行楽シーズン真っ只中で洗車はもちろんですが、子どもの水遊び用にベランダや庭などの外壁掃除でも大活躍の高圧洗浄機。さまざまなメーカーから販売されている高圧洗浄機ですが、高い知名度と幅広い製品ラインアップで価格.comでも人気を集めているのがケルヒャーです。
そのケルヒャーの中でも、「K2」は価格.comの人気売れ筋ランキングにもランクインする人気モデルですが、2023年7月に新モデル「K2 Upright」が登場しました。約8年ぶりのリニューアルということで、人気の前モデルと比較しながら進化のポイントをチェックしていきます。
「K2 Upright」の詳しい機能の紹介の前に、「最新の高圧洗浄機ってどんな感じなんだろう?」と思う方もいると思いますので、まずはこちらの動画をチェックしてみてください。
一口に高圧洗浄機と言っても、さまざまな種類があります。今回紹介する「K2 Upright」は、本体に車輪とハンドルが付いている縦型の高圧洗浄機で動かしやすく、玄関周りや駐車スペース、外壁層の掃除など幅広く使えることがポイントです。
肝心の水力も最大許容圧力9MPa(メガパスカル)あり、東京都内の水道の平均水圧が0.25MPa(※東京水道局)となっているので、水道の36倍の圧力で汚れを落とすことができるパワフルさも大きな魅力と言えます。
2種類の標準ノズルが付属されていて、1つは高圧の水を回転させながら噴射するサイクロンジェットノズル。外壁などの頑固な汚れも落とす力強さが特徴です。もう1つは、圧力の調節ができるバリオスプレーラン。洗浄水が広角に出るので広い面を効率的に掃除でき、網戸や洗車などの洗浄に向いています。
本体サイズは285(幅)×242(奥行)×790(高さ)cmで、重量は約4.9kg。タイヤ付きで移動しやすいだけでなく、付属ノズルやケーブルなどが本体に収納できるのもポイント
高圧の水を回転させながら噴射するサイクロンジェットノズル(画像上部)、もしくは圧力の調節ができるバリオスプレーラン(画像中央)のどちらかをトリガーガン(画像下部)に装着して使用します
付属の高圧ホースの長さは約8mとかなりの長さがあり、水場から少し離れた玄関周りや外壁の掃除などでも使いやすいのもポイントです
電源はコンセントから給電するタイプで、電源ケーブルの長さは5mほどの余裕があります
給水の方法は、水道から直接給水できますが、別途水道ホースを準備する必要があります。近くに水場がない場合でも別途自吸用ホースを準備すれば、バケツなどに溜めた水を吸い上げて使用できます
ここからは実際に「K2 Upright」を使用して「ベランダ」「玄関スペース」「自動車」などを掃除・洗浄したので、使いやすさや汚れ落ちなどをレポートしたいと思います。
まずは放っておくと苔が生えて大変なベランダの掃除から。ここでは「K2 Upright」と2015年に発売された前モデル「K2」を一緒に使用したので、その違いもあわせて紹介します。
右側が8年前に発売された高圧洗浄機「K2」。本体サイズは280(幅)×242(奥行)×782(高さ)cmと、左の「K2 Upright」とサイズはほとんど同じですが、重量は約5.5kgあり、600gほど重い
今回検証するベランダは、この日のために丸3年一切掃除をしていない我が家のベランダです(お見苦しくて申し訳ありません)。頑固な苔汚れに覆われて見るも無残なベランダですが、「K2 Upright」と「K2」の実力を見るにはピッタリ。ということで、ベランダ掃除の比較動画がこちらとなります。
ご覧いただいたとおり、苔だらけだった3畳ほどのベランダが、わずか5〜6分でピカピカになりました。「K2 Upright」、「K2」ともに十分な洗浄力を発揮しましたが、実際に使用してみると細かなところで少し差がある印象でした。
まずは「出力量」の違いです。「K2」の吐出水量は最大360L/hなのに対して、「K2 Upright」の吐出水量は最大390L/hと8%ほど多くなっています。実際にベランダの床を洗浄した際も、「K2 Upright」のほうが汚れを安定して落としていくように感じました。
「K2 Upright」(左)のほうが吐出水量が多いせいか、一度の噴射で「K2」(右)よりもやや広い幅を洗浄し、汚れ落ち具合もよかったように感じました
続いては砂埃がたまりやすい玄関前の駐車スペースの掃除です。ここでも「K2 Upright」と「K2」を使用したのですが、こちらも面白いように汚れが落ちていきます。細かな砂で黒ずんでいた床のタイルもものの数分できれいになっていく様子はとても気持ちがよいです。
