Googleの最新折りたたみスマホ「Pixel 11 Pro Fold」が2026年8月20日に発売されました。Google Storeでの価格は279,900円(税込)〜。前モデル「Pixel 10 Pro Fold」は267,500円(税込)〜ですので12,400円値上げされています(※2026年9月3日時点での価格)。そこで今回は、両モデルを用意し、スペックや処理性能、カメラ画質を比較。買い替えや、どちらを買うべきか迷っている人に判断材料をお届けします。
左が「Pixel 10 Pro Fold」、右が「Pixel 11 Pro Fold」。どちらも8インチのメインディスプレイを搭載
左が「Pixel 10 Pro Fold」、右が「Pixel 11 Pro Fold」。新モデルではカメラ部に新通知機能「HiLight」が追加されています
まずは両モデルの主なスペックを比較してみましょう。
Googleストアの通常価格は2026年9月3日時点(税込)
折りたたみスマホはどのメーカーも薄型化、軽量化に力を入れていますが、「Pixel 11 Pro Fold」も例外ではありません。重量は239gで前モデルから19g軽量化。厚さも10.8mmから10.1mmへと0.7mm薄くなりました。
ただ、実際に持ってみて違いを体感できるかというと微妙。目をつぶって両端末を数回シャッフルしたら、もうどちらなのかわからなくなりました。他メーカーも含めて、薄型・軽量化のメリットは、もう少し世代が開いたときに明確に実感できるのだと思います。
左が「Pixel 10 Pro Fold」、右が「Pixel 11 Pro Fold」。重量は258gから239gへ19g軽量化
左が「Pixel 10 Pro Fold」、右が「Pixel 11 Pro Fold」。折りたたみ時の厚さは10.8mmから10.1mmへ0.7mm薄型化されました
ディスプレイも改良され、ピーク輝度は3000nitsから3600nitsへ向上。カバー画面は6.4インチから6.5インチへ大型化し、リフレッシュレートも60〜120Hzから1〜120Hzへ変更されています。カバー画面のリフレッシュレートが最低1Hzになったことは、省電力性に貢献する可能性が高いです。
さらに、ボディの素材や構造も見直され、新しい複合素材のバックカバー、セラミックカバーガラスに、新開発のギアレスヒンジを採用。Googleは前モデルの3倍の強度を実現し、折り目も目立ちにくくなったと謳っています。
実際に両モデルを見比べてみると、「Pixel 11 Pro Fold」の折り目はたしかに浅くなったように見えます。ただ、新たに採用された複合素材のバックカバーは、前モデルより滑りやすく感じます。端末を裸で使うのであれば、落下には少し気をつけたほうがよさそうです。
左が「Pixel 10 Pro Fold」、右が「Pixel 11 Pro Fold」。Googleは前モデルの3倍の強度を実現し、折り目も目立ちにくくなったと謳っています
充電はQi2(最大15W)からQi2.2(最大25W)へ高速化。いっぽう、バッテリー容量は5015mAhから4806mAhへ減っています。公称バッテリー駆動時間も「30時間以上」から「24時間以上」に変わりました。
測定条件が同一であれば、バッテリー容量の減少以上に駆動時間が短くなっていることになります。現時点ではどのパーツか特定できませんが、端末トータルでの消費電力が増えている可能性もあります。
なお、「Pixel 11シリーズ」の「Proモデル」共通の目玉機能として、フラッシュ周辺のLEDで着信やGeminiの状態などを知らせる「HiLight」も新たに搭載されています。
フラッシュ周辺のLEDが光って情報を知らせる新機能「HiLight」
新旧モデルの処理性能は、ベンチマークアプリ「Geekbench 7」「3DMark Steel Nomad Light」「AnTuTu Benchmark V11.1.5」「Geekbench AI 1.7.0」をそれぞれ3回ずつ実行し、その平均値で比較しました。「Pixel 11 Pro Fold」は最新プロセッサー「Google Tensor G6」を搭載しており、パフォーマンスの向上に大きく期待できます。
