レビュー
165cmの幅に干した洗濯物も一度に乾燥できる!!

部屋干しを1年中カラッと乾かしたいなら、やっぱりハイブリッド式の衣類乾燥除湿機!

梅雨の時期になると押入れから引っぱり出してきていた除湿機も、洗濯物の部屋干し派に衣類乾燥機として支持され、今や、通年で使用される家電製品となりました。1年中使うならば、冬も夏も除湿能力が落ちず、消費電力も抑えられるハイブリッド式が欲しいところですが、他の除湿方式(デシカント式、コンプレッサー式)と比べると価格が高く、本体サイズが大きいため購入には少し思い切りがいりますよね。そこで、ハイブリッド式は本当に夏も冬もしっかり除湿できるのか、パナソニックの2016年モデル「F-YHMX120」で調べてみました。と、ここで、「なぜ、2016年モデル?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、2017年モデルが発売されたのは4月。新製品で夏と冬の除湿能力をチェックすることはできないため、1世代前のモデルで調査します。

2016年モデルの最上位機「F-YHMX120」。適用床面積(鉄筋)は25畳(60Hz)で、最大除湿能力は12.5L/日(60Hz)です

ハイブリッド式って、どんな除湿機?

除湿機には、エアコンと同じ仕組みを採用するコンプレッサー式と、乾燥剤に水分を吸着させ、温風で除湿するデシカント式という2つの除湿方式があります。コンプレッサー式はパワフルに除湿できるので湿度の高い季節に最適である半面、気温が低くなると除湿能力がフルに発揮できないことも。いっぽう、デシカント式は寒い時期でも除湿パワーが落ちませんが、ヒーターを使用するため消費電力が高く、室温が上昇しやすいので夏場には向かない傾向があります。このように一長一短ある2つの方式を合体させたのが、ハイブリッド式。環境に応じて適した方式に切り替えて運転することにより、安定した除湿と消費電力のムダを抑えることができます。

2つの除湿方式を合体させ、コンプレッサーや熱交換器、ヒーターなどが搭載されているため、本体サイズは370(幅)×580(高さ)×225(奥行)mmと大きめ

裏面にある吸込口から室内の空気を取り込んで本体内で水分を取り除き、乾燥した空気を吹出口から放出します

空気から取り除かれた水分は、本体下部にある排水タンクに溜まります。容量は約3.2Lで、満水になると運転は自動で停止する仕様

排水タンクには取っ手が付いているので、持ち運びはしやすいです

排水タンクには取っ手が付いているので、持ち運びはしやすいです

衣類乾燥の仕組みをチェック!

F-YHMX120は窓や壁の結露対策、サニタリールームのカビ対策など、普通の除湿が行えるのはもちろんですが、パナソニックは「除湿機」ではなく「衣類乾燥除湿機」と銘打つほどに、洗濯物を乾かすことをメイン用途としています。衣類乾燥専用の運転は、4つのモードを搭載。「ターボ(連続)」を除く「標準」「音ひかえめ」「速乾」では温度と湿度を検知するセンサーが洗濯量や乾き具合を予測し、乾いたと判断されるタイミングで運転が自動停止するようになっています。「ターボ(連続)」と比べると、消費電力は「標準」で約50%、「音ひかえめ」で約40%削減されるそうなので、電気代のムダを防ぎたいなら「標準」か「音ひかえめ」を利用するのがよさそう。しかも、衣類乾燥運転が終了したあとに、除湿運転に切り替える設定をしておけば、カラッと乾いた洗濯物の状態をキープすることもできます。

約2〜4kgの洗濯物を乾かすと、「標準」は約1.5〜5時間、「音ひかえめ」は約2〜6時間、「速乾」は約1〜4時間で自動停止するとのこと
※温度約20℃、湿度約70%の6畳の部屋で使用した場合

洗濯物が乾くと自動停止する機能はとても便利ですが、季節によっては運転が止まると部屋の湿度が上がり、せっかく乾いた洗濯物がしっとりしてしまうことも。衣類乾燥運転を稼動している間に「除湿」ボタンを3秒押すと、「カラッとキープモード」が作動。衣類運転完了後に除湿運転に切り替わり、湿度約55%を維持してくれます

電気代を抑えながら、洗濯物を素早く乾かすためには、“送風”も重要なポイントです。除湿機で衣類乾燥する場合、吹出口から放出した風を洗濯物に当てることで乾燥を促進。扇風機やサーキュレーターと同じように思えますが、除湿機は、風によって飛ばされた空気中に含まれる水分を取り除いてくれるので、部屋の中がジメジメせず、また洗濯物も乾きやすくなるのです。

F-YHMX120は、上下に約160°にスイングするルーバーを装備。ルーバーの縦方向の動きを調整することで、高い位置にある洗濯物にも、低い場所にある洗濯物にも的確に風を届けることができます(下の動画参照)。

ルーバーの先端にあるフラップの開け具合を変えると、風向をさらに広げたり、少し上向きにするといった細かい調整ができます

さらに、吹出口奥にあるルーバーで横方向の送風範囲を調整。約165cmの範囲に風を届けられる「ワイドモード」、送風範囲を絞った少量の乾燥向けの「スポットモード」、洗濯物群の真ん中を中心に広範囲を乾かす「ウエーブモード」といった3パターンが用意されています。各モードの送風の違いをチェックするため、165cmの範囲につるしたビニールテープに向けて運転してみました。(下の動画参照)。

