家を建てるライターが住宅設備を(嫁と)選ぶ!

第2回 キッチン後編〜キッチンだけじゃ物足りない!! こだわるならコンロも自分で選べ!!

オート調理対応!! Bluetooth対応!! で凄すぎたリンナイの最新ビルトインコンロ

キッチンを選ぶはずが、取り付けるビルトインコンロ選びになってしまったけど、簡単に下調べをして取材を申し込んでやって来たのが、リンナイの「リンナイHot.Lab浜松町」です!!

「リンナイHot.Lab浜松町」は本来は業者向けの研修施設ですが、コンロなどの商品展示をしている1階を見せてもらいました

リンナイはガス機器のメーカーとして知られていると思いますが、キッチンを購入する人の多くはコンロはキッチンのオプションとして選ぶので(リンナイ製も多数のメーカーで選べます)、直接買う機会はありません。最近はガスコンロのリフォーム(https://kakaku.com/housing/cooktop/)も流行っているみたいですけどね!!

でも、僕らはこだわり過ぎなのでキッチンのオプションになくても自分で選びます。

まず、お目当てのモノから見ていきましょう。

僕らがネットで目を付けていたのがリンナイのドロップインシリーズ「MY CHOICE〈マイチョイス〉」です!! 何が凄いって、ユニット単位でガスコンロ、そしてIHを組み合わせられるので、ガス+IH両方入りキッチンも作れちゃいます。

ユニット式でガス+IHも作れるリンナイの「MY CHOICE〈マイチョイス〉」

ユニット式でガス+IHも作れるリンナイの「MY CHOICE〈マイチョイス〉」

ただ、実はこのリンナイの「MY CHOICE〈マイチョイス〉」、リンナイの通常のカタログにもあまり載っていない、結構なレアモノ。

何故か? というと、「MY CHOICE〈マイチョイス〉シリーズ」は、キッチンをスタイリッシュに見せるデザイン志向のシリーズ。もちろんお料理はできるのですが、便利機能はありません。同じ路線で海外製コンロ並にデザインを高めた最高級の「G:」シリーズも展開中です。

最高級でデザインに振り切った「G:」。IHの展開はまだありません

最高級でデザインに振り切った「G:」。IHの展開はまだありません

リンナイの広報さんが教えてくれたことですが、東南アジアなどの富豪の家では、本当に料理をする“ウェットキッチン”と、人に見せるための“ドライキッチン”を分けることが多く、「MY CHOICE〈マイチョイス〉」「G:」は、そんな“ドライキッチン”向けのコンロという訳です。

つまり、自分で調理するコンロが欲しい僕達向けではないですね。

では、リンナイによいコンロはないかと聞いたら……ありました。リンナイの(一般的なラインアップとしての)最高級グレード「DELICIA」(デリシア)です!!

リンナイの最高級ガスコンロの「DELICIA」(デリシア)

リンナイの最高級ガスコンロの「DELICIA」(デリシア)

このデリシアが結構凄いんですよ……。元々は2007年から発売しているシリースですが、天板に液晶ディスプレイを備えたスマートなコンロになっているんです!! ちなみに、100V天板についている液晶画面は2007年から、3Vのカンガルーポケット部分についている画面は2016年からだそうです。2018年8月には新モデルも発売されましたが、こちらは操作表示と付属品の変更のみとのこと。

ガスコンロに搭載されてるスマート機能は、なんとオート調理です。

お料理で重要な火加減の調整。ガスコンロは安全対策として鍋底の温度を図るセンサーを搭載しているのですが、鍋底の温度=食材の温まり具合なので、実際の食材の焼け具合に応じて完璧な火力調整ができてしまうんです。ハンバーグ、餃子、茶碗蒸しなどといったメニューのレシピは標準で組み込まれていて、ハンバーグのひっくり返すタイミングも教えてくれるし、食材の焼き加減のお好み調整もできます。

温度調整は自由にできるし、麺を茹でても自動調整するので吹きこぼれする心配がないし、とてもスマート!! 土鍋でお米も美味しく自動で炊けてしまうだけで欲しい人がいるのでは。

新築で付けられる100V電源版のデリシアは上部パネルにドットマトリクス液晶搭載

新築で付けられる100V電源版のデリシアは上部パネルにドットマトリクス液晶搭載

リフォーム等で使える乾電池版は手元に液晶搭載

リフォーム等で使える乾電池版は手元に液晶搭載

火力調整はダイヤルを押して引き出した上で手動のアナログ操作も可能

火力調整はダイヤルを押して引き出した上で手動のアナログ操作も可能

ガラストップはドイツのSCHOTT AG製。傷つかず、汚れず、トップパネルの下はアルミで温度上昇も抑え、焦げつきにくくしてくれます

デリシアのもうひとつのポイントが、グリルの活用です。嫁が“要らない”と言い続けてきた魚焼きグリルですが、グリルは上下にバーナーが付いていてガスの強火力で両面焼きができる唯一の箇所なので、活用しないともったいないそうです。

そこで登場するのがリンナイが用意している「ココットプレート」。

ココットプレートに食材を入れて焼くと、スリット構造で直火が届き、オーブンで焼くような強火の強火力で美味しく調理できます。肉や魚、野菜を直火で焼けば塩コショウだけでも美味しく仕上がります。ノンフライの唐揚げも作れるし、オーブンレンジだと30分かかるクッキーは予熱含め5分、パイやナンも焼けます!!

