牛島義之のアウトドアのススメ

チタン製クッカーなのに炊飯が得意!? 蒸気で炊き上げるキース「チタンライスクッカー」

あるアウトドアの仕事でご一緒したカメラマンが、クッカーで炊いたごはんを少し試食させてくれたのですが、それがとてもおいしくて、使用しているクッカーを教えてもらいました。それが、キース「チタンライスクッカー」。米と水を入れて炊く普通の方法とはちょっと異なる炊飯方式を採用しており、さらに、一般的なクッカーよりも幅広い調理に対応します。

蒸気で炊き上げる二重構造のクッカー

荷物をたくさん運べるオートキャンプでは、さまざまなクッカーを持参し、いろいろな料理を楽しむ人が多いですが、ソロキャンプや登山など荷物を少なくしたい場合はコンパクトなクッカーだけで調理することが大半です。コーヒーを淹れたり、ラーメンを作ったり、ごはんを炊くのもひとつのクッカー。でも、炊飯は火加減が難しいため、ちょっと気を抜くとすぐに焦げつくことも。特にソロ用のクッカーは、軽量化を図るため薄型化されていることが多く、食材を焦がしやすいのです。なかでも非常に薄くて軽量なチタン製クッカーは、熱伝導率も悪いので、炊飯の難易度は高め。しかし、今回紹介するチタンライスクッカーはチタン製でありながら、焦げつかさず、上手に炊飯できます。

サイズは約118(幅)×108(奥行)×158(高さ)mmで、重量は約256g。一般的なチタン製クッカーに比べると、やや重めです

サイズは約118(幅)×108(奥行)×158(高さ)mmで、重量は約256g。一般的なチタン製クッカーに比べると、やや重めです

チタンライスクッカーの重量は約256gと、一般的なチタン製クッカーに比べるとやや重め。実は、チタンライスクッカーはアウターポットとインナーポットという2つの容器を重ねて使用する二重構造になっているため、少々重量が増してしまうのです。炊飯する時は、アウターポットの内側にインナーポットをセットし、インナーポットに米と水を投入。ただし、インナーポットには複数の穴が設けられており、その穴から出た水は、アウターポットとインナーポットの隙間に流れ出ます。とはいえ、水がアウターポットに流れ出ても米は水に浸った状態で炊飯を始めるので、最初は一般的なクッカーと同じ方式で炊飯がスタート。その後、アウターポットに溜まった水が加熱されて蒸気となり、おこわや赤飯のように蒸す方式で炊き上げられます。

アウターポット(左)とインナーポット(右)、そしてフタという構成。炊飯は、アウターポットにインナーポットを入れて行います

アウターポット(左)とインナーポット(右)、そしてフタという構成。炊飯は、アウターポットにインナーポットを入れて行います

インナーポットには側面と底に複数の穴があいています

インナーポットには側面と底に複数の穴があいています

インナーポットのほうが小さいため、アウターポットの中に入れると隙間ができます。底のほうにできた4cmほどの空間に溜まった水を加熱し、インナーポット内の食材を蒸すという仕組み。食材の入ったインナーポットに直火が当たらないので、チタン製でもごはんを焦がす心配がないのです

インナーポットのほうが小さいため、アウターポットの中に入れると隙間ができます。底のほうにできた4cmほどの空間に溜まった水を加熱し、インナーポット内の食材を蒸すという仕組み。食材の入ったインナーポットに直火が当たらないので、チタン製でもごはんを焦がす心配がないのです

インナーポットの上部にはシリコン製のパッキンが装備されており、フタの隙間から水蒸気が漏れるのを防ぎます

インナーポットの上部にはシリコン製のパッキンが装備されており、フタの隙間から水蒸気が漏れるのを防ぎます

ごはんを炊いてみよう

さっそく、白米を炊いてみましょう。インナーポットには米の分量と、その分量に適した水量を記した目盛りがあるので、計量カップは必要ありません。

左写真が米の分量の目盛りで、右写真が水量の目盛り。容器の外側に記されているため、内側からは見えません。穴が目盛りの役割も兼ねているので、事前に穴の位置をチェックしておきましょう

左写真が米の分量の目盛りで、右写真が水量の目盛り。容器の外側に記されているため、内側からは見えません。穴が目盛りの役割も兼ねているので、事前に穴の位置をチェックしておきましょう

今回は1合(約160g)に近い 200gの米を炊いてみます。下から2番目が200gの米の分量の目盛りなので、その位置まで米を投入。その後、洗米します

今回は1合(約160g)に近い 200gの米を炊いてみます。下から2番目が200gの米の分量の目盛りなので、その位置まで米を投入。その後、洗米します

米の分量に該当する水量の目盛りの穴の位置まで水を入れます。その際、水が穴からアウターポットに落ちるので、数回に分けてゆっくりと注ぎ、目盛り位置で水面が止まるのを確認しましょう。規定量の水を入れたら、そのまま約30分浸水させます

