「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」。見た目は普通のメガネですが、ヘッドセット(スピーカーとマイク)が一体化した「聴こえるメガネ」です。37,800円(オンデーズ版・度付きレンズ込み)※ファーウェイ版は度付きレンズが別売
メガネ・サングラスの製造・販売を手掛けるオンデーズ(OWNDAYS)は2023年11月3日、ファーウェイとコラボレーションしたオーディオグラス「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」を発売しました。発売から1年で完売になるほどの人気を集めた前モデル「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear」(2022年6月発売)の機能性をさらに向上させた新作です。
筆者は、発売日の翌日に「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」を購入しました。購入の理由は、この新作が“もぐもぐ視聴”にぴったりだと思ったからです。“もぐもぐ視聴”とは、食事をしながらスマートフォンやタブレットで動画を視聴するスタイルのことで、私が作った造語です(笑)。
本記事では、“もぐもぐ視聴”での使い勝手を中心に、「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」を約1か月使ってみてのレビューをお届けします。
メガネのテンプル部分にスピーカーとマイクを搭載していて、ワイヤレスヘッドセットとして使用できます
なお、「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」はオンデーズとファーウェイのコラボレーションモデルで、ベースとなるのはファーウェイの「HUAWEI Eyewear 2」です。両モデルの機能は基本的に同じですが、デザインが異なっています。概要は記事内で紹介します。
タイパ(タイムパフォーマンス)なる言葉が使われている昨今、読者のみなさんは“もぐもぐ視聴”の経験はないでしょうか? あまりお行儀がよい行為ではないですが、最近は、特に平日のランチ時は飲食店で結構多くの人が食事中にスマートフォンを触っている姿を見かけます。
かくいう私も、出社時に1人でランチをするとき、特に時間がなくてオフィスでコンビニのおにぎりやサンドイッチを食べるときは、手早く仕事に役立つ情報を仕入れるためにも“もぐもぐ視聴”を行います。
ただ、飲食店やオフィスの休憩室など、周りに人がいてスマートフォンから音を出せない場所での“もぐもぐ視聴”にはある問題が、それは、イヤホンを使う場合に発生します。公共の場で周りに音が漏れないようにイヤホンを装着して“もぐもぐ視聴”を行う場合、口を動かすと同時に耳の下の筋肉も動くため、強烈な異物(違和)感が発生してしまうのです。特にカナル型イヤホンの場合は、そしゃく音も入ってくるため、せっかくの食事がおいしく感じられなくなってしまうことも……。
これを解決するためには、イヤホンを装着せずに自分だけに音が聞こえる製品があれば……。そこで目を付けたのが、メガネのテンプル部分にヘッドセット(スピーカーとマイク)を搭載したオーディオグラスというわけです。
※この画像は撮影モデルが「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」を着用していますオーディオグラスとは、メガネのテンプル部分にヘッドセットを搭載した「聴こえるメガネ」のこと。スマートフォンに接続して音楽を聴いたり、通話をしたり、パソコンに接続してオンライン会議が行ったりなど、プライベートとビジネスの両方で使えるすぐれたアイテムです
今回、「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」を選んだのは“かけ心地“のよさが大きな理由です。
オーディオグラスは一般的に、スピーカーやバッテリーを搭載しているため、どうしてもその分重くなりがち。「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」も重さ自体はレンズ抜きで29.5g〜32.5gあります。強度近視(裸眼視力が0.01未満)の私が普段使用しているメガネの重さは、フレームとレンズを合わせて約15gなので、オーディオグラスの重さがおわかりいただけるかと思います。
ただ、実際にオンデーズ店頭で「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」のデモ機を装着してみると、意外や意外、思った以上に顔にフィット。音もその場でチェックして、クリアで聞きやすいと感じました。
オンデーズのショップには、「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」が陳列されていて、装着感や音質を試せます。デザインはスクエア型、ブロウスクエア型、ウェリントン型、ボストンウェリントン型の4タイプがあって、それぞれに2カラーずつの計8パターンが用意されています。なお、ベースモデルの「HUAWEI Eyewear 2」は、ウェリントン型ハーフリムとブロウ型の2タイプで、ブロウ型のリム部分にはβチタン合金を採用するなど、オンデーズ版とはかなりデザインが異なっています
「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」は、タイプによってはブラウンカラーが選べます(撮影モデルが着用)
私は強度近視で、レンズ度数は右が-7.25、左が-8.50。「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」では、フレームとあわせて重量が46gになりました。フィット感がよいので、重さにもすぐに慣れることができました。また、オンデーズでは、屈折率1.74の薄型非球面レンズを追加料金なしで作れるのがうれしいです
ここからは、“もぐもぐ視聴”での使用を含めて、実際に「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」を使ってみてよかったと思う点を紹介していきます。
これは「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」だけでなくオーディオグラス全般に言えることですが、使い方はメガネなので「基本的に着脱しない」というのは思った以上に便利でした。イヤホンの場合、他人と会話するときなど、どうしても外さないといけないシーンが発生しますが、メガネは装着したままで1日中過ごせます。いちいちイヤホンを持ち歩かなくてよいし、イヤホンを着けたり外したりしなくてもよいのです。
