自室などの小部屋に最適な1万円以下のコンパクト機

スチーム式を採用したアイリスオーヤマの加湿空気清浄機は“うるおい不足”知らず!

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加湿器と空気清浄機を別々に用意するよりも設置場所が抑えられるため、人気の高い加湿空気清浄機。しかし、加湿と空気清浄を同時に運転した場合、それぞれの性能が最大限に発揮できていないことがあります。その原因は、風量制御が一括で行われていることと、浄化した空気と加湿した空気の排出口が共通であること。センサーを駆使したり、風路を分けるなどして対策しているメーカーはあるものの、市場にある大半の加湿空気清浄機はこの問題をクリアできていません。そんな中、アイリスオーヤマ「HXF-A25」が、新発想の構造で加湿空気清浄機の課題を解決したといいます。そこで、HXF-A25の仕組みと実力を自宅で調査してみました。

サイズは297(幅)×510(高さ)×247(奥行)mmで、適用床面積(空気清浄運転時/加湿運転時)は10畳/8畳(プレハブ洋室)

加湿も空気清浄もフル性能を発揮できる仕組みとは?

加湿+空気清浄運転で利用している時に空気清浄の性能がフルに発揮でないのには、加湿の方式が大きく関係します。現在、加湿空気清浄機にもっとも多く採用されている「気化式」は、フィルターでろ過された空気が水で湿った加湿フィルターを通過することで室内を加湿。しかし、この加湿フィルターを通る時に抵抗で風量が落ちてしまうため、空気清浄の性能がダウンしてしまうのです。風路を「空気清浄用」と「加湿用」に分けている製品ならば問題ありませんが、1つの風路となっているものが大半であるのが現状。そして、加湿能力が最大限に生かせない事態は「自動運転」の時に発生します。自動運転では室内の空気の汚れやニオイをセンサーで見張り、風量をコントロールしていますが、そのセンサー精度によっては空気清浄が優先されてしまい、“空気がキレイになった→風量控えめに切り替え”となることがほとんど。すると、湿度は不十分なまま加湿まで控えめ運転になってしまうのです。

たとえば、ダイキンの最上位モデルの加湿空気清浄機「MCK70T」は加湿フィルターを通過しない風路を用意(赤い囲み部分)。2つの風路を装備することで、加湿オン時も風量が落ちないそう。このような工夫が施されていない場合、空気清浄能力はダウンしてしまいます

そんな加湿空気清浄機の課題を、加湿方式を「スチーム式」にすることで解決したのがHXF-A25。スチーム式はヒーターで水を加熱し、発生させた蒸気で空気をうるおすというもので、加湿スピードや効果は他の加湿方式よりも断然高いのですが、従来の加湿空気清浄機では機構上、採用するのが難しい方式でした。では、これをHXF-A25はどのように解決したのでしょうか。実は、本外上部は加湿器、下部が空気清浄機といった感じで完全に分かれた構造となっているのです。吹出口も別々に用意されているため、お互いの風量に影響されることはほとんどありません。

加湿の機構は、本体上部にまとめられています。水タンクの容量は約2Lで、連続加湿時間は約7時間。天面にある吹出口は加湿時に蒸気を出すためのものです

吹出口のパーツを取り外したところに、ヒーターがあります。水タンクからヒーターのある部分に溜まった水が加熱され、蒸気となって室内に放出

空気清浄のための機構は一般的な空気清浄機と同じで、本体内に数枚のフィルターを内蔵。プレフィルターと集じんフィルターで汚れをキャッチし、活性炭フィルターでニオイを除去します。集じんフィルターには、0.3μmの 粒子も99.97%以上捕集するHEPAフィルターを採用

室内の空気の吸い込みは本体側面から行い(赤色の囲み部分)、フィルターでろ過したキレイな空気を背面の吹出口(水色の囲み部分)から放出します

6畳の部屋で加湿と清浄の実力を調査!

さっそく、加湿+空気清浄運転の実力を鉄筋コンクリート建てのマンションの部屋(6畳)で検証してみました。なお、HXF-A25には運転を自動制御するセンサー類は搭載されていないため、自動運転モードはありません。風量(静音/標準/強)や加湿の運転(標準/うるおい)の切り替えは、手動で行います。ただし、湿度センサーで室内の湿度は検知しており、加湿運転の「標準」では湿度50%、「うるおい」では湿度60%に達すると加湿運転を停止。湿度が下がると再び加湿運転が始まるようになっているので、高湿になるおそれはありません。

空気清浄単独での運転と、加湿+空気清浄の運転はできますが、加湿のみの運転はできません。今回は、加湿「うるおい」、風量「標準」の各モードでスタート!

