特別企画
プロ目線でガチ検証! 洗濯家・中村祐一の「これ、使ってみたい!」

シャープのドラム式洗濯乾燥機「ホームクリーニングコース」の実力は?

こんにちは! 洗濯家の中村祐一です。新連載「これ、使ってみたい!」では、私が「使ってみたい!」と思った洗濯グッズや機能を実際に使用し、プロ目線でレビューしていこうと思います。

今回は、シャープのプラズマクラスター洗濯乾燥機「ES-ZP1」を使わせていただきました。「ES-ZP1」は、ガンコな泥汚れや黄ばみを落とす「極め洗いコース」や、洗剤を使わず5分ほどで予洗いができる「サッと予洗いコース」に対応するのが特徴ですが、もっとも興味を引かれたのは、「マイクロ高圧シャワー」という洗浄方式。水を毎秒100万個以上の小さな水滴にして衣類に噴射し、細かい水滴が布地の目を広げずに繊維の奥まで入り込むことで、汚れを弾き飛ばすという機能です。

傷みや縮みを抑えながらしっかり洗える「ホームクリーニングコース」を試してみました

私が特に注目したのは、「マイクロ高圧シャワー」を利用した「ホームクリーニングコース」です。「ホームクリーニングコース」は、デリケートなおしゃれ着の傷みや縮みを抑えつつ、「マイクロ高圧シャワー」で汚れをしっかり落として洗い上げるというコース。通常、デリケートな衣類を洗うためのコースは、型崩れや傷みを防ぐために洗濯機の機械力が抑えられているため、洗浄力が足りないことが多々あります。この洗浄力の部分を「マイクロ高圧シャワー」が補うというわけですね。今回は、汚れを付けたカーディガンとブラウスを用意し、洗浄力を見てみました。

ウール100%のカーディガン(上)と、レーヨン・ポリエステル混のブラウス(下)に、ファンデーション、醤油、ラー油、ソース、カフェラテの汚れを付けています

規定量のおしゃれ着用洗剤を入れて、汚れを付けた2枚をたたんで一緒に洗濯槽へ

規定量のおしゃれ着用洗剤を入れて、汚れを付けた2枚をたたんで一緒に洗濯槽へ

「ホームクリーニングコース」の工程は、洗い(17分間)→すすぎ3回→脱水(1分)です

「ホームクリーニングコース」の工程は、洗い(17分間)→すすぎ3回→脱水(1分)です

汚れの落ち具合をチェック!

乾かしたカーディガンとブラウスの汚れ落ちを見てみましょう。ちなみに、乾燥機能は使用していません。

ウールのカーディガン

まずは、カーディガンです。落ちにくい汚れの代表格であるラー油はシミが広がり、大変なことになっていますが……(笑)。襟付近のファンデーションも少し残っていますね。それ以外はよく落ちている印象です。

今回は汚れ落ちの検証ということで、下処理をせずにそのまま洗濯機に投入しました。実際の洗濯では軽く汚れを落としてから洗濯機に入れると思うので、汚れがここまで広がることはないでしょう

次に、型崩れや縮みを見てみましょう。全体的にひと回り程度縮んでいますが、ウールは水に漬けるだけでも多少縮む素材であることと、ニットの場合は干す時に引っ張って伸ばせばある程度戻るので、許容範囲ではあると思います。

同じカーディガンの、洗っていないものと重ねています

レーヨン・ポリエステル混のブラウス

続いて、ブラウスを見てみましょう。こちらも、ラー油とファンデーションが少しだけ残っています。加えてソースの汚れがうっすら残っていました。

こちらも、洗濯機に入れる前に下処理をすれば、さらに汚れを落とすことができると思います

こちらも、洗濯機に入れる前に下処理をすれば、さらに汚れを落とすことができると思います

型崩れや縮みはどうでしょうか。袖丈など、縮みが出ています。こちらも水に漬けるだけでも多少縮む素材で、濡れている間に引っ張ることである程度回復しますが、こういったブラウスなどはニットよりは回復しにくいです。特にレーヨンは水に濡れると弱くなるので、引っ張る時にも注意が必要です。ぴったりサイズで購入した衣類の場合は、やや縮みが気になるかもしれませんね。

同じシャツの、洗っていないものと重ねています

同じシャツの、洗っていないものと重ねています

一般的な縦型洗濯機のドライコースで洗ったものと比べてみました

汚れ落ちの比較のために、もう一組同じカーディガンとブラウスを用意し、一般的な縦型洗濯機のドライコースで洗って比べてみたところ、いずれも「ES—ZP1」の汚れ落ちが優勢でした。

2枚とも、左が一般的な縦型洗濯機で洗ったもの、右が「ES-ZP1」で洗ったもの

完全に汚れが落ちるようにするには、液体洗剤を部分的に塗ってぬるま湯ですすぐなど下処理が有効だと思います。また、「マイクロ高圧シャワー」は一定のところにしか吹き付けられない印象なので、噴射の方法や、吹き付ける方向が多様化すれば、より高い洗浄力が期待できるのではないでしょうか。

「マイクロ高圧シャワー」に一定の効果を実感しつつも、気になる点

上で書いてきたように、「マイクロ高圧シャワー」には一定の効果を感じました。ただし、気になる点もあります。今回使用した「ホームクリーニングコース」は運転時間の変更ができず、かつ運転時間が長めだということ。これによって、洗浄力とのバランスをとっているのだと思いますが、水に濡れている時間が長いほど。色落ち、縮み、風合いの変化など、衣類への影響も出やすくなります。もう少し設定に流動性があると、おしゃれ着をサッと洗いたいという場合にも使用しやすいのではないでしょうか。

また、同時に気になるのが、先日同社から発売された「超音波ウォッシャー UW-A1」の存在。「ホームクリーニングコース」を使用する場合も下処理が必要という話をしましたが、「超音波ウォッシャー」は、そんな下処理に大変有効なアイテムだと思います。実際に使わせてもらったところ、シャツのエリ汚れや食べこぼしなど、面白いように落ちていきました。そこで感じたのが、この「超音波ウォッシャー」がある前提で洗濯機が作られていれば、もう少し洗濯機の設定は変わってくるのではないか、ということ。特に汚れが気になる部分を「超音波ウォッシャー」でケアしてから洗濯機に入れれば、もっと洗浄時間が短くでき、服への負担もより減らせるはずだからです。

現状では、洗濯機と「超音波ウォッシャー」がそれぞれ独立しているため、「超音波ウォッシャー」を使った後に「ES-ZP1」を使うと、「マイクロ高圧シャワー」の存在に疑問符が付いてしまう。どちらも同じメーカーが作っている製品なのに、そうじゃないように感じられるのです。それぞれが独立した高性能な製品ではありますが、それだけでは非常にもったいないように感じてしまったので、洗濯機も「超音波ウォッシャー」も単なる機械ではなく、「シャープが考える洗濯のカタチ」を実現するためのものであってほしいですね。

「超音波ウォッシャー」の箱に書かれていた「今までなかった新しい洗濯」という言葉。「ES-ZP1」はもちろん、衣類に関わる全てのアイテムで連携させて実現してほしいと思います

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【関連リンク】
《2018年》おすすめのドラム式洗濯乾燥機、縦型洗濯機7選! 本当の狙い目はこれ

中村祐一

中村祐一

国家資格のクリーニング師で、洗濯アドバイザー。“洗濯王子”の愛称で呼ばれ、テレビや雑誌などの各種メディアでも活躍中。自身のホームページでも、洗濯に関する相談などを受け付けている。

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