レビュー
マットがない、ホースがない、だから、めんどくさくない!

象印の「スマートドライ」は“ズボラな私”も毎日使える布団乾燥機だった!

花粉症の筆者にとって「布団を外に干す」のは、かなり勇気のいる行為。加えて最近はPM2.5などの問題もあるので、できるだけ外に出したくないのが本音です。そんな我が家は5年前に布団乾燥機を購入しましたが、一度使用し……友人に譲りました。なぜなら、「袋状のマットを布団の中に入れて温風を循環させる」こと、そして使用後に「一度空気の入ったマットを小さくたたんで収納する」という行為がズボラで不器用な筆者には面倒で難しいからです。

ところが同じような声が多いのか、数年前から各社より「マットいらずの布団乾燥機」が登場。一度、布団乾燥機で失敗した筆者がいろいろな布団乾燥機を試用し、ようやく「これなら毎日使える!」と思える製品を発見! それが今回紹介する象印の「スマートドライ RF-AB20」(以下、RF-AB20)なのです。

マットもホースもない超シンプルな布団乾燥機

現在いくつかのマットなし布団乾燥機が発売されています。象印はかなり早い段階からこの「マットなし布団乾燥機」を発売していますが、ほかの製品とRF-AB20の最大の違いは「ホースがない」点です。RF-AB20は製品上部がフリップのように開く形になっており、布団乾燥時はフリップを開いて布団に差し込むという使い方をします。

フラップ収納時での本体サイズは、28(幅)×13(奥行き)×35(高さ)cm。重量は約4.1kg。なかなかコンパクトです

本体裏面には持ち運び用の「取っ手」があり、部屋間の移動もラク

本体裏面には持ち運び用の「取っ手」があり、部屋間の移動もラク

使用する際は本体上部のフリップを開く。フリップは22段階で角度調整が可能

使用する際は本体上部のフリップを開く。フリップは22段階で角度調整が可能

本体の左右に「アレル物質抑制フィルター」を採用しており、吸気したアレルゲンを飛散させません

本体の左右に「アレル物質抑制フィルター」を採用しており、吸気したアレルゲンを飛散させません

コードを収納できる「コードバスケット」が付属。ただ、バスケットを装着するとフィルターが塞がるので、乾燥時は必ず外す必要があり、少々面倒

我が家では、毎日使えるように常にベッド下に装備。シンプルでコンパクトな本体なので、じゃまになりません

我が家では、毎日使えるように常にベッド下に装備。シンプルでコンパクトな本体なので、じゃまになりません

運転モードは、温度と時間を自分で決められる「マニュアル運転」と、6つのモードから選べる「コース運転」があります。マニュアル運転では、15〜180分まで運転時間を選択可能。また、風の温度を70℃以下の「温風」と50℃以下の「低温」、そして「送風」の3種類から選択できます。

いっぽう、コース運転は、大きく分けて「乾燥」「あたため」「ダニ対策」の3つの用途から選びます。「乾燥」は4コースあり、すべてのコースで最初に送風モードで布団を持ち上げ、風の通り道を作ります。「あたため」コースは、短時間で効率的に布団を温めるコース。こちらは、「標準」と「低温」の2コースを用意。そして「ダニ対策」コースでは、70℃温風を90分ずつ4回繰り返すコース。90分ごとに布団の位置を入れ替えて、布団をまんべんなく乾燥させます。

3種類の温度と8パターンの時間から布団乾燥の設定ができるマニュアル運転モード

3種類の温度と8パターンの時間から布団乾燥の設定ができるマニュアル運転モード

「乾燥」「あたため」「ダニ対策」からコースを選択できる「ふとんおまかせ運転」

「乾燥」「あたため」「ダニ対策」からコースを選択できる「ふとんおまかせ運転」

ホースがなくても布団全体がふっくらに!

ここからは実際にRF-AB20を使用してみました。前述したようにRF-AB20にはホースがないので、使用方法はフリップを開いてコースを選択するだけ。実際に使ってみると、これが意外なほど手軽です。

じつは、他社のマットなし布団乾燥機は、多くが「ホースを布団の中央まで伸ばして温風を布団全体に送る」タイプ。もちろん、これらもマットを使う製品と比較すると十分手軽です。しかし、ホースを引き出してセッティングしたり、製品によっては布団アタッチメント装着が必要であったり、少しの手間が必要でした。それに対し、RF-AB20は「ホースを伸ばす」「布団中央に位置決めする」、そしてももちろん「使用後にホースを収納する」などの手間がありません。わずかな差のように感じるかもしれませんが、毎日使用するものだけに意外とこの「少しの手間」が面倒になるものです。

毛布の上でフリップを開き、ノズル全体にかけ布団をかぶせたら準備完了。あとは、コースを選んでスタートボタンを押すだけ

ノズルと布団の間に隙間を作らないことが、布団全体を温めるポイント。ただし、フィルターに布団がかかると「ピピッ」という警告音とともに停止してしまうので注意

最初に使用したのは、一番利用するであろう「乾燥」コース内にある「標準」メニュー。このメニューは送風1分で布団に風の通路を確保し、その後約70℃の温風を59分送風して効率的に布団をあたためつつ乾燥させます。

ちなみに、RF-AB20は本体の3分の2ほどを布団内に挿入しますが、ノズルの長さは32cm程度。我が家のベッドは長さが195cmほど。そのため、セッティング後は「これで本当にベッド全体が温まるのだろうか?」と不安になりました。しかし、送風を開始して10秒ほどでこの心配は解消。なんと、あっという間に掛布団全体が風圧でフワーっと膨らんだのです。これは想像以上にパワフル!

