摂取カロリーの自動計測機能(※)を搭載したシャープ初のスマートウォッチである「からだメイト Watch MH-W01」。カロリー管理の強い味方になりそうですが、その精度はどれほどのものなのだろうか。肥満がちなアラフィフライターが1か月装着した結果をレポートします。
※本製品は医療機器ではありません。摂取カロリーの数値はセンサーで測定した結果に基づいて算出した参考値です。年齢や身体の状態、装着状態、使用環境などにより、表示される値と実際の値との差が大きくなる場合があります。
摂取カロリーを計測できるシャープ「からだメイト Watch MH-W01」
昨今のスマートウォッチは、電話・メールの着信やアプリ通知、運動時の負荷、心拍数や血中酸素レベルの測定、睡眠時間のモニタリングなどさまざまな機能が搭載されますが、そんななかで他に類を見ない「摂取カロリー」の測定機能を備えたのが、シャープ初のスマートウォッチである「からだメイト Watch MH-W01」です。
身に付けているだけで摂取カロリーを手軽に知ることができれば、外食が多い人や食事の管理が苦手な人にも、食生活を見直す助けになりそうです。かくいう筆者も、生活が不規則で食生活は乱れがち。180センチ85kgの肥満体型のため、乱れた生活を正してくれるかもと期待し、本製品をメーカーにお借りして試してみました。
最初にスマートウォッチとしての機能を確認してみたいと思います。
基本的には一般的なスマートウォッチと同様、液晶画面はタッチパネル、ボタン類は本体右上にリューズと右下にサイドボタンを配置する構成。本体の背面に充電コネクタを備えます。健康機器のイメージのある製品ですが、時計としてもシンプルながら高級感のあるデザインに感じます。付属のベルトはシリコンの質感ですが、市販のベルトに交換ができるため、フォーマルな場からアクティビティまでさまざまなシーンで使えそうです。
右上のリューズを押すと機能一覧が呼び出せます。リューズを回転させてスクロールもできます。また2回押しでタイマーやミュージック、設定などのショートカットをひとつ登録できます
本体右下のサイドボタンには初期設定でエクササイズ機能が登録されており、ウォーキングやランニングなどのメニューに素早くアクセスできます。また別のショートカットを割り当てることもできます
約1.32インチ(466×466)のOLEDタッチディスプレイを搭載。Gorilla Glass 5が採用され、5ATM・IPX8/IP6Xの防水/防塵性能を持ちます
付属ベルトはシリコン質でサラッとした付け心地。また市販の20mm幅の腕時計用ベルトに対応するので、好みのベルトに付け替えできます
摂取カロリーや水分モニタリングに使用する生体電気インピーダンスセンサーをはじめ、光学式心拍センサー、血中酸素レベル用赤色および赤外線センサー、皮膚温度センサー、地磁気センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、気圧センサー、照度センサーと、さまざまなセンサーを搭載します
サイズ(実測)が約4センチ径で厚さが約1センチほどのコンパクトな充電器。コネクタはUSB-C(メス)で、スマホ用充電器などとつないで充電ができます
一般的なスマートウォッチと同様に、電話やSMS、各種アプリの通知などを受け取る、タイマーやアラームをセットする、各種エクササイズを記録するなどの機能は押さえています。またペアリングしたスマホで音楽の再生をする、カメラのシャッターを切る、音を鳴らしてスマホを探すなどの操作もできます。いっぽうでApple Watchのようにメッセージの返信や、アプリの追加などには対応しておらず、多機能さを求めるユーザーには少し物足りないかもしれません。ただ、個人的にApple Watchでも用途のほとんどが通知とエクササイズ記録ですし、SuicaもiPhoneで使えばさほど不自由さは感じませんでした。
初期設定ではオフになっていますが、時刻の常時点灯機能も備えています。ただし電池の消費が増えてしまうため、必要な時のみ有効にする方がよさそうです
デフォルトで5種類のウォッチフェイスを用意しており、ホーム画面の長押しか、設定メニューから変更できます。またスマホアプリからの追加もできます
リューズを押すと機能一覧を表示。ヘルスケア、エクササイズ、電話、天気、アラーム、タイマー、ストップウォッチ、スケジュール、スマホを探す、フラッシュライト、ミュージック、カメラ、設定などの項目を用意します
カロリーバランスや消費カロリー、天気、歩数、心拍数など、特定の情報をカード上に簡潔に表示してくれるサーキットビュー。画面を点灯して待つ、あるいは手首を返すジェスチャーのいずれかで起動できます
