レビュー

AMDのハイエンドGPU「Radeon R9 Fury X」「Radeon R9 Fury」をまとめてチェック

ベンチマーク結果

それでは、リファレンスデザインのRadeon R9 Fury Xビデオカードと、ASUS製のRadeon R9 Furyデオカードを使用して、実際のパフォーマンスを見ていこう。今回は比較対象として、AMDの前世代のシングルGPU最上位モデル「Radeon R9 290X」と、Radeon R9 Furyのライバルとなる「GeForce GTX 980」のリファレンスカードを用意した。

グラフ1「3DMark FIRE STRIKE ULTRA & FIRE STRIKE EXTREME」

グラフ1「3DMark FIRE STRIKE ULTRA & FIRE STRIKE EXTREME」

グラフ2「3DMark FIRE STRIKE & SKYDIVER」

グラフ2「3DMark FIRE STRIKE & SKYDIVER」

グラフ3「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク(Direct X 11)」

グラフ3「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク(Direct X 11)」

グラフ4「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク(Direct X 9)」

グラフ4「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク(Direct X 9)」

グラフ5「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク(FPS)」

グラフ5「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク(FPS)」

グラフ6「ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 ver.2.0」

グラフ6「ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 ver.2.0」

グラフ7「MHFベンチマーク【大討伐】」

グラフ7「MHFベンチマーク【大討伐】」

まずは定番のベンチマークソフト3DMarkから見ていこう。このソフトの中でも重いベンチマークモードとなるFire Strike(無印/Extreme/Ultra)の結果を、R9 290Xの総合スコアで見比べてみると、以下のようになる。

Fire Strike
R9 290X(スコア10190)比で、R9 Furyが23%増(スコア12527)、R9 Fury Xが33%増(スコア13563)

Fire Strike Extreme
R9 290X(スコア5087)比で、R9 Furyが30%増(スコア6651)、R9 Fury Xが41%増(スコア7211)

Fire Strike Ultra
R9 290X(スコア2720)比で、R9 Furyが33%増(スコア3631)、R9 Fury Xが45%増(スコア3954)

Fire Strikeでは、無印がフルHD(1920×1080)で、ExtremeがWQHD(2560×1440)で、Ultraが4K UHD(3840×2160)でレンダリングしたときのパフォーマンスを計測している。

3つのテストにおいて、解像度が高まるにつれてスコアの伸びがよくなっている。スコアの伸びしろについては多少の違いがあるものの、グラフ(1・2)のとおり、ほぼ同じような傾向になった。気になるのは、フルHDクラスのFire Strikeでのパフォーマンス結果。絶対的なパフォーマンスはR9 Fury Xのほうが高いものの、WQHDクラスのFire Strike Extremeや4K UHDクラスのFire Strike Ultraに比べて、いまひとつ、というようなスコアの伸びとなっている。

次に、「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド」のベンチマークに移ろう。このベンチマーク結果では、3つのグラフ(3・4・5)を用意している。まず3と4は、動作モードをDicre X 11とDirect X 9でのときで、5は各動作モードのときのフレームレート(fps)を示している。

ここで注目したいのが、Direc X11モードのときに、フルHD解像度で表示させたときの結果だ。ここではGeForce GTX 980(以下、GTX 980)の逆転を許している。GTX 980のスコアが12317ポイントであるのに対し、R9 Fury Xが12312ポイント、R9 Furyが11609ポイントと、R9 Fury X/Furyともに遅れをとっている。
しかし、これがDirect X9モードでフルHD解像度(グラフ4)にしたときは一転して、R9 Fury Xが優位になる。また、フルHDを超える解像度では、一様にR9 Fury Xがリードするような状態だ。

「ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 ver.2.0」では、NVIDIAが大幅にリードする傾向はいつも通りと言えるが、R9 Fury X/FuryがR9 290Xに負けているのは少し意外な結果と言えよう。

最後に、「MHFベンチマーク【大討伐】」を見ていく。ここでも、フルHDを超える表示解像度のときは、R9 Fury X/Furyが優勢になるものの、表示解像度がフルHDに下がるとR9 FuryとGTX 980のスコア差は、前者が27623ポイントと後者が26986 ポイントと、その差はわずかになった。

まとめ

GPUコアの性能向上や積層メモリーの採用など、見所満載と言えるAMDの新しいハイエンドGPUとなるR9 Fury X/Fury。フルHDを超える解像度のとき、その高いパフォーマンスが発揮されていた。GPUの大規模化やHBMがプラスに働いていることを実感できると言えよう。AMDが言うように、4KゲーミングやVRゲームを見据えたGPUであるのは、確かにうなずける結果だ。

ベンチマークにおいて、フルHDクラスのときに性能が奮わない結果が出たのは若干気がかりなところだが、ソフトやドライバーのチューニングが進んでいけば、改善されることもあるだろう。高精細な解像度に対応したゲームをプレイするユーザーにとっては、適したGPUではないだろうか。

銭袋秀明(編集部)
Writer
銭袋秀明(編集部)
編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!
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