小寺信良のGadget 2 Go!

Android Wearのデファクト、moto360

4月下旬にApple Watchが発売されて4か月が経過し、そろそろスマートウォッチ騒動も一段落といったところだろうか。Apple Watchのほうはほとんどが「いる・いらない」の二元論だったが、Android Wearのほうは多くのメーカーが参入しているだけあって、デザインが豊富にそろっており、どれにする論が豊富のように見える。

ただ種類が多いことがあだとなっているのか、なかなか決定版と言えるモデルが見当たらないという意見も多くある。展示会などで発表されたモデルでも、日本で発売されないものが多いからかもしれない。

昨年9月に国外で発売されたモトローラのmoto360は、スマートウォッチでは珍しい円形のディスプレイを備えたモデルだ。発売時から人気が高く、発売後1か月でスマートウォッチ市場の15%を占めるなど、起爆剤としては十分魅力ある商品だった。しかし日本では、現在に至るまで発売されていない。一節には円形ディスプレイが日本企業の特許に触れるためと言われてはいるが、真偽のほどは定かではない。

円形ディスプレイがポイント、moto360

背面には心拍数などを測るセンサーが

もちろん、海外の通販会社を利用したり、並行輸入品を購入することはできる。これまでmoto360は技適(技術基準適合証明)のマークがなかったので、売買はできても日本国内で使用すると電波法違反になってしまっていたが、今年3月にメーカーのほうで技適を通したことで、日本でも使用できることになった。実際にソフトウェアアップデートによって技適マークが表示されるようになったのは、6月18日リリースのAndroid Wearアップデート以降である。

技適マークも表示され、日本でも使用可能に

そんなわけでさっそく筆者も購入し、便利に使っている。オリジナルは革製のベルトが付いて来たが、夏場は汗で汚れるので、金属製のベルトに交換している。ボディも円形なので、フォーマルな席でも違和感なく見られるのがポイントだ。

またウォッチフェイスも多彩なデザインがそろっており、いろいろな顔が楽しめる。ここしばらく筆者が使っているのは、気温と降水確率をグラフで示してくれるものだ。これまで天気予報など気にしたことがなかったが、帰りは雨になりそうだから自転車で駅まで行くのはやめようとか、行動が合理的になった。

多彩なウォッチフェイスが楽しめるのも魅力(左)。最近常用中のウォッチフェイス(右)

Google Nowがこんなに楽しいとは!

Android Wearでは、ユーザーの好みでアプリを入れて使うことができる。メールにしても、本文がそこそこ短いものであれば、スクロールして全文が読める。LINEやFacebookのメッセージも飛んでくるので、常に「動いている話」を追うことができる。

メール本文もウォッチだけで全文読める

活動や心拍数などを計測する機能もあるが、実はほとんど使っていない。そうした高尚な目的のために使うのではなく、日常でダラダラ使う方がAndroid Wearは面白いのだ。Android端末をお使いの方は、Google Nowをご存じだろう。画面の下から上にスワイプすると、今日の予定や周辺の情報などを表示してくれる機能だ。ただこれを使いこなしていると言う人は、あまりいないのではないかと思う。

なぜならば、スマホを使う時は何かの目的のために特定のアプリを使うわけだから、こういった「余分なお知らせ」的なものにアクセスする余裕はない。強制的に割り込んで来るものでもないので、結局使うチャンスがない機能となっているのではないだろうか。ネットの情報は、その受け取り方でプッシュ型とプル型があるが、自分から情報を取りに行くプル型アクションの時にプッシュ型通知が来ると、うっとうしく感じるものだ。

だがこのGoogle Nowのプッシュ型通知が、プッシュを受け取る専用機たるAndroid Wearに転送されると、価値ある情報に化ける。ふと腕を見ると宅急便が到着したことがわかったり、次の目的地に行くには何時までにここを出ないといけないのかがわかったりする。そういうのは今必要な情報ではないのだが、それがわかることで今自分のバックグラウンドで動いている状況が把握できるわけだ。

「余計な情報」が面白い(左)。次のスケジュールも通知される(右)

こう言うと、しょっちゅう時計を覗き込んでるように思われるかもしれないが、時間が空いたときにまとめて見るだけである。これまでそういうことが知りたければ、わざわざスマホを取り出して「自分で調べて」いたわけだが、その手間もない。自分の行動に合わせて、情報のほうが勝手に変化していく。これが面白い。

最新のAndroid Wearでは、Wi-Fiもサポートされた。これまではBluetoothでAndroid端末とペアリングすることで情報を転送していたが、アクセスポイントがあればある程度単体で情報が取れるようになった。moto360にはWi-Fi機能はないものとばかり思い込んでいたが、実はハードウェアとしては搭載されていたのだ。また手首を振るだけで次の情報に移行するなど、右手が塞がっているときでも情報を確認できるようになった。このあたりの積極的な機能アップも、Android Wearの面白いところだ。

そんなmoto360だが、最近後継モデルがリークされ、現行モデルの価格が半額を割り込んできている。後継機を待つよりも、安くなった現行モデルを買って、早くこの世界の仲間入りを果たした方が、人生にとってプラスだろう。もちろん筆者はこれに加えて後継モデルも買うつもりである。

小寺信良

小寺信良

AV機器評論家/コラムニスト。デジタル機器、放送、ITなどのメディアを独自の視点で分析するコラムで人気。メルマガ「小寺・西田の金曜ランチビュッフェ」も配信中。

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