レビュー

Googleのスマホ「Pixel 10a」と「Pixel 10」のどちらを買う?

スマホを購入するとき、最新のエントリーモデルと、ちょっと前の上位モデルのどちらを購入するべきか悩ましいものです。同じタイミングに発売されていれば明確に差別化されているので比較しやすいですが、発売時期が離れていると新たに発売されたエントリーのほうが一部機能がすぐれていることもあります。

そんな問題に直面しているのが、2026年4月14日に発売されたGoogleのエントリーモデル「Pixel 10a」と、2025年8月28日に発売されたミドルレンジの「Pixel 10」です。今回はそんな両モデルのスペックの違いや、実際の処理速度、カメラ品質などを比較して、どちらを購入すべきなのか解説します。

最新の廉価モデル「Pixel 10a」(左)とスタンダードモデル「Pixel 10」(右)

最新の廉価モデル「Pixel 10a」(左)とスタンダードモデル「Pixel 10」(右)

「Pixel 10a」と「Pixel 10」は何が違う?

「Pixel 10a」はGoogleの「Aシリーズ」に該当する製品で、ひと言で言えば上位モデルの使い勝手をキープしつつ、手ごろな価格を実現した高コスパモデルです。「Pixel 10」との差別化ポイントは多岐にわたりますが、実用面での大きな差をまとめると以下のようになります。

「Pixel 10a」と「Pixel 10」の主な違い

「Pixel 10a」と「Pixel 10」の主な違い

CPU性能は「Pixel 10」、GPU性能は現状「Pixel 10a」が上

1つ目の大きな違いは、搭載されているプロセッサーの世代です。どちらもGoogle自社開発のプロセッサーを採用しており、「Pixel 10a」は「Tensor G4」、「Pixel 10」は「Tensor G5」と1世代の開きがあります。

ただ、このパフォーマンスの差は単純には比較できません。実は、スマホ性能を数値化するベンチマークソフトの「Geekbench 6」で計測すると、CPUのマルチコア性能は「Tensor G5」のほうが高いいっぽう、GPU性能に関しては「Tensor G4」のほうが高いスコアを記録する逆転現象が起きています。

これは、「Tensor G5」への移行にともない、GPUアーキテクチャも刷新されたことが主な要因です。現時点ではドライバーの最適化が途中であることも影響し、ベンチマークスコアだけでなく、多くのゲームタイトルにおいてフレームレートが前世代より低下する傾向にあります。

一般的なアプリの利用では問題ありませんが、3Dゲームを主目的として購入するのであれば、現状では「Tensor G4」を搭載する「Pixel 10a」のほうが有利と言えます。

「Geekbench 6」で計測した「Pixel 10a」のMulti-Core Scoreは4566、GPU Vulkan Scoreは10025

「Geekbench 6」で計測した「Pixel 10a」のMulti-Core Scoreは4566、GPU Vulkan Scoreは10025

「Pixel 10」のMulti-Core Scoreは6126、GPU Vulkan Scoreは4030

「Pixel 10」のMulti-Core Scoreは6126、GPU Vulkan Scoreは4030

しかし、実際に3DアクションRPG「原神」をインストールしてプレイしてみましたが、グラフィックスの設定画面を確認する限りでは、両モデルともデフォルトのプリセットは「中」であり、デバイスへの負荷表示に大きな違いは見られません。実際に操作した印象としても、「Pixel 10」で特にコマ落ちが発生するような挙動はありませんでした。

ほかの3Dゲームでは異なる結果になる可能性はありますが、少なくとも「原神」を「画質:中、フレームレート:30」というデフォルト設定でプレイする範囲内では、両者に有意な差はないと言えます。

上が「Pixel 10a」、下が「Pixel 10」での「原神」の設定画面。同じプリセット「中」設定時、デバイスの負荷を示すバーは同程度です

上が「Pixel 10a」、下が「Pixel 10」での「原神」の設定画面。同じプリセット「中」設定時、デバイスの負荷を示すバーは同程度です

実際の操作感において、両者に明確な差異は認められません。

「Pixel 10a」はデュアルカメラ、「Pixel 10」はトリプルカメラ

2つ目の大きな違いは、背面カメラの構成です。「Pixel 10a」は広角(48MP)と超広角(13MP)のデュアル構成ですが、「Pixel 10」はこれに10.8MPの光学5倍望遠レンズを加えたトリプル構成となっており、遠くの被写体をより鮮明にとらえることが可能です。さらに、マクロフォーカス撮影に対応するのが「Pixel 10」のみという点も留意しておきましょう。

