河合楽器と共同開発で音質強化

ハイレゾからレコードまで全方位対応! オンキヨー最新プリメイン「A-9150」登場

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オンキヨーから、プリメインアンプの最新モデル「A-9150」が7月上旬に登場する。メーカー希望小売価格は62,000円(税別)。フルサイズ単品コンポの入門機であり、楽器メーカー“KAWAI(カワイ)”との初コラボモデルでもある。オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンと河合楽器による共同発表会で、実機を見ることができたので詳細をお伝えしよう。

オンキヨーが、70年にわたるオーディオ機器開発の経験で培ったHi-Fi設計を投入したという「A-9150」

オンキヨーが、70年にわたるオーディオ機器開発の経験で培ったHi-Fi設計を投入したという「A-9150」

ヨーロッパで先行公開された期待のプリメインが、満を持して日本上陸

A-9150は、定格出力60W+60W(4Ω、20Hz〜20kHz、0.08%THD)を確保するプリメインアンプ。今年5月にドイツで開催された「High End 2017」で公開されており、このたび日本国内での販売が正式決定した。エントリークラスながら、デジタルからアナログまで豊富な入力端子を装備し、USB-DACやCDプレーヤー、レコードプレーヤーなど多彩な音楽ソースを楽しめる。周波数特性は10Hz〜100kHz(+1dB/-3dB)をカバー。

これまでのオンキヨー製プリメインアンプと異なる点、同時におもしろい部分は、上述の通り同社と協業関係にある楽器メーカーのカワイと共同開発されたことだ。

1.6mm厚のフラットシャーシを採用するこだわりの筐体構造。フロントパネルやノブにもアルミ素材を採用し、制振性を高めている。全高調波歪率は0.08%で、SN比はIHF-A フィルター時に107dB(LINE)、82dB(PHONO MM)、73dB(PHONO MC)となる

新開発モジュールでパワーアンプ部をリファインし音質強化

本機は、新しく開発されたディスクリート構成のアンプモジュール「Discrete SpectraModule」を搭載し、パワーアンプ部の音質強化を図っている。

このDiscrete SpectraModuleこそ、カワイと共同開発された目玉技術。オーディオメーカーと楽器メーカーのエンジニアが各ノウハウを持ち寄り、「楽器の音を忠実に再現する」という共通の目標を掲げ作り上げたものだ。このモジュールで500V/μsecを超えるスルーレートとメガヘルツ帯域までフラットなリニアリティを実現させ、動特性をハイエンドクラスまで引き上げたという。

オンキヨーとカワイが共同開発した「Discrete SpectraModule」で、楽器の響きのナチュラルな再現を狙う

オンキヨーとカワイが共同開発した「Discrete SpectraModule」で、楽器の響きのナチュラルな再現を狙う

本体フロントの入力切替スイッチ上にも、「Discrete SpectraModule」のロゴを配置

本体フロントの入力切替スイッチ上にも、「Discrete SpectraModule」のロゴを配置

ちなみに、カワイが今秋に発売する新しい電子ピアノにも、共通の回路を備える同名モジュールを搭載することが発表されている。基本は同じDiscrete SpectraModule を、A-9150ではプリメインアンプのパワー段用に最適化し、電子ピアノではヘッドホンアンプ用に最適化した形だ。なお、カワイの製品については、こちらの別記事で詳細をお伝えしているので、ぜひ参照されたい。

こちらが、カワイの電子ピアノ「NOVUS NV10」に搭載される「Discrete SpectraModule」。上のA-9150に搭載されるものと基本回路は共通だが、電子ピアノのヘッドホンアンプ用に最適化されているため、形状は大きく異なっている

ハイレゾからアナログレコードまで、全方位対応

本機は、入力端子にアナログRCA、光デジタル、同軸デジタル、フォノを備えており、デジタルからアナログまで幅広い音楽再生を楽しめる。アナログ部とデジタル部はセパレート設計とし、アナログ信号入力時にはデジタル回路をオフにすることで、相互の干渉を抑えた。

