レビュー

リード最大2400MB/s! 480GBで約6万円の超高速SSD「Intel SSD 750」をチェック

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ベンチマーク結果

ここからは、各種ベンチマークプログラムを使用し、Intel SSD 750の1.2TBモデルの実力をチェックしていこいう。Windows 8.1なら標準ドライバーで動作可能だが、今回はIntelのドライバーを導入している。

ちなみに、OSをインストールしたシステムドライブ(SATA SSD)を別途用意し、SSD 750はセカンダリードライブとして接続した。なお、検証PC環境は以下のとおりとなる。

 

 

Crystal DiskMark v4.0.3

まずは、定番ベンチマークプログラム「Crystal DiskMark v4.0.3」(作者:ひよひよ氏)を使い、ストレージの転送速度を計測してみた。今回は、テストサイズ「1GiB」「4GiB」のそれぞれで、ランダムデータと0fill(データの中身を0で満たした)の両方でテストを実施。テスト回数は5回を選択した。スレッド数1、キュー数32。なお、NVMeに正式対応したCrystal DiskMark 4では、ベンチマークエンジンを変更しているため、以前のバージョンで計測した結果とは互換性がないため要注意。

・テストデータ0Fill

テストサイズ1GiB

 

テストサイズ4GiB

 

・テストデータランダム

テストサイズ1GiB

 

 

テストサイズ4GiB

 

Crystal DiskMark v4.0.3では、シーケンシャルリードは2.6GB〜2.7GB/s、シーケンシャルライトは約1400MB/sとどちらも公称値を超える結果になった。ランダム4K(キュー数32、スレッド数1)性能は、リード・ライトともに900MB台になっており、1GBに迫る勢いだ。今回は標準のキュー数でテストしたため、これより多いキュー数を指定すればさらに高いパフォーマンスも出せそうだ。

AS SSD Benchmark

次に、SSD専用ベンチマークプログラム「AS SSD Benchmark」を実行した。シーケンシャルリードは公称スペックより下回ったものの、ライトは1234.84MB/sとわずかにリード。そして4K-64Thrdでは、リード・ライトともに1000MB/sを超えてきており、特にIOPS単位では、リード37万IOPS、ライト25.7万IOPSと良好な数値となった。総合スコアは3865。最新の2.5インチSSDの約3倍に匹敵する性能だ。

MB/s

 

IOPS

 

Copy-Benchmark

 

Compression-Benchmark

 

このほか、ファイルコピーを模したCopy-Benchmarkでは、大きなファイルを想定した「ISO」でDurationが1秒を切ることができた。また、大小さまざまなファイルを想定した「Game」や、小さなファイルを想定した「Program」では、Durationは1秒から2秒とかなり短い傾向にある。Compression-Benchmarkでは、複数回計測すると多少ふらつきがあった。

ATTO Disk Benchmark 2.47

続いて、ATTO Disk Benchmarkの結果を見ると、4タイプのデータサイズいずれも公称値を上回った。最大転送速度は、リード2719.188MB/s、ライト1405.771MB/s。リードはデータサイズ2GBのとき、ライトはデータサイズ256MB/sのときとなっている。

 

Total Lenght:256MB

 

Total Lenght:512MB

 

Total Lenght:1GB

 

 

Total Lenght:2GB

 

 

ファイルコピー速度

おまけとして、ファイルのコピー速度を見ておこう。今回、ファイルコピー時の転送速度を見る上で、4GBのテストファイルを用意した。このテストファイルは均質な内容(0で埋め尽くされた)になっている。なお、今回転送速度が速いため、RAMディスクツールを用いて、メインメモリー上にデータを配置。コピーは、RAMディスク(メインメモリー)からSSD 750へ、SSD 750からRAMディスク(メインメモリー)への2とおりで行った。

結果は、RAMディスク→SSD 750が1.8GB/s、SSD 750→RAMディスクが1.5GB/sとかなり高速であることがわかる。4GBのファイルが3秒程度でコピー完了となった。容量4GBと言えば、1層記録のDVD程度である。1GBのファイルであればドラッグ&ドロップしてすぐに終了するくらいの速度だ。

RAMディスクからSSD 750へ

 

 

SSD 750からRAMディスクへ

RAMディスクツール「ImDisk Virtual Disk Driver」を用いてメインメモリー上にリムーバブルドライブタイプの仮想ドライブを作成。そこに容量4GBのテストファイルを配置した。テストファイルはWindowsのコマンド・プロンプト上で「fsutil file createnew ファイル名 容量指定(4294967296)」で作成したものとなっている。作成されたファイルは均質な内容となるため、実際のデータとだいぶ異なるが、今回は参考として掲載している

ベンチマーク結果を駆け足で見てきた。シーケンシャル・ランダム性能ともに飛び抜けて速く、その高速性は現時点トップクラスなのは間違いないだろう。ただ、今回テストを通じて感じたのは、複数回テストを行うとランダムで低い結果がでることがあること。スコアのゆらぎが多少目立つ点だ。出たばかりなので致し方ないという面はあるものの、今後の改善が望まれる。

このほかにも注意しなければいけないポイントがある。それがPCI Express 3.0のレーン数だ。X99環境と比べてPCI Express 3.0のレーン数が少ないZ/Hの9/8シリーズなどでは、SSD 750とビデオカードを併用する場合、レーン数が足りないためビデオカードをフルで活用できなくなってしまう。この点は少し残念なところと言えるだろう。

まとめ

SSD 750は、現在入手できるクライアント向けSSDの中では、ダントツの性能を示している。クライアントとしてはややオーバーな性能という印象も拭えないが、処理負荷の重いゲームをプレイしたり、高解像度な映像や画像などの編集作業をしたり、そういうシーンのときにはその恩恵を得られるはずだ。価格は、カード型が400GBで約6万円、1.2TBで約15万円と高価だが、同じ性能と容量を実現するために何台ものSSDが必要になるかを想像すれば、けっして安くはないが“めっぽう高い”というわけでもない。同じ容量でおよそ2倍高価なインテルのデータセンター向けNVMe対応SSDの価格と比べれば、「むしろ安いくらい」と感じる方もいるのではないだろうか。容量を含む性能を踏まえたら、コストパフォーマンスは高いといえるだろう。

なお、PCIe SSDの先駆けとなったFusion IOを2014年に買収したSanDisk、NVMe対応M.2 SSDの量産開始をアナウンスしたサムスン、といったようにライバルの動きも活発だ。その他のメーカーも準備は進めている様子。今後すぐに、NVMe SSDがクライアント市場の主流になるとは言い切れないが、少しずつ広がっていくことになるのは間違いないだろう。

銭袋秀明(編集部)
Writer
銭袋秀明(編集部)
編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!
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