「どうやって撮ったの?」って聞かれたい♪ 写真がちょっと上手くなる女子カメラ教室

簡単なのにすごい効果! 「ホワイトバランス」をいじって固定概念が吹き飛ぶ1枚に

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これまでの連載の中でもちょこちょこ出てきた「ホワイトバランス」という言葉。何のことなのかちゃんとは知らなくても、1度ぐらいは耳にしたことがあるのではないでしょうか。この機能、普段はあまり気にせずとも「AUTOホワイトバランス」のままで、特に問題なく写真は撮れてしまいます。ところがこの「ホワイトバランス」は、じつはうまく使えば写真の印象をガラッと変えることのできる“使わにゃ損!”な機能の代表選手なのです!

今までツッコんで説明してこなかった「ホワイトバランス」ですが、今回はじっくりと掘り下げて、「上手に使うとこーんな写真もできちゃうよ」というテクニックをご紹介します。
(使用カメラ:ニコン「D3400」 ※画像はすべてリサイズしています)

「人影もまばらな秋の海で、親子が波と戯れているワンショット。太陽が傾き始め、少し赤っぽく色被りしていたのですが、ホワイトバランス補正で海の色をもっと青くし、お父さんの赤いシャツを際立たせてみました。赤と青のコントラストが映えて印象的な写真に。」

そもそも、ホワイトバランス(以下、WB)って何でしょうか?

ざっくりですが、白を白としてカメラが捉えるための補正機能だと思ってください。私たち人間はどんな光源下でも白は白と自動的に判断できる目を持っていますが、カメラはそうはいきません。実際に太陽光の下、電球光の下、蛍光灯の下など様々な光源下で白い紙を置いて撮影してみると、それぞれの紙は白は白でも違う白に写ります。これは、それぞれの光源が異なった色温度で発光しているから。カメラはそれぞれの光源に合った色温度を設定して撮影してあげないと、白が白でなくなった(色被りした)写真になってしまいます。それを正しく補正し、肉眼で見たときと同じような色あいにする役割が、そもそものWBという機能なのです。先述のとおり、普段はそれをいちいち手動でやらなくてもWBをAUTOにしておけば、デジカメは勝手に補正し、おおむね見た目どおりの色が再現されるようになっているのです。

さて、ここからが本題! 今回は、その本来の“白が白に見えるためのWB”という機能を逆手に取って、あえて見た目とは違う非現実的な世界の創作、および印象深い写真にするための演出としてこのWBという機能の持つ底力をフル活用してみましょう。

たいていのデジカメのWBメニューには、AUTOのほかに5種類ぐらいの光源(太陽光、電球光、蛍光灯、曇り、日蔭など)に対応した色味補正ができるモードがあります(蛍光灯モードはさらに何種類かに分かれていることも)。まずは、同じ被写体(朝陽)をさまざまなWBモードで撮影した場合の色の違いを、下の写真で見比べてみてください(すべて、F13 、1/4000、使用レンズ:AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR)。

AUTOモード

AUTOモード

電球光モード

電球光モード

蛍光灯(白色蛍光灯)モード

蛍光灯(白色蛍光灯)モード

太陽光モード

太陽光モード

くもりモード

くもりモード

日陰モード

日陰モード

これらを見ると、AUTOの設定では太陽光モードが選択されていることがわかります。そして、太陽光の下であえて電球光モードや蛍光灯モードを使って撮るとこのような色味になるということを覚えておいてくださいね(逆に、白色蛍光灯下で太陽光モードに設定して撮った場合は青っぽい写真になります)。

くもりモードや日蔭モードはよりオレンジがかり、朝焼けの雰囲気が一層伝わってきました。なぜこのようなことになるのでしょうか? 先にもチラッと書きましたが、光には温度がある(色温度)のです。色温度の単位は、K(ケルビン)と表します。太陽光の場合は時間帯や天候、人工光はその光源下によって、被写体の色は様々に変化していきます。太陽光が通常5300K〜5500Kぐらいで、それを中心に、色温度の数値が高くなればなるほど青みがかかり、逆に低くなればなるほど赤みがかります。

図1

図1

あれれ? 写真の色味とこの図とでは逆のように見えるけど……、って思いました? それもそのはず。図は本来の光源の色味(色温度)を表しており、上の6つの写真はその光源に対してカメラが色調補正した状態の結果だから。例えば、光源の色温度が高い場合、カメラはもともと青っぽくなる被写体の色をどうにか見た目のように近づけるため赤っぽく補正する(青っぽいものを赤っぽく補正しようと逆の色を被せる)からです。つまりこの日の出直前の写真の色温度は2000Kですが、それを色温度8000Kの日蔭モードに設定して撮ることにより、カメラは被写体が日蔭だと指定されたため、赤っぽく補正しようとします。なので、太陽光モードで撮ったときよりもより一層赤みを帯びた写真になるわけですね。

