レビュー
4K液晶の使い勝手に加え、バッテリーと発熱に迫る!

今期最注目の4Kスマホ「Xperia Z5 Premium」は買いか?

世界初の4Kスマートフォン「Xperia Z5 Premium SO-03H」(ソニーモバイルコミュニケーションズ製。以下、Xperia Z5 Premium)が、2015年11月20日に発売された。価格.comの「スマートフォン」カテゴリーの人気ランキングでも1位を獲得しており、注目度は高い(2015年11月26日時点)。そんなXperia Z5 Premiumを1週間ほどメインのスマートフォンとして使ってみたので、その結果を報告したい。

今回試用したXperia Z5 Premiumのクロムモデルは、背面が鏡のような仕上がりだ

今回試用したXperia Z5 Premiumのクロムモデルは、背面が鏡のような仕上がりだ

世界初の4Kスマホがついに登場

この冬、NTTドコモから発売される「Xperia」シリーズは、約5.2インチ液晶を備える「Xperia Z5 SO-01H」、約4.6インチ液晶を備える「Xperia Z5 Compact SO-02H」、そして今回取り上げる4K対応の約5.5インチ液晶を備えるXperia Z5 Premiumの3機種だ。

Xperia Z5 Premiumの4K液晶は、フルHD表示の4倍という2160×3840ドットの情報量を誇る。これは800万~1000万画素クラスのデジカメデータならほぼドットバイドットで表示できるというもの。最近のデジカメやスマートフォンでは4K動画を撮影できるものが少なくないが、Xperia Z5 Premiumならそうした4Kコンテンツを4K表示で楽しめる。

動画などの4Kコンテンツを4K表示できるのが魅力

動画などの4Kコンテンツを4K表示できるのが魅力

プリインストールされる動画アプリ「ビデオ」の画面。4Kコンテンツの場合、サムネイルの左下に4Kと表示される

ただし、搭載するOS「Android 5.1」は、4Kをサポートしておらず、通常のアプリや操作画面は基本的にフルHDのまま。4K表示はプリインストールされる画像アプリ「アルバム」と、動画再生アプリ「ビデオ」に限られる。4Kアップコンバート機能を搭載しており、「YouTube」などは4K相当の画質で楽しめる。

4KコンテンツをYouTubeアプリで再生してみた。1080pまでしか選ぶことができないが、アップスケーリングが自動で適用され、4K相当の画質で見られる

このディスプレイは、輝度がいまひとつで少々薄暗く感じる。また、視野角も狭く、画面を少し斜め方向から見ると輝度の落ち込みが目立つ。一般に液晶パネルの高解像度化は開口率を低下させるので、画面輝度や視野角の点で不利になりやすい。本機のディスプレイは、そうした高解像度液晶パネルのデメリットが割とストレートに現れているようだ。

輝度最大にして、画面を斜めからのぞいて見た。最近のスマートフォンとしては視野角が狭い

輝度最大にして、画面を斜めからのぞいて見た。最近のスマートフォンとしては視野角が狭い

本機最大の魅力である4K表示だが、利用できる状況が限られてしまうことや、視野角や輝度の点で、実験的な部分は否定できない。高解像度化という魅力とともに、それがもたらすマイナス要素も十分理解したほうがよさそうだ。

なお、Androidスマートフォンで本格的な4K時代が到来するのは、システムレベルで4K対応が実現する「Android 6.0」の普及期以降になると思われる。

メインカメラは約2300万画素のCMOSイメージセンサーを搭載。もちろん4K動画を撮影できる

メインカメラは約2300万画素のCMOSイメージセンサーを搭載。もちろん4K動画を撮影できる

サブカメラは約510万画素のCMOSイメージセンサー。メインカメラとサブカメラはともに、Xperia Z5シリーズで共通した仕様だ

ヘッドホン端子は、ハイレゾ音源の再生時でもノイズキャンセル機能が併用できる

ヘッドホン端子は、ハイレゾ音源の再生時でもノイズキャンセル機能が併用できる

IPX5/8等級の防水仕様とIP6X等級の防塵仕様をクリア。microUSBポートはキャップレス

IPX5/8等級の防水仕様とIP6X等級の防塵仕様をクリア。microUSBポートはキャップレス

Xperia Z5シリーズに初搭載される指紋センサー

本機を含むXperia Z5シリーズでは、電源ボタンに指紋センサーが備わり、指紋によるロック解除が可能となった。指紋認証は、以前から富士通の「ARROWS」シリーズなどに搭載されており、国内のAndroidスマートフォンではおなじみの機能だ。だが、アップルの「iPhone 6」シリーズやAndroid 6.0に指紋認証機能が搭載されたため、世界的に普及に弾みがついている。本機の指紋認証機能は、オンラインの生体認証「FIDO UAF 1.0」に準拠しており、NTTドコモの「dメニュー」の一部サービスでも利用できる。

実際の使い勝手だが、電源ボタンを押したまま指紋認証できるので操作性はとても良好、ロックを解除しているという感覚さえほとんどない。このスリープ復帰からロック解除に至る一連のシームレスな流れは魅力的である。本機で登録できる指紋は5個まで。登録できる指紋の数は多いほうが認証精度の確保という点で好ましいが、この5個というのは少々物足りない。なお、指紋の登録は指1本につき20回ほど位置や角度を変えて行う必要があり少々手間がかかる。

