レビュー

最新CPU搭載ゲーミングUMPC「Claw A1M」の実力に迫る

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

エムエスアイコンピュータージャパンは、7インチのゲーミングUMPC「Claw A1M」を2024年3月28日に発売しました。MSIは、日本でもゲーミングPCを含めて数多くのPC、関連ハードを発売しているPCメーカー。大手としてはASUS、レノボに続きゲーミングUMPCを投入したことになります。ゲーミングUMPCは専門店や、家電量販店に常設コーナーができていることから、1ジャンルとしての地位を確立した感がありますね。

エムエスアイコンピュータージャパン「Claw A1M」をレビュー

エムエスアイコンピュータージャパン「Claw A1M」をレビュー

今回レビューする「Claw A1M」は後発ということで、インテルの「Core Ultra」プロセッサーや、120Hzディスプレイを採用するなどスペックが充実しています。スペックや使い勝手、ベンチマーク、アプリでの動作などをチェックしていきましょう。

関連記事
レノボ、着脱式コントローラー採用の8.8型ゲーミングUMPC「Legion Go」
レノボ、着脱式コントローラー採用の8.8型ゲーミングUMPC「Legion Go」
レノボが着脱式コントローラーを採用したゲーミングUMPC「Legion Go」を12月8日に発売します。ユニークな「FPSモード」にも注目です。
2023/12/06 17:30
グラフィック性能はPS5に迫る! 7型ゲーミングUMPC「ROG Ally」速攻レビュー
グラフィック性能はPS5に迫る! 7型ゲーミングUMPC「ROG Ally」速攻レビュー
ゲーミングUMPCにASUSが乗り込んできました! 7型のタッチディスプレイの左右にコントローラーが付いた「ROG Ally」を速攻レビューしました。
2023/05/29 11:00

CPUは「Core Ultra 5」と「Core Ultra 7」の2種類を用意

「Claw A1M」はOSに「Windows 11 Home」、CPUに「Core Ultra 5 135H」(14コア[4P+8E+2LPE]、18スレッド、4.6GHz、28W)/「Core Ultra 7 155H」(16コア[6P+8E+2LPE]、22スレッド、4.8GHz、28W)を採用。メモリーは16GB(LPDDR5)、ストレージは512GB/1TB SSDを搭載しています。

・Claw-A1M-003JP(99,799円。 MSI公式ストアでの販売価格)
 Core Ultra 5プロセッサー135H/メモリー16GB/ストレージ512GB
・Claw-A1M-002JP(139,800円。MSI公式ストアでの販売価格)
 Core Ultra 7 155H/メモリー16GB/ストレージ1TB

ディスプレイは7インチのフルHD液晶(1920×1080、リフレッシュレート120Hz、グレア)を採用。サウンド機能はマイク、ステレオスピーカーを搭載。WebカメラはほかのゲーミングUMPCと同様に非搭載です。

外部インターフェイスはThunderbolt 4×1、microSDメモリーカードスロット(microSDXC対応)×1、イヤホンジャック×1を装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 7(日本国内ではWi-Fi 6E)、Bluetooth 5.4をサポートしています。

本体サイズは294(幅)×117(高さ)×21.2(厚さ)mm、重量は675g。53Whr(6セル)のリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は動画再生時で最大7時間、アイドル時で最大8時間とされています(JEITA測定法3.0)。

ボディは樹脂の地肌を生かしたブラックカラー。表面には梨地加工が施されており、指紋などはほとんど目立ちません。MSIらしい質実剛健なデザインと言えます。

今回はCore Ultra 7 155H /メモリー16GB/ストレージ1TBの「Claw A1M-002JP」を借用

今回はCore Ultra 7 155H /メモリー16GB/ストレージ1TBの「Claw A1M-002JP」を借用

前面左側には左スティック、方向パッド(Dパッド)、表示ボタン、MSIボタン、内部マイク、左スピーカー、前面右側にはメニューボタン、クイック設定ボタン、A/B/X/Yボタン、右スティック、右スピーカーを配置

前面左側には左スティック、方向パッド(Dパッド)、表示ボタン、MSIボタン、内部マイク、左スピーカー、前面右側にはメニューボタン、クイック設定ボタン、A/B/X/Yボタン、右スティック、右スピーカーを配置

