アンチグレアの11.6型液晶を搭載するのがうれしいが不満なところはないのか?

2万円台の格安ミニノートPC「Inspiron 11 3000シリーズ」――拍子抜けするほど普通に使えてしまう!

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新年度のスタートをきかっけに、気軽に持ち運べるモバイルノートが欲しいと考えている人は少なくないだろう。ただ、モバイルノートは安いものでも10万円、高性能なモデルなら20万円以上する。物要りのこの時期は、欲しくてもなかなか手が出しにくい。そこで注目したいのが3万円前後で購入できる格安のミニノートPCだ。

この格安のミニノートPCは、タブレット端末向けのCPUやストレージなどを採用することで、3万円前後という安さを実現した現代版のネットブックとも言えるモデルだ。代表的なモデルは、ネットブックを手がけていた日本HPの「Stream 11」やASUSの「EeeBook X205TA」「VivoBook E200HA」などだ。今回取り上げるデルの「Inspiron 11 3000シリーズ」もその1つ。CPUに「Celeron N3050」を採用した「エントリー」モデルの価格.com最安価格は26,739円、「Pentium N3700」を採用した「エントリー・プラス」モデルが41,739円という安さが魅力だ(価格は2016年4月13日時点)。安いのはうれしいが、どこまで使えるのか? Inspiron 11 3000シリーズの使い勝手を検証するため、2万円台で購入できるエントリーモデルを試した。

11.6型液晶を搭載するデルのInspiron 11 3000シリーズ。CPUにCeleron N3050を採用したエントリーモデルなら2万円台で購入できる

カジュアルなデザインとすぐれた携帯性

まずは外観から見ていこう。格安のミニノートPCはカジュアルなデザインのものが多く、カラーも赤や青など、スマートフォン(スマホ)を思わせるような派手な色のモデルが多い。前述のStream 11は青、VivoBook E200HAにはゴールドモデルなどもある。

Inspiron 11 3000シリーズは、レッドとホワイトの2色のカラーバリエーションをラインアップしており、今回試したレッドはかなり鮮やかな色だ。天板はつやのある塗装(印刷かもしれない)で、中央のDellロゴはオレンジ色。底面はつや消しのレッドで、「inspiron」という文字が彫られている。まさに全身赤一色。全体的に丸みがあり、親しみやすいフォルムで、女性や若年層を意識しているのかもしれない。もう1つのホワイトモデルは、少し古いが、ポリカーボネートボディの「MacBook」のような雰囲気だ。

鏡になりそうなほどピカピカの天板。高級感はないが、チープな感じもしない。ヒンジの作りもしっかりしており、価格を考えるとよくできている

丸みのあるボディ。ロゴはオレンジ色で、なかなかインパクトのある配色だ。本体のサイズは292(幅)×196(奥行)×18.5〜19.9(高さ)mm、重量は約1.18 kg

背面もレッドだが、こちらはマットな質感。「inspiron」の文字が彫り込まれている。四隅のゴム足もレッドで、全身赤色だ

重量は約1.18kgとモバイルノートとしては合格点の軽さだ。欲を言えば、1kgを切ってほしかったが、厚さが19.88mmとスリムで、カバンへの収まりはよい。バッテリー駆動時間もカタログスペックで最大10時間と必要十分だ。バッテリーの駆動時間を測定する定番ベンチマークソフト「BBench」(海人氏作)を実行したところ、7.1時間という結果だった(1分ごとのWebアクセス、10秒ごとのキー入力を有効。ディスプレイの輝度は50%に設定)。タブレット端末向けの省電力なCPUやストレージを採用していることが大きいと思われるが、本体の軽さとスタミナは、他社の格安ミニノートPCと比べても遜色ないレベルと言える。

キッチンスケールでの実測はカタログスペックよりも少し軽い1.113kgだった

キッチンスケールでの実測はカタログスペックよりも少し軽い1.113kgだった

ACアダプターはコンパクトだが、コネクター部分はストレートな形状で場所をとる

ACアダプターはコンパクトだが、コネクター部分はストレートな形状で場所をとる

過大な期待は禁物! 性能は格安Windowsタブレットとほぼ同じ

CPUはデュアルコアのCeleron N3050(1.6GHz、最大2.16GHz)で、メモリーは2GB。性能は同じ価格帯のWindowsタブレットとほぼ同じだ。ヘビーな処理は厳しいだろうが、Webページやメールのチェックといったライトな用途には十分な性能と言える。実際に試してみたところ、「YouTube」のHD画質は問題なく再生できたが、4K動画の再生はカクついた。また、Windowsアップデートやセキュリティソフトのスキャンが実行されると、一時的にレスポンスが悪くなるときもあったが、価格を考えれば目をつぶれるレベルだ。マイクロソフトの「Office」は搭載していないが、購入者のクチコミやレビューを見ると、問題なくOfficeソフトは動作するという意見が多かった。

