選び方・特集

10万円前後でRyzen 7・メモリー32GB搭載の高性能ノートパソコン3選

AMDの「Ryzen 7」は同社のCPUラインアップ中でも上位に位置する高性能なプロセッサーで、インテルの「Core i7」に並ぶ性能を持つと言われています。それだけに動画編集や高解像度写真の処理など、重めの作業をスムーズに行いたい人に向いています。今回はそんな「Ryzen 7」搭載のノートパソコンから、マルチタスクに有利な大容量メモリーや、スマホのバックアップなどにも使いやすい大容量ストレージを備えた10万円前後の製品に絞り込んで紹介していきます。なお、インテルの「Core i7」については、今回の条件に適合する製品がなかったため、紹介していません。

また、今回紹介するモデルは、購入時のカスタマイズが可能なモデルを含みます。指紋認証や顔認証対応カメラ、大容量バッテリーなどを追加することで、かゆいところに手の届く自分好みのモデルへとパワーアップできます。

今回紹介するノートパソコンの選定条件は以下のとおりです。
・価格:10万円前後(9万円〜10万円台)
・CPU:AMD Ryzen7
・メモリー:32GB
・SSD:1TB以上
・CPUスコア(PassMark):20000以上

なお、製品の価格およびレビュー点数などはすべて執筆時点(2024年10月10日)の価格.com上のデータを基にしています。

さっそく見ていきましょう。

モバイル用途も視野に入る14型

14型は自宅での使用からモバイル用途まで幅広いユーザーに支持されているサイズです。ユーザーレビューやクチコミでも、モバイルを視野に検討している人が多い印象。軽量なものは1.44kg〜と、それなりに持ち運びやすいモデルもありますが、本格的なモバイルパソコンよりは重い点に注意しましょう。

レノボ「ThinkPad E14」

カスタマイズでより用途に合った構成にできるノートPC

レビュー・クチコミの評価ポイント
 ・キーボードの入力はスムーズ
 ・金属の外装なので、手触りに高級感があります

「AMD Ryzen 7 7735HS」を搭載する14型モデルです。「ThinkPad E」シリーズはThinkPadのエントリーグレードに当たるシリーズですが、キーボードの中央付近に配置された「TrackPoint」のようにThinkPadならではの機能を備えています。また、MIL-STD 810H準拠の耐久性を備えているのもポイント。重量が約1.44kgと携帯性もまずまず。USB Type-Cポートを2基備え、映像出力および充電も可能など、外部インターフェイスも不足ありません。

ThinkPadシリーズは購入時のカスタマイズ項目が多い点も特徴。追加料金はかかりますが、ディスプレイをマルチタッチパネルやsRGB100%の2.2K(2240×1400)液晶にアップグレード可能です。ほかにも生体認証が可能になる指紋センサーやIRカメラの追加、バックライト付きキーボードへの変更なども可能です。

そのままでも十分に実用的なモデルですが、必要に応じてカスタマイズすることで、自分好みに仕上げられるのが醍醐味と言えるでしょう。

●基本スペック
・OS:Windows 11 Home 64bit
・ディスプレイ:14型WUXGA(1920×1200)
・CPU:AMD Ryzen 7 7735HS
・メモリー:32GB
・ストレージ容量:1TB SSD
・インターフェイス:HDMI×1、USB3.2 Gen2 Type-A×1/Type-C×1、USB3.2 Gen1 Type-A×1/Type-C×1、LANポート
・SDカードスロット:×
・生体認証:×
・バッテリー駆動時間(JEITA Ver3.0):11.8時間(動画再生)、21.8時間(アイドル時)
・カメラ:1080p(プライバシーシャッター付)
・本体サイズ(幅×高さ×奥行):313×17.99×219.3mm
・重量:1.44kg

デル「Inspiron 14」

AI対応「Ryzen 7」と1TBストレージも搭載する高コスパノートPC

レビュー・クチコミの評価ポイント
 ・(コストパフォーマンスが)高い。性能が高い構成の中ではかなりよいと思います

CPUにAI対応のAMD「Ryzen 7 8840U」を搭載する14型モデル。モバイル向けの低電圧CPUですが、今回紹介するなかでは唯一のAI対応モデルです。AIによるビデオ通話エフェクトやアシスタント機能「Windows Copilot」が利用できるほか、将来的にさまざまなAI機能への対応が見込めます。

