レビュー

押しても引いても“叩き”が利く「ふとんパンチクリーナー」が軽快!

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花粉やPM2.5は落ち着いてきたものの、これからの梅雨シーズンも布団干しの悩みは続く。そこで活躍が期待されるのが、ふとんクリーナー。今回は、“毎分約4,000回×2倍”で布団を叩いて吸引するLGエレクトロニクス「ふとんパンチクリーナー VH9231DS」(以下、VH9231DS)の使い勝手や吸引力を試してみた。

構造をチェック!

ふとんクリーナーの王道の掃除方法である“振動を加えて布団の奥に潜むハウスダストなどを叩き出し、吸引する”という機構をVH9231DSも採用しているが、寝具に振動を与えるプレートが大きいのが特徴。しかも、吸込口の前後に配置しており、約4,000回/分で叩くプレートが2枚=一度に約8,000回/分の振動を生み出す。さらにフォルムも独特で、円錐形や三角錐、ハンディクリーナーのような形が多い中、VH9231DSはひょうたんのような姿をしている。これは独自性を主張した形状ではなく、使いやすさに配慮した人間工学にもとづいて設計されたフォルムなのだという。また、本体を収納する台にUV除菌の機構を設けることで吸引部分の衛生に配慮しているのもポイントだ。

サイズは200(幅)×267(高さ)×417(奥行)mmとなっており、比較的高さがある。後方に向けて約40°の傾斜を設けることで、手首や腰への負担を軽減

凸凹の付いた半円型の黄色いパーツが、寝具を叩くためのプレート。一般的なふとんクリーナーは吸込口の前方に搭載されているが、VH9231DSは吸込口を挟んで前後に2つ装着している。また、プレートのサイズも大きい

プレートの動きは下の動画で見てほしい。小刻みに振動して、1分間に4,000回振動(1プレート)して布団を叩く。

ダストボックスはボタンを押すと飛び出るようになっており、抜き取りやすい。容量は0.2L
※使用後のため、ダストボックス内にゴミが入っています

排気をクリーンにするために、ダストボックスにはスポンジフィルター(写真中央)とタンニン酸をコーティングしたHEPAフィルター(写真右)を搭載。これにより、ダニなどのアレル物質が99%以上不活化するという
※使用後のため、汚れています

本体を立てかけておける台には、紫外線を照射する機構を搭載。掃除後に本体を設置すると、自動で約5分間UV照射が行われ、吸込口などを除菌してくれる

布団を掃除してみよう!

運転モードの選択肢はないため、寝具の種類を問わずにスタートできる。実際の布団を掃除機がけする前に、吸引力のほどを賞味期限切れの小麦粉で試してみた。ちなみに、吸込仕事率は70W。エントリーモデルのハンディクリーナー並みといってよいだろう。

運転開始/停止のスイッチのみなので、モードは気にせずスタート!

運転開始/停止のスイッチのみなので、モードは気にせずスタート!

布団に小麦粉を撒き、1往復してみる

布団に小麦粉を撒き、1往復してみる

前方に1回通過させただけでは少し小麦粉が残っていたものの、そのまま後ろに引いて1往復させるとしっかり除去できた。大きなプレートを2枚装着しているので振動による周囲への飛び散りを懸念していたが、心配はいらなかったようだ

ゴミの取れ具合は上々であることが確認できたので、筆者が使用しているシングルサイズの綿布団を掃除してみよう。

布団に接するのは吸引部とローラーのみなので、一般的なふとんクリーナーに比べると摩擦による抵抗が少ない。重量は2.1kgということだが、もっと軽く感じる

三角錐フォルムのふとんクリーナーよりもハンドルが上のほうにあるため持ちやすく、押したり引いたりが軽い力で行えた。アイロンをかける感覚に似ており、かなり気持ちよく動かせる。本体が長いので身体を乗り出さなくても遠くのほうに届くのも◎

プレートの振動と吸引力のバランスがいいためか、カバーが吸い込まれやすい掛け布団も引っかかりは感じず

排気が身体や寝具にかからないように、布団と接しない位置から出るようになっている

排気は、身体や寝具にかからないように布団と接しない位置から出るようになっている

布団一式(掛け布団&敷布団のそれぞれ表面のみ)を掃除してみたところ、これだけのゴミが取れた。綿ゴミも多いが、微細じんもフィルターにびっしり付着

ゴミ捨てはフタを取って中身を廃棄すればOKだが、上の写真でもわかるようにフィルターにゴミがびっしりと付いている。分解して水洗いしたほうが、よさそう

ただし、HEPAフィルターは水洗い禁止。付属のブラシで定期的に手入れをしておこう

ただし、HEPAフィルターは水洗い禁止。付属のブラシで定期的に手入れをしておこう

まとめ

一番感動したのは、操作性のよさ。実際の重量を感じさせないほど軽い力で動かせるので、布団全体をすばやく掃除できた。人間工学にもとづいたデザインの詳しいことはわからないが、手首の疲れは劇的に少ない。操作が苦にならないということは、頻繁に利用するためのとても重要な要素である。もちろん、ゴミの取れ具合も上々。吸込口の前後にプレートを配置している点は秀逸で、本体を押しても引いてもどちらの走行でも“叩き”が利くのだ。一般的なふとんクリーナーのように前方にしかないと引きの動きでは振動を与えることができない。非常に効率のよい構造だと言えるだろう。

ただし、少し気になったのはダストボックスの機構。スポンジフィルターとHEPAフィルターによる二段構造で微細じんを外に漏らさない工夫は評価できるものの、HEPAフィルターは洗えないため、手入れの際、どうしても付いたゴミが飛散してしまう。HEPAフィルターは毎回手入れしなければならないものではないし、袋に入れるなどして対処すれば問題ないが、細かいゴミまでしっかり吸い取れ、掃除後の除菌といった気配りも申し分ないだけに、ダストボックスが改良されるとうれしい。

神野恵美
Writer
神野恵美
雑誌記者・編集者などを経て、2004年に渡仏。2006年に帰国後はさまざまな媒体において、家電をはじめ“ライフスタイル”的切り口で多ジャンルの記事を執筆。
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中村真由美(編集部)
Editor
中村真由美(編集部)
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。気づけば15年以上、生活家電の情報を追い、さまざまな製品に触れています。
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