BBQを何度か楽しむうちに自分のBBQグリルが欲しくなってくるものですが、後片付けがめんどうそう、スムーズに炭をおこせないかもしれないといった不安があり、購入に二の足を踏んでいる人も多いのではないでしょうか。そんな方にうってつけなのが、カセットガス式のBBQグリルです。なかでも、イワタニ「カセットガス スタンドBBQグリル グリルスター CB-SBG-1」(以下、グリルスター)は“2つの使い方”ができてお得! そんな便利なグリルスターの魅力を紹介します。
グリルスターの魅力のひとつは、着火が簡単なこと。カセットガス式なので、カセットコンロと同じ感覚で使えます。しかも、グリルのプレートを外し、ゴトクの状態にすれば2バーナーに早変わり。片方をBBQグリル、もういっぽうをバーナーとして同時に使うこともできます。そして、もうひとつおもしろい仕掛けが! テーブルに置くスタイルだけでなく、キャンプサイトのキッチンスペースにマッチする、立って調理できるスタイルにも対応するのです。付属のスタンドに載せるのですが、スタンドは持ち運びの際に使用するハンドルやタイヤになるので、別途スタンドを持っていかなければならないような手間はありません(詳細は後ほど写真で紹介)。
風防も装着できるようになっており、サイズ(風防含む)は約627(幅)×439(奥行)×409(高さ)mm。グリルプレートも2枚付属します
カセットガスは1口につき1本必要なので、2口使う場合は2本装着します
カセットガスの装着部にはヒートパネルが搭載されており、連続で使用してガスボンベが低温になっても高火力を維持できます
グリルプレートを取り外して、ゴトクの状態にして使うことも可能。ゴトクには24cm径の調理器具を載せられます
バーナーヘッドが風の影響を受けないように、水皿は深い位置に配置。炎が風に流されにくくなるので、グリルプレートや鍋などにムラなく熱を伝えられます
1口あたりの火力は2,800kcal/h。282個の炎口を備えているので風に強く、安定した火力が得られます
カセットガスは横向きにセットする仕様なので、2バーナーのスタイルにしても卓上で使うことができます
スタンドに載せると、立って調理できるスタイルに。サイズ(風防含む)は、約816(幅)×519(奥行)×1,072(高さ)mmです
スタンドにグリルを装着したまま折りたためば、キャリーバッグのように持ち運び可能。総重量は約11.3kgですが、タイヤ付きなのでそれほど負担には感じないでしょう
カセットガス式は手軽さが魅力ですが、炭火のようにおいしく焼けるのかが気になるところ。炭火は遠赤外線の効果で、外側はカリッと内側はジューシーに焼き上がりますが、ガス火はどれほどの仕上がり具合なのかを、普段、炭火のBBQグリルを使っている筆者が確かめます。
BBQグリルとして使う際は、水皿に約400ccの水を入れます
グリルプレートは熱伝導率の高いアルミダイキャスト製。厚手で蓄熱性にもすぐれるので、お肉がおいしく焼けそうです
ステーキ肉と野菜を焼いてみます。なお、食材にはそれぞれに最適な火加減があるので、肉と野菜は分けて調理するほうがおいしく焼けるでしょう。炭火の場合、このようにしっかり火加減を分けるのは難しいですが、2口あるグリルスターならカンタン!
グリルプレートにはスリットが入っているので、炎が直接肉に当たって高火力で焼くことができます。焼け具合をチェックすると、おいしそうな焼き目がついていました!
ステーキ肉は4分ほどで焼き上がりました。包丁で切ってみると、肉汁があふれ出てきておいしそう! 高火力なので、炭火同様に外はカリッ、中はジューシーに短時間で焼けて大満足です
野菜も、グリルプレートのスリットから入る直火でいい焼き色に。火はしっかりと通りながらも、食材には水分がたっぷりと残っており、香ばしいのにみずみずしい味わいです
続いて、グリルプレートを外して2バーナーにした性能をチェック! いろいろなメーカーから2バーナーがリリースされていますが、なかには火力が弱く、お湯をわかすにも時間がかかったり、バーナーヘッドが小さくて焼きムラができてしまったりする製品もあります。BBQグリルにもなるグリルスターの2バーナーとしての実力は、どれほどなのでしょうか。
グリルプレートを取り外して2バーナーの仕様にし、パーコレーターとフライパンをセット。パーコレーターはサイズがちょっと小さめでしたが、無事、ゴトクに載せることができました
パーコレーター入れた約1.2Lの水は6分24秒で沸騰しました。とはいえ、パーコレーターの底から火がはみ出さないように火力を調整しているため、最大火力ではありません。にも関わらず、6分強で沸かせるなら文句なし! 大きめの鍋を使い、最大火力で加熱すれば、当然ながらもっと早く沸かせます
焼きムラのチェックをすべく作ったホットケーキは、ご覧のとおり。火加減が少し強かったのか焦げてしまいましたが、焼け具合の均一さは上々です
BBQは楽しいですが、とかく、片付けがめんどう。グリルスターは炭の後始末がないので片付けが断然ラクなのは間違いありませんが、グリルプレートにはフッ素加工を施し、ゴトクや水皿はホーロー仕上げとすることで汚れを落としやすく工夫されています。
使用後のグリルプレートは肉の脂が焦げ付いて茶色くなり、落としにくそうですが……
水で流してタオルで拭くだけで、簡単に汚れが落とせました!
グリルスターはBBQグリルと2バーナーという2つの調理道具として使えるほか、卓上で使うか立って調理するか、スタイルも2通りから選べます。このように“2つの使い方”ができるのは、意外と便利。キャンプに一緒に行くメンバーやキャンプの目的に合わせ、適した調理道具に“その場で瞬時”に変更できるからです。それでいて、火力も強く、食材の焼け具合や調理のしやすさも申し分なし。今持っているものにプラスして購入しても、初めてのアウトドア用調理道具として選んでも損はしないアイテムだと思います。
また、アウトドア用の火器は屋内で使用することを禁止しているものが多いのですが、グリルスターは家の中でも使用可能。オプションとして6種類のプレートが用意されているので、左右の口に異なるプレートを載せ、自宅で卓上調理を楽しむのもいいものですよ! 価格は約37,000円(2018年7月25日時点の価格.com最安価格)と少々高めですが、「BBQグリル」「2バーナー」「家庭用コンロ」と3役もこなせるのなら、むしろお買い得かも。
焼肉プレートや網焼プレート、鉄板焼きプレート、たこ焼きプレートなど6種類のプレートが別売されています。高火力なので、たこ焼きがカリッと焼き上がるのが個人的にはお気に入り
アウトドア雑誌の副編集長職を経てフリーランスとして独立。以降、アウトドアをはじめ、グッズ、クルマ、旅行などレジャー関連を中心に執筆している。