1TBの大容量SSDに加えて、アスペクト比16:10のディスプレイやUSB Power Delivery対応のUSB Type-Cポートなど、使用感に直結する機能が充実している点も魅力です。ただし、生体認証の非対応、WebカメラがHD画質な点など、部分的にはコストダウンも図られています。また、重量が1.61kgと14型としては若干重めのため、たまに持ち運び、かつ処理性能を重視したい人に向くモデルと言えるでしょう。

なお「Inspiron 14」は構成違いのメモリー16GB搭載モデルも人気です。両者の価格差は1.5万〜2万円ほどで、どちらにするか悩むユーザーも多いと思います。本モデルは内部にメモリースロットを備えるため、ユーザー自身でメモリーの増設も可能ですが、メモリー増設を自分で行うのが不安という場合、あらかじめ容量にゆとりのあるメモリー32GB搭載モデルを選択することをおすすめします。

●基本スペック
・OS:Windows 11 Home
・ディスプレイ:14型(1920×1200)
・CPU:AMD Ryzen 7 8840U
・メモリー:32GB
・ストレージ容量:1TB SSD
・インターフェイス:HDMI×1、USB3.2 Gen1 Type-A×2、USB3.2 Gen2 Type-C×1
・SDカードスロット:○
・生体認証:×
・バッテリー駆動時間:14時間37分
・カメラ:720p
・本体サイズ(幅×高さ×奥行):314×19.9×226.15mm
・重量:1.61kg

据え置き使用が基本の16型

16型は14型より大きいですが、今回紹介するモデルでは機能、性能にほとんど差がありません。テンキーが付いているモデルがほとんどで、事務作業などに向いている面もあります。いっぽうで、重量は1.81kg以上が基本となり、モバイル用途には向きません。据え置き、もしくは自宅内で移動するという使い方がメインとなるでしょう。

レノボ「ThinkPad E16」

充実した外部インターフェイスを持つ大画面16型ノートPC

レビュー・クチコミの評価ポイント
・キーボードのタッチは気持ちいい
・ブラウザーを開きまくっても熱くならない
・ディスプレイを100%sRGB にアップグレードしているのですが、自然な色味が出ます

16型WUXGA(1920×1200)のディスプレイを備えたモデルです。CPUに「Ryzen 7 7735HS」を採用するほか、映像出力対応のUSB Type-Cポートを2基備えるなど外部インターフェイスも充実。ビジネス利用にふさわしい基本構成です。いっぽうで重量が1.81kgと持ち運びには厳しい重さです。

生体認証機能やキーボードバックライトなどが非搭載ですが、上述の「ThinkPad E14」と同様に、購入時のカスタマイズにより変更ができます。特にディスプレイについては、より高解像度なWQXGA(2560×1600)液晶に変更が可能。追加料金はかかりますが、sRGB100%・輝度400nitと、16型の大画面を生かして写真・動画編集やイラスト制作などのクリエイティブな作業をしたい人には魅力的なカスタマイズでしょう。

●基本スペック
・OS: Windows 11 Home 64bit
・ディスプレイ:16型(1920×1200)
・CPU:AMD Ryzen 7 7735HS
・メモリー:32GB
・ストレージ容量:1TB SSD
・インターフェイス:HDMI×1、USB3.2 Gen1 Type-A×1/Type-C×1、USB3.2 Gen2 Type-A×1/Type-C×1、LANポート
・SDカードスロット:×
・生体認証:×
・バッテリー駆動時間(JEITA Ver3.0):13.2時間(動画再生時)、24.3時間(アイドル時)
・カメラ:1080p(プライバシーシャッター付)
・本体サイズ(幅×高さ×奥行):356.1×19.85×247.7mm
・重量:1.81kg

小枝祐基
Writer
小枝祐基
PC、Mac関連の記事や書籍の執筆を行うフリーライター。家電・デジタルガジェットなどのレビューなども行う。著書に『今日から使えるMacBook Air & Pro』(ソシム)、『疲れないパソコン仕事術』(インプレス)など。
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柴田崇志(編集部)
Editor
柴田崇志(編集部)
モノ雑誌で10年弱編集を経験した後、カカクコムに入社。前職ではAV家電やカメラを中心に幅広い製品を担当。スペックからわかりづらい製品の違いをわかりやすく説明したいです。
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