格安のミニノートPCで問題になるのは、性能よりもストレージの容量だ。コストを抑えるために、ストレージの容量が少ないモデルが多く、データの保存先に苦労する。Inspiron 11 3000シリーズのエントリーモデルも32GB(eMMC)しかない。デジカメで撮影した写真や動画を保存すると、すぐにストレージ不足になってしまうだろう。microSDカードスロットがあるので、できるだけ大容量のmicroSDカードを使ってストレージ容量を確保しておきたいところだ。ストレージに対する考え方は、スマホやタブレット端末と同じで、重量なファイル以外は、microSDカードに保存するといった使い方になるだろう。

外部インターフェイスは、USB3.0端子とUSB2.0端子を1基ずつ備える。映像出力には、フルサイズのHDMI出力端子を搭載。薄型化や小型化のために、小型のmicroHDMIを採用するモデルが多い中、アダプターを別途購入して持ち歩く必要がないのはうれしいところ。

左側面にHDMI端子、USB3.0端子、microSDカードスロット。薄型化のためmicroHDMIを採用するモデルもあるが、フルサイズのHDMI端子を採搭載するのはありがたい

右側面にヘッドホン端子、USB2.0端子、セキュリティスロットを搭載

右側面にヘッドホン端子、USB2.0端子、セキュリティスロットを搭載

視野角は狭いがアンチグレアなのがうれしい

ディスプレイは11.6型で解像度は1366×768。格安のミニノートPCとしては標準のサイズと解像度だ。解像度は低いが、画面サイズが小さいので、それほど粗は目立たない。うれしいところはアンチグレアで、映り込みが少ないこと。動画や写真を見るときには、鮮やかさに欠けるが、Webページやメールをチェックするときには見やすい。

ただし、実際に使ってみると、視野角が狭いのが気になった。上下の視野角がかなり狭いので、少しでも角度を変えると画面の色が変わってしまう。視野角が狭いのに気付かずに使っていると、「どうも画面が白っぽい」と感じてしまうはずだ。見やすい角度に調整すればいいのだが、その角度はピンポイントなので微調整しながら使うことになるだろう。

1366×768の11.6型液晶を搭載。格安のミニノートPCとしては標準的なサイズと解像度だが、高解像度なスマホやタブレット端末を使っている人だと、もしかしたら粗さが気になるかもしれない。アンチグレアなのはうれしいが、上下の視野角が狭いのが残念

予想以上に好印象だったのがキーボードだ。アイソレーションタイプで、クリック感があり、打鍵音も静かだ。キーピッチは実測で約18mm。Enterキーを細長くして、メインのキーの大きさを確保することで、狭さを感じさせないように工夫している。手が大きな人だとさすがに窮屈だが、サイズを考えれば使いやすいキーボードだと言えるだろう。

タッチパッドは、クリックボタンが一体になったタイプ。指の滑りがよく、追従性も悪くない。総じて操作は悪くない印象を受けた。格安のミニノートPCは性能が横並びなので、使いやすさはほかのモデルとの差異化点になるかもしれない。

キーピッチは約18mmと少しだけ窮屈だが、メインのキーが比較的大きくタイピングしやすい。タッチパッドの追従性も悪くない

お財布にやさしい1台だが、性能に関しては割り切りが必要

Inspiron 11 3000シリーズのエントリーモデルは、Webサイトやメールのチェックを中心に、たまにOfficeを利用するといった使い方が向いている。メモやブログ更新用のマシンとして選んでもよさそうだ。メインで利用する据え置き型のノートPCやデスクトップPCがあって、持ち運び用のパソコンを探している人にはちょうどいいのではないだろうか。Windowsタブレットにキーボードを組み合わせて使おうと考えている人にもチェックしてもらいたい。

ただし、性能に関しては割り切りが必要だ。最初は「意外と使える」と感じるかもしれないが、使っていくうちにストレージ容量の少なさや、処理の遅さが気になってくるだろう。

なお、予算に余裕があるなら、クアッドコアCPUのPentium N3700(1.60GHz、最大2.40GHz)、4GBのメモリー、128GBのSSDを搭載したエントリー・プラスモデルを選びたいところだ。エントリーモデルより約15,000円高いが、性能が高く、ストレージ容量も多いので、間違いなく満足度はこちらのほうが高いだろう。現に価格.comの「ノートパソコン」カテゴリーの人気ランキングでもエントリー・プラスモデルは3位に入っている(2016年4月13日時点)。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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2017.6.24 更新
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