米の分量に該当する水量の目盛りの穴の位置まで水を入れます。その際、水が穴からアウターポットに落ちるので、数回に分けてゆっくりと注ぎ、目盛り位置で水面が止まるのを確認しましょう。規定量の水を入れたら、そのまま約30分浸水させます

浸水工程のあと、再度、水位を確認し、水が減っていたら水量の目盛りぴったりになるように水を追加。あとは、フタをして、バーナーに載せ、強火で加熱します

浸水工程のあと、再度、水位を確認し、水が減っていたら水量の目盛りぴったりになるように水を追加。あとは、フタをして、バーナーに載せ、強火で加熱します

水が沸騰してきたら弱火にし、15分加熱。フタをロックする機能が備えられているので、容器の内圧が上がってもフタが外れたりズレることはありません

水が沸騰してきたら弱火にし、15分加熱。フタをロックする機能が備えられているので、容器の内圧が上がってもフタが外れたりズレることはありません

加熱が終わったら火を消して、5分ほど蒸らします。なお、蒸らし工程後、フタを外しますが、フタのハンドルはシリコンで覆われているので加熱直後でも熱くなく、素手で持つことも可能

加熱が終わったら火を消して、5分ほど蒸らします。なお、蒸らし工程後、フタを外しますが、フタのハンドルはシリコンで覆われているので加熱直後でも熱くなく、素手で持つことも可能

炊き上がったごはんが、こちら!

炊き上がったごはんが、こちら!

食べてみると、食感がちょっとやわらかめ。しかし、香りがよく甘みもあり、もっちりとした感じでおいしかったです。もちろん、鍋底に焦げつきはありません

食べてみると、食感がちょっとやわらかめ。しかし、香りがよく甘みもあり、もっちりとした感じでおいしかったです。もちろん、鍋底に焦げつきはありません

炊飯後のアウターポットの中を見てみると、30mlほどの水が残っていました。水が残っていたため、底面が焦げついたり変色することはありませんでしたが、水が沸騰したあと15分以上加熱し続けると、水分がなくなり、空炊きになる可能性があるので気をつけましょう

炊飯後のアウターポットの中を見てみると、30mlほどの水が残っていました。水が残っていたため、底面が焦げついたり変色することはありませんでしたが、水が沸騰したあと15分以上加熱し続けると、水分がなくなり、空炊きになる可能性があるので気をつけましょう

ちなみに、折りたたみ式のハンドルが付いているので、引き出した状態で加熱すれば、バーナーから下ろすのもよりラクに。グローブをはめていてもしっかり握れるサイズ感です

ちなみに、折りたたみ式のハンドルが付いているので、引き出した状態で加熱すれば、バーナーから下ろすのもよりラクに。グローブをはめていてもしっかり握れるサイズ感です

ごはんの温め直しもできる!

二重構造のチタンライスクッカーは、蒸し器のような使い方で冷めたごはんの温め直しもできます。

アウターポットに水を入れます。内側にセットするインナーポットが浸らないくらいの水量にしておきましょう

アウターポットに水を入れます。内側にセットするインナーポットが浸らないくらいの水量にしておきましょう

最初に、アウターポットに入れた水を火にかけます

最初に、アウターポットに入れた水を火にかけます

水が沸騰したら、温め直したいごはんを入れたインナーポットをアウターポットにセット

水が沸騰したら、温め直したいごはんを入れたインナーポットをアウターポットにセット

フタを閉めて、中火で約5分加熱します

フタを閉めて、中火で約5分加熱します

蒸気で包み込むように加熱されるからでしょうか。5分で冷めたごはんが、炊きたてのように熱々になりました。アウトドアで温め直しができるのは、便利!

蒸気で包み込むように加熱されるからでしょうか。5分で冷めたごはんが、炊きたてのように熱々になりました。アウトドアで温め直しができるのは、便利!

当然、蒸し料理もできる!

炊飯がうまくできたので、次は、食材を変えて、蒸し料理を試してみます!

前出のごはんの温め直しと同じように、まず、アウターポットに入れた水を沸騰させます

前出のごはんの温め直しと同じように、まず、アウターポットに入れた水を沸騰させます

水が沸騰したら、食材を入れたインナーポットをセット。フタができるギリギリまで食材を入れてみたところ、にんじん(小)1本、さつまいも(大)1/2本、ソーセージ3本が収まりました。ちなみに、にんじんとさつまいもは火が通りやすいように厚さ1cmくらいにカットしてあります

水が沸騰したら、食材を入れたインナーポットをセット。フタができるギリギリまで食材を入れてみたところ、にんじん(小)1本、さつまいも(大)1/2本、ソーセージ3本が収まりました。ちなみに、にんじんとさつまいもは火が通りやすいように厚さ1cmくらいにカットしてあります

あとは、フタをして中火で約15分加熱。蒸気とともにソーセージのいいにおいが漂い、食欲をそそります

あとは、フタをして中火で約15分加熱。蒸気とともにソーセージのいいにおいが漂い、食欲をそそります

15分加熱したあと、にんじんに竹串を刺してみるとスッと通りました。これで完成です

15分加熱したあと、にんじんに竹串を刺してみるとスッと通りました。これで完成です

さつまいもはもちろん、にんじんも甘くてとってもおいしい! 味付けしていないことを途中まで忘れていたほど、素材の味だけでイケます。ソーセージの皮が弾けて肉汁が出てしまうこともなく、おいしくいただけました

さつまいもはもちろん、にんじんも甘くてとってもおいしい! 味付けしていないことを途中まで忘れていたほど、素材の味だけでイケます。ソーセージの皮が弾けて肉汁が出てしまうこともなく、おいしくいただけました

炊き込みごはんも作れる?

