こまめな掃除に使いやすい「コロコロ」は、日常の「ちょい掃除」に活躍する頼もしい存在。ですが、万能性に欠ける点やシート消耗のわずらわしさを伴う側面もあります。昨今増えているスリムでお手ごろなハンディクリーナーに置き換えれば、この不満を解消してもっと掃除が快適になるのではないかと考え、検証してみました。
万能に使えるスティック掃除機に高性能なロボット掃除機など、さまざまな最新の掃除機が家庭の清掃を担うなか、長きにわたり第一線で活躍し続けるシンプルな掃除用具「コロコロ」。我が家も基本の掃除はダイソンのスティック掃除機やロボット掃除機に任せつつ、どうしても億劫になりがちなこまめな掃除ではいまだにコロコロを使い続けています。
特に出番が多いのがリビングのファブリック類の掃除。食卓椅子を兼ねるソファ、食品や飲料などの貯蔵庫として置いてあるスツールボックスなど、やたらとファブリック素材があり、食べこぼしなどしょっちゅうコロコロで掃除しているのですが、いざというときに替え芯のストックがなくなり買いに出ることもしばしば。
とはいえ手軽に使えるので掃除機がけが面倒ですぐにコロコロを使ってしまうという日々を送っています。
ファブリック素材の家具であふれる我が家。掃除はもっぱらコロコロに頼りがちです。伸縮タイプから手元用など、コロコロ本体も各部屋に装備。替え芯もカーペット用とフローリング対応など複数混在している状況です
出番の多いコロコロですが、凹みやヘリに入り込んだホコリが取りにくいので何度も往復させることもしばしば。終わってみれば「結局掃除機の方が早くない?」ということも少なくありません。
そこで気になっていたのがハンディクリーナーです。ひと昔前はずんぐりとしたモデルが多い印象でしたが、今ではずいぶんとスリムになり、重さも1kg以下と軽量。見た目のデザインがよいモデルも増えており、普段からリビングなどに出しっぱなしでも気にならなそうです。
ハンディクリーナーでも上位のモデルになると、スティック掃除機のようにローラーヘッドやロングパイプなどが付属し、機能性も高くなりますが、今回はあくまでもハンディ用途。コロコロのように使うことを考えると、機能や付属品はそこまで多くなくてもよいので、1万円台で購入できるモデルがよさそう。そこで目をつけたのが、Shark(シャーク)の「EVOPOWER WV202JBK」です。メーカーさんにお借りすることができたので、試してみました。
ファーストインプレッションは、期待通りのコンパクトさ。ちょっと立派な折り畳み傘くらいのサイズ感で、片手でヒョイっと楽に扱えそうです。自宅にあるコロコロと比べると重量は増えてしまいますが、個人的には十分に軽量なので疲れることなく使えそうです。
スイッチを入れてみると想像していたよりも運転音が静か。10年ほど前に使っていたハンディは「ブウォーッ」となかなか派手な音がしていましたが、この音量なら多少夜遅くても気にせず使えそうな音量です。吸引力はやはりハンディなのでそれほど強くありませんが、髪の毛やホコリ、小さなゴミを取るには十分な強さでしょう。
また2種類あるノズルのうち、先端が細くなっている隙間用ノズルを装着すれば、吸引力もアップします。もうひとつのマルチノズルは、マイクロファイバーのような柔らかな素材で縁取りされており、ファブリックなどに接地した時にも動かしやすく、ホコリ取りモップのようにゴミをかき出す効果もありそうです。
スリムな本体で長さは約42センチほど。スペック値では幅が5.3センチ・奥行きが6.1センチで、ハンドル部は実測で3.6×4.3センチ径くらいです。握りの部分に凹みがあり、指を引っ掛けてグッと握りやすくなっています
吸引口は半月状で、先端部から底部に向かってやや傾斜がついています。床などの設置面に吸着しすぎず、軽く浮かせてなでるようにスムーズに動かせます
ボタン類はハンドルの上部に配置されており、本体のオン・オフやダストボックスの解除が片手で操作できます。運転モードはオン・オフだけで、強弱の切り替えはありません
ワンタッチでダストボックスを開き、手を汚さずにゴミ捨てができます。奥に入り込んだ髪の毛などが気になる場合は、フィルター部を取り外してメンテナンスができます
隙間用ノズルとマルチノズルの2つのノズルが付属。充電ドックに収納ができます。スペック上の運転時間は約12分で、充電時間は約2.5時間。なおリチウムイオンバッテリーの着脱や交換はできません
隙間用ノズルを取り付けると吸引力がアップ。必要に応じてブラシを装着できるので、細かなホコリ取りにも便利。マルチノズルは柔らかな素材で縁取りされていて、カーテンやファブリックなどの布素材でも滑らかに動かせます
我が家にはストック収納用のスツールボックスが大小10個ほどあり、ボックスあたりコロコロを2〜3枚は消費します。さらに食卓椅子として使っているソファ、くつろぎ用の椅子などファブリック素材がいたるところに。もしこれらの掃除を「EVOPOWER WV202JBK」に置き換えられれば、なかなかの節約になりそう。ということで、擬似ゴミをボックスの上にまき、コロコロと掃除状況を比べてみました。