アナログ部には、独立専用基盤のフォノイコライザーを内蔵。MM/MCともに対応しており、近年その価値が再認識されつつあるアナログレコード再生への対応を強化している。MC部にはディスクリート構成のヘッドアンプを搭載するほか、MM/MCの切り替えをリレー式とし、基板上の信号経路を最短化していることもポイントだ。

デジタル部にも注力しており、最大192kHz/24bitまで対応する光デジタル入力および同軸デジタル入力を備え、DAC部にはAKMの768kHz/32bit DAC「AK4452」を採用。また、独自の「DIDRCフィルター」を搭載していることも特徴だ。DIDRCフィルターは、D/A変換時に発生する微小な動的ノイズのメカニズムを追求し、可聴帯域外からの混変調ノイズを抑制することで、可聴帯域の聴こえ方を向上させるというもの。これまで、オンキヨー製プリメインアンプの上位機種にも投入されてきた技術である。

A-9150の背面端子部。入力端子は、アナログRCA、光デジタル、同軸デジタル、フォノを備える。出力端子はスピーカーアウトのほか、フロントに6.3mm標準ヘッドホン端子も装備

下位モデル「A-9010」はMM型にしか対応していないが、本機ではMC型にも対応する。アナログ部はグランドのループを閉じてそれぞれ別々にアースを取る仕組みで、ピュアなアナログ信号伝送を狙っている

今回の発表会現地では、オンキヨーのターンテーブルと組み合わせてアナログ再生を楽しむことも

今回の発表会現地では、オンキヨーのターンテーブルと組み合わせてアナログ再生を楽しむことも

デジタル領域では、従来のローパスフィルターでは対応できなかった可聴帯域外からのノイズを抑えるDIDRCフィルターにより、「デジタル特有の音の硬さ」を抑制し、ナチュラルな再現を狙う

なお、前段で述べたDiscrete SpectraModuleは、もともとはこのDIDRCフィルターのアナログ部分を切り出して発展させたものでもある。楽器開発のノウハウを取り入れてパワーモジュール化し、さらにオーディオ用にカスタマイズした状態で搭載されている。

電源強化によってパワーと安定感を向上

大幅強化された電源部も見逃せない。パワーアンプ部の電源はトランス巻線を刷新。バスバーなどを採用することで、変動するスピーカーインピーンダンスに対するパワーリニアリティの向上を図っている。

また、内部には大容量のEI型トランスと10,000μFのカスタム電解コンデンサーを2基配置し、コンデンサーからパワートランジスタまで銅バスプレートで接続することで低インピーダンス化。内部には熱容量が大きいアルミ押し出しタイプの大型ヒートシンクを採用し、しっかり放熱にも配慮した。

本機に搭載される大型EIトランスとカスタム電解コンデンサー。ハイレベルなスピーカードライブを実現し、安定感のある音楽再生を狙っている

オーディオメーカーと楽器メーカーのノウハウが融合したオーディオ機器

本機のおもしろさは、何と言ってもオンキヨーとカワイ、それぞれの持つ“音へのこだわり”が融合していること。オンキヨーによれば、各社のエンジニアは音作りに対してまったく違うアプローチを持っていたが、「楽器の音の自然な再現」という目標は最初から一致していた。“同じ音”を目指してそれぞれのノウハウをフィードバックし、新しい発見を得ながら開発が進行したという。

楽器のナチュラルな響きや演奏のニュアンスの再現に注力したA-9150の音作りは、楽器メーカーのカワイが関わったものならでは。そして、ハイレゾ・CD・レコードと多様化する音楽リスニングスタイルをカバーする対応力は、オーディオメーカーのオンキヨーが長年培った経験が投入されたもの。オーディオメーカーと楽器メーカーが持つノウハウが、魅力的に一体化している。

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。あ、90年代アニメも好き。

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2017.10.11 更新
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