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電気ポットメーカーのノウハウが詰まった“地味にスゴイ”名品

象印のスチーム式加湿器が今年も人気! 正しい使い方をメーカーに聞いてみた

給水やお手入れの手軽さ、衛生的であることなどから、「加湿器はコレと決めている」という声も聞こえる象印のスチーム式加湿器。その人気の秘密や開発秘話に迫るとともに、適切な設置位置や、スチーム式加湿器の電気代を抑えながら使用する方法を、象印に聞いてみました!

筆者が自宅で愛用している「EE-RQ35」

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発売から約25年。「電気ポットみたいなスチーム式加湿器」が今年も人気

象印の「電気ポットみたいなスチーム式加湿器」が人気です。2020年12月15日時点の価格.comの「加湿器 人気売れ筋ランキング」においても、「EE-RQ50」の1位を筆頭に、「EE-DB50」「EE-RQ35」は2、3位と続く1,2,3フィニッシュで上位を独占。

象印のスチーム式加湿器の初代モデルが発売されたのは、1996年。当時、石油ストーブなどの上に水を入れたやかんを置き、やかんの中の水が沸とうすることで発生するスチームによって部屋を加湿する、という風景はなじみのあるものでした。「この仕組みを電気製品でやろう」というのが、象印がスチーム式加湿器の開発を始めたきっかけ。その際、「お湯を沸かす」という同様の機能を有する電気ポットの仕組みを転用したため、電気ポットみたいな加湿器が誕生したのだそう。

1996年発売の初代モデル。初代モデルには取っ手が付いておらず、今の製品のほうが電気ポットっぽいのは意外ですね

1996年発売の初代モデル。初代モデルには取っ手が付いておらず、今の製品のほうが電気ポットっぽいのは意外ですね

そこから早四半世紀。象印のスチーム式加湿器が人気製品になったのは、実はここ数年のこと。それまでは、デザインの幅が広く、価格も手ごろな超音波式加湿器などに水をあけられていました。しかし近年、その加湿能力の高さやメンテナンスの手軽さ、スチームの清潔さに魅力を感じたユーザーが同製品を支持。クチコミなどの影響もあり、一躍人気製品となりました。

一見シンプルだけど真似できない。電気ポット作りのノウハウを生かした開発

家電製品に限らず、製品がヒットすると、必ず他メーカーからも似た製品が登場するもの。象印のスチーム式加湿器もすぐにほかのメーカーから類似の製品が登場するかと思いきや、現状のところ、その様子はありません。

象印によると、「象印のスチーム式加湿器のベースは電気ポット。象印は電気ポットの主要メーカーとしてのノウハウ持っており、どんなトラブルが起こりうるかということを熟知したうえで開発をしている。これによって、安全性を万全にした製品を提供できている。電気ポットを製造しているメーカーはもともと多くないので、似た製品となると、そのあたりが難しいかもしれない」とのことでした。

3モデルをラインアップ。2020年モデルは操作部を改良

2020年発売の最新モデルについても紹介しておきましょう。初代モデル発売からおよそ25年となる象印のスチーム式加湿器ですが、新モデル発売の度に、必ず何かしらの品質改善を加えているそう。

「EE-DB50」は、2019年にラインアップに追加された、4Lの大型タンク搭載シリーズの最新モデル。昨年モデルを購入したユーザーの多くが、寝室で加湿器を使用しているという調査結果を受け、就寝時にまぶしく感じることのないよう、操作部のLEDの明るさ切り替え機能を新たに搭載しています。

「EE-RQ50」と「EE-RQ35」(以下、Rシリーズ)は、操作パネル部分のカラーを変更。従来モデルよりも薄い色にして本体カラーとのコントラストを抑えることで、「電気ポットっぽさ」が軽減されただけでなく、操作部の文字が読みやすくなりました。

「EE-DB50」(左)とRシリーズ(右)。本体の形状は簡単には変えられないそうですが、可能な範囲で毎回改良を加えているとのこと

「EE-DB50」(左)とRシリーズ(右)。本体の形状は簡単には変えられないそうですが、可能な範囲で毎回改良を加えているとのこと

「EE-DB50」(左)とRシリーズ(右)の操作部。「EE-DB50」はボタンではなく文字が光るようになっているので、暗い部屋でも製品の稼働状況がわかりやすいのがポイント

