現地時間2016年8月30日、米インテルは、開発コードネーム「Kaby Lake」(カビーレイク)と呼ばれていた第7世代Coreプロセッサーを発表した。
インテル第7世代Coreプロセッサー
これまでインテルのCPU開発は、製造プロセスルールを微細化する「Tick」と、アーキテクチャーを変更する「Tock」を1年ごとに交互に行う「Tick-Tockモデル」を採用していた。14 nm の製造プロセスルールを採用する第5世代Coreプロセッサー「Broadwell」の後継として、2015年に登場した第6世代Coreプロセッサー「Skylake」は、アーキテクチャーを変更する「Tock」に当たる。
これまでの流れを当てはめると、第7世代にあたる「Kaby Lake」では、製造プロセスルールを微細化する「Tick」が該当するはずだ。しかし、半導体製造技術の微細化が限界に近づき、これまでの「Tick-Tockモデル」のサイクルを維持することが難しくなってきたこともあり、今回の「Kaby Lake」では、製造プロセスルールの微細化を延期し、現状用いられている14nmの製造プロセスルールを改良する「Tock+」という新しいアプローチが取り入れられている。
第7世代Coreプロセッサーで用いられているシリコンウェハ
第7世代Coreプロセッサーのダイ画像
製造プロセスルールに改良が加えられた「Kaby Lake」では、動作クロックが引き上げられている。また、GPUに内蔵されているビデオエンジンにも手が加えられており、4K HEVC 10bitのデコードやエンコード、VP9のデコードなど、4K動画のサポート機能が強化されており、4K動画再生時のバッテリーパフォーマンスも向上しているという。
GPUに内蔵されているビデオエンジンを強化
4K動画サポート機能の追加で、動画再生時のバッテリー駆動時間が向上しているという
なお、今回発表されたのは、2コア/4スレッドのモバイル向けUプロセッサー(Core i7-7500U/Core i5-7200U/Core i3-7100U、いずれもTDP15W)と、Yプロセッサー(はCore i7-7Y75/Core i5-7Y54/Core m3-7Y30、いずれもTDP4.5W)6モデル。搭載製品については今後順次発表される見込みだ。なお、デスクトップ向けCPUや、グラフィック性能の強力なIrisグラフィックス搭載CPUは、2017年1月に追加されるとのこと。自作PCユーザーやゲーミングノートPCユーザーは、新CPUの登場までもう少しだけ待つ必要がありそうだ。
TDP15WのUプロセッサーのパッケージ
TDP4.5WのYプロセッサーのパッケージ
デスクトップ向けCPUや、グラフィック性能の強力なIrisグラフィックス搭載CPUは、2017年1月に追加予定とアナウンスされた