レビュー

大人気モデル「P8lite」からどこが進化した? 高コスパSIMフリースマホ「HUAWEI P9 lite」レビュー

ファーウェイのSIMフリースマートフォン(スマホ)「HUAWEI P8lite」(以下、P8lite)の後継機種として、「HUAWEI P9 lite」(以下、P9 lite)が登場した。“コスパ最強”と呼ばれたP8liteと同様、高いコストパフォーマンスが魅力のSIMフリースマホだ。P8liteから多くの点が改良されているが、価格.com最安価格は27,932円(2016年8月18日時点)と手ごろな価格となっている。P8liteからどこが進化しているのか詳しくチェックした。

約5.2インチのフルHD液晶ディスプレイを搭載するP9 lite。指紋センサーや3000mAhのバッテリーなどを備えつつ、価格.com最安価格は27,932円と手ごろな価格となっている(2016年8月18日時点)

“コスパモンスター”の後継機種

P9 liteは、“コスパ最強”や“コスパモンスター”などと呼ばれた大人気SIMフリースマホ、P8liteの後継機種だ。価格.com最安価格2万円台で購入できる手ごろな価格はそのままに、大幅に機能強化されている。

外観はP8liteと同様、スリムでシンプルなデザインだが、細かい部分が変わっている。まず、フレームがアルミ合金になり、高級感がアップ。ディスプレイの大きさが約5インチから約5.2インチにアップしているが、左右の額縁(ベゼル)が細く、片手でしっかりとホールドできる。本体サイズは約72.6(幅)×146.8(高さ)×7.5(厚さ)mm、重量は約147g。P8liteと比べると重量がわずかに増えているが、実際に手にすると重く感じることはなかった。

カラーバリエーションはP8liteと同じで、ゴールド、ブラック、ホワイトの3色を用意する。今回試したブラックモデルは、フレームの色がグレーで落ち着いた雰囲気。よく見ると、HUAWEIのロゴが入った前面の下部に細い白いラインが入っており、なかなか手の込んだ作りとなっている。背面は樹脂素材だが、きれいに塗装されており、安っぽい感じはしない。手に触れるフレームがアルミ合金なので、手にしたときのフィーリングもよい。2万円台という価格を考えると、ボディの完成度は非常に高いと言えるだろう。

P9 liteのブラックモデル。背面は樹脂素材だが、きれいな塗装が施されており、安っぽさは感じない。マットな質感で滑りにくいのも好印象。約5.2インチのディスプレイを採用しつつ、狭額縁設計により、幅は約72.6mmに抑えられている

フレームがアルミ合金となり、高級感がアップ。約7.5mmのスリムボディだが、アルミ合金のフレームのおかけで剛性感も感じられる

前面下部のHUAWEIロゴの入った部分をよく見ると、細い白いラインが入っている

前面下部のHUAWEIロゴの入った部分をよく見ると、細い白いラインが入っている

便利な指紋センサーを搭載! ディスプレイはフルHDに

機能面ではロックの解除などに使える指紋センサーを搭載したのが大きな進化点だ。上位モデルの「HUAWEI P9」(以下、P9)と同じ「指紋センサー2.0」で、約0.5秒の速さでロックを解除できる。認識ミスが少なく、指を置く角度に関係なく認識してくれるので、実用度は非常に高い。この指紋センサーは、ロックの解除だけでなく、アプリのロック設定やカメラのシャッターなどにも使えるほか、通知パネルの表示などもできる。

背面に指紋センサーを搭載。ロックの解除はもちろん、シャッターボタン代わりにも使える。自分撮りのときに、画面のシャッターボタンを押さなくて済むのが便利だ

最大5つまでの指紋が登録可能。多機能な指紋背センサーで、電話に出たり、アラームを停止したりもできる

最大5つまでの指紋が登録可能。多機能な指紋背センサーで、電話に出たり、アラームを停止したりもできる

ディスプレイの解像度がHD(720×1280)からフルHD(1080×1920)にアップしたのもポイント。画面サイズは、約5インチから約5.2インチにわずかに大きくなっている。格安スマホは、画面の解像度が低いモデルが多いので、フルHDのディスプレイを採用したのは大きな差異化点と言えるだろう。

パフォーマンス面も着実に進化している。CPUにはオクタコアの「Kirin 650」(2.0GHz×4+1.7GHz×4)を採用。従来比でパフォーマンスが60%、省電力性能が70%アップしているという。メモリーは2GB、ストレージは16GBで、P8liteから変わっていない。OSは「Android 6.0」だ。ストレージ容量は少ないが、外部メモリー(最大128GB)をサポートしているので、アプリをたくさんインストールしたいという人でも安心して利用できるはずだ。なお、話題の「ポケモンGO」は動作することを確認できたが、ジャイロセンサーを搭載していないため、ARを使ったモンスターの捕獲はできないので、この点は知っておきたい。また、無線LANが5GHz帯をサポートしていないなど、コストを抑えている部分もある。