背面にはマクロ1ボタン、マクロ2ボタン、通気口を用意

背面にはマクロ1ボタン、マクロ2ボタン、通気口を用意

上面にはRTボタン、RBボタン、音量ボタン、イヤホンジャック、通気口、Thunderbolt 4、カードリーダー、指紋認証センサー一体型電源ボタン、LTボタン、LBボタンを装備

上面にはRTボタン、RBボタン、音量ボタン、イヤホンジャック、通気口、Thunderbolt 4、カードリーダー、指紋認証センサー一体型電源ボタン、LTボタン、LBボタンを装備

コントローラー部は握りやすいように曲線的なフォルムになっています

コントローラー部は握りやすいように曲線的なフォルムになっています

ACアダプターのコード長は実測180cm、電源ケーブルの長さは実測97cm

ACアダプターのコード長は実測180cm、電源ケーブルの長さは実測97cm

本体の実測重量は670.5g

本体の実測重量は670.5g

ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測315.5g

ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測315.5g

管理ソフトはわかりやすい構成の「MSI Center M」

「Claw A1M」には、システム管理・チューニングソフトとして「MSI Center M」がプリインストールされています。起動するとインストールされているゲームが並ぶホーム画面を表示。その下には、「パフォーマンス設定」「コントローラー設定」「クイックセッティングの編集」「Bluetooth」「Wi-Fi」「設定」のアイコンが並んでいます。ゲーミングPCを長年作り続けているMSIだけにわかりやすい構成で、特にユーザーガイドなどを読まなくても使いこなせると感じました。

インストールしたゲームが並ぶホーム画面。手動追加も可能です

インストールしたゲームが並ぶホーム画面。手動追加も可能です

パフォーマンス設定には「AIエンジン」「性能重視」「バランス重視」「省電力重視」「手動」の設定項目が並びます

パフォーマンス設定には「AIエンジン」「性能重視」「バランス重視」「省電力重視」「手動」の設定項目が並びます

「コントローラー設定」には「ゲームパッドモード」と「デスクトップモード」の2つが用意されており、それぞれで異なる設定を割り当て可能です

「コントローラー設定」には「ゲームパッドモード」と「デスクトップモード」の2つが用意されており、それぞれで異なる設定を割り当て可能です

コントローラー部は、ゲームパッドを手掛けているMSIだけに手慣れた作り。一般的なゲームコントローラーと比べて横幅が広いので操作には練習が必要ですが、「Nintendo Switch」に慣れている人ならすぐに使いこなせると思います。ただし、個人的には左右スティックはもう少し反発力が強いほうが好みですね。

筆者にはジャストサイズですが、手の小さい人は少し手にあまるかもしれません

筆者にはジャストサイズですが、手の小さい人は少し手にあまるかもしれません

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は12141ptsを記録

「Claw A1M」の性能を測るべく、定番のベンチマークソフトでテストしてみました。テストでは最大パフォーマンス設定で、CPUベンチマーク「CINEBENCH R23」、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.4」、3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」と「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」を実施。バッテリーベンチマーク「BBench」のみ、「パフォーマンス設定」を「性能重視」に変更して実行しました。

ベンチマークは「MSI Center M」の「パフォーマンス設定」を「性能重視」に設定して実施

ベンチマークは「MSI Center M」の「パフォーマンス設定」を「性能重視」に設定して実施

CPUベンチマーク「CINEBENCH R23」は、CPU(Multi Core)が12141pts、CPU(Single Core)は1661ptsとなりました。今回借用した貸出機は上位モデルで、CPUは「Core Ultra 7 155H」を搭載しています。

「Core Ultra 7 155H」搭載機としてはスコアがやや低めですが、第13世代のPプロセッサーを上回るスコアを記録しています。クリエイティブ系のアプリなども実用的な速度で動作させられる性能です。

「CINEBENCH R23」のテスト結果

「CINEBENCH R23」のテスト結果

ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「KBG50ZNS1T02 KIOXIA」が搭載されており、「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリードは3574.39MB/s、シーケンシャルライトは2953.53MB/sとなりました。このSSDはカタログスペックでシーケンシャルリードが3500MB/s、シーケンシャルライトが2900MB/sとされています。仕様どおりのパフォーマンスを発揮していますね。

