デロンギの全自動コーヒーマシンの中で、日本で特に人気が高い「マグニフィカS」(ECAM23120BN/ECAM23120WN)の後継モデル「マグニフィカ スタート」(ECAM22020B/ECAM22020W)が登場。従来モデルの魅力を継承しつつ、使いやすくなった新モデルを見てきました。
デロンギの全自動コーヒーマシンには、「マグニフィカ」「ディナミカ」「エレッタ」「プリマドンナ」という4シリーズがラインアップされています。その中で、エントリークラスに当たるのが「マグニフィカ」シリーズ。シンプルさが支持されているシリーズで、なかでも2013年に登場した「マグニフィカS ECAM23120」は発売以来10年間、不動の人気を誇るロングセラーモデルです。
2013年に発売された「マグニフィカS ECAM23120」
その「マグニフィカS ECAM23120」がモデルチェンジし、「マグニフィカ スタート」に生まれ変わります。機能を絞ったシンプルで使いやすい「マグニフィカ」のよさを継承しつつ、タッチパネルを採用することで操作性が格段にアップ。コーヒーメニューは「マグニフィカS ECAM23120」と同じ3メニューですが、最近のトレンドなどに合わせ、「ロングコーヒー」を「スペシャルティ」に変更。「スペシャルティ」は最初の蒸らし工程を省くことですっきりとした味わいになるのが特徴で、コーヒー豆のテロワール(産地特徴)を最大限に楽しめるそう。残り2メニューは従来モデルと同じ、「エスプレッソ」と、ハンドドリップのように蒸らしながら間欠抽出を行う淹れ方で、深蒸しレギュラーコーヒーのような味が楽しめる「カフェ・ジャポーネ」です。
2023年11月15日発売予定の「マグニフィカ スタート」。「マグニフィカS」の丸みを帯びたデザインを受け継いでいます。サイズは240(幅)×440(奧行)×350(高さ)mm。市場想定価格は99,800円(税込)です
操作部は、従来のボタンとダイヤルからタッチパネルに変更。飲みたいメニューの選択やコーヒー豆の量の変更などが直感的に行えるようになりました
メニュー名は記されていませんが、3メニューだけなので1回使えば覚えられます。アイコンをタッチすれば抽出が始まるので手軽ですし、メニュー数が多くないので初めてでも迷わずに済みそう
機能はシンプルですが、抽出の方法はフラッグシップモデルと同じ。摩擦熱が発生しにくい低速で回転するコーン式グラインダーで豆から挽き、最適なタンピングと圧力で抽出します
電源のオン/オフ時に自動で内部洗浄が実行されるので、普段はカス受けに溜まったカスを捨てるだけでOK
もちろん、トレイやカス受けなどのパーツは取り外して洗浄可能。パーツの分解や組み立てもわかりやすく、迷うことはないでしょう
給水タンクに装着することでコーヒーマシン内部への石灰分の付着を軽減する「軟水化フィルター」も標準搭載。フィルターの交換目安は約2か月です
「マグニフィカS ECAM23120」同様に、「マグニフィカ スタート」にも自動でミルクを泡立てる「ラテクレマシステム」は搭載されていませんが、ミルクフロッサーを備えているので、手動でミルクを泡立ててカフェラテやカプチーノなどのミルクメニューが楽しめます。
左端にあるのが「ミルクフロッサー」。ミルクを温めて泡立てるためのスチームが出ます
メニューのいちばん左側にあるのが、ミルクフロッサーを使用する際にタッチするアイコン。牛乳を入れたミルクジャグにミルクフロッサーを挿入し、「スチーム」アイコンにタッチしてランプが高速点滅したら、左上にあるスチームノブを左のほうに回すと、スチームが出ます
ミルクジャグに真っ直ぐミルクフロッサーを入れ、手の平の上にミルクジャグをのせて温度を確認しながら泡立てます。手の平が熱くなってきたら、止めどき。スチーブノブを元の位置に戻してスチームを止めます
エスプレッソに注ぎ入れればカフェラテが完成。このミルクを泡立てた人はミルクフロッサー初心者でしたが、それでもこんなに上手にフワッとした滑らかなミルク泡が作れました
ミルクフロッサーから出る蒸気を使い、ミルクの中で空気を対流させることで泡を作るため、蒸気が出る部分をどのくらいミルクに浸すかなどで泡立ちが変わります。上手に泡立てるには、本来、ある程度技術が必要ですが、「マグニフィカ スタート」のミルクフロッサーは空気を取り込みやすい機構を採用しているので、初心者でもうまく泡立てることが可能。筆者をはじめ、何人かの初心者が試しましたが、全員、いい感じに泡立てられました。手動で泡立てるというと敷居が高く感じますが、それほど身構えなくても大丈夫でしょう。