電源ボタンに内蔵された指紋センサー。スリープ復帰からそのまま認証に移るので操作性は良好

電源ボタンに内蔵された指紋センサー。スリープ復帰からそのまま認証に移るので操作性は良好

登録できる指紋は5個まで。使い勝手を考えると、もう少し多くてもよいような……

登録できる指紋は5個まで。使い勝手を考えると、もう少し多くてもよいような……

バッテリーの持続性はやや不満だが、発熱はかなり抑え込まれている

次に、バッテリーの持続性および発熱を見てみよう。

本機が採用するCPUは、オクタコアの「Snapdragon 810 MSM8994」だ。これに3GBのRAMと32GBのROMを組み合わせている。本機のこうした基本スペックはXperia Z5やXperia Z4と共通だ。「Snapdragon 810」は、1世代前の夏モデルで広く採用されていたが、熱処理に対する不満が多く寄せられ、その結果、今期モデルではスペック上はダウンとなる6コアのCPUをあえて採用する製品が何機種か登場している。

カタログスペックを見ると、搭載されるバッテリーは3430mAhとかなり大きく、連続待ち受け時間は約490時間(LTE)/約510時間(3G)/約490時間(GSM)、連続通話時間は、約1330分(LTE)/約860分(3G)/約800分(GSM)。NTTドコモ独自の指標で、実際の利用条件に近い「実使用時間」は、約77時間となっており、72時間以上バッテリーが持続する“バッテリー3日持ち”だ。なお、実使用時間の結果はXperia Z5の約73時間や、Xperia Z4の67.8時間よりも良好なスコアとなっている。

今回は検証期間が7日間だったが、その間に充電は6回行った。アプリの更新などで通信を多用する最初のセットアップ時と、動画再生や音楽再生などでかなり酷使した場合で、約12時間でバッテリー残量がほぼゼロになった。一番バッテリーが持続した場合は、約2日間の46時間ほど。残りの3回は、大体24〜26時間に1回のペースで充電を行った。

1時間ほど、Web閲覧やSNSなどを中心に使い続けた場合のバッテリー消費は、約20〜30%となった。ほぼ同一の利用条件の場合Xperia Z5では、大体25%程度だったので、画面サイズを考えるとかなり健闘していると言えよう。使っていて気になったのだが、待ち受け状態のバッテリー消費はかなり緩やかだが、使い始めると相応のペースでバッテリーを消費する傾向が強い。

本機のカタログに記載される“バッテリー3日持ち”は不可能ではないとしても、かなり限定された条件になるだろう。多くのユーザーにとって1日1回の充電は必須で、外出先で長時間利用する場合は、モバイルバッテリーを併用するのが現実的に思われた。

5日間のバッテリー消費サイクル。待ち受け主体の場合約46時間で残量がほぼゼロに、かなりハードに使い込んだ場合は、12時間半程度で残量がゼロになった

1時間ほどWeb閲覧などをし続けたところ、バッテリーは100%から80%まで減った。さまざまな状況で試したが、使い続けると1時間で20〜30%のペースでバッテリーは消費されてゆく

発熱については、熱をうまくボディ全体に散らせているようで、一部が極端に熱を持つことはない。下のグラフで7日間の温度のログデータをグラフにしているが、カメラの「ARエフェクト」を使い続けたときに44.7度を記録したものの、40度を上回ることは少なかった。Xperia Z4のような使い続ける限り続く不快な発熱は解決されたとみなしてよいだろう。

5日間のCPUの温度変化のグラフ。最高で44.7度を記録したが、概して40度以下で推移しており、“熱いスマホ”という印象はない

4Kはまさにプレミアムだが、犠牲になるものも皆無ではない

この冬発売されるXperia Z5シリーズで最上位となる本機は、世界初の4K液晶ディスプレイ搭載するのが最大の特徴だ。だが、現時点で4Kをフル活用できるわけではなく、画面も少々暗いなど、トータルバランスを考えればXperia Z5のほうが実用的と感じる人も少なくないかもしれない。また、4K対応機として見るとROMの容量が32GBとやや物足らない点も少々残念だ。本機のようなAV機能を重視するスマートフォンでは、もう少しROMの容量が大きいほうが使いやすいだろう。

唯一の4Kスマホである本機の直接のライバルはないが、強いてあげるなら、12月上旬に発売予定で、1440×2560表示対応の約5.4インチ液晶を備えた「ARROWS NX F-02H」(富士通製)だろう。両機は画面で0.1インチ、横幅で1mm、厚さで0.1mmの違いしかなく、ボディサイズがかなり近似している。Xperia Z5 Premiumは4K対応など先駆的な製品であるのに対し、ARROWS NX F-02Hは、電力消費の少ない6コアCPUを採用し、実使用時間が3桁に迫るなど、全般的に堅実な作りとなっている。製品の方向性がかなり異なる両機だが、ユーザーはどちらを選ぶのか、両機の比較は、かなり面白いものになりそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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