ただし、オーディオグラスは環境音がダイレクトに入ってくるため、地下鉄などの電車内ではほぼ音を聞くことができません。騒音がある環境で音楽を楽しみたいときなどはイヤホンと併用するようにしましょう。シーンによって、オーディオグラスとイヤホンを使い分けられるのも便利な点です。
オーディオグラスの使い方はメガネですので、イヤホンとの併用が可能です。シーンによって使い分けられます(撮影モデルが着用)
もう1点お伝えしておきたいのが、音漏れが少ないことです。
「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」は、上下対称的なスピーカー設計によって耳にピンポイントで音声を出力しながら、遠くの音声を打ち消す「逆音波アルゴリズム2.0」という仕組みを採用しており、前モデルよりも音漏れが少なくなっています。
「iPhone 13 Pro」で試した限り、ボリューム50%未満ではほぼ音漏れすることがない感じです。相当静かな環境でない限り、飲食店などで隣の席に座っている人に音が届くことはないでしょう。いわゆるシャカシャカというような音漏れがしにくいため、少し音が漏れていても不快には感じなさそうです。
編集部の田中さん(左)に音漏れをチェックしてもらいました。モデルさんがiPhone 13 Proのボリューム50%で音楽を再生しても、室内で1mくらい離れれば音漏れを感じなかったそうです
メガネは1日中着けているのが前提で、顔の一部と言っても過言ではありません。そのため装着感はとても大事です。
「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」は、自然な装着感で長時間の使用でも疲れにくいと感じました。さらに、デザインが4タイプあって、それぞれに2カラーずつの計8パターンが用意されており、いろいろなファッションに合わせやすいと思います。マグネット式の専用SNAP LENS(別売、1,650円)を用意すれば、ワンタッチでサングラスに変身します。
別売でマグネット式の専用SNAP LENS(1,650円)が用意されていて、ワンタッチでサングラスに変身します(撮影モデルが着用)
このほかでは、以下の点が便利だと感じました。
・従来モデルと比べてバッテリー駆動時間が長くなり1日中使える
・充電時間が短くなり、お風呂に入っている間に充電できる
最後に、「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」の進化点をもう少し詳しくまとめておきましょう。
「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」は、テンプル部分がスリムになって快適な装着感を実現したほか、バッテリー駆動時間は、音楽再生が最大6時間から11時間、音声通話が最大4.5時間から9時間と大幅に延びています。実際に新旧モデルを使い比べてみたところ、前モデルでは1日使用しているとバッテリーが切れることがありましたが、新モデルでは1日中使用できました。
また、新モデルは充電時間も約85分から50分に短縮しているので、お風呂に入っている間など、ちょっとした空き時間で充電しておけます。音質についても、音量が30%強化されたほか、低音域の迫力が増していたり、高周波帯域幅が拡大したりと改善されています。
左が新モデルで、右が前モデル。新モデルはテンプルがスリムになっているのがわかります
充電のアタッチメントは、テンプルの末端に磁石でピタッと付くようになっています
細かい部分では、テンプルの先にある充電端子のデザインも変わっています。前モデルは丸い金属端子が2つあることが見えるデザインでしたが、新モデルでは上下の端に金属端子が溶け込むデザインに。ガジェットさを感じない工夫が施されています。
上が新モデルで、下が前モデルの充電端子部分。新モデルは、充電端子が目立たず、いい意味でガジェットらしさを消しています
メーカーのロゴは一般的なメガネフレームと同じようにテンプルの内側にあって、コラボレーションモデルらしく「HUAWEI」と「OWNDAYS」の両方が入っています。ちなみに、ファーウェイのベースモデル「HUAWEI Eyewear 2」はテンプルの外側に「HUAWEI」の文字があります
さらに、ベースモデル「HUAWEI Eyewear 2」は、度付きレンズが別売(オンデーズにて割引あり)ですが、「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」は、度付きのレンズ込みのプライスなので価格面でのメリットもあります。筆者の場合は、マスク装着時に息でメガネがくもらないように、レンズのオプション「くもり止めコート」(6,000円)を追加しました。鼻パッドも、フレームの負担を分散させるべく大きめのシリコンタイプに交換しています。店頭では、見え方やフィッティングなどさまざまな相談ができるものポイントです。
なお、前モデルはすでに販売されていませんが、基本的に同じ機能を持つファーウェイの「HUAWEI Eyewear」はまだ購入が可能です。新モデルと比べて1万円ほど安く(ウェリントン型ハーフリム、2023年12月26日時点での価格.com最安価格)なっていますが、スリム化やバッテリー駆動時間などの進化は大きいと思います。
本記事を執筆した編集部の山野です。「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」を使った“もぐもぐ視聴”は最高のタイパです
「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」を購入してから、筆者の生活スタイルは一変しました。
1人でのランチ中も、“もぐもぐ視聴”でさまざまな情報を仕入れられます。もちろん、耳への異物(違和)感が発生しないため、普段と変わらずにおいしく食事ができます。装着していれば、すぐに音楽が聴けるし、通話も可能です。私は、この便利さを一度体験してしまったため、オーディオグラスなしの不便な生活にはもう後戻りできなくなってしまいました。この体験は、私と同じように“もぐもぐ視聴”をしている人にぜひとも試してもらいたいです。
「OWNDAYS × HUAWEI Eyewear 2」はバッテリー駆動時間や充電時間などが前モデルから改善したおかげで使い勝手がよく、満足度は非常に高いです。円安の影響もあるせいか、前モデルよりも価格は上がってしまいましたが、それでも毎日装着するメガネとして使用頻度を考えればコスパはよいでしょう。