選び方・特集

富士通のノートパソコン「FMV」のシリーズやラインアップの違い! 用途別の選び方を解説

現在、各メーカーのノートパソコンはシリーズや製品数が多いため、選ぶのが難しくなっています。しかし、シリーズや製品ラインアップの違いをしっかりと理解しておけば、自分が必要とするモデルにたどり着きやすくなるでしょう。

本記事では富士通のノートパソコン「FMV」シリーズの「FMV LIFEBOOK」について解説します。「スペックが足りなかった」「オーバースペックだった」といったことにならないように、しっかり理解しておきましょう。

なお、本記事内の情報は現行製品(2024年10月28日時点、公式サイトに表示のあるもの)を基準としています。

世界最軽量から大画面プレミアムまで、幅広いニーズに応える「FMV」

「FMV LIFEBOOK」6シリーズのラインアップ(表は2024年10月28日時点のFMV公式ページより作成)

「FMV LIFEBOOK」6シリーズのラインアップ(表は2024年10月28日時点のFMV公式ページより作成)

富士通(富士通クライアントコンピューティング)が発売している「FMV」ブランドのノートパソコンのなかでも、量販店などで取り扱われ一般に目にする機会の多い製品「FMV LIFEBOOK」を中心にここでは紹介します。

FMV LIFEBOOK

 ・モバイルノート:携帯利用向き小型・軽量タイプ
 ・リビングノート:中〜大型で、持ち運びには不向きなタイプ

「FMV LIFEBOOK」は、画面サイズにより、軽量で携帯性にすぐれる「モバイルノート」と、光学ドライブなどを備えるオールインワンタイプを含む「リビングノート」の2つのカテゴリーに大きく区分されています。

「モバイルノート」は画面サイズが13.3型と14.0型。全体的に軽量で持ち運びに向いており、長時間バッテリー搭載のモデルもラインアップしています。モバイルノートのラインアップは以下となります。

 ・MHシリーズ:価格も性能もちょうどいいベーシックモバイル
 ・UHシリーズ:常に持ち歩いて使う人向けの超軽量モバイル
 ・CHシリーズ:見た目も携帯性能もこだわりたいという人向けカジュアルノート

「リビングノート」は16.0型、または17.3型と大きめの液晶を搭載。いっぽうで重量が2kgを超えるモデルがあるなど、携帯性よりも機能性を重視したモデルが多いです。リビングノートのラインアップは以下となります。

 ・NHシリーズ:大画面&光学ドライブ搭載でコンテンツ視聴も快適なプレミアム大画面
 ・AHシリーズ:高性能モデルから高コスパモデルまで選択肢が多い高性能ノート
 ・PHシリーズ:大画面と薄型・軽量を両立するドライブレスモデル

以下ではそれぞれのシリーズについてさらに詳しく解説していきます。

携帯利用向き! 画面サイズ、処理能力や軽さ、形状で選べる「モバイルノート」

「モバイルノート」には「MH」「UH」「CH」の3シリーズがあります

「モバイルノート」には「MH」「UH」「CH」の3シリーズがあります

・MHシリーズ:価格も性能もちょうどいいベーシックモバイル

「ちょうどいい一台」とメーカーが称するように、スタンダードなスペックをもつ「MHシリーズ」

「ちょうどいい一台」とメーカーが称するように、スタンダードなスペックをもつ「MHシリーズ」

「FMV LIFEBOOK」の14.0型「モバイルノート」のなかでも、「ベーシックノート」に当たるのが「MHシリーズ」です。

重量が約1.3kgと「FMV LIFEBOOK」モバイルノートのなかでは最も重いモデルですが、一般的なモバイルノートとしては標準的な重量なので、外出時の持ち運びも問題ないでしょう。バッテリー駆動も動画再生時で約9.7時間(JEITA3.0)とまずまず長めです。

CPUはAMD「Ryzen 5」で、ビデオ会議や授業に便利な画面キャプチャソフトも搭載するため、学生や新社会人など、手ごろな価格のモバイルノートパソコンが欲しい人にも選びやすいシリーズと言えるでしょう。