シンプルに食パンを焼くだけでも、強火力の両面焼きで美味しく焼けます。これ、もう、グリルじゃなく“オーブン”と呼ぶべきじゃ……。ちなみに、ガスオーブンで作れてグリルで作れない料理は、大きなパンくらいだそうです。

デリシアのグリル活用の秘密兵器がココットプレート。2018年8月から標準で同梱されています

デリシアのグリル活用の秘密兵器がココットプレート。2018年8月から標準で同梱されています

パンはお手軽で美味しいので、リンナイ広報さん(男性)も自宅で焼いているとか

パンはお手軽で美味しいので、リンナイ広報さん(男性)も自宅で焼いているとか

魚焼きグリルが嫌われていたもうひとつの理由、それは汚れて掃除が面倒だから。しかし、リンナイ純正の「ココットプレート」は、そもそも寸法がグリルとまったく同じなので汚れは下には落ちません。でも油汚れが上に跳ねるのでは? というと、上側にはバーナーがあるので油も高熱で焼き切られてしまうので汚れも残りません。

グリルから出る煙や匂いも専用バーナーで焼き切るので匂い99%、煙81%カット。これはリンナイだけだそうです

そして「デリシア」の極めつけは、なんとコンロ標準にBluetoothを搭載していて、スマホアプリと連動するんです!!

スマホ・タブレットに純正の「DELICIAPP」(デリシアプリ)を入れてコンロにレシピを送信すると、コンロがその通りに調理してくれます。今どきのガスコンロって本気でスマート家電になっていることに衝撃……。スマートというと電気で動くIHの方が進んでそうなイメージがありますが、ただのイメージだったようです……。

リンナイ公式の「DELICIAPP」では「デリシア」で作るレシピを約200以上掲載

リンナイ公式の「DELICIAPP」では「デリシア」で作るレシピを約200以上掲載

調理時間もアプリでわかりやすく表示。火力操作をコンロにお任せして、ながら調理もできます

調理時間もアプリでわかりやすく表示。火力操作をコンロにお任せして、ながら調理もできます

取材をする前には考えてもいなかったリンナイの「デリシア」。正直、凄くないですかコレ。オート調理がとにかく便利そうだし、Bluetooth接続でレシピ転送とか、本気でスマート家電しちゃってます。

嫁も説明を聞いて、もうコレを入れたい!! とご指名です。魚焼きグリル要らないとか、3つ横並びがいいかもとか、IHも欲しいとか、すべてすっ飛びました。

ちなみに、デリシアの希望小売価格で33万1000円。もちろん通常どおりの値引きはあります。コンロ単体としては最高価格ですが、個人的には納得感のある価格です。

デザインも「クリスタルブラック」なら文句ナシ。幅はワイド75cm版がイチオシ

デザインも「クリスタルブラック」なら文句ナシ。幅はワイド75cm版がイチオシ

我が家のキッチンはサンワカンパニーの「グラッド45」に、リンナイの「デリシア」を組み込む形にしようと決めました。

キッチンはお洒落でカッコイイけど機能性としては普通の「グラッド45」、コンロは超高機能な「デリシア」を組み込むというのは、上手く補完する組み合わせと自負しています。レンジフードはタカラスタンダードの「ホーロークリーンレンジフード」を取り付けてもらおうかなと。食器洗い機は……適当に選びます。

サンワカンパニーの「グラッド45」の見積もりに含まれていたグリル、レンジフードの差額から計算して、キッチンの総額は約140万円ですね。

これで僕(と嫁)のキッチン選びは完結です!!

しかし、最初はキッチンを買うつもりが、キッチンメーカーの製品では飽き足らず、最後には外のキッチンと、中のコンロを別に買って組み合わせるとか、もう自作PCみたいな世界になってしまいました。住宅設備もこだわると、最後に行き着く所は同じですね。

さてさて、あまりに時間がかかったキッチン選びに続いて、第3回は浴室選びの取材に続きます。

折原一也
Writer
折原一也
オーディオ&ビジュアルライター/AV評論家。「オリチャンネル」主催。IT系出版の編集者出身で、2004年に独立後はモノ雑誌やオーディオ・ビジュアル専門誌で活動。2009年より音元出版主催のVGP審査員。画質・音質にこだわるAV評論家ではあるが、ライフスタイルになじむ製品、コスパにすぐれた製品を評価する庶民派。2022年に立ち上げたYouTubeチャンネル「オリチャンネル」では、取材メディアの人間として一次情報の発信、検証と測定データに基づくレビューなど独自の発信も行っている。最近のマイブームはAI全般。
記事一覧へ
遠山俊介(編集部)
Editor
遠山俊介(編集部)
2008年カカクコムに入社、AV家電とガジェット系の記事を主に担当。ポータブルオーディオ沼にはまり、家にあるイヤホン・ヘッドホンコレクションは100オーバーに。最近はゲーム好きが高じて、ゲーミングヘッドセットにも手を出している。家電製品総合アドバイザー資格所有。
記事一覧へ
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る
×