「からだメイト Watch MH-W01」の特徴的な機能は、やはり摂取カロリーの自動測定。過去に何度も食事記録の挫折を繰り返した筆者としても、記録を自動でとってもらえるのはありがたい機能です。この製品の本丸とも言えるこの機能について、詳しくテストしてみようと思います。
なお、摂取カロリーの記録は、ウォッチ本体の「カロリースカウター」から確認ができます。ただ、こちらに表示されるのは当日の記録のみとなり、過去の履歴はスマホの「からだメイト」アプリでチェックする必要があります。
ウォッチ本体の画面を右方向にスクロールして表示される「カロリースカウター」で当日の摂取カロリーと消費カロリーの収支が確認できる。画面をタップすると「カロリーバランス」画面が表示され、より細かなグラフで確認が可能
iOS用の「からだメイト」アプリのホーム画面。睡眠やエクササイズ、カロリーバランスなどの項目が並び、各項目を開くと、蓄積されたデータが確認できます
仕組みとしては、ウォッチに搭載される「生体電気インピーダンスセンサー」が、食べ物が胃を通り、栄養素ごとに分解されてから、体内の細胞がブドウ糖を吸収する際に排出される水分を測定し、摂取カロリーを算出するとのこと。これはHEALBE社独自のFLOWテクノロジーによるものだそうです。
生体電気インピーダンスセンサーで、体内の水分や糖の動きを検知し、実際に体が吸収したエネルギー量を推定するといいます(画像は公式ページより)
なお摂取カロリーの自動測定には下記のような注意点があります。
・着用時間は、食事中や睡眠中も含めて1日22〜23時間を推奨
・栄養素が体に吸収されるまで時間がかかるため、食後すぐに数値は表示されず、数時間〜半日程度のタイムラグがある
・初回着用時はデータが安定するまでに数日〜2週間程度の調整期間が必要
今回はこれらを踏まえて、食事のカロリーがどのように反映されるかを確認するため、数日間動きを見てみました。当初は朝・昼・夕と3食をとるようにしてみましたが、食事回数が多いと切れ目がなく記録が混在してしまうため、昼食と夕食の2食にすることに。献立を固定し、1週間の数値を追うことにしました。
なお献立は、昼食がたんぱく質多めで1週間、夕食は最初の3日間を脂質多め、次の3日間炭水化物多めというように、夕食のみ中心に据える栄養素も変えてみました。また7日目には、昼食と夕食の間に間食として1時間おきにアーモンドチョコを2粒(5回・合計10粒)食べました。
昼食はたんぱく質多めの食事で、12時〜13時の間にとりました。献立はサラダチキン、絹豆腐、ゆで玉子、サラダとドレッシングで約300kcalです(脂質:約11g、炭水化物:約7g、たんぱく質:約42g)
前半3日間の夕食は脂質多めの食事。18時〜19時の間にとりました。内容はハンバーグ、ウインナー、フライドポテト、アボカド、サラダとドレッシングで約900kcalです(脂質:約65.2g、炭水化物:約48.8g、たんぱく質:約31.6g)
後半3日間の夕食は炭水化物多めの食事。パックごはん(180g)、肉じゃが、今川焼き、芋とかぼちゃのサラダ、オレンジジュース、サラダとドレッシングで約900kcalです(脂質:約16.2g、炭水化物:約167.1g、たんぱく質:約22.1g)。7日目のみ、間食としてアーモンドチョコを合計10粒(250kcal)食べています
基本的に市販のお総菜で、カロリー表示のある食品のみをピックアップ。1日の摂取カロリーは昼・夜あわせて約1200kcalとしています。ただし、食品に表示されたカロリーにも誤差はあるはずで、実際には1200kcalよりも多い可能性もあります。
「からだメイト Watch MH-W01」で記録された摂取カロリーは下記のようになりました。
・1日目:1930kcal(昼:たんぱく質食・夜:脂質食)
・2日目:1402kcal(昼:たんぱく質食・夜:脂質食)
・3日目:1591kcal(昼:たんぱく質食・夜:脂質食)
・4日目:1905kcal(昼:たんぱく質食・夜:炭水化物食)
・5日目:1576kcal(昼:たんぱく質食・夜:炭水化物食)
・6日目:1565kcal(昼:たんぱく質食・夜:炭水化物食)
・7日目:1903kcal(昼:たんぱく質食・夜:炭水化物食・間食)
結果を見ると、全体的に想定した摂取カロリーよりもやや多めの記録となりました。傾向としては、夕食に「脂質多め」とした日の方が数値の幅が大きくなりましたが、わずかな差でした。
1日目と4日目の数値が大きめな点も少し気になります。実は両日とも前日が「脂質多め」でした。公式の機能ガイドには「糖質は比較的早く吸収される一方、肉類や脂質を多く含む食事はゆっくり吸収される傾向がある」と記載があり、もしかすると前日の栄養素の反映が翌日にずれこんでいるのかもしれません。あるいは、筆者のコンディションの影響もありそう。日によって睡眠状況が異なる点や、ブラックのコーヒーやノンカロリーの炭酸水などを自由に口にしていたので、はっきりとした原因はわかりませんでした。