なお、「富士通WEB MART」オリジナルのカスタムメイドモデルもラインアップされています。

・UHシリーズ:常に持ち歩いて使う人向けの超軽量モバイル

高性能かつ世界最軽量約675g、あるいは長時間駆動、さらに2in1など個性が分かれる「UHシリーズ」

高性能かつ世界最軽量約675g、あるいは長時間駆動、さらに2in1など個性が分かれる「UHシリーズ」

 超軽量モバイル「UH-X/J3」
 携帯性と処理能力、長時間駆動「UH90/J3」
 2in1の軽量モバイル機「WU3/J3」

「UHシリーズ」にはいわゆる「軽量モバイルノート」と「2in1ノート」があります。

「軽量モバイルノート」からは2機種展開されており、1つ目が14.0型ワイド液晶搭載ノートパソコンで超軽量の約675gとなるモデル「UH-X/J3」です。

もう1つは一定の携帯性は維持しながらも、大容量バッテリーを搭載し長時間駆動にこだわった「UH90/J3」です。

どちらも軽量であることに加えて、AI対応の「Core Ultra 7」プロセッサーを採用するほか、16GBメモリー、512GB SSDなど十分な性能。また、外部インターフェイスも充実しており、LANポートやHDMIポート、microSDメモリーカードスロットのほか、USB Type-CポートとUSB Type-Aポートを2基ずつ備えています。

「2in1ノート」には直販サイト「富士通WEB MART」限定モデル「WU3/J3」がラインアップされています。

10点マルチタッチ対応の13.3型フルHDディスプレイを搭載し、高精細の専用アクティブペンが付属。ビジネス文書などに書き込みをするといった用途や、プレゼンテーションに使いたいという人にも向いています。

なお「UHシリーズ」には「富士通WEB MART」オリジナルのカスタムメイドモデルや、14型ワイド液晶搭載ノートとして世界最軽量の約634gを達成したWEB限定モデル「FMV Zero」も用意されています。

・CHシリーズ:見た目も携帯性能もこだわりたい人向けのカジュアルノート

外観やキーボード部の形状など随所にデザインへのこだわりが見られる「CHシリーズ」

外観やキーボード部の形状など随所にデザインへのこだわりが見られる「CHシリーズ」

「CHシリーズ」は丸みのあるコーナーと、手前に向けてサイドがシャープに削られたデザインが特徴的で、本体とキーボードを同色にコーディネートするなど、カジュアルなデザインになっています。

重量が1kgを切る軽量設計で日常的に持ち運びしやすく、バッテリー駆動が約10.4〜約24.6時間(JEITA3.0)と長時間の外出時にも安心です。Thunderbolt 4対応USB Type-Cポートを2つ備えており、外部インターフェイスも充実しています。一般的な13.3型よりも縦に広いWUXGA(1920×1200)液晶を備え、Officeソフトなどの資料作成も快適にこなせます。

また、「富士通WEB MART」オリジナルモデルも同シリーズから展開されています。

据え置き利用向き大画面! 利用シーンで構成を決める「リビングノート」

17.3型ないし16.0型と画面サイズの大きなリビングノート

17.3型ないし16.0型と画面サイズの大きなリビングノート

 ・NHシリーズ:大画面&光学ドライブ搭載でコンテンツ視聴も快適なプレミアム大画面
 ・AHシリーズ:高性能モデルから高コスパモデルまで選択肢が多い高性能ノート
 ・PHシリーズ:大画面と薄型軽量を両立するドライブレスノート

大型の画面サイズで、外に持ち出すというよりは家や仕事場の中などで、あちこち移動して使いたい人に向くのが「リビングノート」です。「NHシリーズ」と「AHシリーズ」、「PHシリーズ」が該当します。

シリーズにより画面サイズに差があり、「NHシリーズ」はFMV LIFEBOOK中で最大の17.3型液晶、「AHシリーズ」と「PH」シリーズは16.0型液晶を搭載します。

