レビュー

リビングが安定の湿度50%超え! 給水スタイルが新しいシャープの2Way加湿器を使ってみた

シャープの最新ハイブリッド式加湿器「HV-H75」は、2通りの給水方法に対応した新しいスタイルが魅力です。さて、実際にその加湿性能や使いやすさはいかほどのものか? 自宅でシャープの加湿空気清浄機を7年間愛用している家電ライターが使ってみました。

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わが家の7年前の加湿空気清浄機では、もはや加湿不足……

数日間、雨がほとんど降らないと、筆者の家の空気はカラッカラ。家の中はエアコン暖房で肌はカサカサ、指先はひび割れ、目もショボショボです。わが家ではこれまで、加湿器と空気清浄機の一体型を使ってきましたが、最近はリビングの強力なエアコンの前で加湿量が足りなく、表示される湿度はいつも40%を下回っていました。

というのも、わが家の加湿空気清浄機はもう7年前の製品。加湿機能は気化式であり、フィルターがそろそろ寿命で詰まり気味ということもあるでしょう。とにもかくにも、家の加湿不足が気になる今日このごろなのです。そこで、最新の加湿器専用機を試してみることに。

今回お借りしたHV-H75は、ヒーター加熱による温風と気化式を組み合わせたハイブリッド方式(気化式ハイブリッド)の加湿器で、シャープ独自のイオン技術「プラズマクラスターイオン7000」を搭載しています。

プラズマクラスターは、浮遊カビ菌の除菌や浮遊ウイルスの抑制、家具に染み付いたニオイの消臭、除電などの効果があるとされていますが、目に見えないのでその効果を確かめることはできません。しかし実際に使ってみると、本質機能である加湿はかなり満足のいくものでした! 以下に、詳細をレポートしていきましょう。

というわけで、シャープのプラズマクラスター搭載加湿器「HV-H75」をレビュー。本体の設置スペースはA4用紙程度と小さく、部屋の中でもさほど幅をとりません。その分、背が高いタワー型なので操作がしやすいのもポイント

わが家で7年間使ってきた加湿空気清浄機(左)と比較すると、体積比で4分の1くらい。リビングでもじゃまにならないのがイイ!

給水方法が新しい! 加湿器に水を直接注げるという楽さ

本製品は、“水の注入方法が2通りある”ことが第一の特徴となっています。通常の加湿器に給水する場合、本体からタンクを引き出して水道まで持って行き、水を入れますよね。しかし本機はそれに加えて、本体上部の給水口から“直接”水を注げるようにもなっているのです。タンクを取り外さずに、給水できるというわけです。

写真の右側、緑枠で囲った部分が給水口です

写真の右側、緑枠で囲った部分が給水口です

タンクを本体にセットしたまま、ヤカンなどでジョボジョボと水をダイレクトに注ぐことができます

タンクを本体にセットしたまま、ヤカンなどでジョボジョボと水をダイレクトに注ぐことができます

正直、「これにはどんなメリットがあるのだろう?」と使う前は不思議に思っていたのですが、実際に使ってみると「なるほど!」と納得。

水タンクの容量は4.0Lなので、満水にするとタンクの自重も含めて4kg強あります。腕の力や握力が衰えていたり、腰に爆弾を抱えている中高年にとって、これをキッチンなどから運び、腰をかがめて本体にセットするのはちょっと大変。なので、持ち運びしやすいヤカン等を使って立ったまま上からジョボジョボ注ぐのが意外に楽なのです。ただ、多くのヤカンは満タンでも2.0〜2.5L程度なので、2〜3回往復する手間はありますが。

ヤカン1杯の水でタンクの半分以下。満タンにするにはあと1回と半分の給水が必要になります

ヤカン1杯の水でタンクの半分以下。満タンにするにはあと1回と半分の給水が必要になります

タンクを取り外しても、給水しやすい

なお、幸いにして筆者は、まだ腕も腰もなんとか正常を保てているので、タンクを水道に持っていく方法のほうが1回で満タンにできるから楽。そんな、筆者と同じタイプの人にも、ぜひ注目していただきたいポイントがあります。HV-H75の水タンクは、持ちやすくて水を入れやすいのです。

水タンクが四角いバケツ状をしており、大型の取っ手が中央についているので、水を入れても片手でバランスが取れて運びやすいというわけ。しかも長方体なので、底が湾曲した洗面台でも安定しますし、背が低いので蛇口に引っかかることなくスムーズに注水できます。タンクをセットしたままでも取り外しても、どちらでも給水しやすいというのはうれしい限り。

水タンクは長方体のバケツ状。大型の取っ手が持ちやすい

水タンクは長方体のバケツ状。大型の取っ手が持ちやすい

底が湾曲した洗面台でも安定して注水できます

底が湾曲した洗面台でも安定して注水できます

こちらは、いつも使っている加湿空気清浄機の水タンク。縦に細長いタンクは少し不安定。蛇口にもギリギリでこれ以上低い蛇口では正立して注水できません

「おまかせ」「エコ」の2モードをうまく切り替えて使おう

HV-H75は、操作手順もシンプルです。電源を入れ、ファンマークを押して加湿モードを選択するのみ。基本的におまかせモードが推奨ですが、おまかせモードの中には「おまかせ」と「エコ」の2つがあることに注目です。

