっていると言えます。22か月目までの故障時利用料は12,100円ですが、23か月目以降は2,200円と安くなるため、iPhoneをなるべく長く使いたい人にとってもメリットはあります。

このような買い替えプログラムの条件も考慮したうえで、「iPhone 15」シリーズを現在契約中のキャリアから購入するのか、キャリアを乗り換えてよりお得に購入するのか、それとも契約しているのとは別のキャリアやアップルから購入するのかを検討しましょう!

松村武宏
Writer
松村武宏
信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。
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三浦善弘(編集部)
Editor
三浦善弘(編集部)
出版社で月刊誌やWebメディアの編集・記者を経験し、2013年にカカクコム入社。「価格.comマガジン」にて、PCやスマートフォン分野を担当。取材歴は20年以上。現在は「価格.comマガジン」全体を統括する。
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