「標準」の風量は1.2u/分で、細く切って束ねたビニールは数本がなびく程度でした。運転音は生活音にかき消されてしまうほど小さいため(33dB)、普通に過ごしている分には気になることはないでしょう

運転を開始すると2〜3分後に蒸気が発生。吹出口付近の蒸気の温度は100℃以上になるので、手を近づけたり触れないように注意してください

その後、30分足らずで湿度は60%に到達。運転前は41%だったので、かなりスピーディーな加湿ができることを確認できました。部屋の場所によって若干差異はありますが、本体から1mほど離れたところで計測した結果は58%! 湿度ムラの程度から見ても、風量「標準」でも空気の循環具合はよさそうです

空気清浄の実力は視認できないため明確には断言できませんが、ニオイの強いものを部屋で食した時も残留臭が普段よりも早く消えたような気がします。また、掃除した際のほこりっぽさも軽減された印象。とはいえ、「標準」の風量はそれほど強くないので、掃除機がけをしたり急いで浄化したい時には「強」にしたほうがいいかもしれません。

「強」にすると、吹出口に装着したビニールの束すべてが勢いよくなびくほどの風が放出されました。風量(50Hz)は2.3u/分で、運転音(50Hz)は41dB

お手入れの手間はどれほど?

清浄能力や加湿力を保持するためには、本体内部のお手入れが欠かせません。とくに加湿機構は雑菌が繁殖しやすいので注意が必要ですが、ヒーターで加熱して加湿するスチーム式は気化式に比べると水垢やヌメリが発生しづらく、衛生的なのが特徴。気化式のような加湿フィルターもないので、手入れは断然ラクです。その半面、ヒーターに付着するミネラル(カルキ)除去はクエン酸を使って定期的に行わねばなりません。といっても、搭載されている洗浄コースで“おまかせ”できるため、それほど手間には感じないでしょう。

ヒーターのお手入れが必要になると「加湿ヒーターお手入れ」ランプが点灯します

ヒーターのお手入れが必要になると「加湿ヒーターお手入れ」ランプが点灯します

パーツを取り外し、ヒーターの部分にクエン酸5gを投入。その後、パーツをもとに戻し、水タンクに給水してからセットします

あとは「洗浄」ボタンを押し、約2時間運転が終了するのを待ちましょう。洗浄運転が終わったら再びパーツを外して溜まった水を捨て、本体に残っている水分を拭き取ればヒーターの手入れは完了

フィルターの手入れは月に1回のペースで実施。プレフィルターに付着した汚れを、掃除機で吸い取りましょう。なお、集じんフィルターと活性炭フィルターは約2年を目安に交換する仕様となっているため、手入れは不要

まとめ

これまでいくつかの気化式の加湿空気清浄機を使ってきましたが、正直なところ、加湿においては力不足を感じていました。今回、スチーム式のHXF-A25を使用してみて、加湿のパワフルさを実感。目標の湿度までスピーディーに到達するのは魅力です。ただし、スチーム式はヒーターで加熱するため、電気代には要注意! スペック表によると加湿+空気清浄「強」運転での消費電力は283W(50Hz)。空気清浄のみの運転の場合、「強」が23Wであることから加湿には260W必要なようです。基本的に空気清浄機は24時間稼働が望ましいと言われているので、風量「標準」(消費電力13W)で加湿をオン(消費電力260W/推定)で運転した時の電気代を算出してみると、1日約177円。単純に計算すると1か月5,000円以上かかってしまいます。もちろん、加湿運転は湿度50%、もしくは60%に到達すると停止しますが、ある程度電気代がかかることを意識しておくほうが賢明でしょう。搭載されている、2時間、4時間で加湿が切れるオフタイマーを利用すると安心かもしれません。

先に加湿についてのいいところと気になるポイントを記しましたが、加湿が必要な時期は限られています。これからの季節は、加湿よりも除湿が必要になりますからね。HXF-A25は加湿と空気清浄の構造がきっちり分かれているため、加湿機能を搭載しない空気清浄機としても、もちろん利用可能。センサー制御を利用した自動運転はできませんが、シンプルな分、10,000円以下という価格は魅力です(2017年3月6日時点の価格.com最安値は8,904円)。風量調整は自分ですると割り切って、子ども部屋や書斎など2台目、3台目の加湿空気清浄機として選ぶのはありなのではないでしょうか。

ティッシュペーパーがわずかにそよぐ程度の風量「静音」(0.5u/分)も搭載されています。運転音(50Hz/60Hz)は23dB/21dBなので、就寝時の稼動もバッチリ!

神野恵美

神野恵美

雑誌記者・編集者などを経て、2004年に渡仏。2006年に帰国後はさまざまな媒体において、家電をはじめ“ライフスタイル”的切り口で多ジャンルの記事を執筆。

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2017.6.29 更新
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