シャープは2024年10月29日、ハイエンドスマートフォン「AQUOS R9 pro」を発表し、2024年12月上旬以降に発売する。カメラを強化しながらも、SoCに廉価版の「Snapdragon 8s Gen 3」を搭載することで、前モデルから大幅な値上げを避けた。その特徴を解説しよう。
シャープ「AQUOS R9 pro」、SIMフリー版価格は19万円前後、2024年12月上旬以降発売の予定
※本記事中の価格は税込で統一している。
「AQUOS」の新しいフラッグシップモデル「AQUOS R9 pro」は、約78(幅)×162(高さ)×9.3(厚さ)mm、重量約229gのボディに、3120×1440のQHD+表示に対応した約6.7インチの有機ELディスプレイ「PRO IGZO OLED」を搭載した大型スマートフォンだ。IPX5/8等級の防水仕様とIP6X等級の防塵仕様をクリアしており、「おサイフケータイ」にも対応している。
ボディ下面にSIMカードスロットやUSB-Type Cポートを配置する。ヘッドホン端子は非搭載
搭載されるSoCは「Snapdragon 8s Gen 3」。これは「Snapdragon 8 Gen 3」をベースに、CPUの動作クロックを低下させ、通信モデムをX75から1世代前のX70に変更するなど、コストパフォーマンスを重視したもの。ただし、カメラで使用する際のISP(画像処理プロセッサー)の性能は上位モデルと同じであるため、「Snapdragon 8s Gen 3」の採用を決めたとのこと。メモリーは12GB、ストレージは512GB、OSはAndroid 14をプリインストールしている。メモリーカードスロットは非搭載。
「AQUOS R8 pro」でも採用されていたカメラのリングを放熱板として利用する機構や、「AQUOS R9」で取り入れられたベイパーチャンバーを継承するなど、熱対策にも注力されている
注目のカメラは、標準カメラ(35mm換算で23mm相当)、望遠カメラ(約65mm)、広角カメラ(約13mm)のライカ監修トリプルカメラで、シャープは「VARIO-SUMMICRON(バリオ・ズミクロン)」カメラシステムと呼んでいる。いずれのカメラも画素数は約5030万画素で統一されている。
標準カメラは1/0.98インチという1インチ以上の大型センサーを採用。望遠カメラは広角カメラ比で2.8倍のズーム撮影に対応しつつ、1/1.56インチという大型センサーを採用したことで、ズーム撮影時の感度も確保されている。また、本体側面にシャッターボタンを搭載しており、半押しによるフォーカスロックやカメラの起動などにも利用できる。動画撮影機能では、標準カメラでDolby Visionの撮影に対応し、より鮮やかな動画が撮影できるようになった。
メインカメラはトリプルカメラで、いずれも約5030万画素を誇る
別売のアダプターを使えば、一眼レフカメラ用のフィルターを装着できる
写真はクロスフィルターを装着して、LED光源を撮影したもの。画像処理ではなく光学的な方法で光芒を表現できる
ホワイトバランスをより正確に計測できる「14chスペクトルセンサー」を前モデルから継承。センサーは同じだが内部処理を一新したことで、幅広い構図に柔軟に対応できるようになった
販路と価格をまとめよう。通信事業者としてはNTTドコモが取り扱い、価格は後日発表される。また、SIMフリーモデルも登場予定で、価格は約19万円だ。