「おまかせ」はヒーターで温めた風を加湿フィルターに当てるので、パワフルにすばやくお部屋を加湿できるモードです。エアコンで急暖して、部屋の空気がカラカラに乾いてしまったようなときに最適。ただ、ヒーターを使うので電気代はかかります。

また、寒い日にエアコンをガンガンかけている場合、「おまかせ」モードでは常に「強」運転をし続けます。本機に限ったことではなく、多くの加湿器・空気清浄機に言えることですが、そのため稼働中に結構うるさいのも事実。吹出口付近の音量を測ってみると60dBでした。リビングの真ん中でこの音を出されると、テレビの音量をかなり上げる必要があります。

ファンの形をしたボタンを押し続けるとモードが切り替わります。運転中は自動的に「ぶどうマーク」が点灯してプラズマクラスターが放出されていることを知らせます

「おまかせ」で「強」運転の場合の音量を測ってみたらは60dB前後。結構な音量です

「おまかせ」で「強」運転の場合の音量を測ってみたらは60dB前後。結構な音量です

もうひとつの「エコ」は、ヒーターを使わずに送風だけで加湿するモード。なので、電気代が格段に安くなります。「おまかせ」の最大消費電力量が335Wに対し、「エコ」は34Wと10分の1。ただ、ヒーターを使わない分、加湿量は落ちます。

普段は「エコ」で運転し、なかなか適湿にならないときに「おまかせ」にするという使い方がよいのではないでしょうか。

ずっと乾いていたわが家のリビングが、安定して湿度50%超えに!

ちなみに、湿度の表示は具体的な数値ではなく、「高湿」「適湿」「低湿」の3段階表示です。高湿は約66%以上、適湿は約40〜65%、低湿は約39%以下とのこと。本機は室温に応じて自動で湿度をコントロールしますが、「おまかせ」モードの場合は、室温が18℃までの時は湿度65%、18〜24℃は60%、24℃以上は55%をキープするとのことです。

実際に使ってみると、「おまかせ」モードの加湿のパワフルさが実感できました。これまでわが家で加湿空気清浄機をどんなに運転しても40%を超えなかった湿度が、HV-H75を1時間ほど運転したらさっそく50%超え! その後、エコモードにしても50%強を維持したまま。

わが家のリビングはカウンターキッチンを含めて15畳くらいの広さですが、このサイズの部屋をスピーディーに適湿まで持っていけるのはうれしいものです。さすが、専用機のパワフルさ。

湿度40%を切っていたわが家のリビングが、HV-H75を稼働させて1時間ほどで湿度50%を超えました

湿度40%を切っていたわが家のリビングが、HV-H75を稼働させて1時間ほどで湿度50%を超えました

シンプル構造でお手入れ簡単!

HV-H75は、構造がシンプルなのでお手入れも簡単です。加湿フィルター、吹出口、給水口、給水カバー、給水トレーはすべて水洗いできます。

なお、「加湿フィルターは2週間に1回程度のすすぎ洗いが必要」とアナウンスされていますが、できれば給水ごとにザッと水洗いするのがよいでしょう。水垢や水道水に含まれるカルキは1度付着したらなかなか取れないので、こまめに洗って付着させないよう工夫するのがおすすめです。

細かく分解できるので、お手入れは楽でした。2週間も連続で使い続けるとフィルターが水垢で汚れてきますので、定期的に重曹やクエン酸で漬け置き洗いしましょう

2Wayでパワフル加湿がうれしいけど……ココが惜しい!

HV-H75は全体的に満足度の高い加湿器ですが、残念なことがひとつありました。それは、本体に取っ手がないこと。あるにはあるのですが、底面にあるため持ちにくく運びにくいのです。

HV-H75の吹出口は斜め上方を向いており、座る位置によって風がもろに当たり寒くなってしまうため、リビングの中でこまめに移動したい。そのときに、本体上部にちょっとした取っ手があれば、ひょいと持ち上げてスッと移動できます。

底面にある取っ手ではいちいち腰をかがめないといけないし、満水時には重くなって少々バランスが悪くなります。HV-H75に限らず、多くの加湿器が運びにくい構造になっているので、なんとかならいないかなと切に願います。

取っ手が底面にあるので持ち運びづらいのが惜しい。腰を悪くしている中高年にはちょっとツライ……

取っ手が底面にあるので持ち運びづらいのが惜しい。腰を悪くしている中高年にはちょっとツライ……

まとめ

現在、太平洋側は雨がほとんど降らず、空気はカラカラに乾燥しています。乾燥していると空気中にウイルスが長時間漂い、それを人間が吸い込む確率が高くなってしまいます。また、これから花粉の季節になってきますが、花粉対策としても加湿器は有効です。加湿により鼻の粘膜を守ることができるし、部屋の中を飛んでいる花粉に水分が付着して床に落ちやすくなるから。それに、加湿によって体感温度も変わると言われており、エアコンの設定温度を下げることで電気代を節約することもできます。

このように今の時期、加湿はとても大切なもの。お部屋をパワフルに加湿できる選択肢のひとつとして、新しい給水スタイルのHV-H75にぜひ注目してみてください。

近藤克己

近藤克己

1966年生まれ、福島県出身。大学では考古学を専攻。主に生活家電を中心に執筆活動する家電&デジタルライター。レビューや検証記事では、オジさん目線を大切にしている。得意分野は家電流通・家電量販店。趣味は、ゴルフ、ギター、山登り、アニメ、漫画、歴史、猫。

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