先月に続いてLED照明の話題だが、今回は撮影用のライトの話である。ビデオ撮影用の定常光は、いまやすっかりLEDライトの時代となった。カメラにマウントするビデオライトも同様である。
筆者も商品撮影などに3灯ほど使っているが、大型になればなるほど、ライト自体が重くなり、スタンドが軽いと倒れやすくなる。脚部にサンドバッグでも載せればいいのだが、スタジオ撮影ならともかく、自室の一角で小物を撮るだけという場合にはいささか大げさすぎる。
どうにかならないものかと思っていたのだが、いつの間にかLEDライトは次の世代に突入しつつあるようだ。今回ご紹介する「RX-12TD」は、超軽量ながらプロスペックを誇るライトだ。昨年夏に訪れた中国の放送機器展「BIRTV」で出品されているのを見たのだが、ぼちぼち日本にも入ってきているようである。
次世代のLED照明、RX-12TD
メーカーのFalconEysは香港の企業で、これまで写真撮影用の照明器具を中心に製造してきた。OEMも受け付けているため、同仕様の製品が別メーカーの名前で出てくることもあるだろう。
最近こうした写真用の機材が動画撮影兼用で使われるようになったのは、写真用のカメラで動画を撮影する機会が飛躍的に増えたということでもある。
RX-12TD最大の特徴は、ライト部が変形自由なシートに縫い込まれているところである。昨今はディスプレイ用途として紐状のLEDライトがあるが、要するにあれを使って撮影用ライトに仕上げたという製品だ。
白とオレンジのLEDが交互に埋め込まれている
X型のブラケットで後ろから突っ張れば、46×32cmの平面光源となる。小物の撮影には十分なサイズだ。ブラケットを外せば自由に変形するので、丸めて筒状にしたり、囲むように配置して影を消したりと、これまでにない幅広い使い方ができる。
背後からブラケットで固定
円筒の光源としても使用できる
モノを囲んで影消しにも有効
またライト部はケーブル込みで302gしかないので、マジックテープでどこにでも貼り付けられる。プロの現場では、車内ロケでの撮影に、天井に貼り付けて使われるという。またシート部分は耐水仕様なので、水回りでの撮影で使われることも多いという。
マジックテープでどこにでも貼り付けられる
制御部が別になっており、そこにACアダプタをつないで使用するほか、Vマウントバッテリーも使用できる。旧製品のRX-12Tは色温度が5600Kに固定されていたが、TDは3000K〜5600Kまで可変できるようになった。
バッテリーマウントもできる制御部
価格は日本円で、4万円弱となる見込みだ。もうひと回り小型のRX-8TDという製品は21×21cmのカメラマウントタイプとなっており、価格は1万円強のようだ。次世代LED入門としては、小さい方から試してみるのもアリだろう。