理屈はどうあれ、こういったカメラの習性をうまく利用することで、WBをAUTOで撮った写真よりもより個性的な面白い写真を撮ることができるというわけです。実際に見ていきましょう。

写真1  WB-AUTO、1/500、F7.1、ISO 200、使用レンズ:AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

写真1 WB-AUTO、1/500、F7.1、ISO 200、使用レンズ:AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

写真2  WB-日蔭、1/640、F7.1、ISO 200、使用レンズ:AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

写真2 WB-日蔭、1/640、F7.1、ISO 200、使用レンズ:AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

写真1はWB をAUTO モードで撮ったもので、“普通にキレイに撮れました!”って感じの写真です。同じく写真2は、太陽光下であえて日蔭モードで撮ってみました。AUTOモードでは夏のお昼頃のようにスカッとした色味で、日陰モードでは冬の午後遅めのようにくすんだ感じでなんとも不思議な色味ですが、独特の雰囲気が出せています。ほんのささやかな違いではあっても印象はずいぶん違って見えます。ただWBのモードを変えただけなので、簡単ですね。

でも、これだけではそんなに感動的とは言えません。WBの凄いところはこれから! ここまでは色温度によってWBを補正しようとするカメラの習性を使う(だます)ことを勉強しました。それは極端に言ってしまうと赤⇔青(暖色⇔寒色)の関係だけでした。では、もう少しピンクっぽくしたい、もう少し緑っぽくしたいという時はどうしたらよいのでしょう? もちろんPC 上で画像処理ソフトを使えばあとからいくらでも色は変えられますが、あとでそこまで手をかけなくてもカメラ上でのWB設定による色の微調整が結構できるのです。たとえば、今回使用したD3400だと、カメラの撮影メニュー→ホワイトバランス→晴天→と進んでいくと図2のような画面が表示されます。

図2

図2

この図2はホワイトバランス補正と言って、上下左右自由に■印を動かして、好みの色を作ることができます。横軸のB(ブルー)とA(アンバー)は色温度のところで出てきた(暖色⇔寒色)を微調整する軸で、縦軸のG(グリーン)とM(マゼンタ)は“緑っぽく”や“ピンクっぽく”したい時に動かすものと考えてください。この図2の表示どおりに、晴天モード(カメラメーカーによっては太陽光モード)にA(アンバー)4.0を足して撮ったものが写真3です。

写真3 1/100、F8、ISO100、+0.33EV、使用レンズ:AF-S NIKKOR 24mm f/1.8G ED

写真3 1/100、F8、ISO100、+0.33EV、使用レンズ:AF-S NIKKOR 24mm f/1.8G ED

ひたちなか海浜公園でコキアという植物が紅葉して真っ赤に染まっていたのですが、WBをAUTOで撮ってみたところ肉眼で見るよりも色が薄く見えたので、A(アンバー)をかけてみました。午前中の光で晴天モードにプラスしてA(アンバー)4.0 、おまけにピクチャーコントロール(カメラメーカーによってはピクチャーモードやカスタムイメージ、クリエイティブスタイルなど呼び方はさまざま)をVIVIDに設定した結果、コキアの色は肉眼で見たものにかなり近くなりました(ニコンで言うところのピクチャーコントロールとは、彩度やコントラスト、明暗度などがカメラ自体にプリセットされているありがたいモードで、スタンダード、ニュートラル、フラット、ビビッド、モノクロなど5〜7つぐらいのモードがあり、更にその先の細かい設定も独自でできるようになっています)。

次は昼頃の光で撮ったもの。写真4は晴天モードのみ、写真5は電球モード+A (アンバー)5.5+M (マゼンタ)5を加えて撮ってみました。WBを変えて、微調整をするだけでこんなにも印象の異なる写真ができあがってしまうのですから、おもしろいですね。

写真4 1/125、F8、ISO 100、+1EV、使用レンズ:AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

写真4 1/125、F8、ISO 100、+1EV、使用レンズ:AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

写真5 1/100、F8、ISO 100、+1EV、使用レンズ:AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

写真5 1/100、F8、ISO 100、+1EV、使用レンズ:AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

次ページでは、女子なら一度はやってみたい“ゆるカワ写真”の撮り方も紹介!

製品 価格.com最安価格 備考
D3400 ボディ 46,500 2416万画素のエントリー一眼レフカメラ
D3400 ダブルズームキット 66,348 2416万画素のエントリー一眼レフカメラ(標準ズーム&望遠ズームレンズキット)
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2017.1.30 更新
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