このほか、バッテリー容量が2200mAhから3000mAhに増えたのもうれしい進化点だ。同社によると、ヘビーに利用しても1.3日は電池が持つという。今回テストのため、カメラやアプリなどを頻繁に利用してみたが、1日(約12時間)は余裕で電池は持った。P9 liteは、ディスプレイ、CPU、バッテリーという、スマホにとって肝心なところが着実に強化されている。

スマホのパフォーマンスを測定できる定番ベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark v6.2.0」の結果。上位モデルのP9の約半分のスコアだ。最新のハイスペックモデルに比べると、さすがに動作が遅く感じるシーンもあるが、日常使いで困ることはないだろう

話題のポケモンGOは問題なく動作するが、傾きを検知するジャイロセンサーがないので、ARを使ってモンスターを捕獲することはできない

SIMカードスロットはnano SIMで、2枚のSIMカードを装着できる(1枚はMicro SDメモリーカードスロットと排他仕様)。LTEの対応バンドは1/3/5/7/8/19/28/40

インカメラが800万画素にパワーアップ

アウトカメラは、1300万画素のソニー製CMOSセンサーとF2.0の明るいレンズを採用する。画素数とレンズの明るさはP8liteと同じだ。肝心の画質は、明るくエッジの効いたシャープな写真を撮れる。ライカと共同開発したダブルレンズを搭載するP9と比べると、さすがに色の再現性や精細さは劣るが、格安スマホのカメラとしては十分な画質を実現していると感じた。料理や食べ物を鮮やかに撮影できる「フードモード」、書類を補正して撮影できる「文書撮影モード」、感度やホワイトバランスを調整できる「プロモード」など、多彩な撮影モードも備える。音量調整キー(ダウンキー)を2回押すと、カメラが起動して、そのまま写真を撮れる「ウルトラスナップショット」なども引き続き搭載する。

アウトカメラのスペックはP8liteから変わっていないが、インカメラは500万画素から800万画素に画素数がアップし、よりきれいに自分撮りを楽しめるようになった。同社のスマホではおなじみの「パーフェクトセルフィー」も引き続き搭載するので、女性ユーザーにはうれしい機能強化と言えそうだ。

アウトカメラは1300万画素のCMOSセンサーとF2.0のレンズを搭載。シャープでクリアな写真を撮影できる

アウトカメラは1300万画素のCMOSセンサーとF2.0のレンズを搭載。シャープでクリアな写真を撮影できる

P9 liteのアウトカメラで撮影した写真。建物の細い線がシャープに再現されている。空も抜けるような青色だ

P9 liteのアウトカメラで撮影した写真。建物の細い線がシャープに再現されている。空も抜けるような青色だ

光量が少なくなると、ややノイズが目立つのが気になったが、格安スマホとしては十分な画質だ

光量が少なくなると、ややノイズが目立つのが気になったが、格安スマホとしては十分な画質だ

多彩な撮影モードを用意

多彩な撮影モードを用意

撮影後に特定の色を残してモノクロ写真に仕上げられる「スプラッシュ」。撮影後の編集機能も充実している

撮影後に特定の色を残してモノクロ写真に仕上げられる「スプラッシュ」。撮影後の編集機能も充実している

まとめ

P9 liteは、前機種のP8liteと同様、安いだけでなく、しっかりとした実力を持ち合わせたSIMフリースマホだ。2万円台という価格はそのままに、指紋センサーを新たに採用し、ディスプレイやバッテリー、CPUなどベース部分がしっかりと底上げされている。その実力は間違いなく価格以上と言えるだろう。

ただし、競合他社からも、P9 liteと同じように、安くて機能が充実したSIMフリースマホが登場してきている。なかでも、「フリーテル」ブランドでスマホを展開するプラスワン・マーケティングの「SAMURAI REI」やASUSの「ZenFone Max」などが価格的に競合機種になりそうだ。SAMURAI REIは約5.2インチのフルHD液晶ディスプレイや1300万画素のアウトカメラ、オクタコアCPUなど、P9 liteとスペックが近い。価格.com最安価格は27,500円(2016年8月18日時点)と、P9 liteよりわずかに安く、それでいてメタルボディでストレージ容量が32GBとP9 liteを上回る部分もある。バッテリー容量は2800mAhで、P9 liteよりも少ないなど、なかなか甲乙つけがたい。ZenFone Maxは5000mAhの大容量バッテリーを搭載するのが特徴で、電池の持ちを重視するなら、ZenFone Maxで決まりだ。上記の2モデルと比べて、P9 liteは大きな弱点がないのが特徴だろう。多くのMVNOがP9 liteを取り扱っており、SIMカードとセットで購入しやすいのも魅力だ。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

ガジェットとインターネットが好きでこの世界に入り、はやいもので20年。特技は言い間違いで、歯ブラシをお風呂、運動会を学芸会、スプーンを箸と言ってしまいます。お風呂とサウナが好きです!

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