「CrystalDiskMark 8.0.4」のテスト結果

「CrystalDiskMark 8.0.4」のテスト結果

3Dゲームベンチマークは、「ファイナルファンタジーXIV」は9853(快適)、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」は3058(普通)となりました。「Core Ultra 7 155H」は内蔵グラフィック(iGPU)に「インテルArcグラフィックス」を搭載しています。より負荷の高い「ファイナルファンタジーXV」も実用的な速度でプレイできることになります。

「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは9853(快適)

「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは9853(快適)

「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080、フルスクリーン)のスコアは3058(普通)

「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080、フルスクリーン)のスコアは3058(普通)

バッテリー駆動時間については、「MSI Center M」の「パフォーマンス設定」を「性能重視」、ディスプレイ輝度、ボリュームを40%に設定して、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」をバッテリー残量2%まで実行したところ、1時間22分52秒動作しました。

カタログスペックでは動画再生時で最大7時間、アイドル時で最大8時間とされていますが、負荷の高い3DゲームではほかのゲーミングUMPCと同様に2時間を切ってしまいますね。屋外プレイ時には充電器またはモバイルバッテリーが必須です。

3Dゲームもプレイできるものの解像度、画質の調整が必要

最後に実際のゲームをプレイして、フレームレートを「MSI Afterburner」で計測してみました。結果は下記のとおりで、1920×1080の平均フレームレートは「Stray」で38.4fps、「サイバーパンク 2077」で28.3fpsとなりました。

どちらのゲームもプレイできなくはないのですが、フレーム落ちが気になります。両ゲームをさまざまな解像度でプレイした感想としては、「Stray」なら1600×900、「サイバーパンク 2077」なら1280×720を選択することをおすすめします。

「Stray」の平均フレームレートは、1280×720で61.7fps、1600×900で43.3fps、1920×1080で38.4fps

「Stray」の平均フレームレートは、1280×720で61.7fps、1600×900で43.3fps、1920×1080で38.4fps

「サイバーパンク 2077」の平均フレームレートは、1280×720で38.2fps、1600×900で32.7fps、1920×1080で28.3fps

「サイバーパンク 2077」の平均フレームレートは、1280×720で38.2fps、1600×900で32.7fps、1920×1080で28.3fps

「Stray」なら1600×900でのプレイがおすすめ

「Stray」なら1600×900でのプレイがおすすめ

「サイバーパンク 2077」は1280×720であれば滑らかに描画されますが、それでも時折グラフィック、BGMが引っ掛かることがありました

「サイバーパンク 2077」は1280×720であれば滑らかに描画されますが、それでも時折グラフィック、BGMが引っ掛かることがありました

「NPU」が活用されることで、今後性能向上を果たすことに期待

「Claw A1M」が搭載するインテルの「Core Ultraプロセッサー」にはAI処理に利用される「NPU」が搭載されており、今後発売されるゲームでの活用が期待されています。

現時点ではライバル機に対して大きなアドバンテージがあるわけではありません。しかし、NPUがゲームやクリエイティブ系アプリなどでも広く利用されるようになれば、「Claw A1M」の強みが生かされていくことになるでしょう。「Claw A1M」の今後の進化に期待したいところです。

ジャイアン鈴木
Writer
ジャイアン鈴木
レビューした製品を高確率で買ってしまう物欲系ITライター。守備範囲はPC、スマホ、VRがメイン。ゲーム、デジタルトイも大好き。最近サバゲにはまっています。愛車はスイフトスポーツで、断然マニュアル派です。
記事一覧へ
水川悠士(編集部)
Editor
水川悠士(編集部)
デジタル系メディアから価格.comへ。スマホ、スマートウォッチなどのガジェット周り、ゲーム関連を担当。触ってきた製品は数えきれないほど多いです。価格.comマガジンのYouTubeにも出演中。
記事一覧へ
記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
本ページはAmazonアソシエイトプログラムによる収益を得ています
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る
×