「EE-DB50」(左)とRシリーズ(右)の操作部。「EE-DB50」はボタンではなく文字が光るようになっているので、暗い部屋でも製品の稼働状況がわかりやすいのがポイント

長く加湿し続けたいなら「D」、コンパクトなものがいいなら「R」

選択肢があると、どれを購入するのか迷うところ。実は「EE-DB50」と「EE-RQ50」に関して言えば、基本的な加湿能力に違いはありません。なので、長時間連続加湿がしたいのであれば、最大32時間の連続加湿ができて給水の手間が少ない「EE-DB50」がおすすめ。「適用床面積の目安」より狭い部屋であっても、「弱」や「ひかえめ」で使用すれば大丈夫です。

最近の住戸は換気機能がしっかりしていて通気性がよく、乾燥しやすいそう。その分加湿もしづらいため、思ったよりすぐに加湿器の水がなくなることも多いのだとか。在宅勤務になり、自宅の加湿器を1日中フル稼働させるようになった、といった場合も、「EE-DB50」を選んで間違いなさそうです。

ただ、「EE-DB50」はタンク容量が大きい分、本体サイズも大きめ。コンパクトなサイズを求めるという場合や、「寝室専用だから、そこまで長時間の連続使用はしない」など、用途に応じて「Rシリーズ」も検討しましょう。

筆者は鉄筋造アパートの7畳ほどの洋室で「EE-RQ35」を使用しています。「EE-RQ35」の適用畳数(プレハブ洋室)は10畳だから十分だと思っていたのですが、「あれ! もう給水を求めてる?」ということがしばしば。在宅勤務中で基本的に24時間フル稼働なので、思い切って「EE-DB50」を購入すべきだったか……とちょっと後悔(笑)

筆者は鉄筋造アパートの7畳ほどの洋室で「EE-RQ35」を使用しています。「EE-RQ35」の適用畳数(プレハブ洋室)は10畳だから十分だと思っていたのですが、「あれ! もう給水を求めてる?」ということがしばしば。在宅勤務中で基本的に24時間フル稼働なので、思い切って「EE-DB50」を購入すべきだったか……とちょっと後悔(笑)

加湿器の適切な使用法

ここからは、象印に聞いた「加湿器の効率のよい使用法」をご紹介していきます。象印のスチーム式加湿器はもちろん、それ以外の加湿器を使用する際にも参考になりますので、ぜひチェックしてみてください。

設置位置は「部屋の中央」が理想ではあるけれど……

まずは設置位置について。象印によると、部屋の中央に設置するのが理想ではある、とのこと。特にスチーム式加湿器の場合は、部屋の中心から蒸気が登り、部屋に充満していくことで効率よく加湿ができます。

とはいえ、それは部屋に空気の流れがなく、家具の配置的に問題がなければの話。実際には必ず空気の流れがあり、家具・家電の配置を考えると、部屋の中心に設置するのは難しい場合が多いので、「避けるべき場所」を把握したうえで、状況ごとに考慮する必要があります。

「窓は除湿器」。窓からはできるだけ離れた場所に設置する

加湿器を設置する際に必ず避けるべきなのは、窓の近くです。冷えた窓のすぐ近くに加湿器を置くのは、除湿器の隣に加湿器を置くようなもの。加湿をするそばから湿度が窓に吸い寄せられて結露となり、湿度が上がりにくくなってしまいます。

換気扇や通気口など、空気が出て行く場所からも離して設置する

換気扇や通気口など、空気が出ていく場所からも離して設置しましょう。開け閉めがひんぱんなドアの近くも要注意。空気の流れが加湿したい部屋に向かっているならばよいですが、部屋の外に空気が流れる可能性があるのであれば、ドアの近くは避けたほうが無難です。

窓や換気扇、通気口の影響を受けづらい位置に設置しよう!

窓や換気扇、通気口の影響を受けづらい位置に設置しよう!