ただ、いずれにしても日常的に「今日は脂質、今日は炭水化物」とメニューを決めることは稀だと思うので、「大体の目安を知る」という意味では、まずまずの結果ではないでしょうか。
続いて、1日のなかで摂取カロリーが記録されていく様子を比べてみます。ここでは、前後に同じ献立がある2日目と5日目の数字を追ってみます。
左が2日目で右が5日目。逐次調整が入るのか、実際に使っていると計上される数値や時間帯は食事後しばらくは変動しました。こちらの画像は数値が動かなくなってからの結果を表示したものです
わかりやすく時間帯と摂取カロリー数値について表にしたものがこちら
公式の機能ガイドにもありますが、摂取カロリーの記録は食べた時間ではなく、体内に吸収されてからの時間で、数時間〜半日程度のタイムラグが発生します。今回の食事サイクルに当てはめると、深夜帯にかかるのが概ね昼食、日中に固まっている数値が概ね夕食と想定しました。上記の場合、比較的想定に近い時間帯で記録が行われましたが、全体的にはもっとまばらで、1日を通して記録が行われている日もありました。長期にわたって同じ献立を食べ続ければ、結果も安定するかもしれませんが、日常的に「昼食のカロリーはこれ、夕食はこれ」と完全に見当をつけるのは難しく、またユーザーのコンディションによる部分も大きそう、というのが実感です。
また、自動で修正がかかり摂取カロリーの時間帯も動くため、即時性には欠けます。下記は一例ですが、記録された時間帯が大きく動くこともあるので、基本的には後から履歴を追って確認する使い方がよさそうです。
同じ日でも数値が更新されるタイミングで、時間帯が大きく変化することがあります
こちらは別日に行った炭水化物食の数値。同じ献立だった検証日に比べて数値がかなり大きくなっています。個人差はあると思いますが、完全なカロリー管理を任せるにはやや不安も残りました
「からだメイト Watch MH-W01」は摂取カロリー以外にも、睡眠状況のモニタリングや水分バランスのチェックも行ってくれます。また水分不足になったらウォッチに通知し、水分補給をうながしてくれます。
実際に起床時などには通知が届くことが多かったので、枕元にペットボトルの水を置いておくなどして水を飲む習慣がついたのも、「からだメイト Watch MH-W01」を試して良かった点かもしれません。
水分バランス自動モニタリングにも、生体電気インピーダンスセンサーが使用されているとのこと。また歩数などのアクティビティ、性別や年齢、体重なども加味されているといいます(画像は公式ページより)
水分の不足が検出されると、水分補給を促す通知が行われます
今回は、同じ食事をしていても数値が異なる点や、記録される時間帯がまばらであるなど、正確さという部分では少し曖昧さが残る結果でした。食事単位での厳密なカロリー把握が必要といったケースにはあまり向かないかもしれません。ただ、多めに食べたという日にはしっかりと摂取カロリーの数値は増えますし、食事を抜いた日には相応に数値が下がっているので、傾向を見るには十分に実用的であると感じました。健康維持を意識し始めた人などにとって、日々の食事内容をメモしたり計算したりすることなくおおよその摂取カロリーを把握できるのはありがたい機能だと思います。
おまけですが、今回「からだメイト Watch MH-W01」を着けながら決まった時間と食事を1か月続けたところ、最終的に5kgの減量に成功しました! ダイエット目的の検証ではなく「食べる時は食べる」という内容でしたが、結果として食べ過ぎや間食が抑えられ、減量につながったようです。あくまでも副次的なもので、「からだメイト Watch MH-W01」を装着することがダイエットになる、というワケではありませんが、日々の摂取カロリーを気にすることで、食生活を見直すきっかけとなりうると、身をもって体感できました。せっかく体が軽くなってきたので、今後も無理なく「食べ過ぎ」をしない生活を心掛けていきたいと思います。そんなきっかけをくれた「からだメイト Watch MH-W01」に感謝です!
なお、今回の検証は無料の「からだメイト基本コース」で行いましたが、月額600円の有料サービス「からだメイトPlusプラン」には、ダイエットコースとコンディションケアコースが用意され、プロ監修のアドバイスが受けられるとのこと。食事サポートに関しては食事記録の画像認識や食事改善アドバイスなどを備えているそうなので、「からだメイト Watch」をダイエットに活用したいと考える人は、有料プランも検討してみるとよさそうです。