冬の北国ドライブが大好きなライター、マリオ高野です。
2024年シーズンも愛車にスタッドレスタイヤを履かせてウインタードライブを楽しんでいますが、毎年頭を悩ませるのは、この季節ならではの、特殊な汚れが愛車に付着すること。
日本の高速道路では冬季になるとマメに凍結防止剤が撒かれます。安全性が高くなる半面、愛車が塩まみれになってしまう難点が……
冬の降雪エリアでは、路面に凍結防止剤として、白い粒状の塩化カルシウム(塩カル)、または塩化ナトリウムが撒かれます。路面の凍結によるスリップ事故などを防ぐために欠かせないものであり、走行安全には大変役に立つものの、愛車が塩だらけになってしまうのがツラいところです。
氷や霜のように見える白い粉は、多くの場合路面に撒かれた凍結防止剤です。晴れた日の場合、ボディはそれほど汚れませんが、車体の下周りは塩の粉を浴びることになります……
路面に撒かれた凍結防止剤が自動車に与える悪影響として、車体の錆や腐食の進行を早めることが懸念されます。
たとえば国土交通省は、「凍結防止剤の主な成分である塩化ナトリウムや塩化カルシウムが、自動車などの金属を腐食させるかどうかは、その濃度に依存しますので、一概に判断することができません」としております。
しかしNEXCO東日本は、「凍結防止剤の主な成分である塩化ナトリウムは、自動車などの金属を腐食させる要因のひとつとなり得ますので、冬期間に高速道路を走行後は、下周りなどの洗浄をお願いいたします」としています。やはり凍結防止剤で汚れたクルマは、なるべく早く洗浄したいものです。
筆者の場合、家賃相場の安い郊外暮らしなので、自宅の庭で洗車ができるのですが、水道の水圧だけでは、車体の下周りを洗浄する際に物足りなさをともなうので、家庭用の高圧洗浄機の必要性を感じておりました。
そこで選んだのが、世界的に名高い高圧洗浄機ブランド、ケルヒャーの「K2クラシック カーキット」という、比較的安価な洗車専用の製品を購入しました。
ケルヒャー「K2クラシック カーキット」。本体は3.8kgと軽量で、持ち運びが容易
こちらがキットの内容物。トリガーガン、1ジェットノズル、高圧ホース5m、本体側カップリング、フォームジェット、ウォッシュブラシ、3 in 1 カーシャンプーがセットになりますが、水道から本体を繋ぐホース(もしくは給水用アイテム)は別途購入する必要があります。
筆者は、水道から本体を繋ぐホースはケルヒャー純正品を別途購入しました。
水道の蛇口とクルマの位置が離れていなければ、一般的な乗用車のサイズ(全長5m程度まで)ならホースは3mで問題ありません
カーシャンプーも付属しますが、車体の下周りに付着した凍結防止剤を洗浄する場合は、水圧だけでも大丈夫です
基本的な操作感は、一般的なコイン洗車場にあるスチームと変わりません。コーティングが施されたボディなら水圧だけでも十分洗浄できますが、ボディ表面を洗浄したいときはスポンジやシャンプーなども併用するとなおよいでしょう。
コイン洗車場でスチームを吹き付ける感覚で使えました
また、この「K2クラシック」は水圧調整ができません。洗車専用に購入した筆者には何も問題ないのですが、もしそのほかの用途にも使用を考えていて、水圧調整が必要であれば「K2クラシックプラス」がよさそうです。
クルマの細部までしっかり水圧をかけて汚れを飛ばせます
結果として、水道の水圧とは比較にならない高圧の水流により、車体の裏側など洗浄しにくい部分の汚れも効果的に落とせました。
水圧の強さは、一般的なコイン洗車場で使えるスチームの8割程度といった感じ。車体の下周りの汚れを、水圧による物理的な勢いで洗浄するのに十分なパワーだと言えます。
洗浄機の騒音や振動は、夜中でなければ住宅街でもまったく気にならないレベルなので、価格も含めると、家庭用の高圧洗浄機としては申し分のない総合力にて、大変気に入りました。
唯一気になったのは、付属の高圧ホースの柔軟性が乏しいことで、狭い場所ではガンの操作性があまりよくないと感じてしまいますが、慣れてしまえばある程度は解消できる程度の難点だと感じています。
また、水道の蛇口とクルマの位置が離れている場合は、給水用のアイテムを別途購入すれば、大型のバケツなどから給水できるようになるなど、電源さえ確保できればどこでも使える拡張性も備えています。
凍結防止剤が撒かれた路面を走る機会が多く、帰宅してすぐに愛車を洗車したい人に強く推奨したいアイテムです。