スチーム式は床置きOK。超音波式は、少し高い位置がおすすめ

次に設置する高さですが、スチーム式の加湿器の場合、基本的には床置きで問題はありません。暖かいスチームは上昇する性質を持っているので、むしろ高すぎる位置に置かないように注意。蒸気が天井に当たって加湿されづらくなってしまいます。

小さな子どもがいる家庭など、床置きに抵抗がある場合は、テーブルくらいの高さがあるものの上に設置するのがいいでしょう。

いっぽう、水の粒(ミスト)を飛ばして加湿する仕組みの超音波式は、高さのある位置に設置するのがおすすめ。床が近いと水の粒がすぐに床に落ちてしまうので、効率よく加湿できないだけでなく、床が水で濡れてしまう可能性があります。

テーブルは電気ポットが置かれる場所なので、象印の加湿器はデザイン的にもしっくり。給水もしやすい!

テーブルは電気ポットが置かれる場所なので、象印の加湿器はデザイン的にもしっくり。給水もしやすい!

エアコンと併用する場合は、温風が直接当たらないように注意

エアコンなど、温風が出るタイプの暖房器具と併用する場合は、温風が直接当たらない位置に置きましょう。というのも、本製品はもちろん、最近の加湿器は湿度センサーを内蔵しているものが多いため、乾燥した空気が本体に当たると、湿度センサーが正常に働かず、過加湿になる可能性があるためです。

「エアコンの下に設置して、エアコンの風に乗せて加湿するのがおすすめ」とされていることがありますが、これにも注意。最近の高性能なエアコンは床向きに温風を出すものが増えているので、エアコンの温風が直接加湿器に当たってしまいます。加湿器に風が当たらないよう。エアコンの送風方向を調整してください。

象印のスチーム式加湿器の場合は、上方向にスチームが出ているので、エアコンの送風方向は横向き(エアコンから水平)にするのがおすすめ。スチームが暖房の風に乗ることで、部屋をまんべんなく加湿するアシストになります

象印のスチーム式加湿器の場合は、上方向にスチームが出ているので、エアコンの送風方向は横向き(エアコンから水平)にするのがおすすめ。スチームが暖房の風に乗ることで、部屋をまんべんなく加湿するアシストになります

その使い方はNGです

ここからは、やりがちなNG使用例をご紹介します。

精密機器の近くや、枕元に置くのは止めましょう

基本的に、加湿器のまわりには物は置かないようにしましょう。特に、パソコン、カメラなど湿度に弱い機器のそばは厳禁。壁、天井、家具などに直接蒸気などを当てるのも、劣化を招く恐れがあるので避けてください。

スチーム式は水が蒸気になって空気に飛び込んでいくためまだマシですが、放出される水の粒が大きい超音波式などは、特に注意が必要です

スチーム式は水が蒸気になって空気に飛び込んでいくためまだマシですが、放出される水の粒が大きい超音波式などは、特に注意が必要です

また、就寝時などに顔の近くに設置し、加湿器から出るスチームを直接浴びるのも止めましょう。スチームを浴びることで身体に害があるわけではありませんが、加湿器はあくまでも部屋の湿度を上げるためのもの。美容スチーマーではありません。

布団の近くに置いておくと、寝返り時など、予期せぬ転倒もないとは言えません。実は筆者も「肌にいい気がする」とやっていたのですが、これを機に止めました。止めたからといって起床時の肌が乾燥するようになったなんてことはまったくないので、安心して布団から離しましょう

布団の近くに置いておくと、寝返り時など、予期せぬ転倒もないとは言えません。実は筆者も「肌にいい気がする」とやっていたのですが、これを機に止めました。止めたからといって起床時の肌が乾燥するようになったなんてことはまったくないので、安心して布団から離しましょう

スチーム式加湿器で沸かしたお湯は飲まないで

象印のスチーム式加湿器は形状が電気ポットに酷似しているので、ユーザーから、「沸いたお湯を飲んでいいのか」「いっそ電気ポットとしても使えるようにしてほしい」という意見が寄せられることがあるそうですが、スチーム式加湿器で沸かしたお湯は飲用禁止です。

水にはミネラルやカルシウムが含まれており、電気ポットの場合、それらの成分は給湯時に水といっしょに排出されます。いっぽうスチーム式加湿器の場合、排出されるのはスチーム(水分)のみなので、残った水には凝縮されたミネラルやカルシウムが大量に残った状態。おいしくないうえに、下手をするとお腹を壊します。

容器内に残っている水は、いわば超超硬水。飲んではいけません!

容器内に残っている水は、いわば超超硬水。飲んではいけません!

