サムスンが手掛けるスマートフォンやタブレットのなかでも、フラッグシップクラスの使い勝手をお手ごろ価格で実現する人気シリーズ「FE(Fan Edition)」から「Galaxy Tab S10 FE+」が2025年4月18日に発売。本機のレビューをお届けします。
サムスン「Galaxy Tab S10 FE+」、希望小売価格109,010円(税込)、2025年4月18日
本機はサイズ違いの2モデルがラインアップされており、「Galaxy Tab S10 FE」が10.9インチ、「Galaxy Tab S10 FE+」が13.3インチの液晶ディスプレイを搭載。サイズ以外の主なスペックは共通です。
プロセッサーはサムスン自社開発の「Exynos 1580」を採用。メモリーは8GB、ストレージは128GB。microSDメモリーカードスロットが用意されており、最大2TBまでストレージを増設できます。
ディスプレイはどちらもリフレッシュレートが最大90Hz、最大輝度が600nitsで、ブルーライト低減機能を備えています。
背面に1300万画素(F2.0)、前面には1200万画素(F2.4)のカメラを搭載。背面カメラは最大8倍デジタルズームに対応します。
ワイヤレス通信はWi-Fi 6、Bluetooth 5.3に対応。有線端子は、USB Type-Cとキーボード接続用「ポゴピン」が用意されています。防水防塵はIP68。カラーはグレイ、シルバーの2色がラインアップされています。
今回レビューしたのは13.1インチ液晶を搭載する「Galaxy Tab S10 FE+」。かなり大型のタブレットです
背面は1300万画素カメラとマイク、そしてサムスンのロゴとシンプルなデザイン
右側面にはサイドボタン(指紋認証対応)、音量ボタン、マイク、排気口、左側面にはキーボードと接続するための「ポゴピン」を配置。厚さ6mmと非常に薄型です
Sペン(Bluetooth非対応)は本体側面に固定可能です
本機が採用する「Exynos 1580」はミドルクラスのスマートフォン、タブレットをターゲットにしたプロセッサーです。
定番ベンチマークを実施した結果は以下のとおり。
AnTuTu Benchmark V10:総合スコア880676
Geekbench 6.4.0:シングルコア1376、マルチコア3860
3DMark(Wild Life):4837
実際に、3DアクションRPG「ゼンレスゾーンゼロ」をプレイしたところ、スムーズに動作しました。もちろんゲーミングスマホのような高画質設定は望めませんが、適切な画質に調節すれば新しいゲームも実用的な速度で遊べるでしょう。
3DアクションRPG「ゼンレスゾーンゼロ」はスムーズに動作しました
なおバッテリー駆動時間については、ディスプレイの輝度、スピーカーのボリュームを50%に設定した上で、YouTube動画を連続再生したところ、バッテリー残量が100%から86%に減りました。
つまり、バッテリー残量0%までであれば、単純計算で14時間17分動作することになります。大容量バッテリーを搭載しているだけに、コンテンツプレーヤーとして長時間楽しめるスタミナ性能を備えていますね。
ディスプレイは液晶ということでOLEDのような締まった黒は表現できませんが、HDRコンテンツの再生に対応しており、鮮やかな映像を表示可能です。ただ今回試したところ、「YouTube」アプリでHDRコンテンツを再生できましたが、「Netflix」では非対応端末と判定されてしまいました。
液晶自体はHDR表示に対応しているので、できるだけ早くNetflixでHDRコンテンツを再生できるようにアップデートが提供されることを強く望みます。
13.3インチと大きなディスプレイはWebブラウジングも快適
HDR対応ですが、Netflixでは利用できませんでした
電子コミックの縦表示では上下に、横表示では左右にアキが生じます。電子コミックとは画面比率の相性がよくありません※鈴木みそ氏「ナナのリテラシー1」より
最後にカメラ性能をチェックしてみましょう。背面カメラは平凡なスペックですが、Galaxyシリーズで培った画像処理エンジンが生かされているのか、被写体に強い色が含まれていても自然な発色で撮影できます。
8倍デジタルズームはさすがに解像感が物足りないですが、2倍デジタルズームであれば40インチぐらいの大画面テレビで鑑賞しても、十分な精細さを備えています。「夜景モード」も明るく、白飛びを抑えて撮れます。タブレットとはいえ、実用的な画質を備えていると言えます。
背面には1300万画素、前面には1200万画素のカメラを搭載
1倍で撮影
8倍で撮影
1倍で撮影
1倍で撮影(「夜景モード」)
「Galaxy Tab S10 FE/FE+」は、一般的な用途であれば実用上十分なパフォーマンスを備え、ボディの質感は上位機に引けを取りません。日常使いできるスタンダードタブレットを探しているのであれば、最初に試してみるべき1台と言えます。ただし、「Galaxy Tab S10 FE+」は大型ですし価格も10万円を超えるので、コストを重視するなら「Galaxy Tab S10 FE」もチェックしてみてはいかがでしょうか。