もっとも広範囲に風を届けられる「ワイドモード」では端にあるビニールテープまで均等に風が届いていますが、「スポットモード」では送風範囲が半分程度に抑えられている印象。そして、「ウエーブモード」は一見わかりにくいのですが、外側よりも中心部のビニールテープのゆらめきが大きいような気がします。「ウエーブモード」を設定する際には、ジーンズなど厚手の洗濯物を洗濯群のセンターにつるしておくとよさそう。このように、上下の風向、左右の送風範囲を組み合わせることで、干し方や洗濯物の量にあわせた最適な送風が行えます。

高温多湿の夏に衣類乾燥してみた!

さっそく、F-YHMX120で洗濯物を乾かしてみることに! 季節は7月。鉄筋コンクリート建てのマンションのLDK(13畳)の室温は28℃、湿度は70%強です。

幅約170cmの物干し竿に2段に分けて干した洗濯物をF-YHMX120で乾かします

早く乾かしたかったので、衣類乾燥の運転モードは「速乾」にし、もっとも広範囲に送風できる「ワイド」でスタート!

衣類乾燥運転は約1時間30分後に自動停止。上のほうに干した洗濯物も、端にあるものもカラッと乾いています。取扱説明書にある「速乾」の消費電力の目安685Wをもとに計算しても、今回かかった電気代は約27円。消費電力を抑えたモードでなくても、このぐらいの電気代であれば大満足です

運転終了後、排水タンクには800mlを超える水が溜まっていました

運転終了後、排水タンクには800mlを超える水が溜まっていました

寒さを感じる冬にも衣類乾燥してみた!

季節は変わり、冬。筆者宅は気密性が高く、乾燥しがちなため、住居の中でもっとも湿気が溜まりやすいバスルームで衣類乾燥の実力を試してみました。

「速乾」モードで衣類乾燥スタート。運転開始時のバスルームの室温は約20℃、湿度は約55%です

「速乾」モードで衣類乾燥スタート。運転開始時のバスルームの室温は約20℃、湿度は約55%です

約2時間後に運転は自動停止しました。バスタオルを触ってみたところ、裏も表もカラカラな状態に! ちなみに、F-YHMX120を利用せずに干した場合、5時間強で乾きましたが……衣類乾燥運転したバスタオルのようにカラッとは仕上がりませんでした

排水タンクには約500mlの水が溜まっていました。乾燥が激しい我が家でもこれだけ除湿できたので、結露するような住宅ではもっと効果が得られるのではないでしょうか

高温多湿の夏は除湿運転も活用したい!

ここまで衣類乾燥運転の実力を試してきましたが、普通に部屋を除湿機したい人もいるでしょう。そこで、室温28.9℃、湿度69%のリビングで除湿運転して、どれほど快適になるのかを検証してみました。

除湿運転には「強」「中」「弱」「おまかせ」の4モードが用意されています。約55%の湿度を保つように、運転を入り切りしてくれる「おまかせ」にしておくと便利そう。今回は「おまかせ」で除湿してみました

1時間後に変化をチェックしてみたところ、部屋の中心部の湿度は62%までダウン。湿度約55%をキープする運転ということでしたが、すでに風量は「弱」程度になっていました。室温は28.9℃と少し上がりましたが、湿度が下がったおかげか、蒸し暑さが解消されて不快感はありません

排水タンクには200ml弱の水が溜まっていました。排水タンクの容量は3.2Lなので、室温28℃、湿度70%前後で運転を続けたとしても15時間は除湿を続けられそうです

まとめ

取扱説明書によると、一部の運転に「室温が約18℃以下では除湿能力確保のためヒーターを使用します」と注釈が付いていたことから、今回筆者宅で行った衣類乾燥や除湿は、すべてコンプレッサー方式で運転されていたと思われます。運転モードにもよりますが、ヒーターがオンになると約160〜460W消費電力が増加することもあるようなので、暖房機器と併用するなど賢く使うと電気代を抑えつつ安定した除湿能力が手に入れられるでしょう。なお、筆者は適用床面積がF-YHMX120の半分のコンプレッサー式除湿機で、今回の検証とほぼ同一条件で衣類乾燥したことがあるのですが、排水タンクに溜まった水の量はF-YHMX120の半分程度でした。ある程度の量を部屋干しする派なら、本体サイズで迷わず、洗濯物に的確に風を当てることができ、除湿能力が高い製品を選びましょう。

現在、F-YHMX120は型落ちモデルですが、価格.comの最安価格でも45,800円(2017年6月6日時点)と、相応の値段がします。いっぽう、F-YHMX120と同ランクの最新モデル「F-YHPX120」は200円ほど高いだけ。除湿能力は同じですが、新モデル「F-YHPX120」には少ない化繊衣類に適した「少量速乾」という衣類乾燥モードが追加されました。価格はそれほど変わらないなら、新モデルを選んだほうがお得そうです。

神野恵美

神野恵美

雑誌記者・編集者などを経て、2004年に渡仏。2006年に帰国後はさまざまな媒体において、家電をはじめ“ライフスタイル”的切り口で多ジャンルの記事を執筆。

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