ただし、背面カメラユニット(カメラバー)の突出が大きくなっている点は「Pixel 10」のデメリットと言えます。ケースを装着しない状態での安定感や、ポケットへの収まりのよさなど、背面のフラットさを重視するのであれば、「Pixel 10a」のほうが扱いやすいデザインに仕上がっています。

「Pixel 10a」(左)はデュアル(広角+超広角)、「Pixel 10」(右)はトリプル(広角+超広角+5倍望遠)構成

「Pixel 10a」(左)はデュアル(広角+超広角)、「Pixel 10」(右)はトリプル(広角+超広角+5倍望遠)構成

「Pixel 10a」(左)はフラットですが、「Pixel 10」(右)は背面カメラユニット(カメラバー)が飛び出しています

「Pixel 10a」(左)はフラットですが、「Pixel 10」(右)は背面カメラユニット(カメラバー)が飛び出しています

「Pixel 10a」の超解像ズーム8倍で撮影

「Pixel 10a」の超解像ズーム8倍で撮影

「Pixel 10」の超解像ズーム20倍で撮影

「Pixel 10」の超解像ズーム20倍で撮影

なお、メインカメラはいずれも48MP Quad PD 広角カメラ(f/1.7、画角82度、1/2インチセンサー、光学式および電子式手ブレ補正)を搭載しており、主要スペックに違いはありません。実際に同一条件で撮影したところ、シャッタースピードや感度にわずかな差異が見られたものの、仕上がりはほぼ同等でした。

プロセッサーの世代差により処理完了までの時間に若干の差が生じる可能性はありますが、メインカメラによる静止画の画質に関しては、実用上まったく同一であると言えます。

「Pixel 10a」で撮影

「Pixel 10a」で撮影

「Pixel 10」で撮影

「Pixel 10」で撮影

どちらもワイヤレス充電対応だが「Pixel 10a」はPixelsnap非対応

3つ目の違いは、やや地味ながら日々の使い勝手を左右するワイヤレス充電の仕様です。両モデルともワイヤレス充電が可能ですが、「Pixel 10」は「Google Pixelsnap」に対応しており、磁力で吸着するため正確な位置合わせの手間がかかりません。いっぽう、「Pixel 10a」は同規格に非対応であり、Pixelsnap対応アクセサリーによる固定機能は利用できないのです。

常に最短時間で充電したい場合はUSB Type-C経由の有線接続を利用するため、この違いは決定的な差にはなりません。しかし、専用スタンドへ手軽にセットしたい、あるいは対応アクセサリーを活用したいのであれば、「Pixel 10」を選択する必要があります。

「Pixel 10」(右)にのみ「Google Pixelsnap」のための磁石が埋め込まれています

「Pixel 10」(右)にのみ「Google Pixelsnap」のための磁石が埋め込まれています

「Pixel 10a」では「Google Pixelsnapリングスタンド」や「Google Pixelsnap充電器(スタンド付き)」のようなアクセサリーは利用できません

「Pixel 10a」では「Google Pixelsnapリングスタンド」や「Google Pixelsnap充電器(スタンド付き)」のようなアクセサリーは利用できません

【まとめ】コスパとゲーム重視なら「Pixel 10a」でOK

「Pixel 10a」と「Pixel 10」を比較すると、実用面での違いが明確です。「Pixel 10」は新世代の「Tensor G5」を搭載しCPU性能にすぐれますが、GPU性能は「Tensor G4」搭載の「Pixel 10a」が現状上回る結果となりました。カメラ構成では、「Pixel 10」は5倍望遠カメラを備えるいっぽう、「Pixel 10a」は背面がよりフラットな設計なので、好みが分かれます。とはいえ、「Pixel 10」は磁気吸着式のPixelsnap充電に対応し、メモリー容量も12GBと余裕があるので、総合的には上であることは間違いありません。

結論としては、「Pixel 10a」はコスパと現状のゲーム性能、ボディの握りやすさを重視するユーザーにおすすめです。いっぽうの「Pixel 10」は、望遠撮影や充電の利便性、高い処理能力による将来的な余裕を求めるユーザーにおすすめのモデルと言えるでしょう。

ジャイアン鈴木
Writer
ジャイアン鈴木
レビューした製品を高確率で買ってしまう物欲系ITライター。守備範囲はPC、スマホ、VRがメイン。ゲーム、デジタルトイも大好き。最近サバゲにはまっています。愛車はスイフトスポーツで、断然マニュアル派です。
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関原元気(編集部)
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関原元気(編集部)
出版社にてメンズファッション誌やWebメディアの編集に長年従事し、現在は「価格.comマガジン」にて、PC、スマートフォン、スマートウォッチ分野を担当。ユーザー目線で、デジタルガジェットの面白さを届けます。
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