CPU性能を示す「Geekbench 7」は、「Pixel 11 Pro Fold」においてシングルコアが2017から2336へ約15.8%、マルチコアが5863から7073へ約20.6%向上しました。
左から1回目、2回目、3回目 ※以下同
GPU性能を計測する「3DMark」の「Steel Nomad Light」も、「Pixel 11 Pro Fold」で1027から1226へ約19.4%伸びています。
総合性能を計測する「AnTuTu Benchmark V11.1.5」は挙動が不安定でした。「Pixel 10 Pro Fold」のGPUスコアは約175000でほぼ一定でしたが、「Pixel 11 Pro Fold」は約25万〜41万と大きく変動しています。「Tensor G6」搭載の「Pixel 11シリーズ」でも同様の現象を確認しているため、「AnTuTu」の数値は参考値として見るべきでしょう。
AI処理性能をチェックする「Geekbench AI 1.7.0」でも「Pixel 11 Pro Fold」のほうが高いスコアを計測しました。単精度(Single Precision)が515から689、半精度(Half Precision)が1058から6022、量子化(Quantized)が4527から9239へ向上。特にHalf Precisionは約5.7倍、Quantizedは約2倍です。Google公称値とは測定内容が異なるため単純比較はできませんが、今回の実測でもAI処理性能の大幅な向上を確認できました。
背面カメラは新旧モデルどちらも10.5MP超広角、48MP広角、10.8MP光学5倍望遠という構成です。ただし、「Pixel 11 Pro Fold」は広角カメラのイメージセンサーが1/2型から1/1.56型へ大型化されました。2倍でも光学相当画質に対応し、超解像ズームも最大20倍から30倍へ引き上げられています。
下記にヒカク作例を用意しましたが、実写では超広角0.5倍と望遠5倍の差は小さめです。いっぽう、広角の1倍、2倍では「Pixel 11 Pro Fold」のほうが細部をやや明瞭に記録しており、暗所でも人形の髪や衣服などの質感が残りやすく、ノイズも少ない印象です。さすがに望遠の最大30倍では細部に甘さが出るものの、さらに寄れること自体は明確なメリットと言えます。
とはいえ、前モデルも元々十分に高画質です。1倍、2倍、暗所は着実に進化していますが、カメラ性能の向上だけを理由に新モデルへ買い替える必要はないと個人的には考えます。
2倍の拡大比較。左が「Pixel 10 Pro Fold」、右が「Pixel 11 Pro Fold」。「Pixel 11 Pro Fold」のほうが細部を明瞭に描写しています
暗所作例の拡大比較。左が「Pixel 10 Pro Fold」、右が「Pixel 11 Pro Fold」。「Pixel 11 Pro Fold」のほうが細部をやや明瞭に残しています
まず大前提として、「Pixel 10 Pro Fold」から「Pixel 11 Pro Fold」へ買い替える必要は、個人的にはないと思います。「Pixel 11 Pro Fold」だけで利用できる目立った機能は「HiLight」ぐらい。この機能に強い魅力を感じるのであれば買い替えてもよいでしょう。
もうひとつ注目したいのが、「Tensor G5」から「Tensor G6」へのプロセッサーの進化。今回のベンチマークでは、特にAI性能が大幅に向上しました。現時点では、この性能向上が実際のオンデバイスAIで、処理速度やクオリティにどのぐらい効いてくるのかは未知数です。ただ、今後オンデバイスAI機能が高機能化したときに、より快適に利用できる可能性が高いのは「Pixel 11 Pro Fold」でしょう。
いっぽう、今まさに「Pixel 10 Pro Fold」と「Pixel 11 Pro Fold」のどちらを購入するか悩んでいる人は、「HiLight」やAI性能だけでなく、アップデート期間も判断材料に入れてよいと思います。どちらも長期間のアップデートが提供されますが、当然ながら新しい「Pixel 11 Pro Fold」のほうが、その終了時期も後になります。
現時点での価格差を考慮するなら「Pixel 10 Pro Fold」でもOK。ただ、できるだけ長く使いたいのなら、先行投資と考えて「Pixel 11 Pro Fold」を選ぶのもアリです。