羽根布団に送風したとたん、風の力で布団全体がフワっと膨れました。動画では、スタートして10秒ほどで、布団全体が膨らむ様子がわかります。パワフルなのに、音はなかなか静か

1時間たっても布団の中はホカホカ

さて、気になる布団の中の温度は、温め終了後すぐは布団の中心部が45℃ほど。そして、布団乾燥機の反対側にある布団の端は43℃。なんと、布団の中心と2℃ほどしか違いがありませんでした。さらに、驚いたのは保温が持続すること。保温能力は使用している布団でも変わりますが、我が家の布団では乾燥終了後して1時間で34℃、そして3時間後でも23℃とほんのり温かさをキープしていました(室温10℃時)。

足元にRF-AB20をセットしたのですが、乾燥機と反対にある枕元の温度が布団中央と2度しか変わらない結果に

足元にRF-AB20をセットしたのですが、乾燥機と反対にある枕元の温度が布団中央と2度しか変わらない結果に

このため、RF-AB20使用後も「温かいうちに早く寝て!」と家族を急がせる必要がなかったのは助かりました。もちろん、使用後数時間経過したベッドでも人肌ほどには温かく、寒い冬には身体を全体で温めてくれてとにかく快適。いつもは寝る前に数時間エアコンを使用する家族も、RF-AB20使用後は「喉が乾燥するエアコンが必要なくなった!」と大好評。

使用前、使用後の布団の厚みを比較。使用後は布団の厚みが2倍ほどになり、フカフカの感触に

使用前、使用後の布団の厚みを比較。使用後は布団の厚みが2倍ほどになり、フカフカの感触に

また、RF-AB20使用前は40%ほどあった布団内湿度は、乾燥後には23%まで低下。その後、6時間経っても湿度は上がらず、むしろ余熱効果か20%以下になりました。ちなみに、ダニが好む環境は25〜30℃前後の温度と60〜80%という高い湿度だそう。逆に50℃以上の熱と50%以下の湿度が20分以上続く環境には弱いといわれています。もちろん、説明書ではしっかりとダニ対策をするには、360分(!)の「ダニ対策」コースが推奨されていますが、なかなか家族全員分の布団に定期的に360分もかけられません。しかし、今回の結果をみる限り、毎日「乾燥(標準)」コースをするだけでも、いくらかのダニ抑制効果はありそうです。

RF-AB20の「乾燥・標準コース」使用後1時間後と4時間後の湿温計。もともと40%あった湿度が、4時間後は20%以下に

ちなみに、乾燥コースでは、今回使用した「標準」メニューのほか、送風1分と約50℃の温風で119分で布団をほんのり温める「低温」や、低温コースでも暑すぎるときに利用する送風(1分)、70℃以下の温風59分のあと15分の送風で布団を冷ます「送風仕上げ」、さらに、乾燥時間は120分と長くなるものの、トータルで標準コースよりも約30%の節電ができるという「エコ」があります。なお、今回同じ環境で試した結果、「送風仕上げ」使用直後の布団中央の温度は22℃。これなら、夏に使用しても「暑くて眠れない」ということはなさそうです。

靴や衣類の乾燥もできますが……

最近の布団乾燥機のほとんどは、「靴乾燥」や「衣類乾燥補助」に対応しています。RF-AB20ももちろん、これらの機能に対応していますが、ほかの製品のように「くつアタッチメント」や「衣類乾燥カバー」などの専用アタッチメントを付属していません。基本的には「乾燥させたい対象に送風口を向ける」だけ、という格好になります。

このため、奥行が深いブーツや、広範囲に干した大量の衣類を乾燥させるにはあまり向いていません。いっぽう、スニーカーなどの底までが浅い靴の乾燥や「雨の日などに湿気てしまったジャケットを乾燥させる」など、緊急避難的な衣類の乾燥には力を発揮してくれました。とはいえ、どちらも「布団乾燥のオマケ機能」と考えたほうがよさそうです。

靴やブーツの乾燥も可能。ブーツは倒して乾燥する必要があるため、少々場所をとります

靴やブーツの乾燥も可能。ブーツは倒して乾燥する必要があるため、少々場所をとります

狭い範囲なら衣類乾燥も可能です。ジャケットのニオイが気になる時や、次の日に体育がある子供の体操服など、緊急時の乾燥には便利

まとめ

最近よく見る「分量計量の必要がない」というジェルボール型の洗剤。アレを最初に見たときは「液体洗剤をキャップで量る手間なんて、別に面倒じゃないのに……」と思っていました。しかし、実際に使ってみると、「キャップで量る」という動作がないだけで洗濯作業が驚くほどラクになり驚いたものです。同じように、RF-AB20を使用する前も「マットなし布団乾燥機はどれも似たようなものだろう」と思っていました。しかし、実際使ってみると、ホースの出し入れがないというだけで、意外なくらい面倒さが軽減されました。

正直なところ、ホースタイプの「アタッチメントを取り換えられる」「送風口の位置を調整しやすい」などのメリットは魅力があります。しかし、筆者のようにズボラな人間にとっては、少々融通がきかなくても「毎日続けられる簡単さ・手軽さ」が一番重要。ズボラ代表の筆者としては「布団乾燥機を購入したことはあるものの、面倒で続かなかった」という人に、特に使っていただきたい製品だと思います。ですが、RF-AB20は基本性能が高く布団乾燥機としての満足度が高い良品なので、ズボラさんだけでなく、これから布団乾燥機を購入しようとしているほとんどの人が買って後悔しない良品だと感じました。

倉本 春

倉本 春

パソコン雑誌編集者からドッグカフェオーナーという、異色の経歴を経た家電ライター。家電を活用することで、いかに家事の手を抜くかに日々頭を悩ませている。

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