レビュー

「Pixel 10」「Pixel 10 Pro」「Pixel 10 Pro XL」のどれを買う? 3機種を比較レビュー

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Googleの最新スマホ「Pixel 10」「Pixel 10 Pro」「Pixel 10 Pro XL」の3機種はそれぞれに魅力があるため、どれを選ぶべきか悩ましいところです。そこで、今回はどの機種がどのようなユーザーに向いているのかという視点から、実機レビューをお届けします。

下から「Pixel 10」「Pixel 10 Pro」「Pixel 10 Pro XL」

下から「Pixel 10」「Pixel 10 Pro」「Pixel 10 Pro XL」

「Pixel 10」がスタンダード、「Pixel 10 Pro/Pro XL」がプロモデル

まず3機種の主要スペックを比較してみましょう。端的にまとめれば製品名のとおり、「Pixel 10」がスタンダードで、「Pixel 10 Pro/Pro XL」がプロモデルです。「Pixel 10」はスタンダードモデルとして低価格を実現するため、下記のように差別化が図られています。

ディスプレイパネルは、「Pixel 10」が「OLED」、「Pixel 10 Pro/10 Pro XL」が「LTPO OLED」を採用しています。LTPO OLEDはOLEDの60〜120Hzより広い1〜120Hzの可変リフレッシュレートに対応しており、省電力性にすぐれています。ただし、そのぶん本体価格も高くなります。

また、「Pixel 10」に採用されているOLEDは最大輝度2000nits(HDR)/3000nits(ピーク輝度)ですが、「Pixel 10 Pro/10 Pro XL」のLTPO OLEDは最大輝度2200nits(HDR)/3300nits(ピーク輝度)と若干高くなっています。

ただし、実際に3機種のディスプレイを見た感想としては、輝度の違いはほとんど体感できません。省電力性に差はあっても、画質の点では明確な差はないと言えます。

左から「Pixel 10」「Pixel 10 Pro」「Pixel 10 Pro XL」。微妙に発色は異なりますが、明確な差はありません

左から「Pixel 10」「Pixel 10 Pro」「Pixel 10 Pro XL」。微妙に発色は異なりますが、明確な差はありません

ボディの質感については、「Pixel 10 Pro/10 Pro XL」のほうが上だと感じました。背面パネルについては、「Pixel 10」がポリッシュ仕上げ、「Pixel 10 Pro/10 Pro XL」がシルキーマット仕上げとなっており、こちらは好みが分かれます。ただし、側面フレームについては「Pixel 10 Pro/10 Pro XL」のほうが美しく輝いており、高級感があります。

「Pixel 10」のサテン仕上げの側面フレームはいかにもアルミニウムらしい質感です。とはいえ、ケースを装着するのであれば、側面フレームは見えないので、質感にこだわる必要はないでしょう。

左から「Pixel 10」「Pixel 10 Pro」「Pixel 10 Pro XL」

左から「Pixel 10」「Pixel 10 Pro」「Pixel 10 Pro XL」

上がポリッシュ仕上げの「Pixel 10 Pro」、下がサテン仕上げの「Pixel 10」

上がポリッシュ仕上げの「Pixel 10 Pro」、下がサテン仕上げの「Pixel 10」

「Pixel 10」と「Pixel 10 Pro/10 Pro XL」は、カラバリ、メモリー容量、ストレージ容量、カメラの画素数、Wi-Fiの速度などにも違いがあります。

ちなみに「Pixel 10 Pro」と「Pixel 10 Pro XL」の違いは、画面サイズ、ボディサイズ、重量、バッテリー容量のみ。バッテリー容量が異なるので実際のバッテリー駆動時間に微妙な差がある可能性がありますが、その違いはごくわずかだと思われます。つまり、「Pixel 10 Pro」と「Pixel 10 Pro XL」は、画面サイズと携帯性だけで選んでよいことになります。

最新3Dゲームではスペック不足な一面も

「Pixel 10」「Pixel 10 Pro」「Pixel 10 Pro XL」はGoogle独自の第5世代プロセッサー「Google Tensor G5」を搭載しています。今回試用中にパフォーマンス不足を感じることはなかったですが、ゲームにおいてはいわゆる最高画質でプレイするのは厳しい可能性があります。

レビューでは、「原神」をプレイしたのですが、すべての端末においてグラフィックスの画質は「中」に設定され、「最高」に変更すると「現在のデバイス負荷」が「非常に高い」と判定されました。そのため、「原神」と同じように作られている最新の3Dゲームでは最高画質でプレイするのは困難な可能性があります。

