カメラ機能はiPhone 6/6 Plusユーザーがうらやましくなるほど進化している。まず、画素数が800万画素から1200万画素へアップしたのだ。Androidスマートフォンの中には2000万画素クラスのモデルもあり、今ごろ1200万画素と思う人もいるかもしれないが、iPhoneは画素数を無理に上げることなく、明るさや色味のバランスを重視し、これまで画素数をいたずらにアップしてこなかった。今回は、ノイズや偽色のもとになるサブピクセル間のクロストークを防ぐことで、高画素化と高画質化を両立している。実際の写真は、精細感がアップしているのが一目瞭然だ。拡大表示するとその差は歴然。ホワイトバランスが少し赤色に寄った印象は受けるが、色の傾向としては大きく変わっていない。暗所で撮影してみても、ノイズも大きく変わった印象はなかった。
iPhone 6s Plusで撮影した写真。サイズは4032×3024
精細感がアップし、葉っぱの脈までくっきり見える。こちらもiPhone 6s Plusで撮影した写真だ
「Live Photos」という面白い機能も加わった。静止画(4032×3024)とその前後3秒(前1.5秒、後ろ1.5秒)の動画(1440×1080/最大15fpsと思われる)をワンタッチで撮影できる機能で、写真を撮影したシーンの前後を音声付きの動画で見られる。3D Touchを使い、プレビュー画面でグッと画面を押すと再生される仕組みだ。後から見直すと、撮影した瞬間の被写体が音声とともに動き出し、撮影したときの思い出が一気に蘇る面白い機能だ。
Live Photosで撮影した動画を見返すと、最後のほうが動いているものが多かった。3秒は短いようで長いので、シャッターボタンをタップした後は、しばらくiPhoneを動かさないようにするのが上手に撮影するためのコツだ。また、一緒に動画を撮影する関係で、Live Photosをオフにした状態よりもシャッタ速度が遅くならないので、暗い場所だと暗くなったり、感度が高くなってノイズが増えたりする。暗い場所で画質を重視したい場合は、Live Photosをオフにするといいだろう。Live Photosのオン・オフは撮影画面ですぐに切り替えられる。なお、Live Photosは、iPhone 6s/6s Plus以外のiPhoneでも見られる。
Live Photosのオン・オフは撮影画面で切り替えられる
Live Photosをオンで撮影した写真をプレビューすると一瞬動く
Live Photosの動画はフレームレートが低く、通常の動画とは趣が少し異なる
Live Photosで撮影した動画は1440×1080/15fps。ファイル容量は3.6MB。同時に撮影した静止画は4032×3024で3.4 MBだったので合計すると7MBほどとなる。さすがにデータ容量は増える
動画もパワーアップして、3840×2160の高精細な4K動画が撮影できるようになった。Androidスマートフォンでも4K動画を撮影できるモデルはあるが、熱の問題で長時間撮影すると撮影が強制終了してしまう事例が発生している。それに対してiPhone 6s/6s Plusは、20分撮影しても、背面が熱くなるものの強制終了することはなかった。
なお、4K動画のフレームレートは30fpsなので、スポーツなど動きの速いものは60fpsのフルHDで撮影したほうがいいかもしれない。撮影モードは、シーンに応じて使い分けるといいだろう。動画のサイズは、「設定」→「写真とカメラ」で切り替えられる。iPhoneのカメラ機能は、設定する項目がほとんどなく、カメラ任せで簡単に撮影できるのがウリだったが、今回の動画に関しては、ユーザーが選択できるようになっている。
4K動画撮影時には右上に「4K」の文字が表示される
動画のサイズは設定から変更できる。動画のサイズの目安もいっしょに表示されており、1分間の4K動画は375MBとなる
Live Photosは面白い仕掛けだが、動画をいっしょに撮影する仕組みだけに、通常の写真よりもデータ量が増える。ざっくり言って2倍だ。もちろん、4K動画もフルHDよりもデータ量が大きい。今回はレビューのため、いつもより多く撮影しているが、1週間で写真と動画の容量は3.5GBにも達した。Androidスマートフォンのように、SDメモリーカードスロットのないiPhoneの場合、16GBモデルではすぐにストレージ不足に陥ってしまうかもしれない。写真や動画を存分に楽しむのなら64GB以上のモデルを選びたいところだ。