砂埃で黒ずんでいた玄関前の駐車スペースが、たった4〜5分で白くきれいに変わっていく様子は本当に気持ちがよく、これだけのために高圧洗浄機があってもいいと思えるほどでした
「K2 Upright」も「K2」も玄関の砂汚れをスムーズに洗い落とし、洗浄力では大きな違いは見られませんでしたが、使用していて個人的に気になったのは「重さ」でした。ベランダ掃除のときはほとんど本体を動かさなかったのであまり感じなかったのですが、玄関前ではスペースがあり、本体を転がしたり段差を下ろしたりする際に「K2」の重さが徐々に気になっていったのです。
本体の重量自体は「K2 Upright」が4.9kg、「K2」が5.5kgと600gしか変わらないのですが、真夏に広いスペースで本体を動かしながら掃除したことで「とにかく本体は軽いに越したことはない」という、とてもシンプルなことに気づくことができました。もちろんサッと短時間掃除する分には気にならない程度ですが、複数箇所を掃除するときやひんぱんに移動するときは気をつけたいポイントです。
掃除場所が平坦で洗浄機を転がして行ける場合は問題ありませんが、段差が多い場所や複数の場所を掃除する場合は、やっぱり軽いほうが便利なので、購入前に使用時の経路をチェックするのも大切です
最後に自動車の泥汚れを「K2 Upright」で洗浄します。ちゃんと汚れが落ちるのか、また塗装がはげたりしないか気になるところですが、圧力の調節ができるノズルのバリオスプレーランを使うことで、広い範囲に水を噴射させて車体の泥汚れも効率的に落とすことができました。
また本体の背面には洗浄剤吸引用のホースが付いており、別売りのケルヒャー専用洗剤を使用して汚れを落とし、洗浄面を保護することも可能です。
ミラー脇に付着した汚れも洗剤なしでサッと洗い落とすことができました
車体下部の泥汚れもご覧のとおり
このほか洗車の際の注意点として、ケルヒャー公式ホームページでも記載がありますが、付属のサイクロンジェットノズルは圧力が高すぎるため、塗装がはがれる恐れがあるので、洗車では使わないように、くれぐれもお気つけください。
ここまで読んでいただけた皆さまには、「K2 Upright」のパワフルな洗浄力やすぐれた可搬性をお伝えできたかと思います。
個人的に使って感じた魅力をあげるとすれば、まず1つは、3年ものの汚れもさっぱりきれいに落としてくれる洗浄力です。やはり、高圧洗浄機に求めるものは、水に圧力をかけて手では落としにくい汚れを簡単に落としてくれること。その点、「K2 Upright」は水道の36倍の圧力で、一気に汚れを落とすことができるので、一般家庭で考えられる汚れに十分対応できるのは間違いないでしょう。
もう1つの魅力は、前モデルの「K2」と比べて軽くなっていること。持ち手とタイヤがある「K2 Upright」は玄関回りだけでなく外壁やベランダなど、広い範囲で掃除がしやすいことが特徴です。本体を転がして移動したり、持ち運ぶ機会が多い製品だからこそ、本体が軽くなり、よりストレスなく使えるようになったことは大きな魅力と言っていいでしょう。
逆に気になった点を挙げるとすれば、1つは収納問題。タイヤがあると使うときは便利だし、ノズルも本体に収納できて便利だけど、本体をそのまま部屋の中にしまうのは心理的にちょっと難しいです。かといってベランダに放置&雨ざらしにするのは、価格帯的にもちょっと考えもの……。納戸などがあるご自宅は問題ないでしょうが、都内は結局玄関周りになりそうで収納が悩ましく感じました。
縦長のスリムボディで、玄関回りに荷物が多くても隙間に収納することができます。ただ、玄関をすっきり見せたいという人にとっては、収納場所が結構悩ましいです
もう1つは、水道から吸水する際の「水道ホースセット」が別売りなので、購入時に注意が必要という点です。また購入時も自宅で使用している蛇口に合ったものを選ぶ必要があるので、「水道ホースセット」の購入前にケルヒャー公式ホームページの「家庭用高圧洗浄機 水道蛇口 接続方法 」を確認したほうがよいでしょう。
多少注意する点はありますが高圧洗浄機を使ったことがない人でも扱いやすく、力強い水流で玄関やベランダ掃除はもちろん洗車など幅広く使えるのが、大きな魅力の1台です。悩んでいる方は価格.comのクチコミを参考にしたり、量販店などで実機をチェックしていただきたいです。
家電製品から文房具など、さまざまな商品を検証するモノ雑誌の編集経験を活かして、今日も気になる製品をレビューします。