大画面になるほどコンテンツ視聴や作業時の見やすさは向上しますが、いっぽうで重さも増すため携帯性能はトレードオフとなるでしょう。

なお、「NHシリーズ」および「AHシリーズ」には光学ドライブが搭載されています。

・NHシリーズ:大画面&光学ドライブ搭載でコンテンツ視聴も快適なプレミアムオールインワン

「リビングノート」中、光学ドライブ搭載などいわゆる全部入りのシリーズが「NHシリーズ」

「リビングノート」中、光学ドライブ搭載などいわゆる全部入りのシリーズが「NHシリーズ」

「FMV LIFEBOOK」中、最大サイズとなる17.3型液晶を搭載するシリーズ。動画編集、写真のRAW現像といった作業もこなせるプレミアムオールインワンノートです。光学ドライブが標準搭載されるため、大画面を生かして、DVDやBlu-ray、動画などのマルチメディア視聴が楽しめます。
約2.6kg超の重量と、高性能な分バッテリー駆動時間が短いため、基本的には電源アダプターをつなぎながら、据え置き、もしくは家の中で移動するような使い方が適しているでしょう。

シリーズ中のモデルは、基本スペックや光学ドライブのタイプなどに違いが設けられており、ユーザーの細かなニーズに応えてくれそうです。

なお「富士通WEB MART」限定モデルもラインアップされています。

・AHシリーズ:高性能モデルから高コスパモデルまで選択肢が広い高性能ノート

CPUはインテル「Core i5/i7」あるいはAMD「Ryzen 7」を搭載し、高性能ながら選択肢が多い「AHシリーズ」

CPUはインテル「Core i5/i7」あるいはAMD「Ryzen 7」を搭載し、高性能ながら選択肢が多い「AHシリーズ」

高性能なCPUに加えて光学ドライブやLAN、HDMIなど主要なポートを備える製品が「AHシリーズ」です。最新モデルは液晶画面が従来の15.6型から16.0型へとサイズアップ。解像度もフルHDからWUXGA(1920×1200)と変わり、より縦の表示領域が広がりました。なお重量が約1.9kgを超えるため、基本的には家での使用に向いています。

モデルによりCPU、メモリ・ストレージ容量、液晶パネルの種類、光学ドライブのBlu-ray対応、非対応などの違いがあります。いっぽう全モデル共通で、付属のACアダプターに汎用性の高いUSB Type-Cが採用されています。スペックの選択肢が多いため、ライトユーザーからヘビーユーザーまでカバーするシリーズと言えるでしょう。

なお、「富士通WEB MART」限定のカスタムメイドモデルには15.6型も展開されています。

・PHシリーズ:大画面でもモバイル可能なドライブレス薄型軽量ノート

大画面ながらドライブをなくし、その分持ち運びやすくした「PHシリーズ」

大画面ながらドライブをなくし、その分持ち運びやすくした「PHシリーズ」

リビングノートのなかで唯一、光学ドライブを搭載しないのが「PHシリーズ」です。ドライブレス設計とすることで、薄さ19.7mm、重量1.68kgという薄型・軽量化を実現。MIL-STD-810H準拠の高い堅牢性と、アルミ素材を使用したスタイリッシュなデザインで、16.0 型の大画面でもモバイルがしやすい設計となっています。

縦横比16:10のWUXGA液晶で作業領域が広い点や、フルHDを超える500万画素の高解像度WEBカメラを搭載する点、ユーザー自身でバッテリー交換ができる点なども特徴です。

また、上位モデルの「PH77/J3」は、CPUにAI対応の「Intel Core Ultra 7 155H」を搭載しており、将来的にさまざまなAI機能への対応が見込めます。

なお、「富士通WEB MART」限定のカスタムメイドモデルも展開されています。

小枝祐基
Writer
小枝祐基
PC、Mac関連の記事や書籍の執筆を行うフリーライター。家電・デジタルガジェットなどのレビューなども行う。著書に『今日から使えるMacBook Air & Pro』(ソシム)、『疲れないパソコン仕事術』(インプレス)など。
記事一覧へ
柴田崇志(編集部)
Editor
柴田崇志(編集部)
モノ雑誌で10年弱編集を経験した後、カカクコムに入社。前職ではAV家電やカメラを中心に幅広い製品を担当。スペックからわかりづらい製品の違いをわかりやすく説明したいです。
記事一覧へ
記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る
×