VAIOは2016年1月26日、ノートパソコンの新モデルを発表した。旗艦機種の「VAIO Z」には現行のフリップモデルに加え、新たにノートパソコン形状のクラムシェルモデルを追加。軽量化を図るとともに、最大約27時間というVAIO史上最長のバッテリー駆動を実現した。カスタマイズモデルの価格は156,800円(税別)から、店頭モデルの実売価格は179,800円(税別)。カスタマイズモデルは2月16日から受注を開始する。店頭モデルの発売および直販モデルの出荷は2月26日の見込み。
今回の新モデルからシリーズを整理する。VAIO ZとタブレットPCの「VAIO Z Canvas」をフラグシップの「Zライン」、それ以外をメインストリームの「Sライン」とする。新モデルの「VAIO S13」と「VAIO S15」ならびに昨年2015年末に発売した11.6型の「VAIO S11」がSラインのモデルだ。Sラインの「S」は、「上質の、すぐれた」という意味の「Superior」に由来する。Sラインのモデルには、VAIOのコーポレートカラーである「勝色」を含んだシルバーモデルを用意する。
クラムシェルモデルが追加された旗艦機種のVAIO Z。TDP(熱設計電力)が28Wの「第6世代Coreプロセッサー」(開発コード名:Skylake)を搭載するハイスペックなモバイルノートPCだ
メインストリームのSラインは、11.6型のVAIO S11、13.3型のVAIO S13、15.5型のVAIO S15の3モデル。VAIOのコーポレートカラーである「勝色」を含んだシルバーモデルを用意する
VAIO Zは、パフォーマンスと携帯性を両立した同社の旗艦機種。現行のフリップモデルに加え、新たにクラムシェルモデルを追加したのが大きなトピックだ。タブレットスタイルへの可変機構がない分、重量はフリップモデルより180g軽い約1.17kgの軽さを実現。バッテリー駆動は、VAIO史上最長の最大約27時間で、驚異的なスタミナを誇る(フルHDディスプレイ選択時)。
天板のVAIOロゴが中央に配置されたクラムシェルモデル。写真はブラックモデル
クラムシェルモデルは、最大約27時間の驚異的なスタミナを実現(フルHDディスプレイ選択時)。写真はシルバーモデル
外部インターフェイスには、2基のUSB3.0端子、HDMI出力端子、SDメモリーカードスロット、ヘッドホン出力端子を搭載。無線LANはIEEE802.11a/b/g/n/acをサポートする。VAIO S11のようなSIMフリーモデルはラインアップしない
フリップモデル、クラムシェルモデルともに、CPUにはTDP(熱設計電力)が28Wの「第6世代Coreプロセッサー」(開発コード名:Skylake)を採用する。同社によると、TDPが15WのSkylakeを採用したノートパソコンと比べると、CPU性能は30%、グラフィック性能は50%高いという。また、SSDにはNVMe対応のPCIe Gen.3を採用。シーケンシャルの読み書きはSATAの4.2倍、前モデルと比べるとランダムアクセスのパフォーマンスが2倍以上アップしているという。バッテリー駆動は、クラムシェルモデルが最大約27時間、フリップモデルが最大約19時間(いずれもJEITA2.0)。
このほか、キートップにはVAIO S11と同じフッ素含有UV硬化塗装を施すことで、汚れが目立ちにくく、ふき取りやすいように配慮。キートップのテカリも防げるという。フリップモデルには、「VAIO Pencil Board(下敷き機能)」「VAIO Shortcut Key Menu」といった VAIO Z Canvasのユーティリティを搭載し、ペン入力の利便性を高めた。
フリップモデル。天板の中央にあるスリットから折れ曲がり、液晶が反対側を向いてタブレットスタイルに変形する。クラムシェルと違い、VAIOロゴは下のほうに配置されている
フリップモデルはデジタイザーペンを使った手書き入力が可能
フリップモデルの主な仕様は、CPUがCore i7-6567U(3.3GHz-最大3.6GHz)/Core i5-6267U(2.9GHz-最大3.3GHz)、メモリーが16GB/8GB、ストレージ が512GB/256GB/128GB(NVMe対応)、OSがWindows 10 Pro 64ビット/10 Home 64ビット。カラーはブラックとシルバーの2色。ディスプレイはタッチとデジタイザーペン対応の13.3型液晶(2560×1440)。本体サイズは約324.2(幅)×215.3(奥行)×15.0〜16.8(高さ)mm、重量は約1.35kg。価格はカスタマイズモデルが199,800円(税別)から、店頭モデルが270,800円(税別)。
クラムシェルモデルの主な仕様は、CPUがCore i7-6567U(3.3GHz-最大3.6GHz)/Core i5-6267U(2.9GHz-最大3.3GHz)、メモリーが16GB/8GB/4GB、ストレージ が512GB/256GB/128GB(NVMe対応と非対応の2種類から選択可能)、OSがWindows 10 Pro 64ビット/10 Home 64ビット/7 Professional 64ビット。カラーはブラックとシルバーの2色。ディスプレイは13.3型液晶で2560×1440と1920×1080の2つの解像度から選べる。本体サイズは約324.2(幅)×215.3(奥行)×15.0〜16.8(高さ)mm、重量は約1.17kg。価格はカスタマイズモデルが156,800円(税別)から、店頭モデルが179,800円(税別)。
特別オプションとして、直販モデルでCore i7+メモリー16GB構成を選んだ場合のみに選べる勝色ダブルアルマイト仕様を用意。天板のVAIOロゴが勝色に光るというものだ。また、台数限定でキートップから一切の刻印を取り除いた無刻印キーボードモデルも用意する。US配列しか選べない、ストイックすぎるモデルだ。さらに、初回購入特典で、「Z ENGINE基板アクセサリー」をプレゼントする。VAIO Zで実際に使用された回路パターンの一部をドックタグ仕様にしたもので、「ENGINE」の文字に極小チップコンデンサを使ったこだわりのアクセサリーだ。
通常のダイヤモンドカット仕上げの後に、特別行程で勝色を染色した勝色ダブルアルマイト仕様。カスタマイズモデルで、ハイスペックなCore i7+メモリー16GB構成を選んだ場合のみに選べるオプションだ
ソニーストアオンラインにて台数限定で販売する無刻印キーボードモデル。一切の刻印を取り除いたUS配列のキーボードを搭載する。シンプルで見た目はスマートだが、VAIO Z固有のキーを覚えなければならない、ストイックすぎるモデルだ
初回購入特典のZ ENGINE基板アクセサリー。レジストを通して浮き上がる高密度に引き回された無数の配線パターンが美しいVAIOファンのためのアクセサリーだ。数量限定で配布する