水道水以外の水は絶対に使用しない

スチーム式に限らず、加湿器のタンクにミネラルウォーターや井戸水など、水道水以外の水を入れるのも、絶対にやめましょう。水道水は塩素処理されている腐りにくい水。水道水以外の水を使用すると、本体内での雑菌繁殖やカビの発生、本体の変形・故障の原因になり得ます。

最近話題の次亜塩素酸水も、有毒ガス発生の危険があるため、NGです。また、水道水といっても、風呂の残り湯も使用禁止です。

使用していいのは水道水のみ。象印のスチーム式加湿器は蛇口から直接給水したり、浴室の床などに置いて底面が濡れるのはNGなので、いったん別の容器に汲んで給水します

使用していいのは水道水のみ。象印のスチーム式加湿器は蛇口から直接給水したり、浴室の床などに置いて底面が濡れるのはNGなので、いったん別の容器に汲んで給水します

電気代を抑えたいなら、「ぬるま湯」を入れて、「使い切る」!

象印製に限らず、スチーム式加湿器は、ヒーターで水を沸かした蒸気で加湿するという構造上、電気代(消費電力)がほかの方式の加湿器より高くなる傾向にあります。そこで、電気代をなるべく抑える方法についてもうかがいました。

お風呂の温度程度のお湯で給水する

まずは、給水の際に常温の水ではなく、お風呂の温度程度のお湯を入れるということ。これだけで湯沸かしの消費電力が抑えられ、加湿開始までの時間の短縮にもなります。

この時気を付けたいのは、熱湯を使用しないということ。熱湯をそそぐと製品の空焚き検知が反応し、正常に稼働しなくなるだけでなく、故障の原因になります。なお、ほかの方式の加湿器の場合、お湯の使用自体NGの場合が多いので、注意が必要です。

使用するお湯の温度は40〜45℃程度がベスト。それ以上の温度になると、問題なく使えているように見えても、故障の原因となる可能性があります

使用するお湯の温度は40〜45℃程度がベスト。それ以上の温度になると、問題なく使えているように見えても、故障の原因となる可能性があります

使用時間に適した量を給水する

意外と徹底できていない人が多いのが、加湿したい時間で使い切れる量の水を入れること。たとえば、朝起きて出かけるまで2時間加湿できればよいのであれば、満水まで給水する必要はありません。

給水のたびにタンクを満水にしているという方もいるかもしれませんが、給水アラームが鳴る前に運転を停止することが多いなら、余分な水の加熱に、消費電力をムダにしていることになります。

象印のスチーム式加湿器の内容器には、加湿時間に対する給水量の目安がほどこされているので、参考にしましょう

象印のスチーム式加湿器の内容器には、加湿時間に対する給水量の目安がほどこされているので、参考にしましょう

1日1回は水を入れ替え、容器を軽く拭いておく

容器をきれいに保つことも、長く使い続けるためには大切です。できれば、日に1度は水を入れ替え、容器の内側をやわらかい布などで軽く拭きましょう。毎日少しずつ拭いておくことで汚れの重症化を防ぎ、月1回が推奨されている本格的なお手入れのコストも下がります。

残った水には濃縮されたミネラルやカルシウム(汚れの原因)が含まれています。水を追加する場合も、残った水をいったん捨ててから足していくことで、汚れの付き方が緩和されます。

汚れが付きすぎるとお手入れのコストが上がるだけでなく、湯沸かしの音が大きくなることも!

汚れが付きすぎるとお手入れのコストが上がるだけでなく、湯沸かしの音が大きくなることも!

まとめ 「効率よく加湿する=むだな加湿をしない」

どんなに性能がよい製品でも、使い方が間違っていれば、そのパフォーマンスをフルに発揮することはできません。また、故障の原因となるような使用法をしていれば、修理や買い換えの頻度があがり、それこそ本末転倒です。

特に加湿器の場合は、「効率よく加湿する=むだな加湿をしない」と言えるので、適切な配置や使用方法を意識することで、性能を最大限に発揮できるだけでなく、電気代などのコスト削減にも寄与します。これまでなんとなくで使っていたなという人は、一度使用法や設置場所を見直してみてはいかがでしょうか。

大泉瑠梨(編集部)

大泉瑠梨(編集部)

美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。

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