結果は下記の通り、「EVOPOWER WV202JBK」の圧勝。スツールの座面の平坦な部分はコロコロでもそれなりにゴミが取れていますが、凹んだ部分はかなりのゴミが残ってしまいました。一方、「EVOPOWER WV202JBK」はゆっくりと通過するだけでほぼ取り除くことができました。
大小2種類のビーズを混ぜた擬似ゴミをスツールに撒き、その上を「EVOPOWER WV202JBK」とコロコロ(カーペット用)をそれぞれ1回だけなぞりました。ハンディクリーナーは凹みに若干のゴミが残ったものの、ほとんど取りきれています
コロコロの方は、平坦な部分の大きなゴミはほぼ取れましたが、細かなゴミはやや残っています。また凹み部分にはかなりの取りこぼしが出てしまいました
一点、「EVOPOWER WV202JBK」で懸念していたのが、排気の風の強さ。擬似ゴミを吹き飛ばしてしまうかも、と若干の心配もありましたが、排気が後方寄りに出ていたので、ゴミが舞い散ることはありませんでした。ただし、排気口は左右の2か所にあるため、実際の掃除の時にはホコリなどを吹き飛ばさないようにハンディクリーナーを当てる角度などは多少注意する必要がありました。
せっかくなので、隙間ノズルでの掃除に向いている階段や部屋の隅、窓枠なども試してみることに。ここは普段、床掃除と合わせてダイソンのスティック掃除機で掃除している場所ですが、ここをハンディでまかなえれば、ダイソンのバッテリーの節約やヘッドの交換の手間が省けて掃除が楽になりそうです。
結果としては、吸引力では劣っているものの、「EVOPOWER WV202JBK」でもホコリや髪の毛などは一回の充電でしっかりと取りきれました。特によかったのが、やはり本体重量の軽さ。普段から使っているのですっかり慣れていましたが、自宅のダイソンは数年前のモデルということもあり、隙間ノズルとの組み合わせで約1.6kgほど。いっぽうの「EVOPOWER WV202JBK」は約630gと約1kgも差があります。もちろん、それぞれによさがあるので優劣をつけたいわけではありませんが、それほど汚れがひどくない場合はサッとハンディで、しっかりと掃除をしたい時には吸引力重視の掃除機と使い分ければ、日々の掃除がより楽になると感じました。
コーナーや溝などにゴミが溜まりやすい階段。内側の鋭角な箇所は特にホコリが溜まりやすく、手軽に使えるハンディでマメに掃除したくなります
テレビ裏は壁掛けユニットや隠したコードなどにホコリがたまりやすいものの、スペースが狭く掃除機かけが難しいポイント。ハンディは隙間ノズルと組み合わせると56センチ、ハンドルの握り部を除いても45センチほどの長さとなり、狭いポイントにも入り込めました
ちょっとハンディには荷が重そうな、湿気でホコリが固まりやすい窓枠部分。簡単な塵払いはできましたが、基本は拭き掃除が必要です。ただ、これほど汚れる前にハンディでマメに掃除すれば、改善はできそう
カーテン代わりにフェイクグリーンを飾ったがために、ホコリが溜まりやすくなってしまった収納棚。隙間ノズルのブラシでやさしくなでるようにすれば、だいぶホコリが取れました
今回、ハンディ掃除機が気になった理由は、メイン掃除機を持ち出すほどではないものの、ちょっとした隙間や家具の隅、ファブリックの凹み箇所など、コロコロだけでは掃除しづらい箇所にストレスを感じていたこと。その点は「EVOPOWER WV202JBK」を取り入れることでスムーズに解消できると感じました。
また、手に取りやすい場所に置いておけるのもハンディのメリット。食卓の近くにあれば食後のルーティンに食べこぼしの掃除を、リビングにあればファブリックに座る前にサッとひとかけ、カフェテーブルのそばならコーヒーを入れた後に散らばった粉の吸い取りなど、自然な形で掃除がしやすくなりそうです。個人的には小さな物があふれがちな机周りの掃除にも便利でした。
小銭やSDカード、USBメモリーなどが散乱しやすい仕事机。「EVOPOWER WV202JBK」なら細かな物も吸い込みにくく、気になるホコリだけを取り除きやすくなります
いっぽうで、たとえば玄関の土間部分など屋外の汚れが入り込む場所や、掃除機の扱いがデリケートな水回り、衛生上気になるトイレの床掃除など、やっぱりコロコロも必要だなと感じる場所もいくつか残りました。
また、バッテリー持ちや吸引力を考えると、メインの掃除機としては力不足。ただイマドキはメインの掃除機も、バッテリー搭載のコードレスを使う人が多数派だと思いますので、メイン掃除機だけでは回りきれない場所をハンディで補助するという使い方なら出番がありそうです。
結局どれがすぐれているというよりも、メイン掃除機、ハンディ掃除機、コロコロを適材適所で使えば、より掃除が快適になるというのが結論でした。その点で、「EVOPOWER WV202JBK」は価格も手ごろで買うに値する一台と感じています。もし筆者と同じく、日常の掃除におけるちょっとした不便さや、放置しがちな気になる汚れポイントを解消したい人は、軽量ハンディを試してみては?