普通のごはんは上手に炊け、蒸し料理もおいしく作れましたが、チタンライスクッカーは一般的な炊飯のように炊く方式ではないので、味の付いた炊き込みごはんも炊くことができるのかが気になりました。ということで、自宅のコンロで炊き込みごはんにチャレンジ!

アウターポットにインナーポットをセットし、洗米した米と炊き込みごはんの素を入れます。自宅にあった市販の炊き込みごはんの素は2合用だったのですが、米の分量の目盛りが280gまでなので、ちょっと少なめの米で炊くことにしました

アウターポットにインナーポットをセットし、洗米した米と炊き込みごはんの素を入れます。自宅にあった市販の炊き込みごはんの素は2合用だったのですが、米の分量の目盛りが280gまでなので、ちょっと少なめの米で炊くことにしました

30分ほど米を浸水させたあと、ガスコンロに載せて加熱。アウターポットの直径は98mmなので、コンロによっては載せられない場合もあります

30分ほど米を浸水させたあと、ガスコンロに載せて加熱。アウターポットの直径は98mmなので、コンロによっては載せられない場合もあります

強火で加熱し、沸騰したら弱火にして15分……と、火力調整しようと思っていたら、途中でフタの蒸気穴から吹きこぼれが! 炊き込みごはんの素の量が多かったのかも……

強火で加熱し、沸騰したら弱火にして15分……と、火力調整しようと思っていたら、途中でフタの蒸気穴から吹きこぼれが! 炊き込みごはんの素の量が多かったのかも……

とりあえず、なんとか最後までやり抜いてみました。できあがりは……ポットにみちみちな状態です(笑)

とりあえず、なんとか最後までやり抜いてみました。できあがりは……ポットにみちみちな状態です(笑)

でも、茶碗に盛り付ければ、なかなかいい仕上がり。実食してみると、食感もほどよく、おいしい。ただ、炊飯中の対流が少ないのか、ポットの上側と下側でごはんの味の濃さが違いました(下側が薄め)。炊き込みごはんは、事前にしっかりと混ぜてから炊いたほうがいいかもしれません

でも、茶碗に盛り付ければ、なかなかいい仕上がり。実食してみると、食感もほどよく、おいしい。ただ、炊飯中の対流が少ないのか、ポットの上側と下側でごはんの味の濃さが違いました(下側が薄め)。炊き込みごはんは、事前にしっかりと混ぜてから炊いたほうがいいかもしれません

まとめ

一般的に米は、水に浸した状態で炊くのに比べ、蒸したほうがじんわりと火が通るため甘みが増すと言われています。そのことは、今回、チタンライスクッカーで炊いたごはんを食べて実感することができました。そして、最高においしかったのが蒸し料理。茹でるのと異なり、旨み成分が溶け出さないからか、甘くて濃厚な味わいでした。

また、アウターポットだけを使えば、普通のクッカーとしても使えます。熱伝導率の低いチタン製なので、火から下ろしてすぐに口を付けても熱くありません。登山をはじめ、さまざまなアウトドアシーンで重宝するのではないでしょうか。

アウターポットとインナーポットを重ねて入れた状態で、クッカー内には105gのOD缶とシングルバーナーを収納することができました。調理道具がまとめられるのは、ありがたい

アウターポットとインナーポットを重ねて入れた状態で、クッカー内には105gのOD缶とシングルバーナーを収納することができました。調理道具がまとめられるのは、ありがたい

メッシュ製の収納袋も付属します

メッシュ製の収納袋も付属します

ちなみに、チタンライスクッカーは深さがあるので、長めのスプーンがあったほうが便利。金属がこすれる音が苦手な人は、プラスチック製か木製のスプーンを用意しておくといいでしょう。

今回筆者が使用したのは、ライトマイファイヤー「スポーク」。長さが17cmあるタイプなので、底にあるごはんもムリなくすくうことができました

今回筆者が使用したのは、ライトマイファイヤー「スポーク」。長さが17cmあるタイプなので、底にあるごはんもムリなくすくうことができました

牛島義之

牛島義之

アウトドア雑誌の副編集長職を経てフリーランスとして独立。以降、アウトドアをはじめ、グッズ、クルマ、旅行などレジャー関連を中心に執筆している。

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