とはいえ、実際のゲーム体験としてはグラフィックスの画質が「中」でも十分キレイです。また、Tensor G5はAI処理に特に注力されているプロセッサーであり、各種AI機能をはじめとする一般的な用途では快適に利用できるはずです。

画質を「最高」に変更すると「現在のデバイス負荷」が「非常に高い」と判定されますが、デフォルトの「中」でも十分キレイです

画質を「最高」に変更すると「現在のデバイス負荷」が「非常に高い」と判定されますが、デフォルトの「中」でも十分キレイです

「Pixel 10」は新たに望遠カメラを搭載

カメラは、「Pixel 10」が4800万画素広角+1300万画素超広角+1800万画素 5倍望遠+1050万画素フロントカメラ、「Pixel 10 Pro」「Pixel 10 Pro XL」が5000万画素広角+4800万画素超広角+4800万画素5倍望遠+4200万画素フロントカメラを搭載しています。「Pixel 10」は光学ズーム最大5倍対応の望遠カメラが追加されトリプルカメラ構成となりました。

上から「Pixel 10」「Pixel 10 Pro」「Pixel 10 Pro XL」

上から「Pixel 10」「Pixel 10 Pro」「Pixel 10 Pro XL」

今回3機種で撮り比べてみましたが、広角カメラはほぼ同じクオリティーだと感じました。広角カメラのイメージセンサーのサイズに差がありますが、画像処理エンジンにより階調やノイズは補正され、夜景など厳しい状況でも同じクオリティーを確保できているのだと思われます。

上は「Pixel 10」、右は「Pixel 10 Pro」で撮影

上は「Pixel 10」、右は「Pixel 10 Pro」で撮影

上は「Pixel 10」、右は「Pixel 10 Pro」で撮影

上は「Pixel 10」、右は「Pixel 10 Pro」で撮影

ただし、超広角カメラについては「Pixel 10」が1300万画素、「Pixel 10 Pro/10 Pro XL」が4800万画素と画素数がまったく異なるので、細部を見ていくとディテールには大きな差があります。超広角カメラを多用するのであれば、「Pixel 10 Pro/10 Pro XL」がおすすめです。

もうひとつ大きな差があるのが望遠カメラ。「Pixel 10」は最大20倍のところ、「Pixel 10 Pro/ 10 Pro XL」は最大100倍を実現しており、最大倍率は大きく異なります。ただし、「Pixel 10 Pro/ 10 Pro XL」の100倍ズームを実現する「超解像ズームPro」は、生成AI技術が採用されており、実際の被写体とは異なって記録されるため、ここには注意が必要です。

左は「Pixel 10」で20倍、右は「Pixel 10 Pro」で最大100倍

左は「Pixel 10」で20倍、右は「Pixel 10 Pro」で最大100倍

最新AI機能を安価に利用したいなら「Pixel 10」、カメラ機能を重視するなら「Pixel 10 Pro/10 Pro XL」

「Pixel 10」「Pixel 10 Pro」「Pixel 10 Pro XL」には超解像ズーム以外にも、撮影方法をアドバイスしてくれる「カメラコーチ」、音声通話を翻訳してくれる「マイボイス通訳」などのAI機能が新搭載されています。これらAI機能は「Pixel 10」シリーズであれば機種を問わず利用できるので、選択時に気にする必要はありません。

というわけで、Googleの最新AI機能をできるだけ低価格で利用したいのであれば「Pixel 10」、高解像度の超広角カメラや最大100倍ズームなどカメラ機能を重視するなら「Pixel 10 Pro」、加えて6.8インチの大画面が必要であれば「Pixel 10 Pro XL」を選ぶことをおすすめいたします。普通の使い方であれば、「Pixel 10」で十分でしょう。

ジャイアン鈴木
Writer
ジャイアン鈴木
レビューした製品を高確率で買ってしまう物欲系ITライター。守備範囲はPC、スマホ、VRがメイン。ゲーム、デジタルトイも大好き。最近サバゲにはまっています。愛車はスイフトスポーツで、断然マニュアル派です。
記事一覧へ
水川悠士(編集部)
Editor
水川悠士(編集部)
デジタル系メディアから価格.comへ。スマホ、スマートウォッチなどのガジェット周り、ゲーム関連を担当。触ってきた製品は数えきれないほど多いです。価格.comマガジンのYouTubeにも出演中。
記事一覧へ
記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
本ページはAmazonアソシエイトプログラムによる収益を得ています
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る
×